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アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

606件の記事があります。

2007年08月23日ゴジュウカラのご挨拶【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは!
標高が1000mを超える大峯でも暑い日がつづきます。今年の夏は晴天の日が多く、ニワカ雨も少ないそうなので水不足になりそうで不安な面持ちの吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。

そんな真夏の登山道の巡視中、ゴジュウカラ*(注:1)という小鳥さんに出会いましたよ。
木の前を登ったりおりたりと、忙しなく餌を探している様子。ごくろうさまです。


写  真:ゴジュウカラ
撮影場所:釈迦ヶ岳付近(奈良県十津川村・下北山村)
撮影日時:平成19年8月10日


写  真:ゴジュウカラ
撮影場所: 古田ノ森付近(奈良県十津川村)
撮影日時:平成19年8月10日
コメント:木に逆さまになるのが得意で、まるで忍者みたい。

 この日は十津川村の旭登山口から孔雀ヶ岳の間を巡視、朝から太陽がギラギラと照りつけ、足を進めるたびに大汗が出てきました。それでも熱中症にかかることなく無事巡視を終え戻ってきました


写  真:大日岳
撮影場所:古田ノ森付近(奈良県十津川村)
撮影日時:平成19年8月10日

*注1:ゴジュウカラ

スズメ目ゴジュウカラ科 小形で、背は灰青色、下面は白色。嘴は長大で、尾羽は短い。樹林に住み、樹幹を旋回しながら上下し、小昆虫を食べる。巣はキツツキの古巣や洞穴を利用する。(参照:広辞苑)

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2007年08月10日大蛇?(ダイジャグラ)と展望台【利用】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

 こんにちは。暑いですね。今日も事務所からは、涼をもとめて吉野川で川遊びをしている人たち、鮎釣りを楽しんでいる人たちが見えます。お互い棲み分けしているようですが、最近は川遊び勢力が優勢なようです。

 さて、今日はそんな暑い中でも、背筋が凍るほどの涼しさを与えてくれる大台ヶ原の絶景スポット大蛇?(ダイジャグラ)の紹介です。
大蛇?は、山上駐車場から歩いて約1時間10分で行ける自然が創り出した絶叫スポットです(絶壁の頂上に立って周囲を眺望できる。落差は1000m!!)。ここからは、西大台、中ノ滝、西ノ滝、上北山村の坂本貯水池、そして遙か大峯山脈が一望できます!
足がすくみ、自然の壮大さに思わず驚きの声をあげてしまう、そんな場所です。
※一枚岩で滑りやすくなっているため、足下のしっかりした靴で行かれることをお勧めします(サンダル・スニーカーでは大変危険です)。


大蛇?から西大台を望む
(撮影:2006.5.21)
その西大台には、展望台という場所があります(上写真の矢印あたりだと思います)。
そこから写真を撮ってみました。


展望台(西大台)から大蛇?を望む
(撮影:2007.8.9)
矢印のあたりが大蛇?。拡大してみると…


すこしわかりにくいですが、真ん中の岩が露出している部分が大蛇?です。
よ?く見ると2つの点があるのですが、それが人です!!まさに崖の上にかろうじて乗っかってるといった様子です。改めて驚きを感じました。遠くからみると、また印象が変わるものですね。
 みなさんも今年の夏休みの思い出として、大自然のスリルを堪能してはいかがでしょうか。

お知らせ)
来週一週間、近畿地方環境事務所アクティブ・レンジャー日記はお休みとなります

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2007年08月06日山登りの事前準備【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

 皆さんこんにちは!
歩かなくても汗をかいてしまうこの季節、キラキラと流れる清流で汗を流したいと思いつつも凍るような水の冷たさを想像してしまい、汗を流しきれない吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。


写  真:ゴヨウツツジ
撮影場所:七面山西峰付近(五條市・十津川村)
撮影日時:平成19年7月31日

 7月下旬、大台・大峯では山での不幸な事故が相次いでいます。
巡視で赴くところだけに身を引き締め直さなければなりません。自身の安全について今一度考え直したいと思い簡単なチェック項目を作ってみました。


1登山の前日・当日の天気は確認しているか?
2ヘッドライトを用意している?
3地図やコンパスを取り出しやすい所に用意する工夫はしているか?
4自分の行き先や行程等の詳細を誰かに伝えているか?
5山に入る前に入念な準備体操をしているか?
6日没時間を確認しているか?

これらのチェック項目に共通しているのは準備!山での事故原因は数知れずですが事前にきちんと準備することで多少の要因は減らせます。知っていてもなかなかできることではありませんが、皆さんも今一度気を引き締め直し確認されてはいかがでしょうか?

山での事故の一つ、遭難。それを導く甘い罠 ↓


写  真:登山道で見かけるビニールテープ
撮影場所:七面山東峰付近(五條市・十津川村:境界)
撮影日時:平成19年7月31日
コメント:テープがあるからといってその道が正しいとは限らない!



写  真:人の踏み痕?
撮影場所:七面山西峰付近(五條市・十津川村:境界)
撮影日時:平成19年7月31日
コメント:獣によって作られた踏み痕もチラホラ。結構紛らわしい。

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2007年08月01日おばけミズナラ【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

みなさん、こんにちは。今日も蒸し暑い吉野からAR日記をお届けします。事務所ではノークーラーでどこまでいけるかと職員一同で頑張ってます(汗)!!不思議なもので、この暑さにも体がすこし慣れはじめ汗腺が開いてきたような気がします。

さて、今回も引き続き西大台シリーズです。


通称、カボチャミズナラ。
(撮影:2007.5.29)
西大台の開拓跡地から逆峠に向かって登山道を歩いていると突如として姿を現します。
ご覧になるとわかるように根本のところが非常に膨れあがっています。なんでこのようになったのでしょうか。直径2m以上。この樹木はミズナラといってドングリがなり、時として根本に天然マイタケが生えるそうです。(注:大台ヶ原は、特別保護地区に指定されており、植物、動物、落ち葉、石などすべての自然物の採取が禁止されています。)


(撮影:2007.5.29)
成人男性と比べるとこのくらいです。
何百年も大台を見てきたのでしょう。
いかにも、目に見えない何かが棲んでいそうです。
大きなこぶの下には所々に穴が空いており、覗いてみるとスリル満点。
おすすめのインスピレーションスポットです。西大台にいらした時は是非立ち寄ってみてください。

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2007年07月25日7月、大峯季節だより【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

 皆さんこんにちは
全国各地で梅雨明けしたようですね!事務所にいても汗をかいてしまう日が多くなりました。そんな暑い日は布団をほかほかにしたい吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。


写  真:大日山と夏を感じさせる樹木の深緑、そして青空
撮影場所:大日山付近(天川村)
撮影日時:平成19年7月24日



写  真:稲村ヶ岳・大日山
撮影場所:レンゲ辻付近(天川村)
撮影日時:平成19年7月24日

 さて、7月も終盤に差し掛かろうとしているので大峯の季節たよりをお送りします。

<気候>
・7月の前半は梅雨と台風の影響で太陽が恋しい日が続きました。山登りをしているときは湿気が多いためかジメジメしていて、汗が一向に引きません。ガスが掛かって天望のきかない日も多かったのではないでしょうか?

<7月の平均気温>
・24.6℃ 気象庁HP参照(平成17年:上北山村)

<日の出・日の入>
・日の出:5時分01 日の入19:05時分

※山間地では山に囲まれているため上記の時刻より日が早く沈むので注意して下さい。

<服装>
・  日中は半袖だろうが長袖だろうが歩いているとかなりの汗をかきます。少しの水分を失うだけで身体機能はかなり低下するそうですので小まめな水分補給を、肝に銘じたいものですね。
・  これからの季節、日差しの強さが半端ではなくなって来るので帽子があると助かります。

<動物>



写  真:エゾハルゼミの抜け殻
撮影場所:山上辻付近(天川村)
撮影日時:平成19年7月24日
コメント:林の中でけ透き通った大きい音(カエルのような声)がしたらきっとこのセミ!


・ 山麓部の夕暮れ時にはヒグラシが涼しげに鳴いています。その歌声は日差しの弱まりと心地よい音色で清涼感抜群です。


これから山本番、夏本番です。体調にはくれぐれも気を付けてお出かけ下さいませ!

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2007年07月20日きれいな水【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

こんにちは。吉野AR釜田です。
7月も後半に入りましたが吉野も涼しい印象を受けます。最近は、気温的に夜はとても過ごしやすいのですが、さまざまな虫の襲来に辟易しています。

 先日、台風4号の影響による被害がないか、西大台の周回歩道を巡視してきました。台風一過の大台ヶ原は、ぬかるみも多くありましたが風が吹き爽やかな空気でした!
 大台ヶ原は、吉野川、宮川、熊野川の水源地となっているくらい雨が多く降る地域として知られているのですが、多くのところで臨時の沢ができていたりしました。もちろん普段が沢であるところは、増水していたのですがその流れは濁ることなく透き通っていました。


台風による影響で、針葉樹が流されて岩に引っかかっていた。
流れの早さに圧倒される。
(撮影:2007.7.17)




(撮影:2007.7.17)
冷たい水で、顔を洗い、汗を流します。
この気持ちよさは、山に登ったときの醍醐味の一つでしょう。
水の清らかさに、自分のこころも洗浄されました!!
西大台はこのような気持ちのいい沢が歩道沿いにみられます。
歩道の崩壊や倒木など大きな被害はほとんどなく、ホッとして無事に巡視を終えてきました。

※大台ヶ原では、苔や樹木の実生などの植生保護のため歩道外の立ち入りを禁止しております。みなさまのご協力をお願いします。
※9月1日から西大台では利用調整が開始されます(立入にあたっては事前に手続きを行い、定められたルールに従って利用していただくことになります)。
詳しくは西大台利用調整地区ガイド(http://c-kinki.env.go.jp/nature/mat/nishiodaiguide/index.html)をご覧下さい。
利用調整地区の導入にあたって、今後さまざまな西大台の魅力を、自分なりの視点から紹介していければと思っております。

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2007年07月12日雨の大台の住人【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

皆さん、こんにちは。くもりや雨ばかりの吉野ですが、最近朝の空気になんだかワクワクするような夏の匂いを感じるAR釜田です。

昨日に引き続き、今日も大台ヶ原からの話題です。昨日、ニホンジカ保護管理業務の一環で雨の中の西大台に入ってきました。木谷ARが、霞とアジサイの相性について書いていましたが、それに負けず劣らず霞と苔の相性も抜群でした。


コケの絨毯がひろがる。もののけの世界。
(撮影:2007年7月11日)

そんな雨の音だけが静かに聞こえる幻想的な西大台で、よく出会える生き物がいます。
それが…

ナガレヒキガエル。
(撮影:2007年7月11日)
こんなアップで凛々しく写ってくれました。
堂々としており温厚な性格のようです。
大台ヶ原では、この雨の時期に登山道によく姿をみせてくれます。
体長が10cmくらいの中型のカエルです。

(撮影:2007年7月11日)
横顔をのぞいてみると、瞳が横長で、耳(?)と思われる部分にいくつもの穴が空いていました(耳ではないそうです)。じっくり観察してみると、不思議な部分が多くみられました。
 幻想的な景色や、小さな住人との出会いなど雨の大台ヶ原の魅力を改めて感じた1日でした。

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2007年07月11日霞とアジサイの相性【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは!最近、通勤途中で雨に会うことが多い吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。そんな時に限ってカッパを装備しておらずずぶ濡れ状態。まるで滝に打たれる修行のようです。六根清浄!!
 
先日のアクティブ・レンジャー日記からアジサイがクローズアップされているので野外に出るとついついアジサイに目がいってしまいます。



写  真:ヤマアジサイの花
撮影場所:シオカラ谷(奈良県上北山村大台ヶ原)
撮影日時:平成19年7月10日
コメント:ほのかに青い花びらが目に優しい


写真のアジサイはヤマアジサイ。ブナ林などの夏緑広葉樹林の谷筋などでよくみかけられるそうで、別名が沢アジサイとも言われているみたいですよ!
 雨や霧の日が多いこの季節、白色の霞がアジサイの淡い水色を引き立て、幻想的な雰囲気を醸し出しています。

※最近は週1回、大台ヶ原で観察会を開催しているので大台に足を運ぶことが多い日が続いています。梅雨の時期は来訪者が少ないので静寂な大台を楽しめますよ!


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2007年07月05日あじさい【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

最近雨が降ったり、止んだり、晴れたり、曇ったりと忙しい空模様の吉野です。
そんな梅雨空の中、私の気分をゆったりとさせてくれるのがアジサイです。今日は吉野熊野国立公園・吉野山のアジサイを紹介したいと思います。

桜で有名な吉野山ですが、実はアジサイも6月中旬から7月上旬に咲き、ただいま見頃になっています。(下千本の七曲り坂に約3500株のアジサイが咲いている)


アジサイの小道を通ると…

アジサイの垣根が広がる
撮影:07年7月4日


アジサイ(アジサイ科アジサイ属)
撮影:2007年7月4日
紫色の花びらに見えるのは実はガク(装飾花)で、実際の花は4枚のガクの根本についています(小さく目立ちにくい)!自分自身、最近になって人から教えてもらい驚きました!

ガクアジサイ(アジサイ科アジサイ属)
撮影:2007年7月4日
こちらは、花と装飾花がわかれています。装飾花にぐるっと囲まれているのが花です。

吉野山の七曲り坂には、主にこの2種類のアジサイを見ることができます。
みなさんも身近に咲いているアジサイの飾りの花ではなく本当の花を、探してみるのはいかがでしょうか。

※7月8日(日)までの19時から22時まで吉野山下千本七曲りにてライトアップが行われています。

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2007年07月04日身体にしみ入るセミの声【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

 皆さんこんにちは!
家の裏の小さな沢でホタルが舞っていることに密かに感動している吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。

今の季節、大峯ではあちらこちらからエゾハルゼミの鳴き声が耳に届き、そのすさまじい勢いをヒシヒシと感じます。


写  真:エゾハルゼミの抜け殻
撮影場所: 一本松茶屋付近(天川村)
撮影日時:平成19年6月28日

松尾芭蕉は立石寺で「岩にしみ入るセミの声」と歌を詠んでいますが、このあたりのセミの鳴き声はまるで流した汗を補うかのごとく身体にしみ入るような感じがします。「百見は一聞にしかず」、一度お聞きしては如何でしょうか? 

※写真は洞川洞辻茶屋線という登山道の巡視にいってきた時に撮ったものです。登山道に異常はなく無事巡視を終えてきました。

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