吉野熊野国立公園 田辺
30件の記事があります。
2022年01月21日2022年 寅(とら)年 スタート!
吉野熊野国立公園 田辺 戸口協子
田辺管理官事務所の戸口です。
皆さま本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年の元旦は、少し雪が舞う中、雲の合間から初日の出を見ることができる朝からスタートとなりました。
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元旦の空 |
今年の干支は「寅」ということで、田辺で見られる「トラ」を一つ、ご紹介したいと思います。
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伸び始めたウミトラノオ | 成長したウミトラノオ |
これは「ウミトラノオ」という海藻です。左の写真は昨年12月に観察した、成長し始めたばかりのウミトラノオです。私はこれまで、既に長く伸びたもの(右写真、同じ場所で昨年2月に撮影)は見たことがありましたが、伸び始めの状態を観察したのは今回が初めてでした。
ウミトラノオの名前の由来は「虎の尾」に似ているためであるとされていますが、伸び始めの様子を見ると、確かにトラの尾がしなだれているようにも見えることに気が付きました。
このウミトラノオは、日本各地の沿岸で見られる海藻で、沿岸域の吉野熊野国立公園・田辺管内では天神崎やシガラミ磯などでも見ることができます。
他にも、吉野熊野国立公園で見ることができる海藻には、フタエモク、イワヒゲ、ヒロメなどがあります(写真は2021年2月に撮影)。
海藻の多くの種は、夏場の海水浴や磯遊びではあまりみかけることがありません。夏の間は肉眼で見えない小さな形(配偶体)で存在しているためです。そこから成長していき、12月から4月頃まで、食卓でも見るような海藻の形になります。
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上段:シガラミ磯で見つけた"フタエモク" 下段:天神崎で見つけた"イワヒゲ" |
田辺湾の"ヒロメ" |
「かいそう」にはウミトラノオのような「海藻」と、アマモなどの「海草」があります。「海藻」は胞子で増える"藻類"で、「海草」は種子で増える"種子植物"になります。そして、これらが繁茂する場所を「藻場(もば)」といいます。
「藻場」は魚介類の生活の場、産卵や稚仔魚の保育場として海のゆりかごと言われ、また、それ以外にも海中の栄養塩や二酸化炭素を吸収・固定し、酸素を供給するなどの大きな役割を果たしています。そのため、藻場は海の環境において重要な場所です。
田辺には、アマモに代表される海草も、ワカメやヒロメなどの海藻もあります。中でもヒロメは日本でも分布域が限定されていて、「紀州ひろめ」として田辺の名産でもあり地元ではヒロメのしゃぶしゃぶや、ヒロメの巻き寿司「ひとはめ寿司」が人気です。
田辺湾のヒロメは、水温が低いほどよく成長することが確認されています。ヒロメの養殖をされている方に話を伺うと、今年度は田辺湾の海水温が低い期間が長いとのことで、収穫が行われる3月までの成長が楽しみです。
その頃には、内湾の穏やかな海などで、生まれたばかりの魚の仔魚の群れも見られるようになると思われます。海に行った際には、水面を観察して、早めの海の春を見つけるのも楽しいですよ。
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2021年11月29日白浜のはしっこから地球を体感〜ジオ冒険!
吉野熊野国立公園 田辺 戸口協子
冷えた朝の通勤時に、沿岸で蒸気霧を見ることができる日が多くなってきました。
(蒸気霧:海面で蒸発した水蒸気が、陸からの冷たい大気によって急激に冷やされることで湯気のように立つ霧が見られる現象です。)
みなさま、こんにちは。
田辺管理官事務所の戸口です。
空の青色が鮮やかな秋晴れの10月30日に、白浜町で開催したふれあいイベントの様子をお伝えしたいと思います。
紀南地域の小学生を対象に、三段壁と千畳敷の成り立ちをジオガイドさんに教えてもらうジオツアーを開催しました。
白浜町にある三段壁と千畳敷は、近隣の円月島と共に「円月島(高嶋)・千畳敷・三段壁」の名称で国指定の名勝地もなっていて、白浜に観光にくる人は三段壁・千畳敷とセットで必ずというくらい訪れる場所です。地元の皆さんにもお馴染みの観光地で、今回参加いただいた子どもたちもみんな「一度来たことがある」と答えてくれました。
しかし、今回のツアーは「冒険」。一般的には雄大な海の景色を見て楽しむ場所となりますが、違う角度から探検し、壮大な地球の営みを体感することを目的としています。
さて、どんな冒険になるでしょう!
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小学生8名と同伴の保護者ら合わせて13名の参加者が集まり、ツアースタート。
ジオガイドさんからは、三段壁の名前の由来は、見段(みだん)→ミ段→三段と変化したと説明を受けました。見段とは高い場所から見通す場所を意味し、かつてボラ漁に利用されていたと言います。見張り役が沖に集まるボラの群れを見つけると、のろしを上げて仲間に知らせ、一斉に漁に出ていたそうです。
三段壁は高低差40mの切り立った崖になっています。このような地形ができるのは大地が南から押され山型に押し上げられたところにヒビが入り、そこから崩れていくためですが、ジオガイドさんからはその様子を、なんとコッペパンを使って分かりやすく説明していただきました。
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次に、2018年9月台風21号の後に突然現れた大きな石の塊「サドンロック」(2021年4月に命名)について。波によって運ばれたと考えられているとの説明がなされ、こんな大きな石が波で運ばれてくることを聞いて、みんな一様にビックリしていました。水の動きの力の大きさに驚かされます。
ちなみにサドンロックの「サドン」は〝突然に〟を意味する英語の「sudden」と「三段」が掛けられた名前になっています。
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サドンロック |
次からいよいよ冒険に入ります。ちょっとしたけもの道と少し段差になっている岩を降りて、三段壁のうちで主だって観光地となっているエリアから少し外れたところにワクワクしながら向かいました。
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周辺を散策していると、ガイドさんが立ち止まり、地面を指さします。これは一体...?
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「これ、な-んだ?」 |
これは「昔の生物が住んでいた巣穴の跡」。"生痕化石(せいこんかせき)"と呼ばれるもので、色んな形があります。この生痕化石はサラシノイデスという生物のものだそうです。
そのほかにも、波など水の動きや流れの跡が水底に付けた模様が化石となって残っている"漣痕化石(れんこんかせき)"も教えてもらいました。
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漣痕化石 |
説明を受けて、みんなで化石探しです! 子どもたちはみな、化石探しにワクワクし、目が輝いていました。よく目を凝らすと、いろんなところにいろんな化石が見られ、それぞれ違った形の化石を見つけて、何の化石かを尋ねていました。
化石探しのあとはちょっとした岩登りのアドベンチャーコースを進みます。
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ガイドさんから先頭で手足の付き方を教わり、ほかのスタッフも要所で目を離さずに補助をし、みんな無事に登りきれました。
その後、千畳敷に移動し地層の観察です。千畳敷でも生痕化石や漣痕化石をたくさん見つけることができましたが、上から観察した三段壁と異なり、それらを横から観察することができました。
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漣痕化石の断面 縦に伸びた生痕化石 (上下面にも生痕化石が見られる) |
生痕化石は、横から観察すると、生物が縦方向にも巣穴を広げ、立体的に動いていた様子が分かりました。漣痕化石は、ところにより波の打ち方が異なる様子が分かりました。参加した子どもたちに見えている世界は、大昔の時代へ想像が広がったことと思います。
千畳敷では、ジオガイドさんから「ユビナガコウモリ」の紹介もありました。
千畳敷の側にある海食洞が、近畿で唯一のユビナガコウモリの繁殖地になっていることを初めて知った子が多かったです。子どもたちからは、コウモリは何を食べているのか、飛んでいるときに人間にぶつかったりしないのか、などの質問が飛び交いました。ユビナガコウモリの出産・子育て時期は初夏であるため、今はもういませんでしたが、また来年にユビナガコウモリにも会えるといいですね。
なお、ユビナガコウモリについては以前私がアクティブ・レンジャー日記で取り上げたものがあるので、参考までに紹介いたします。
URL:https://kinki.env.go.jp/blog/2021/07/post-187.html
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さて、最後に一つ、このように冒険を楽しめる場所で残念なことがあります。
それは、落書きです。訪れた子どもたちも「文字がいっぱい書いてある」とあちこち指をさしていました。
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やわらかい砂岩質の千畳敷では、靴で地面をこするだけでも跡は残り、たとえば石などで削れば文字を刻むことも可能です。観光でいらっしゃる方の一部には、やってきた記念にと、自身の名前や日付を刻む方がいらっしゃいます。長い長い年月を経て形成された大地に刻まれた落書きは、容易には元の状態に戻すことはできず、何十年と未来に残されてしまいます。
千畳敷の素晴らしい風致景観は多くの人の記憶に刻まれ、愛されるものです。そんなとき、目に入ってきてしまう個人的な落書きは大変残念でなりません。訪れる方に感動を与える人類共通の財産は、未来に渡ってみんなで守っていきたいものです。
今回の三段壁・千畳敷ジオツアーで、子どもたちは見るだけではなく、体感して雄大な地形の成り立ちを知り、また化石探しや岩登りでドキドキワクワクの冒険を全身で楽しんでくれました。それだけではなく、地域の宝を未来に繋げていくことの大切さについても考えてくれて、とても実りある1日でした。
イベントが終わった後には、「このようなイベントはほかにもないか」と興味を示してくれる子どももいて、私としても身の引き締まるような思いになりました。参加者の皆さん、そしてご協力いただいたジオガイドさんや白浜町役場の皆さん、ありがとうございました。
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9月~12月海岸に咲くアゼトウナ(畦唐菜) |
2021年10月15日宝探し 時々 海岸清掃 のち プラゴミの由来(後編)
吉野熊野国立公園 田辺 戸口協子
ここのところ、田辺では夏が舞い戻ったような日差しが続いています。
時折吹く風だけは秋をまとっていますが。
みなさま、こんにちは。吉野熊野国立公園 田辺管理官事務所の戸口です。
今回は、前回記事から引き続き、9月に参加したビーチクリーンアップのイベントで集めた漂着ゴミの中で、私が興味深いと感じたものの紹介を続けたいと思います。
(前回記事はこちら: https://kinki.env.go.jp/blog/2021/09/post-195.html )
イベントで集めたゴミを種類別に分けることで、海に漂着するゴミは、プラスチックゴミが群を抜いて多いことを知りました。
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これらは垂下式と呼ばれる方式のカキの養殖のため、日本で使われているものだそうです。海に漂うカキの卵はロープに通したホタテの貝殻と長さ1.5cmの「豆管」を幾重にも重ねた貝殻の部分に付着します。その後、カキが大きく成長するために間隔を取るため、豆管は「パイプ」に交換されます。「ワッシャー」はロープ最下部の留め具となります。
これらの漁具は本来であれば再利用されるようですが、非常に強い荒波や台風などがあった際に流出してしまい、紀南にまで流れ着いたと考えられます。
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これは昔、よく使われていた浮子の一種で、ガラスでできています。とてもきれいで、ビーチコーミング※される方にもファンが多いそうで、実際に手にしてみると納得できる一品でした。
※ビーチコーミング...海岸や浜辺に打ち上げられた漂着物を収集すること
現在は、写真右に見られるようなプラスチック浮子が代役を務めているようです。
このとおり、かつては別の素材で利用されていたいろいろな物が、現代ではプラスチック製品に置き換わっています。
プラスチックの便利な点は、ゴミになると大きな問題になります。
プラスチックの便利な点と大きな問題 |
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壊れにくい・分解しない → |
ずっと環境に残る 生物に絡むと外れない 誤飲すると消化されない |
軽くて 便利 → |
風や海流で容易にどんなところ (拾うことが困難な場所や遠く海外等) にも運ばれる |
発泡スチロールを例に考えてみます。
発砲スチロールはコルクの代用に使われ出したのをきっかけに、用途が広がっているものです。発砲スチロールもプラスチックの一種で、断熱性に優れ、また衝撃吸収にも優れたもので、陸上・海上で重宝されています。
原材料となるビーズを熱で膨らませ、接着剤などの化学薬品を使わずに熱でくっつけることで成型しており、原材料体積は製品体積のわずか2%であることから、省資源素材と言えます。
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発泡スチロールゴミ |
一方で、上の表のとおり、便利だからこそ、ゴミになってしまうと回収が難しい側面も持っています。「軽くて丈夫で耐水性がある」ということは、「風でどこにでも飛ばされ分解されにくく水に浮く」ということです。また、熱で圧着しているだけなので、一度劣化すると容易にはがれてバラバラになりやすいという性質を持っています。実際に、海岸で大きな発泡スチロールの塊を見つけたことがありますが、表面が朽ちており、風が吹く度に細かい粒が飛ばされるのを目にしました。
プラスチック製品の多くは、劣化してしまうと細分化され無数の破片になって散らばるため、回収は非常に困難になります。
「大きな塊のうちに」、そうでなくとも「拾うことができるうちに」、回収できるものは回収したいものです。
私の家ではキッチンから出るゴミをみると、生ゴミ以外のゴミはほぼプラスチック包装であることになんとなく罪悪感があります。しかも毎日のこと。
チリも積もれば山となりますが、チリほど小さくないプラスチック製品ではゴミ山が容易にできます。商品を取り出して不要になり、1回しか使われないプラスチック包装が嵩を増すごとに、代用品はなにかないかな...と思いを馳せますが...
これだけ便利になった時代に、プラスチックを使わない生活に戻ることは難しいです。そんな中で私たちができることは、なるべくプラスチックのゴミを減らすこと・使える物は繰り返し使うこと。そして使用から廃棄まで、総量を減らさないと問題は膨れあがるばかりに思います。
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9月の清掃活動は、プラスチックゴミの由来を想像しながらの宝さがしを楽しみつつ、できることから取り組んでいきたいと、心改まる機会となりました。
Save the Ocean、 Save the Earth...
皆さまもどこかの海岸に行くことがあれば、のんびり散歩がてら、漂着物の観察をしてみると楽しいですよ。
2021年09月29日宝探し 時々 海岸清掃 のち プラゴミの由来(前編)
吉野熊野国立公園 田辺 戸口協子
みなさま、こんにちは。
吉野熊野国立公園、田辺管理官事務所の戸口です。
秋の空気を感じる季節になりました。今年は夏らしい日が短かったこともあるのか、季節の移り変わりがいつもより早く感じます。
最近、仕事を通じて、私には新たな興味が湧いてきました。
それは、ビーチコーミングです。直訳では「海岸や砂浜(beach)を櫛(くし)でとく(combing)という意味」となりますが、簡単に言えば海岸や浜辺に打ち上げられた漂着物を収集することです。
きっかけは、9月に実施された管内の志原海岸におけるビーチクリーンアップのイベントに参加したことです。
イベントでは、海ゴミ問題への関心を高めるために、清掃活動の後に拾った海岸ゴミの内容を国際海岸クリーンアップ(ICC)の手法で調査・分析しました。
私自身はあくまで清掃活動の一員に加わるという感覚で参加しましたが、終えてみると自分でも意外なくらいに"おもしろかった"です。
漂着物には色々あるところ、今回は人工物をゴミとして拾い、何かおもしろそうな物があれば、別にして拾ってみる、という形で清掃活動を始めました。
人工物か自然由来のものかを見分けていると、それまではひとくくりの"漂着ゴミ"だったものが、個々で見えてきました。すると、おもしろそうなものが見えてきて、すぐに自ずと楽しくなっていました。となると、もう宝さがし状態♪お宝を探ししつつ、しかもゴミも拾うことができ海岸をきれいにできるわけです!
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私の宝箱...形の異なるカイメン(※)を見つけ、つい、夢中に集めてしまいました (※)カイメンは海綿動物門に属する動物の総称です。海中に生息する生き物で、体内を通り抜ける水の中から有機物微粒子や微生物を捕らえて栄養とします。拾ったスポンジ状のものは、カイメンの骨格です。 |
清掃活動を終え、回収した人工物の漂着ゴミを"種類別に分けてみる"ということをしたところ、プラスチックゴミは群を抜いて多かったです。
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みんなで集めた漂着ゴミ |
今回のイベントでは、これらのプラスチックゴミの一部の由来をお教えいただきました。その中で、私が興味深いと感じた物を紹介します。
これは夏場に子どものおやつになる氷菓子の容器です。きれいな四角の穴が3つ...これは、フグ科の魚の歯形だそうです。穴の開き方や破れ方で、どんな動物が噛んだか分かるとは。陸上にいても海の動物の生態の一部がわかるなんて、他の噛み跡にも興味が広がりました。
海岸をたまに歩いていると、意識せずとも漂着ゴミの中にこのようなものがあったなという記憶があるくらい、見つけることができるプラスチック製品があります。
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これらは漁具の浮子(うき)で、養殖網などに利用されているものです。
浮子(うき)は網を張るとき、網の上部に付けるもので、下部に付ける沈子(ちんし)=重りと対をなすもののようです。浮子は昔ではコルクや桐、竹などの自然素材が使われていたようですが、プラスチック製品ができてからは形が揃っていて使いやすく、丈夫で安価なため、自然素材から置き換わりました。
写真のものは、海外製のものです。浮子があるということは、沈子も存在するのですが、沈子はきっとどこかの海の底に沈んでいると思われます。(なお、青い浮子は鉛を含む物があるというので、見つけたら早めにゴミとして集めたいものです。)
ここまで紹介したものはほんの一部で、まだまだ紹介したいものがありますが、つづきは来月公開の後編をお楽しみに!
2021年07月26日千畳敷のユビナガコウモリ
吉野熊野国立公園 田辺 戸口協子
みなさま、こんにちは。
田辺管理官事務所の戸口です。
近畿は梅雨が明け、夏空の広がりと共に一気に気温が上昇し、クマゼミの大合唱が暑さをさらに際立たせています。
先日、和歌山県のレッドデータブックで準絶滅危惧種に分類されているユビナガコウモリを観察するため、夕刻の千畳敷に行ってきました。
千畳敷は浅海に堆積した地層が隆起した海食台で、国の名勝指定されている観光地です。
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昼間の千畳敷 |
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千畳敷からの夕日 |
南の海で台風6号が発生しており、まだ紀伊半島から遠く離れているものの、大きなうねりがすでに届いていて、夕暮れ時には岩にぶつかった波が、繰り返しダイナミックに高く上がっていました。
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うねりによるダイナミックな波 |
千畳敷の端には白浜町の天然記念物にもなっている海食洞(洞窟)があり、近畿地方では唯一のユビナガコウモリの繁殖地となっています。この洞窟に、6月中旬から妊娠したメスのみが飛来し、出産と子育てをします。7月下旬から子どもも飛び始め8月には各地の洞窟へ散らばっていくようです。
レディースクリニックにも似たこの洞窟は、地元では「コウモリ穴」とも呼ばれるそうです。
日没直後から、ユビナガコウモリがエサ(蚊などの小型昆虫)を求めて海食洞から周辺の沿岸林などに向かって飛び立つ様子が見られます。観察時、私たちは海食台の上にいたのですが、それは手品のトランプがシルクハットから不規則に吹き出続けるような様子にも似ていて、高速で飛び出してくるのが観察できました。数が多いことと、飛行スピードが速いことで、観察している私たちにぶつかってくるんじゃないかと思うくらいです。実際は超音波で周辺を正確に把握しながら飛んでいるので、密でもぶつかることはまずないと思われますが。
周辺が薄暗くなって空を見上げると、千畳敷の駐車場の一画では、飛び交うコウモリのシルエットが相当な数見られ、圧倒されました。(速すぎてピントがとても合わないので、この写真からイメージしてみてください。)
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飛び交うユビナガコウモリ |
親コウモリは天井からぶら下がっている無数の子どものなかから、自分の子どもを見つけてエサを与えます。地元でユビナガコウモリの観察を長年実施されている方のお話によると、生まれた無数の子どもが天井からぶら下がっているのですが、中には掴まる力が弱く、落ちてしまうものもいるようです。下ではヘビが待ち構えていて、落ちるとヘビのエサになってしまい、生まれたてから弱肉強食の世界です。上から落ちてくるのは子どもだけでなく、そのヘビがいる底部分はユビナガコウモリの糞が50cmほど積もっているそうです。
ユビナガコウモリのスペクタクルは8月末まで続くので、虫刺され対策、懐中電灯などを持参して、千畳敷の駐車場でまだ明るいうちに安全な場所を探してから観察してみてくださいね。夢中になると、星が見えるくらい暗くなってきますので、駐車場を通る車にもご注意ください。
2021年06月18日梅雨の吉野熊野国立公園
吉野熊野国立公園 田辺 戸口協子
みなさま、こんにちは。
田辺管理官事務所の戸口です。
今年は春の花の開花が全国的に例年より2〜3週間早く、西日本の梅雨入りも足並みを揃えたかのように早かったですね。
さて、梅雨とは「梅」の「雨」と書くように、梅が実る季節に降り続く雨を示した言葉です。
この季節には肉厚の梅があちこちでたわわに実っています。ちなみに、6月6日は「梅の日」だそうで、紀南地域の神社等では梅を奉納する神事がとりおこなわれていました。
先日、雨の中、レインスーツに身を包み巡視を行う機会がありました。
雨音を聞きながら出会った生物をご紹介します。
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梅の実 |
これは和歌山県が全国生産No.1を誇る梅。赤く色づいた梅はスモモにも似て見えました。赤く色づいた梅で作るジュースはほのかにピンク色で華やか、私は好きです。
梅の中には名の知れた「南高梅(なんこううめ)」というものがあります。この梅は実が肉厚でやわらかく、優良品種栽培時に尽力されたのが南部高校の高田先生であったことから、南部高校の「南」と高田先生の「高」をとり、「南高梅」と命名されたそうです。
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ビワの実 |
これはビワ。中国南西部原産で日本には古代に持ち込まれたと考えられています。日本では梅雨の頃に実がなるため、この季節の季語にもなっています。"ビワ"の由来は、葉や実の形が楽器の「琵琶」に似ていることが由来とされています。
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サカキの花 |
みなさんは神様にお供えするサカキに花が咲いた様子を見たことはありますか?
私は今回、初めてサカキの花を見ることができました。葉の裏面となる側の枝に、たくさん白い花が下を向いて並んで咲いていて、控えめで品のあるとても良い香りがしました。
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ネズミモチのつぼみ |
これはネズミモチ。「ネズミモチ」という名の由来は、秋になる実がネズミの糞に似ていること、また木の姿が"モチノキ"に似ていることで、この2つが合わさった名前となったようです。
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アカテガニ |
アカテガニは海辺から少し内陸の山でもみられるカニです。カニはえら呼吸をするので、水がないと生きていけませんが、アカテガニは中でも乾燥に適応した種で、水を口から吐き出し、その水は腹部の脇を伝わせ足の付け根から再び体内に取り入れ循環させています。
カニが「泡を吹く」のは、循環させている水が蒸発して減ると、体液と混ぜるため、水に粘りがでて口から「泡を吹く」ように見えるのですね。
このときに出会ったアカテガニは雨をまとって、いつもに増して艶やかでした。
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クチナシの花 |
これはクチナシの花。小さなかざぐるまのような直径10cmほどの白い花は存在感があり、キンモクセイと桃の果実の香りが合わさったような甘い香りを漂わせていました。
一見、平らな花ように見えますが、裏側を見ると高盆型で、漏斗の部分が長い花であることがわかりました。
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梅雨はまだ少し続きそうですが、時には雨の中の散歩も新たな発見があるかと思うのでおすすめです。
2021年04月30日すさみ町の「恋人岬」と「婦夫波」
吉野熊野国立公園 田辺 戸口協子
新緑の輝きが眩しい季節、暖流「黒潮」流れる南紀熊野からこんにちは。
田辺管理官事務所の戸口です。
先日、すさみ町へ巡視に行ってきました。
巡視日には、沖縄以南で台風が発生していました。吉野熊野国立公園が位置する紀伊半島は、沖縄方面から遠く離れているものの、その台風の影響により、海域では強いうねりがありました。
すさみ町には「恋人岬」と名の付く場所があります。この岬のすぐ沖には二つの島があり、岬のすぐそばにあるのが「陸の黒島」、少し沖側にあるのが「沖の黒島」と名付けられています。
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恋人岬周辺の空中写真(出典:国土地理院の地理院図を加工して作成)https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html |
そのうち「陸の黒島」は、恋人岬との間で、潮が引いた時には砂州が現れます。その砂州を挟んで、この海域では、条件が整うときに見られる素敵な現象があります。それは、砂州の両側から白い弧を描き押し寄せる波が、砂州の上でぶつかり交わる波の姿、「婦夫波」です。相反する方向から波ができることが不思議ですが、島の周りの複雑な流れにより起こる現象の一つです。"恋人"岬の先には" 婦夫"波、という恋愛成就に縁起の良い場所ですね♪
この日は、遠方の台風の影響で比較的波が強めでしたが、私自身、「婦夫波」を初めて見ることができました。
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婦夫波 | 砂州が少し見えている様子 |
婦夫波は
(1) 満潮時刻の2時間程度前であること
(2) 強すぎず、弱すぎずちょうど良い具合の風があること
などの条件がそろったときに見られる自然現象です。
新型コロナウイルス感染症が落ち着いたら、ぜひ、タイミングを合わせて、美しい恋人岬からの眺望を楽しみにすさみ町を訪れてみてもらいたいと思います。
2021年03月30日春の熊野古道・大辺路『長井坂』の巡視
吉野熊野国立公園 田辺 戸口協子
鳥がさえずり、野山から花が香る季節となりました。
みなさま、こんにちは。田辺管理官事務所の戸口です。
先日、すさみ町にある長井坂の巡視に行ってきました。長井坂というのは、世界遺産『紀伊山地の霊場とその参詣道』にも登録されている熊野古道のうち、紀伊半島南部の沿岸部を通っている大辺路(おおへち)の一部です。
JR周参見駅からしばらく国道沿いを歩き、和深川沿いの里道に入ると、道端や山の中腹にヤマザクラなどのサクラが咲いているのが見られました。
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緑の山に彩り添えるサクラ |
里道の両脇にある田んぼや水路からは、タゴガエル(和歌山県レッドデータブック準絶滅危惧)の鳴き声が多く聞こえ、冬眠から目覚め、求愛時期に入っていることがうかがえました。また、長井坂西登り口近くに流れる和深川では、夏には涼しげな澄んだ声で鳴くカジカガエル(和歌山県レッドデータブック準絶滅危惧)を見ることができます。
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和深川 |
和深川を渡るところから長井坂に入ります。入口からすぐ坂が始まり、「長井」坂の名前のとおり、急勾配の坂道がしばらく続きます。
植林されたスギ林の間を、息を切らしながら登りきると、稜線にさしかかります。
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長井坂 |
(上)広葉樹の多い稜線の古道 (下)古道沿いのヤブツバキ |
稜線に沿った道の右手側には吉野熊野国立公園の枯木灘海岸が位置しており、所々にある展望地点からは海岸線から遠くまで広がる太平洋を見渡すことができます。
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沖の黒島・陸の黒島方面の眺望 | 江須崎方面の眺望 |
稜線沿いには広葉樹が多く、積もった落ち葉やその下にある腐葉土により歩道はふかふかで、歩いていて気持ちがよかったです。
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落ち葉の中には、和歌山県の県木であるウバメガシが多くありました。ウバメガシは海岸沿いに多く自生する照葉樹で、この地域では特に冬の厳しい西風が吹き付けるため、斜面にへばりつくような形に木が育ちます。「枯木灘」の名前は、その様子が枯れ木に見えることが由来とも言われています。
古道沿いのサクラの中には、花芽一つ当たり2輪ずつ、ほんのりピンク色の花びらを持つ花が咲いている木もありました。 2018年に103年ぶりに新種として発見され話題になったクマノザクラの特徴と似ています。もしかしたらクマノザクラかも⁉︎(雑種もあるようなので、断定はできません。)
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古道沿いに咲くサクラ | (参考)公園外で咲いていたクマノザクラ |
また、途中でこんなものが見つかりました。
これ、何に見えますか?
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これは...天然のエビフライ?? | 巨大松ぼっくり |
全長が約12cmもあり、大きさからしてもエビフライそのもの...に見えますが、これは植林された外国のマツ「テーダマツ」の松ぼっくりをリスが食べた跡です。見事な大きさの森のエビフライには、テンションが上がりました。
最後の急な坂を下ると、見老津駅付近の海岸に降りてきました。
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見老津の海岸 |
稜線を歩いている間は海岸を望みながらの眺望に(花粉も多かった!?こともあってか)少し陶酔したような感覚でした。
今はまだ感染症対策が欠かせませんが、安心できるようになった際の訪れたいところリストに追加してみては?海を見ながらの古道歩き、おすすめです。
2021年01月07日2021年 丑(うし)年 スタート!
吉野熊野国立公園 田辺 戸口協子
皆様、新年、明けましておめでとうございます。
田辺管理官事務所の戸口です。
2021年元日、田辺周辺では風が強く雲も多かったものの、太陽が顔をのぞかせてくれました。
さて、今年は丑(うし)年、ということで、吉野熊野国立公園で見られる「ウシ」に注目してみました。
まずは、陸で見られるウシ。これは「ウシハコベ」という植物です。
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ウシハコベ |
植物の名につく「ウシ」は、「大きい」という意味を込めて使われることがあります。下の写真で見てわかるように、春の七草の1つであるハコベ(ミドリハコベ)の葉に比べて、ウシハコベの葉の方が大きいことがわかります。12月末時点で田辺では花と実が同時に見られました。
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ハコベ(赤丸)とウシハコベ(黄丸) | ウシハコベの花と実 |
次は、カマツカ(別名:ウシコロシ)です。
ウシコロシの名の由来は諸説あるようですが、牛の鼻に輪を通すための穴を空けるときの道具や、また鼻輪としてその枝を使ったことから、この名前が付いたようです。冬季は葉が赤く紅葉し、鮮やかな赤い小さな実はクリスマスリースなどにもよく使われています。
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カマツカ(別名:ウシコロシ) |
次のはまさに、葉の形が牛の顔のシルエット。ミゾソバという植物で、別名「ウシノヒタイ」。
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ミゾソバ(別名:ウシノヒタイ) |
今年の干支を表すのにぴったりなかわいい牛の親子に見えました!真ん中の子牛の額にはリボンのようなものが見えますが、これはウシノヒタイの花の一部で、全て咲きそろうと、こぺいとうのような形をしています。
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牛の親子!? |
また、白浜町の国立公園区域内には、地名に「ウシ」が入っているところがあります。南紀熊野ジオパークのジオサイトにもなっているシガラミ磯に隣接する「牛ヶ壺湾」です。この浜は全体的に小石によってできていて、波の動きにより水中でぶつかり合う小石のコロコロ・サラサラという音が耳に心地よいところです。
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白浜町の牛ヶ壺湾 |
最後は海にいる「ウシ」です。角が牛の角に似ていることから、「ウミウシ(海牛)」と呼ばれています。吉野熊野国立公園の海域におけるダイビングでも人気者。カラフルでSNS映えし、動きがゆっくりなので、被写体には最適です。陸は寒くても海の中でウミウシたちは活発です。
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アオウミウシ(吉野熊野国立公園・天神崎にて。写真提供:山西秀明氏) |
ほかにも身近なところに「ウシ」がつくものがあるかもしれません。自分なりの発見をしながら、吉野熊野国立公園の自然を楽しんでいただけるとうれしいです。
新たな年、2021年が、どうか皆様にとって良い年になりますように。
みなさま、こんにちは。田辺管理官事務所の戸口です。
紀州和歌山では三寒四温が続いていますが、梅、桜の順に春を届けてくれています。
さて、今月3月5日、田辺管理官事務所で実施した「カラフル海藻観察会〜天神崎で海の春を体感!〜」についてご報告いたします。
今回の自然観察会では、紀南の海で「ヒロメ」というワカメの仲間の海藻を研究されている講師をお招きし、ご応募いただいた小学4年生から大人までを対象に天神崎で海藻について教えていただきました。
(海藻については、1月のアクティブ・レンジャー日記でも取り上げておりますので、是非ご覧ください。 URL:https://kinki.env.go.jp/blog/2022/01/2022.html )
田辺市にある天神崎は、ナショナル・トラストの先駆けとなった場所でもあり、地域住民のみなさんの手で、山から海へ一帯となった豊かな自然環境を守られてきた場所です。
天神崎には海岸部分にシンボルとなっている丸山があり、満潮時にはその周辺一面が水面下となるものの、潮が引くと平らで広大な磯が姿を現します。
集合場所で安全対策などの話をしてから、いざ出発。
磯場への降り口にはこんな看板がありました。
講師からも、海藻の中には水産資源として管理されるものがあり、場所によっては採取が禁止されているところもあることを教えていただきました。海藻の採取についても魚や貝と同じで、規則があるので、守らないといけませんね。
磯場につながるスロープを降りた場所の周辺に、早速、満潮時に打ち上がった海藻が集まっているところがありました。その中に、小さな丸いものが付いている海藻を発見。この海藻はホンダワラという海藻の仲間であることを教えてもらいました。
この丸いものは、海の中で浮きの役割をしているものだそうです。海の中で生息している海藻は、光合成をするため、太陽のある上に向かって伸びますが、その時に体を安定させるため、浮きをもつものがあるそうです。
この浮きは、指で潰すと
「プチッ」
音を鳴らして潰れます。これはやってみるとなかなかおもしろく、みんなでプチプチ鳴らして遊びました。
次に、磯の先端を目指して波打際沿いに移動しながら、海藻を観察しました。緑色をした海藻と、茶色をしたひげのような海藻が多く見られるところがありました。岩礁にくっついている状態ではなんてことのない海藻に見えますが、実は、普段私たちの生活の身近にあるものです。
緑が鮮やかな"アオサ"や、ひげのような"フノリ"は、お味噌汁の具にもなる海藻です。 "アオサ"は、焼きそばやお好み焼きなどにかける青のりの1種としても食べたことがあるかと思います。また、 "フノリ"は、食材としての他、古くには「天然糊(のり)」として漆喰の材料や織物の糊付けに利用されてきました。そのため漢字では「布糊」という字が当てられています。相撲力士が廻しにつける「下がり」を糊付けするのにも用いられているそうです。
岩礁の先端近くで、波が比較的強くあたる場所には、さらにたくさんの海藻を見ることができました。
その中にあるこの海藻、何だか分かりますか?
ヒントは給食のレギュラーメニューで、きっと、ほとんどの人が食べたことのある海藻です。
これは、なんと、あの「ヒジキ」です!参加してくれた小学生からは、「いつも食べているヒジキからは想像がつかない」という声があがっていました。
ヒジキは生の時は写真のように黄褐色をしており、渋みが多くてそのままでは食べられません。生のヒジキはお湯にくぐらせると、苦み成分のポリフェノールがお湯に移ることでお湯は茶色くなりますが、ヒジキ自体は鮮やかな緑色になるそうです。
茹でる時間が長くなるほど、ヒジキの色がくすんできます。長く茹でることで苦みが取れ、鍋の素材が鉄である場合、その鉄と反応してヒジキはより黒くなるそうです。
茹でた後、天日干しをして、みなさん、お馴染みの黒いヒジキとなります。ヒジキは思いのほか、手間のかかった食べ物であることを勉強し、今後はヒジキをしっかりありがたくいただこうとみんなで話しました。
その後は室内で、海藻についてお話しを聞きました。
「かいそう」には、「海草」と「海藻」があること、
「海藻」には大きく分けると緑色(緑藻類)、茶色(褐藻類)、紅色(紅藻類)の3種類があること、
茶色の海藻はお湯にくぐらせると鮮やかな緑色に変化することなどを教えていただきました。
最後に、これらの海藻を紙に押し当て、乾燥させて絵を作る「おしば体験」をしました。
(※おしば体験で使用した海藻は、講師が事前に適切に準備したものです)
みんな初めてのおしば体験がおもしろく、独創性のある作品が次々に並んでいました。これら作品は乾燥後、ラミネート加工して完成となります。
今の季節は海岸で観察できる海藻の種類が多く、いろいろな発見があると思います。多種多様なカラフルな海藻を探しに、ぜひ、春の海岸へ足を運んでみてください。繰り返しになりますが、採ってはいけない海藻は、無断で取らないようにしてくださいね。
※天神崎は干潮時には広大な磯場が広がりますが、潮が満ちて来ると、帰り道が海水で見えなくなることがあります。お越しの際は、事前に干満の時間を確認し、安全に気を付けて楽しんでください。また、磯場には滑りやすいところがあるので、足元にはよく注意してください。