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アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

606件の記事があります。

2007年06月28日ウロコ模様【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

みなさん、こんにちは。
暑い日が本格的に続いてきましたね。湿気の多い吉野で、タオルが手放せない日々を送っているAR釜田です。

一方、大台ヶ原はまだまだ涼しく快適です(標高1400?1700m気温が約10℃低い)。今日は、先週に引き続き西大台の生き物についてです。西大台は原生的な針広混交林が広がっており、樹齢が何百年というウラジロモミ、ブナ、ミズナラの巨木が多くみられるのですが、トチノキの巨木もあります。ちょうど開花時期を迎えていました。


トチノキ(トチノキ科トチノキ属)
秋にできた実を、アク抜きしてトチ餅・トチ粥として食べたりします。
この写真のトチノキは直径1m強の大木で、コケや着生植物も豊富でした。

その樹皮を見てみると…

なにやら模様が見えます。
さらに寄ってみると…

樹皮がウロコ状の模様になっています。
(撮影:2007.6.20)

まさに自然の造形美!大木になるとこの不思議な模様が現れ、老木になると樹皮がはがれて模様が鮮明になるそうです。長い年月を経て少しずつこのような姿になったようです。触ってみると堅くザラザラしていました。
大台ヶ原には、このような巨木を所々で見ることができます。巨木を見つめながら何百年もの時間の流れを感じるのはいかがでしょうか。

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2007年06月26日6月、大峯季節だより【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

 皆さんこんにちは!
今日の吉野は梅雨の中休み。風がなく蒸し蒸しした事務所で日記を書いている吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。


写  真:山上ヶ岳
撮影場所:五番関付近(天川村)
撮影日時:平成19年6月6日


6月も終盤に差し掛かろうとしているので大峯の季節だよりをお送りします。

<気候>
・6月上旬から梅雨入り曇天の日が多くなりました。一方、気づかない間に気温は上がり、汗ばむ日が確実に増えてきています。

<6月の平均気温>
・21.5℃ 気象庁HP参照(平成17年:上北山村)

<日の出・日の入>
・日の出:4時分45 日の入19:14時分

※山間地では山に囲まれているため上記の時刻より日が早く沈むので注意して下さい。

<服装>
・日中は半袖でも十分、歩いているとかなりの汗をかきます。着替えの下着や汗ふきタオルを準備したほうが良いかもしれません。
・帽子は大助かり。(6月は紫外線が一番強い季節なので日焼け防止になりますし、雨の日はレインコート着用時に視界を確保してくれます。)
・梅雨なのでレインコートは欠かせません。撥水効果を上げるため洗浄して防水スプレーを施しておくのもお薦め。

<動物>
・今週になって標高の高い大台や大峯(1500mぐらい)ではエゾハルゼミがジィージと鳴きはじめました。
・吉野ではホタルが舞っています。

 これからが夏本番、山本番です。体調にはくれぐれも気を付けてお出かけ下さいませ!

≪お知らせ≫
 今夏も大台ヶ原の苔道にて吉野アクティブ・レンジャーがご案内する「アクティブ・レンジャーと大台ヶ原自然体験「若きアクティブ・レンジャーと一緒に大台の苔道を歩きませんか?」を開催しております。
不器用だけど一生懸命!そんな若きアクティブ・レンジャー木谷・釜田が大台の苔道をご案内します。


写  真:苔道の朝
撮影場所:大台ヶ原苔探勝路
撮影日時:平成19年6月10日


【開催日や申込方法はこちら ↓ 】

[開催日時]
 6月:30日(土)
 7月:7日(土)21日(土)
 8月: 8日(水)15日(水)22日(水)
 9月: 8日(土)15日(水)22日(土)
10月:10日(水)17日(水)24日(水)

※各日9:00? 11:00 13:30?(1時間程度)

[内  容]
 苔探勝路にて五感を使いながら旬の大台ヶ原を堪能し、大台ヶ原の自然を見つめます。また変わりゆく大台ヶ原についても分りやすく解説。

[対  象]
 一般(小学校3年生以上、小学生の参加は保護者同伴とする)

[定  員]
 先着順で各回10名

[申込方法]
 ?前日までに吉野自然保護官事務所 アクティブ・レンジャーに電話にて申し込む。TEL0746?34?2202
?当日、ビジターセンター前の受付にて直接申し込む(先着順)

[参 加 費]
 100円(傷害保険代)

[そ の 他]
小雨天決行、荒天時の野外プログラムは中止とします。



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2007年06月22日樹幹クライマー【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

みなさん、こんにちは。
昨日の夜、人気のない自宅付近を何気なく歩いていたら、川沿いでホタルを発見しました!自分だけの秘密の場所を見つけたような、嬉しい心持ちの吉野AR釜田です。

さて、今日は巡視での出来事について報告したいと思います。おととい西大台(大台ヶ原西部)を巡視していたところ、かわいい幼虫に出会いました。


体長約2cmのアオムシ。
鮮やかなグリーンが印象的で、あいらしい姿。
(撮影:2007.06.20)

しかしながら、あたりの地面を見回してみると、どこもかしこもこの幼虫がみつかりました。そしてブナの幹をよく見てみると…


幼虫が滝のようになっているところも!!
(撮影:2007.06.20)

幼虫が上へ、上へ移動していたので上を見上げてみると、ブナの葉が集中的に食べられていました。
葉っぱを上から眺めてみると…


この幼虫に食べられたと思われるブナの葉
写真右下、左上に幼虫がいます。わかるでしょうか?
(撮影:2007.06.20)

どうもブナの葉を食べて、食べ尽くしたら地面に落ちて、また木に登って…、を繰り返しているようです。この幼虫はブナハバチという昆虫かもしれません。(ある年に大発生し、ブナの葉に食害を与える昆虫だそうです。只今確認中です)なぜこんなにも大発生したのでしょうか…?

ブナはドングリをつける樹木ですが、葉を根こそぎ食べられてしまうことで(食べられても7月から8月ごろに、再度新しい葉を出すそうですが)、今年の実のなり方が心配になります。そしてドングリを、主な餌としているツキノワグマ、ネズミ類、カケス、種子を食べる昆虫などなどへの影響が気になるところです。
 この幼虫の大発生、自然に対する驚きとその不思議さを肌で感じた一コマでした。今後も注意深く追っていきたいと思っています。

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2007年06月18日梅雨の準備【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは!
本格的な梅雨入りですね!カッパに防水スプレーを塗り直し、梅雨対策を万全に執っている吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。

本日、雨が降って水かさが増した沢(公園歩道)の状況を確認すべく和佐又大普賢ヶ岳線というところに行ってきました。普段であれば雨で心が憂鬱になっているのですが、カッパを着てフィールドに出ることを楽しみにしていただけに今日の私は違いました。心の窓が曇ることなくスッキリしていたので雨の中の大自然を満喫することが出来たのです。



写  真:沢をわたるアクティブ・レンジャー釜田(大台ヶ原地区担当)
撮影場所:無双洞
撮影日時:平成19年6月18日


写  真:妖精達の大合唱    (ギンリョウソウ)
撮影場所:水太谷
撮影日時:平成19年6月18日
コメント:歌声は雨音? さすがに歌声までは聞こえて来ませんでした。


 準備一つで心の持ちようがこうも変わるなんてと思いつつ、帰り際にふと汚れたカッパに目がいき、洗うことを想像してしまったせいで憂鬱の雨が再び降りだし始めたアクティブ・レンジャーの木谷です。

いや~ホント梅雨ですね!

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2007年06月13日登山安全講習会【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

みなさん、こんにちは。
事務所への通勤路にアジサイが咲き始めており、初夏の訪れを感じる吉野です。
そろそろ近畿地方も梅雨入りするそうですね。

さて、先週の土曜日に大台ヶ原地区パークボランティアの方々を対象として、登山安全講習会が開かれたので報告します。普段、大台ヶ原でガイドや巡視などをしているパークボランティアさん。一般の利用者の方々に安全に登山をして頂くよう指導するため、安全面での知識や技術を習得してもらうのが、この講習会の目的です。
その内容は、登山をおこなう上での装備の知識(例えば、登山靴の履き方、メンテナンス)、普段携行しておきたい救急用品、ケガ人の応急処置などなどでした。


登山靴の正しい履き方のレクチャー(撮影:07.06.09)
登りは9割締め、下りは10割締めが良いそうです。


テーピングによるねんざ・脱臼患部の固定(撮影:07.06.09)
靴底がはがれた時、靴擦れした際など、様々な場面でテーピングがあると便利。


応急処置実習後、満身創痍の木谷AR(撮影:07.06.09)

講習会に参加されたパークボランティアのみなさん、そしてARも講師の説明に興味深く聞き入っていました(講習の休み時間も、装備や救急用品について熱心に講師に聞いている方が沢山いらっしゃいました)。山に入る際は「もしも」の時を考えて、装備・救急用品など調えておく必要があると改めて感じた1日でした。

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2007年06月08日大峯の小道【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

 皆さんこんにちは! 徐々に蒸し暑くなっていくさなか、爽やかに過ごそうとクールビズに努めている吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。(気持ちは常にホットです)

 先日、洞川五番関線という歩道の巡視を行いました。天川村洞川の北に位置するこの道は利用の少ない寂しい裏山といった印象。人よりも動物とあうことの方が多いと言っても過言ではありません。むしろ動物たちの方が突然の登山者にビックリしたことでしょう。



写  真:歩道の様子
撮影場所:岩屋峯と大天井ヶ岳の間(天川村)
撮影日時:平成19年6月6日
コメント:踏み痕が少なくやや不明瞭。




写  真:巡視途中で見つけた動物の落とし物
撮影場所:岩屋峯付近(天川村)
撮影日時:平成19年6月6日
感  想:匂いはまずまず、人糞と牛糞の中間の匂いといったところ。

 人があまり歩いていない道を歩くと頻繁にクモの巣が顔に絡みつきます、その糸を振り払いながら足を進めて行くこと約4時間。無事怪我もなく一日の巡視を終えることが出来ました。(せっかく作った巣を潰してしまいクモさんごめんなさい。)

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2007年06月01日パークボランティアと歩こう!!【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

みなさん、こんにちは。
ここ2、3日曇りで肌寒い日が続いており、太陽光線が恋しい吉野AR釜田です。

今回は、大台ヶ原で活躍しているパークボランティアさんの活動の紹介です。
パークボランティアとは、大台ヶ原(国立公園)を訪れる人たちへ、その自然を解説・案内したり、ゴミ拾いなどの清掃活動や動植物の調査、歩道や看板などの補修などをおこなってくださっている人たちのことです。
(詳しくはこちらhttp://www.sizenken.biodic.go.jp/park/np/yoshinokumano/topics/20/





パークボランティアによる自然観察会の様子
大台ヶ原の植物や動物をわかりやすく解説してくれます。
(撮影:07年5月20日)


大台ヶ原の開山期間4月下旬から11月下旬までの間、大台ヶ原ビジターセンターを拠点として様々な活動をしていただいています。一般のかたに、楽しく気持ちよく大台ヶ原を利用していただく上での、縁の下の力持ち!!です。私自身もパークボランティアさんに、大台のいろいろなことを教えていただいており、日々勉強させてもらってます。

さて、環境省ではきたる6月10日(日)に、そんなパークボランティアさんによる初夏の植物・野鳥・昆虫などの解説を交えながら東大台の歩道コースを歩く、自然ふれあいハイキングを実施する予定です。
○大台ヶ原・初夏の自然ふれあいハイキング?パークガイドと歩こう?
【日時】 平成19年6月10日(日)
【集合】 大台ヶ原ビジターセンター
【対象】 一般(小学生以下の参加は保護者同伴)
【定員】 20名
【持ち物】 お弁当、カッパ、水筒、リュックサック、帽子、長ズボン
運動靴などハイキングに適した服装(6月の平均気温は約12℃です)
申込み、詳細などのお問い合わせは吉野自然保護官事務所(TEL:0746-34-2202)で、
受け付けております。
みなさんもパークボランティアさんと一緒に、大台ヶ原の大自然を満喫しませんか?

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2007年05月29日お花畑【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは! アクティブ・レンジャーの木谷です。

 大峯のあちこちではコミヤマカタバミ(指定植物)の花が咲き乱れています。咲き乱れるといっても足下でポツンポツンと咲いているだけですが、目線を地面まで落とすとそこら中がお花畑に大変身します。


写  真:コミヤマカタバミの花
撮影日時:平成19年5月24日

 目線を変えるだけで世界が変わることを改めて実感したアクティブ・レンジャーの木谷でした。

注1:指定植物
指定植物とは国立公園特別地域内で採取等の行為が規制されている植物のことです。

<選定理由>
景観構成に主要な種(特に、きれいな花が群落として一斉に開花し、春、夏、秋の季観を構成する植物)だそうです。

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2007年05月25日大台・大峰の架け橋で【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

みなさん、こんにちは。
今日は、久しぶりに恵みの雨が降って、落ち着いた雰囲気の吉野です。

先日、大台ヶ原と大峰山脈の大普賢岳をつなぐ稜線を、伯母峰?和佐又まで大峰地区担当ARと巡視してきました。
ちょうど初夏の花が咲き始めており、目を楽しませてくれました。


ヤマツツジ(撮影:2007.5.23)

サンショウ(撮影:2007.5.23)

ナナカマド(撮影:2007.5.23)

その中でもとても印象に残ったのが…、

(撮影:2007.5.23)
満開のシロヤシオ(ゴヨウツツジ)!!
花に葉がついてるの?と思うくらい盛大に咲き誇っていました。

伯母峰から和佐又までの道のりは、約6時間といったところで約1300m前後の緩やかなアップダウン。ゆったりと樹木や植物や野鳥などを観察できるコースでした。
みなさんも、普段街ではみられない山の花を求めてのハイキングはいかがでしょうか。

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2007年05月22日5月、大峯季節便り【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは! 日中はかなり暑くなってきているのでお昼のお弁当が傷まないかを心配している吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。



写  真:5月中旬の吉野山
撮影場所:吉野山の七曲坂
撮影日時:平成19年5月15日


<気候>
5月上旬、日中の気温は穏やか!谷間では雪がかすかに残る程度で爽やかに登山やハイキングが楽しめる日が比較的多かった。一方で希に来る寒波の影響で霧氷が見られた日もありまだまだ気の抜けない気象状況もあった。
5月中旬、歩いていると汗がじんわり出てくるぐらい気温が上がってきていた、日差しも日に日に強くなっており帽子が必須アイテムになりつつある。残雪はすっかり解けてなくなり春の花々がひっそり咲いている。

<5月の平均気温>
16.5℃  気象庁HP参照(平成17年:上北山村)

<日の出・日の入>
日の出:4時49分 日の入:18時57分
 ※山間地では山に囲まれているため上記の時刻より日が早く沈むので注意して下さい。

<服装>
穏やかな日の歩行時は長袖or半袖、長ズボンで十分だが山頂付近や尾根筋部分の風が当たるところではジャケットが必要、日差しが強くなってきているので帽子は是非とも欲しいところ。

<植物>
新緑がとにかく美しい!山間地では緑が濃くなってきており山頂付近(標高1600mぐらい)ではようやく芽吹き始めている。



写  真:大普賢岳の様子
撮影場所:大台ヶ原ドライブウェイ(上北山村)
撮影日時:平成19年5月14日


<注意>
 皆さんもご存じの通り山の天気はたいへん変わりやすいです。半袖でも十分なくらい暑い日もあれば、フリースにレインコートを重ね着してもまだ寒い日もあり体温調整には一苦労。山に行かれる方は十分注意してくださいね。

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