ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2017年11月02日「よしくま」のニホンジカ

吉野熊野国立公園 青谷 克哉

 11月になり、だんだんと冬が近づいてきております。体調管理にはくれぐれもお気を付けください。吉野自然保護官事務所の青谷でございます。

 さて皆さんは、ニホンジカについてはよくご存じと思います。奈良公園に行けば年中見ることが出来ますし、地域によっては「裏山にいるよ」、なんて所もあると思います。吉野自然保護官事務所の近くでも、夜に声が聞こえました。

ニホンジカ(大台ヶ原) 吉野熊野国立公園の吉野地域には、ほぼ全域に二ホンジカが生息しています。シカというのは増えやすい生き物で、国立公園内では増えたシカが樹木や草本を食べてしまい、被害と呼べる規模にまでなってしまいました。近畿地方環境事務所では、ニホンジカによる食害を防ぎ、生態系を守るために、大台ヶ原や大峰山脈の一部に防鹿柵(ぼうろくさく)というシカの侵入を防ぐネットの囲いを設置しています。また、大台ヶ原では増えに増えてのっぴきならない状態を改善しようと、毎年シカの捕獲を行っており、近年、その成果があらわれつつあります。

 そんなニホンジカですが、実は食べてみるとこれがなかなか美味しいんですよ。昔から「もみじ」と言われ、赤身の肉で脂身も少なく鉄分や栄養も豊富な食材として利用されてきました。最近では、ジビエ料理として注目されていますね。ちなみに、「ジビエ」とはフランス語で、養殖や飼育ではなく野生動物を狩猟することによって手に入る肉などの食材のことです。奈良県やその周辺でいえば、シカ・イノシシなどがジビエとして食べられています。吉野地域では、上北山村や五條市、天川村、黒滝村などで味わうことが出来ます。 私は、カレーやソーセージを堪能しました。是非一度ご賞味ください。

それでは今回はこの辺で、ご機嫌よう。

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2017年10月31日ちびっ子砂丘レンジャーへの道2017 第1回を開催しました!

山陰海岸国立公園 井原早紀

 皆さん、こんにちは。秋が深まり、紅葉した木々が少しずつ増えてきましたね。 山陰海岸国立公園もだんだんと秋の姿に変わりつつあります。
 さて、先日告知した鳥取砂丘のイベント「ちびっ子砂丘レンジャーへの道2017」の第1回が、9月10日に開催されましたので、ご報告します!

 今年は、昨年の約3倍の20名のちびっ子たちが、ちびっ子砂丘レンジャーを目指して色々な体験に挑戦します!第1回のプログラムは、砂丘の地形地質の学習、多鯰ヶ池(たねがいけ)散策、多鯰ヶ池でのカヌー体験の3本立てです。
 まず、砂丘の地形地質の学習では、鳥取砂丘の基本!砂を盛ってみたり、風紋を観察したりして、砂の動き方の法則や、砂丘のでき方に関するしくみを学びました。

斜面が32度に安定することを実験中 多鯰ヶ池の砂の観察
【堆積した乾いた砂が崩れず安定する斜面の角度(安息角)の実験中。「どこでも約32度になるんだ!」】 【砂丘と砂漠の違いの実験中。「砂丘は砂を掘ると下の方は湿っているよ!」】

 次に、砂丘の砂によって谷がふさがれて生まれた多鯰ケ池を散策。今は木が生えていて分かりづらいですが、昔の多鯰ヶ池の写真を見ると一目瞭然。池と砂丘がつながっていたのかとみんなびっくりしていました。 そして、あらためて周りを見渡すと、自分たちの座っている池の淵も、砂丘の砂と同じだということに気付いてくれました。

多鯰ヶ池の説明 

 続いて、多鯰ヶ池の周りにある植物「タブノキ」で大実験!水の中に細かくちぎった葉っぱを入れると、粘り気が出てきます。昔の武士などが整髪料として使っていたという話を聞くなり、さっそく頭に塗るちびっ子が続出しました!

タブノキの葉をちぎって粘り気を出している 砂丘は掘ると冷たいことを体感中

 

 そして最後はお待ちかねのカヌー体験!初めてのカヌーということで、最初はターンの操作に苦労していましたが、池の中にある小島に上陸したり、魚を見つけたりと、とても楽しかったようで、みんなビショビショになるまで多鯰ヶ池の水上散策を満喫していました!「スイレンの茎がストローみたいに空洞になっていて面白かった」「多鯰ヶ池のでき方にびっくり。砂にそんなことができるなんてすごいと思った」と、たくさんの発見があったようです。

カヌー体験

 ちびっ子砂丘レンジャーへの道のりは、まだまだ続きますので2回目以降もお楽しみに!

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2017年10月24日大台ヶ原の秋と冬

吉野熊野国立公園 吉野 小川 遥

 皆さま、こんにちは。

 日々寒さも増してきて、冬の足音がすぐそばまで聞こえてくる季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。本日は大台ヶ原の秋と冬をお伝えしたいと思います。

 標高1,500mを超える大台ヶ原では、麓に先んじて9月終わり頃から徐々に秋の様相が深まっていきます。東大台と西大台、そして主要地方道大台ヶ原公園川上線(大台ヶ原ドライブウェイ)など場所によって多少時期の違いはありますが、例年10月中旬から下旬にかけて紅葉のピークを迎えます。日によっては、赤く色づいた大台ヶ原に霧がただよう幻想的な風景を見ることができます。

東大台上道の紅葉正木峠付近の紅葉

    今年10月中旬  上道             今年10月中旬   正木峠付近

 そして、木々が葉を落とし、11月になると、霧氷や雪化粧をまとった風景に出会える日があります。

(※天候や気温により、毎年必ず見ることができるとは限りません)

 また、寒い時期ならではの澄み切った青空を見ることができる日もあります。

 正木峠付近正木峠付近

    平成25年11月中旬  正木峠付近           平成25年11月正木峠付近

 日々異なる姿を見せる大台ヶ原。行ったときに見る風景、そして見つけた風景がその時だけの大台ヶ原です。そんな大台ヶ原も例年11月末頃にはドライブウェイが冬季閉鎖となります(今年の閉鎖日時は現時点では未定)。まだ今年の大台ヶ原を見ていないという方、秋や冬の景色は見たことがないという方は、この機会に是非お越しください。

 なお、大台ヶ原は平地より10度程気温が低く(天候等により前後する場合あり)、これから更に寒さが増し、11月に入るとドライブウェイは一部凍結もしくは冠雪が見られることもあります。お越しの際は、防寒具のほか、スタッドレスタイヤやチェーンなどの備えをお忘れないようお願いします。

 また、先日の台風21号の影響により、道路状況、交通状況が乱れている場合がありますので、最新情報をご確認ください。

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2017年10月20日よしくまの自然情報

吉野熊野国立公園 岩田佐知代

 環境省熊野自然保護官事務所 アクティブ・レンジャーの岩田です。10月中旬となりすっかり秋らしくなってきましたね。

 今回は、温暖な吉野熊野国立公園(「よしくま」)の熊野地域へやってきて冬を過ごす、昆虫をご紹介します。

 みなさんは「オオキンカメムシ」をご存知ですか?

 日本では、約1,000種のカメムシが確認されているそうですが、一般的にカメムシといえば、街灯やコンビニの窓などでよく見かける黄緑色のカメムシ(ツヤアオカメムシ)を思い浮かべる方が多いと思います。危険を感じると悪臭を放つ事から、あまり良い印象をお持ちではない方が多いのではないでしょうか?

今回ご紹介するオオキンカメムシは、アジアから日本に広く分布する熱帯系の昆虫で、濃いオレンジ色の体色に黒い模様があり、光の具合できれいに輝いて見えるカメムシです。大きさ約2~2.5cmと一般的なカメムシの約2倍の大きさで、性格はおとなしく、臭いもそれほど強くありません。多くの個体は、夏場は日本海側や内陸部で生息、産卵しているといわれています。

 ここ熊野地域では毎年、沿岸部のツバキやタイミンタチバナなど常緑広葉樹の日当たりのよい葉裏で集団越冬します。今年もすでに越冬準備が始まっていて、日本海側や内陸部から移動してきたと思われるオオキンカメムシが確認されています。

 寒い冬の間、お互い寄り添い、じっと寒さに耐えている姿がとても健気です。

越冬しているオオキンカメムシに興味がある方は、ぜひ「よしくま」の海岸部を訪れて、葉っぱの裏側をのぞいて見てください。見つけたらそっと見守ってあげてください。

 冬の熊野へお越しになる楽しみの一つとして、越冬する生物を探すのも楽しいかもしれません。多種多様な生物たちが「よしくま」地域の自然豊かな「山」「川」「海」で四季折々に過ごしています。皆様のお越しをお待ちしています。

緑色のツヤアオカメムシ 
ツヤアオカメムシ 
オオキンカメムシ オオキンカメムシの集団越冬
オオキンカメムシ

タイミンタチバナの葉裏で越冬するオオキンカメムシ

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