ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 熊野

355件の記事があります。

2006年10月25日海が見えるか??? 【利用・施設】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

 こんにちは。熊野AR鈴木です。
 今日の熊野は真っ青な青空が広がっていて、気持ちのよい風が吹いています。

 今日は宇久井ビジターセンター周辺の展望調査を行いました。宇久井ビジターセンターから約15分ほど散策すると海を見渡せる展望地があるのですが、残念ながら宇久井ビジターセンターからは海は見えません。

 そこで宇久井ビジターセンター周辺園地で、展望のきく場所はあるだろうか???ということで、熊野自然保護官2名が…


写真:よじ登る自然保護官(2006.10.25撮影)

 木によじ登って展望確認しました!もちろん安全対策はばっちりですよ。ロープワーク等の練習も兼ねて行うことができました。

 ここからの展望では南の外洋は見えなかったのですが、目覚山方向の海(ほんのわずかです)と三輪崎の海を望むことができました。今は樹木が生い茂っていて展望はきかないのですが、昔の漁の監視所跡地も宇久井ビジターセンター周辺にあります。今度はその監視所跡地周辺の木によじ登って、「海は見えるか???」を確認できたらと思います。


写真:目覚山方向の展望 海が少しだけ見えます(2006.10.25撮影)


写真:三輪崎方向の展望 (2006.10.25撮影)

 宇久井の自然は、海と森の要素が絡み合いできたもので、海の要素は欠かせないものです。その海を「展望する」という形としても、訪れた人に味わってもらえたらとうれしいです。

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2006年10月18日キイジョウロウホトトギスの開花 【植物】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

 こんにちは。神戸ARから9月下旬にもAR日記で紹介されましたが、熊野地方でもキイジョウロウホトトギスが開花を確認したので報告します。

 キイジョウロウホトトギスは環境省レットデータブック絶滅危惧?類に指定されている花で、吉野熊野国立公園の指定植物にもなっています。水の滴っている岩壁に生育していて、からし色の綺麗な花を咲かせます。釣り鐘状にいくつもの花がぶら下がってついている様を遠くから見ると、まるで甘い果物がなっているようでしたよ。おいしそうに見えちゃいました。


写真:ユリ科キイジョウロウホトトギス(2006.10.14撮影)

 希少種なのですが、熊野・那智大社ではよく見ることができます。園芸・観賞用等のために無断採取されて減少しつつあったのですが、那智大社の方が保護活動に取り組み、現在は約百株ほど確認できるそうです。

 熊野の特産種でもあるキイジョウロウホトトギスを、これからも見守っていければと思います。

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2006年10月05日子どもパークレンジャー??  【イベント】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

 こんにちは。台風が近づいてきています。風が強いです?。

 先週に引き続き、子どもパークレンジャーを実施しました。今回は第2回・第3回の報告をしたいと思います。

 第2回目は「宇久井の海を知ろう!」ということで磯観察をしました。潮位が少し高かったものの、晴天に恵まれての磯観察は、子どもパークレンジャーとともにパークレンジャー&アクティブレンジャーは磯に釘付けでした。オヤビッチャやボラの幼魚を捕まえる事に喜びを見い出している子や、イソスジエビとイソスジエビモドキの判別に苦悩している子(かなり難しいです。)、貝採りのやたら上手い子など、みんなそれぞれに見つけた宝物に夢中になっていました。


写真:生き物大捜索中(2006.9.28撮影)


写真:オヤビッチャはここだー!!(2006.9.28撮影)


写真:採取した生き物をみんなで観察中です(2006.9.28撮影)


 宇久井の海にはどんな生き物がいるのかということを肌で感じ、昔は人は海とどのように付き合っていたのか教えてもらいました。ちなみに宇久井ではカメノテを「ケ」、「ヒザラガイ」を「コゴナリ」、「ケヒザラガイ」を「ビヨナリ」と呼び、食べるそうです。

 第3回目は「宇久井の里の風景復元大作戦」ということで、メダケ・マダケの除去作業を行いました。里地里山として利用されてきた宇久井半島ですが、今は放置されている土地が多く、メダケ・マダケが繁茂しているところが多く見られます。そのような土地の手入れを子どもパークレンジャーにしてもらいました。


写真:「なぜ間伐が必要なのか」について学び中(2006.10.2撮影)


写真:いざ作業へ!(2006.10.2撮影)


写真:時間が経つにつれ、どんどん刈り取るペースが速くなっていきました。子どもパークレンジャー、すごい!!(2006.10.2撮影)

 「宇久井半島の海と森には様々な生き物がいること、様々な生き物が自分たちの住んでいる場所で一緒に生活していること、それはとても素晴らしいことで、誇りに思ってもらいたい。そしてこの自然とこれから上手く付き合っていって欲しい。」そういう気持ちを今回の子どもパークレンジャーに伝えられたのではないかあと思います。


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2006年09月26日子どもパークレンジャー?  【イベント】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

 こんにちは。熊野AR鈴木です。
 今日は、昨日実施した子どもパークレンジャーでの様子をお届けします。
「子どもパークレンジャー」とは、日頃、自然保護官=パークレンジャーと呼ばれる私たちの仕事を子ども達に体験してもらおう!という企画で、熊野地域では宇久井中学校1年生19名を対象に宇久井半島の自然環境について学びます。

 第一回目は「宇久井半島の今と昔を知ろう!」ということで、宇久井海と森の自然塾運営協議会会長(御歳75歳!)に今と昔の人の生活と宇久井半島の自然との関わりについて教えてもらいました。


写真:宇久井VC内の展示パネルを使って説明を受けました。(2006.9.25撮影)


写真:平らな場所をよく見ると、うねが残っているのがわかります。写真では分かりづらいですね。(2006.3.26撮影)


写真:宇久井半島の畑は水の供給がとても苦労したそう。畑の横にみずがめをつくり、雨水を貯めて、畑に利用したそうです。(2006.2.3撮影)


写真:宇久井半島で最も高かった場所で、戦争時の監視所として使われていたそうです。(2006.9.25撮影)


写真:大敷網(漁法)の物見やぐらが宇久井半島には2箇所ありました。昭和43年頃まで使っていたそうです。(2006.9.25撮影)

全三回実施する子どもパークレンジャーですが、第二回・三回とも報告できればと思いますので、乞うご期待下さい。


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2006年09月22日癒し系? 【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

みなさんこんにちは。
秋風が心地よく感じられる最近ですが、わたしはまだうっすらと汗をかいてます。
熊野はまだいい気持ちで海に潜れるような気候ですよ。

さてさて、9月7日早朝、宇久井ビジターセンターに雷が落ち(ビジターセンター職員は無事です!)、その後の処理にバタバタとしていた日々もようやく落ち着きを取り戻してきています。一時、宇久井ビジターセンターのFAXが故障中で連絡が付かなかったと思います。ご迷惑をお掛けしました。現在は電話・FAXともに繋がります。

先日、落雷被害にあったものの点検等にビジターセンターを訪れた際、昼寝をしているタヌキを発見。昼寝中でした。眠そうな顔をしているつぶらな瞳の持ち主に、ひとときの安らぎを実感。見る人によっては癒やしとなるかどうかはわかりませんが、私は愛くるしさを感じてしまいました。


写真:起こしたてタヌキ  (2006.9.19撮影)

あくせくしている生活を癒やしに、是非宇久井ビジターセンターにお越し下さいませ。

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2006年09月14日熊野花ごよみ -9月-  【植物】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

みなさんこんにちは!熊野AR鈴木です。
今日は研修中のため、兵庫県竹野からお届けしています。(内容は熊野のことですよ。)

今日は久しぶりに「熊野花ごよみ」です。
先日、満開を迎えたスダレギボウシです。満開を確認したのは8月27日で、岩壁に集団群落となって着生していました。あいにくこの日はその1地点でしか発見できず、急な崖上だったため、うまく撮影できませんでした。

しかし9月10日に、現地に詳しい方に案内してもらい、再度スダレギボウシを見るべく向かいました。そこで花を咲かせた最後の一株を発見!!私は間近で見たく、崖をよじ登りよじ登り・・・無事観察することが出来ました?。

写真:花が咲いている最後の一株、スダレギボウシ(2006.9.10撮影)


写真:こんな急斜面の崖に生育しています。こぼれ落ちそうです。(2006.9.10撮影)

スダレギボウシは四国に多く生育していて、そのほかには大杉谷や三段壁でも見られるそうです。ここで見られるスダレギボウシは、海岸沿いの崖に生育していて、波しぶきがかかることもあるそうです。そんな場所に生育できているのはここだけじゃないかと言われていました。

最後に花を咲かせたこのスダレギボウシの一株は、来年は落下してしまって見られなくなるかもとの事でした。こんな急な崖でも真っ白で綺麗な花を咲かせているスダレギボウシに拍手です。





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2006年09月04日土の中からウミガメ赤ちゃん 【動物 その他】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

こんにちは、熊野AR鈴木です。
日差しはまだまだ強い熊野ですが、ふっとした瞬間に秋を感じられるようになってきた今日この頃、四季のある日本に生まれてよかったなあと一入に思います。

今日は今年最後の乗り入れ規制合同パトロールの報告をしたいと思います。

9月1日(金)曇りのち大雨。台風がきているのではないかと思うくらいの風と雨の中、行いました。各パトロール地点では乗り入れ車両は見当たりませんでしたが、車やバイクのわだちの跡を確認しました。9月に入れば、ウミガメが産卵するために上陸することははほとんど確認されることがありません。けれども、土の中で成長を遂げている卵の中のウミガメの赤ちゃんがいますので、もうしばらくの間、浜への車両の進入は控えて頂きたく思います!

写真:ウミガメパトロール風景 ウミガメが産卵した場所を確認しました。(2006.9.1撮影)

さてさて今年は、合同パトロールを実施してからはじめて、合同パトロール中にウミガメの上陸を確認することもできました。しかも今回のパトロールでは、なんと生まれたてほやほやのウミガメの赤ちゃんも見ることができたんです!!最後のパトロール地点である王子が浜の孵化場で、約1時間前に土の中から出てきたウミガメの赤ちゃんは、とっても元気に泳いでいました。

写真:うまれたてほやほやのアカウミガメのあかちゃんです。いい顔してました。(2006.9.1撮影)

紀南の海から巣立つウミガメの赤ちゃんが、この浜に産卵しに戻ってくる日を想像しながら、これからの仕事により大いに励んでいきたいと思います!

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2006年08月30日救命救護講習、受講しました。 【イベント】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

こんにちは、熊野AR鈴木です。
昨日の雷はすごかったです!!!ぴかりごろりとかなり近くに感じられました。カーテンの隙間から光が漏れて、「次はどのくらいの音かしら。」と夜中の3時にわくわくしていた私なのでした。

さてさて、先週末に救命救護講習を受講しました。那智勝浦町消防署の方から、心肺蘇生法からAED講習、止血方法などなどを学びました。

講習はまず簡単な説明から始まり、すぐに実技に移りました。

生身の人間を使って、意識はないけれど呼吸のある人への対処方法(回復体位)を学びました。「この格好でいると、楽だなあ?」といっている方もいました。そう考えてみると…私も寝ているときに知らず知らずのうちにこんな格好になっていることも。

写真:回復体位勉強中(2006.8.27撮影)

それから心肺蘇生法を教えてもらいました。平成18年8月15日付けをもって、一部やり方の変更があったそうで、私が以前習ったことのある心肺蘇生法とはすこし違っていました。例えば胸骨圧迫(心臓マッサージ)30回、人工呼吸2回のサイクルに変更…というようにです。

このあとはAED(自動対外式除細動器)の講習をしました。今回私ははじめてこの講習を受けました。AEDは電気ショックを与える機械で、心室細動(心臓のふるえ)という状態を取り除くことが出来るそうです。AEDと心肺蘇生法を組み合わせることによって、正常なリズムを取り戻す可能性が高くなるそうで、現在和歌山県でも各施設での配置が進んでいるそうです。体にAEDのパットを付けると、勝手にAEDがこの人に電気ショックが必要かどうかを判断してくれるとても頭の良い機械なのです。


写真:AEDのパットを心臓の間2箇所に貼り付けます。正常な人の場合はAEDが感知して電気は流れません。(2006.8.27撮影)

以上のような一連の応急手当の動作をテストし、見事13名全員合格することが出来ました!!

ちなみに那智勝浦町消防署から宇久井VCまではおよそ8分で到着するとのこと。その8分の間に私たちが出来る最善の対処をしていければと思います。


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2006年08月24日自然観察会をのぞきに。 【イベント】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

 16日ぶりです。ご無沙汰していました、熊野AR鈴木です。
 新宮では太陽の光が私の肌を焦がす毎日が続いています。しかし私の腕は赤い水玉模様。なぜかというと、それは蚊の仕業。蚊は私をひどく好いています。かゆいです。

 さてさて、昨日私は大台ヶ原に行って参りました。目的はというと、大台アクティブレンジャーの田中さんが行っている自然観察会を参考に勉強するためです。今後は熊野エリアでも、今年7月にオープンした宇久井ビジターセンターを拠点としてアクティブレンジャー観察会を実施する予定です。いま、どのような観察会を行っていくか考案中です。お楽しみに☆

 アクティブレンジャー観察会では、まずビジターセンターのレクチャー室で、吉野熊野国立公園のことや大台ヶ原の自然について写真等を使って説明してくれます。私たちアクティブレンジャーについてもお話ししましたよ。

写真:田中ARによるレクチャーのはじまりはじまり。(2006.8.23撮影)

 その後は大台ヶ原の苔道で自然観察を行いました。苔道というだけあって、何十種類ものコケが観察できます。目を閉じて、視覚以外の4感を使って大台ヶ原の自然を堪能したり、葉っぱゲーム(樹木当てゲーム)などをして約1時間くらいのんびりと歩きます。のんびりと、のんびりと歩いていると、小鳥のや小さな虫、木の実を見つけることができます。普段ならすーっと通り過ぎてしまう場所も、じっくりじっくり。すると面白い出会いがあり、興味がどんどんと湧いてきます。田中アクティブレンジャーの観察会は、そんなきっかけ作りの観察会でした。

写真:田中AR、ミソサザイ発見。(2006.8.23撮影)


写真:ツキヨダケ 8月下旬から9月に観察できるそうです。先週よりかなり成長しているらしく、田中AR驚き!(2006.8.23撮影)

 宇久井ビジターセンターは、ビジターセンター1年生です。これからどんどん成長していくビジターセンターです。これから味わいのある活動を行っていくために日々勉強中でありますが、宇久井の自然のうま味を皆さんとともに堪能できるようにしていきたいと思います。

 宇久井ビジターセンターHP:http://www.ugui-vc.jp

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2006年08月07日8月の乗り入れ規制パトロール 【その他】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

 こんにちは。熊野AR鈴木です。
 先週の土曜日に、8月の車馬等の乗り入れ規制パトロールを実施しました。

 結果報告!今回、パトロールした地点での車の乗り入れはありませんでした。パトロール中に会った地域の人に、乗り入れ規制への協力をお願いするチラシも配りました。すると地元の人からは「知ってるよ?」との声。応援してくれました。


写真:青い海が綺麗です。車両の乗り入れ、わだちともに無し!(2006.8.5撮影 新緑橋付近)


写真:浜にはハマゴウが綺麗に咲いています。もうすぐ見頃は終わりかな。(2006.8.5撮影 七里御浜)

 8月5日時点でのウミガメは、熊野市で4頭上陸確認・産卵無し、御浜町で4頭産卵・未確認3頭、大浜で4頭上陸・3頭産卵とのことです。今年は去年に比べて上陸・産卵とも少ないようです。

 御浜町で今年初産卵したウミガメは、もうすぐふ化を迎えようとしています。今年は何匹のウミガメが七里御浜・大浜を巣立っていくのか、楽しみです。


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