ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年09月24日六甲山上散策マップ 最新版を公開しました

瀬戸内海国立公園 神戸 中村高也

 皆さんこんにちは、神戸自然保護官事務所の中村です。

 先日までの暑さがまるで嘘のように、神戸では涼しい風と共にだんだんと秋の気配がしてきました。

 さて、今回は2020年の4月にこのAR日記にて紹介しました「六甲山上散策マップ」について改めてご紹介します。

散策マップ(六甲、摩耶)【最新版はこちらでも配布しております】

 最近の六甲山では、スポーツ自転車で利用される方や、ワーケーションとして仕事で利用される方など、いろいろな世代の方が六甲山に目を向けてくれているような変化を感じています。

 このマップでは、六甲山上の地域の歴史や自然の魅力をご紹介しています。

 せっかくなので、夏から秋に変わる六甲山上のこの時期の自然を紹介したいと思います。

 自然観察園の「あじさい池」では、この時期、紫陽花の花はありませんが、代わりにツリフネソウが満開でした。

ツリフネソウ【ピンクの花を舟に見立てた名前で、見た目もかわいらしいです】

カエル【葉上には小さいカエルの姿も】

 周辺の遊歩道では、他にも秋を彩る草花たちを見ることが出来ました。

ススキとヒガンバナ【ススキ】         【ヒガンバナ】

 また、摩耶山では毎年、秋に渡りの蝶であるアサギマダラが飛来するので、もし運が良ければ会えるかもしれません。

飛来するアサギマダラ【摩耶山天上寺に飛来したアサギマダラ(撮影:2019年10月)】

 六甲山上散策マップは六甲山ビジターセンターをはじめとした六甲山上の各施設にて無料配布しております。

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2021年09月22日初秋の丹後砂丘

山陰海岸国立公園 竹野 久畑久美子

みなさまこんにちは。竹野自然保護官事務所の久畑です。

9月も中旬になり過ごしやすい日が増えてきました。まだ日陰のない砂浜は夏のような暑さですが、今回丹後砂丘の巡視に行ったところ、夏から秋の植物がみられましたのでご紹介したいと思います。

丹後砂丘で見られる初秋の海浜植物

(左上:カワラナデシコ・ネコノシタ・ハマベノギク   

 左下:ツリガネニンジン・ビロードテンツキ・ウンラン)

以前「植生豊かな丹後砂丘」で春から夏に見られる海浜植物をご紹介しましたが、その時には見られなかった植物を見ることができました。また、少し時期が過ぎてしまいましたがトウテイランの群落を見ることができました。

紫色の花をつけるトウテイラン

    (紫色の花を咲かせるトウテイラン)

さらに、春に確認した植物はおもしろいほど形を変えていました。

    (春~初夏)           (初秋)

春と秋の植物の変化

  (上:ハマウツボ 中:カワラヨモギ 下:ハマゴウ)

ハマウツボは枯れて黒い棒のようになっていました。ハマウツボが寄生していたカワラヨモギは、一見別の植物に見える黄緑色の花を咲かせていました。

ハマゴウはコロコロとした実が生り、とても爽やかな香りがしました。

一方で、春には気付かなかったオオフタバムグラという、生態系等に被害を及ぼすおそれがあるとされている外来種もみつかりました。

小さな花をつけるオオフタバムグラ

     (オオフタバムグラ)

         

また、今回は見かけませんでしたが、7月の巡視の際には黄色い漁網のようなアメリカネナシカズラという寄生植物も確認しました。

地面を這う黄色い漁網のようなアメリカネナシカズラ

  (アメリカネナシカズラ:撮影7月)

こちらも生態系に被害を及ぼすおそれのある外来種です。

このように丹後砂丘では季節によってさまざまな植物を観察することができます。貴重な植物が多くあるため、みだりに採取したり、歩道の外や植物が密生している場所はなるべく歩かないようお願いいたします。

今回ご紹介した丹後砂丘は、山陰海岸ジオパークトレイルコースの一部です。

9月18日から11月30日まで山陰海岸ジオトレイルコースを歩くことでポイントがたまるキャンペーンが開催されています。この機会に歩いてみてはいかがでしょうか。

詳しくは以下のホームページをご覧ください。

山陰海岸ジオパークトレイルページリンク〉

それではまた次回。

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2021年08月30日大台ヶ原でガイドウォークを開催しました

吉野熊野国立公園 吉野 丸毛絵梨香


吉野管理官事務所(大台ヶ原担当)のアクティ・ブレンジャーの丸毛(まるも)です。
7月22日に大台ヶ原で上北山村共催のガイドウォークを開催しました。
コロナウイルス感染拡大の状況を考慮し、奈良県在住者のみと募集を制限したため例年よりも少人数の開催となりましたが、気軽に質問できる空気もあり、わきあいあいとしたイベントとなりました。
天候にも恵まれ、非常に良い一日となりました。
8月の開催は大雨のため残念ながら中止となりました。

では、「大台ヶ原」で環境省が力を入れて取り組んでいる「自然再生の取組」についてご紹介したいと思います。
ガイドウォークの自然再生ツアーではさらに詳細なお話を大学の先生から聞くことができます。
大台ヶ原では約60年前の伊勢湾台風をきっかけに、針葉樹が枯れ、ササが拡大し、森林が衰退していきました。
苔むす植生豊かな森林が失われつつある今、自然再生に向けた取組を継続的に行っています。
東大台でも西大台でも、周遊コースを歩くと防鹿柵(ぼうろくさく)と出会うことになります。
 
この防鹿柵、何のために設置しているのかと言うと、漢字のとおりシカからの害を守るためのものになります。
では、何をシカから守っているのか?
それはトウヒやウラジロモミといった針葉樹の「実生」や「稚樹」、つまりは子どもです。
大台ヶ原のウラジロモミの実生 ← ウラジロモミの実生
今の大台ヶ原は、シカが若い樹木を食べてしまうため、次世代を残すことが難しくなっています。
さらに、ササが繁茂しているため、地面は実生が生存していくには暗すぎる環境となっています。
現状では人の手がなければ、樹木が次世代を残すこと、「更新」が困難な状況です。
更新がうまく進まないと、大台ヶ原はササに包まれたササしかない山になってしまうでしょう。
現在、大台ヶ原では大きい防鹿柵を約60基、稚樹ひとつずつにかけた防鹿柵を約140基設置しています。
防鹿柵がもたらす効果・問題点はたくさんあって、ここで一度に紹介しきれないので、また少しずつお話出来ればと思います。
早く知りたい!と思う方は是非環境省の大台ヶ原のHPを覗いてみてください。
多くのお金と人の力、想いを注いで、この大台ヶ原の自然を守る取組を続けているのです。
大台ヶ原が持つ自然の力で持続する森林を目指して、多くの人への普及活動を含め、私も尽力していきたいと思います。


最後に、景色の良いところもご紹介します。こちらはお天気のいい日の大蛇嵓(だいじゃぐら)です。

夏の晴れた日の大蛇嵓
大台ヶ原は雨の日が多いので、気持ちのいいお天気の写真は少し貴重だったりします。
ここ最近は雨が多いので、散策の際は、足下にお気をつけください。

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2021年08月23日特定外来植物『ナルトサワギク』

瀬戸内海国立公園 神戸 中村高也

 皆さんこんにちは。神戸自然保護官事務所の中村です。

 突然ですが、皆さんこちらの植物を見たことがありますでしょうか?

ナルトサワギク 

 タイトルにもあるのですが、この植物は『ナルトサワギク』といいます。マダガスカル原産の植物ですが、世界各国に分布域をひろげ、日本でも1976年に徳島県鳴門市で初めて発見されて以降、近畿地方を中心に分布が拡大しております。

 見た目は華やかで美しいキク科の植物なのですが、ナルトサワギクは拡大のスピードがすさまじく、すぐにあたり一面がこの黄色い花で覆いつくされてしまいます。

写真内の黄色の花は、全てナルトサワギクです【写真内の黄色の花は、全てナルトサワギクです】

 このAR日記にたびたび登場する成ヶ島(瀬戸内海国立公園)において、環境省はナルトサワギクの防除活動を実施しており、先日私も作業に立会しました。

当日は、照り付ける太陽がまぶしい快晴でした【当日は、照り付ける太陽がまぶしい快晴でした】

 成ヶ島ではナルトサワギクの防除活動が継続的に行われておりますので、先ほどの写真のようにあたり一面がナルトサワギクで覆いつくされる、というようなことにはなっておりません。ではどこに生えているのかというと・・・

大人の腰の高さくらいまである植物(ハマゴウ)群落ですが・・・【大人の腰の高さくらいまである植物(ハマゴウ)群落ですが・・・】

よくよく探していくと、ハマゴウに交じって、黄色い花が【よくよく探していくと、ハマゴウに交じって、黄色い花が】

 ナルトサワギクには、アレロパシーという他の植物の生長を抑制する物質を出す特徴があるということがわかっており、成ヶ島の貴重な海浜性植物の保全のために、ナルトサワギクの分布域が広がらないうちに、しっかりと防除作業をすることが大切です。

中腰になって懸命に探します【中腰になって懸命に探します】  

 皆さま、暑い中お疲れ様でした。

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