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アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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瀬戸内海国立公園 神戸

171件の記事があります。

2012年12月07日アクティブレンジャーは山へシバ刈に

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

最近神戸の街中ではよく木枯らしが吹いています。子供の頃からビル風で上へ上へと吹き上げられる木の葉を見たり、道端の枯葉が積もった部分をわざと音を立てて歩いたりするのが好きな私のような人間には楽しい季節です。どんどん冷え込む毎日ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか、神戸自然保護官事務所の多賀です。

冒頭の話とはうって変わりますが、皆様「おじいさんは やまへしばかりにいきました」というフレーズを一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。昔話で良くある一節ですよね。

お恥ずかしながら私、この年になるまで何の疑問も持たずにおじいさんは「芝刈り」に行っていたのだと思いこんでおりました。しかしながらよく考えてみると妙な話で、一体おじいさんは山の中で草を刈って何をするつもりだったのでしょう。早速グーグル先生に尋ねてみたところ、おじいさんは「芝刈り」に行っていたのではなく「柴刈り」に行っていたのだとか。この場合の「柴」とは雑木を指し、雑木を刈って燃料などにしていたのではないかとのことです。なるほど。

さて、昔話のおばあさんは川へ洗濯に行き、おじいさんは柴刈りをしていたわけですが、だからといって日々の営みにおいて草を刈る方の芝刈りが行われていなかったわけではありません。といいますのも、昔は畑の肥料や家畜の飼料にするために草原で芝刈りが行われておりました。さらに場所によっては茅場と呼ばれる茅葺屋根や炭俵材を得るための草原が維持されていたそうです。とはいえ、時代は移ろい、人の生活も変わり、肥料や飼料、屋根の姿形も変わっていきました。川で洗濯物をするおばあさんも、山へ柴刈に行くおじいさんの姿も今はなく、茅葺屋根の家屋もあまり見かけなくなった昨今、定期的な芝刈りなどの管理が行われなくなった草原は減少し、草原自体が希少なものになっています。

瀬戸内海国立公園 六甲地域の東お多福山も、国立公園に指定された当時はススキ-ネザサ群落がありましたが、やはり人の手が入らなくなってからは草原は狭まり、主要植生はネザサへと変わりました。そんなネザサ群落を、ススキ-ネザサ群落へ再生させよう!という活動が現在「東お多福山草原保全・再生研究会」によって行われております。ということで、非常に長い前置きになりましたが、私も先日その活動に参加し、「山へ芝刈り」に行って参りました☆

当研究会は、六甲地域や兵庫県内で活動されている様々な市民団体によって構成されており、いずれの方も自然について造詣が深く、いつも様々な事を教えて下さいます。そんなメンバーの方にお聞きしたところ、東お多福山のネザサ草原は、数年前までは背丈よりも高く、さらに密生していたことから、地表に光が届かず他の植物が成長出来ない環境だったそうです。そんなネザサ群落の一部を2007年より実験的に刈取り、光が地表まで届くようにしたところ、草原性植物が芽を出すことが確認されました。以来定期的にササ刈りを行いススキ-ネザサ群落へ回復させる試みが続けられております。




今回は秋の全面ササ刈りということで、参加者60名以上、刈払機も10台以上と気合が入っておりました。で、実際の作業ですが・・・刈払機は経験者しか取り扱えませんので、私は皆さんと一緒に鎌と剪定バサミで草を刈り、そして刈られた草を集めてひたすら運んでおりました。たかがネザサなのですが、それなりに量があると重くなるものです、刈取ったネザサ運びは結構汗をかきました。

そうしていつしか日も傾き始めたころには・・・・・




いかがでしょうか!?

随分サッパリしたと思われませんか?

こうして地表が光に当たるようにしておけば、来年はより多くの草原性植物が芽吹いてくれることでしょう。今から来年の秋が楽しみです!




それではまた次回まで☆

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2012年11月19日☆家島自然体験イベント☆

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

気づけばお店ではクリスマスソングが流れ、広場にクリスマスツリーが登場し、そして神戸ルミナリエの電飾設置工事が始まっていますね。歩み寄る冬を自然からではなく人の活動から感じ取っております。神戸自然保護官事務所の多賀です。

さて、そんな押し迫る年の瀬から逃がれるかのように瀬戸内海国立公園内にある、家島諸島で「兵庫県立いえしま自然体験センター」にて1泊2日の自然体験イベントが開催されました。




地図にあるとおり、家島諸島は家(いえ)島・坊勢(ぼうぜ)島・男鹿(たんが)島・西(にし)島の4島と、無人小島で構成されています。この島々のうち、西島に「兵庫県立いえしま自然体験センター」があります。当センター所長曰く、センター周辺は自販機やコンビニはなく、電波も所々受信できないのだとか。テレビや携帯、パソコンから離れ、ゆっくりと自然と向き合える、そんな場所なんですね。

さて当日・・・。
まさかの荒天で渡船が欠航になり、いきなり出鼻をくじかれました(苦笑)天候が好転しないかぎり船は出ないので、最悪15:00には解散になるかもしれないとスタッフの方からご説明頂いたときはどうしたものかと保護官と途方にくれたものです。

そんな悪天にもかかわらず、参加者の皆様には予定時間通り集まってくださりました。そうして皆で待合室でソワソワ待つこと1時間強、いつしか雨もやみ、風も弱まり、晴れて船で西島へ!

そんな西島で我々を待ち受けていたのは・・・


底引き網水揚げ作業でした!


当初、底引き網水揚げ体験と聞いて私はてっきり漁師さんと船で沖合に出て底引きを手伝うのかと思っておりました。船酔いしやすい私としては、かなり気合を入れておかねば!などと考えていたのですが、フタを開けてみれば、当日漁師さん達が沖で底引きし収集したものを体験センターの桟橋まで運び、そこで「収集した物を水揚げする」という体験でした。底引きへ行く日はまだまだ先のようですね。

さて、底引きによって収集されたもの、かなりいろんなものが混じってました。それこそヒトデ・カニ・見たこともない魚・貝からゴミまで・・・。とりあえずその収集物の山から食べれるものを参加者の方々に選別していただきました。それにしても大人も子供も大はしゃぎで、なんといいますか、宝探しをしているような勢いでした。
あまり楽しそうなのでワタクシめもカメラを放り投げて一緒に探したかったのですが、そこは仕事なので我慢いたしました。

選別している間、大きめの魚は漁師さんがより分けて大型のバケツ(?)に入れてくださったのですが、この魚たちがまた小学生の子達と比較するとかなり大きく見えるのですね!
子供達には魚に触れたり、実際に持ちあげ、その大きさや重さ、感触などを体験していたので、持ち上げている姿を見ると・・・スズキが子供の頭から腰まであるという・・・。




底引きでは他にもサメ、エイ、ハモ、クロダイ、コショウダイなど本当に多種多様な魚が見れました。特にサメは「本物のサメだ!!きゃ~!!うわ~!!」という感じで大人にも子供にも大人気でした。

で、魚を捕ったならそれはもう食べるしかないでしょう!ということで、野外炊事場にてお料理体験に。まずは慣れた手つきでスタッフの方が魚の3枚おろしを実演し、次に参加者が魚を、という流れでしたが流石にこれほど大きな魚を捌いたことのある方がいらっしゃらず、しばらく皆さん遠巻きに魚を見ていました・・・。

ちなみにその頃、私と保護官は何故か『エイ』を捌くことに。
エイって、食べることが出来るのですね。私はこの自然体験までエイが食べられるとは知りませんでした。竜田揚げにして頂いたのですが、ムニュムニュとした食感と軟骨のコリコリ感が良かったです。味は淡泊でしたので、白身魚の煮つけと同じような要領で味付けできるのかなぁと思います。あ、ちなみにサメは刺身へと変身し、酢味噌とともにおいしく頂きました。




エイを捌いていると、いつの間にやら皆さんも魚捌きに熱中しておられました。みんなで収穫したものを一緒に調理すると不思議な一体感が生まれるものですね。魚の下ごしらえが終わると、それらは厨房で一泊二日分の食事へと変身していきました。すんごい美味しかったです☆

時にこの作業の間に出た生ごみや食事の残りものは、島で育てている豚のエサになるそうです。そしてその豚さんも春のイベントで丸焼きにして皆さんでいただくのだとか。実に無駄のないセンターです。

さて、食べ物の話ばかりになってしまっていますが、もちろん、当たり前ですが!食べ物以外の事もありまして。

夕食後の後には国立公園の解説や、夜光虫・海ボタルの観察が行われました。都会育ちを言い訳にして申し訳ないですが、実は多くの参加者と同様、私も夜光虫や海ボタルを見るのは初めてでした。それこそ見た時は子ども並にはしゃいでおりまして・・・お恥ずかしいばかりです。

翌日午前中は釣りやドングリクラフト、カヌー、クルージング、海の生き物観察など多様なプログラムが用意され、皆様それぞれで楽しまれておりました。

参加された方には、魚にふれたり夜光虫を見て自然とふれ合う事が出来た事に満足のお言葉を頂いたり、自然を大切にしたいというコメントまで頂くことができ、本当に有意義な1泊2日になったと思います。また、ご家族でいらっしゃられた方は、普段なかなか子供と時間を過ごせないため、一緒に色々な体験ができたことがとても良かったとのコメントもいただけました。

ぜひ来年もこのようなイベントを開催したいものです。

なお、いえしま自然体験センターでは、随時様々なイベントを行っておりますので、興味を持たれた方は是非、ホームページをみるなりセンターへお問い合わせ頂くなりしてくださいね☆
施設もとてもきれいで、リピーターさんもいらっしゃるほど良い所ですよ。

今年の野外イベントも残り少なくなってきましたが、まだまだ(天候の許す限り)外に出る機会が12月にもありますので、またご報告させて頂きたいと思います。

それでは皆様、次回まで☆

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2012年11月05日こうべ森の文化祭

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

いきなりお天気の話とマンネリ化していて申し訳ないですが、すっかり寒くなりましたね!
朝お布団から出るのが辛くなってきました。神戸保護官事務所の多賀です。

さて、以前より告知しておりました「こうべ森の文化祭」が無事に開催されましたので、今回は当日の様子をご報告させて頂きたいと思います。

ところで野外のイベントというのは何が心配かというと、やっぱりお天気なのですよね。「さて色々下準備も完了!あとは実施のみ!」というところで当日中止になると結構へこみます。ですから今回は晴天に恵まれて本当に良かったです。


えぇ、本当に・・・天気が良すぎて寒かったです・・・。


いやいや、北方の保護官事務所の人達はもっと寒い場所で働いているはずなので、この程度で愚痴ってはいけませんね。

【多分今回初公開!多賀アクティブレンジャーの素顔(半分のみ)。手に持っているのは用意したクイズラリー用紙です】


【クイズラリーに参加された方に配布していた温度計は終日10℃~13℃位を示していました。】

そう、面白いものを見ていれば寒さも紛れるものです。
「こうべ森の文化祭」のブース設置場所は再度公園の広場だったのですが、その中央では間伐材を使ったジャングルジムが作られていました。
その一部始終をご覧ください☆




ジャングルジムは私も童心に帰って登りたかったです。
丸太切り競争も参加してみたかったですね。
しかし双方とも対象は小学生でしたので、今回はあきらめました。

さて、作るといえば自作ドングリカーのレースなども開催されていました。




他にもキノコ観察会や森の手入れ、森のハーブティーサービス等々、多彩な催しが行われていたので全部は書ききれないのですが、来年度はもっと大きなスケールで「森のまつり」が開催される予定ですので、もしご興味を持たれたならぜひぜひ、来年のこの時期に六甲へいらしてください!

それではまた次回まで☆

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2012年10月19日【告】こうべ森の文化祭【知】

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

もう10月も後半ですね。巷では運動会が盛んに開催されていたようで、2週間ほど前に小学生のお子さんを連れた方が「あんなぁ、運動会でな、一番になったらな、あのお菓子買ってやー」とねだられている様子を見て、なんだかほのぼのとしておりました。神戸自然保護官事務所の多賀です。

さて、社会人になり運動会は遠い思い出になりましたが、意外や意外、この年になってもう一度文化祭に参加することになりました。

題して「こうべ森の文化祭」!11月3日(土)文化の日にあわせて、神戸市北区の再度(ふたたび)公園で開催されます。




当イベントは神戸市との共催イベントでして、開催場所の再度公園は神戸市が管理されている、緑が豊か&丸太小屋があったり網が張り巡らされた遊具があったりする遊び場も充実した場所です。

先日現場に赴いたときには、池周辺の紅葉が始まっており良い雰囲気でした。




さて肝心の「こうべ森の文化祭」の内容ですが、大人から子供まで楽しめるよう、様々なイベントが用意されています♪

例えば、お料理が好きな方はたき木を使ったお菓子作りや、森のハーブティー作り、そして摩耶山名物・摩耶鍋の試作などが体験できます。

物作りがしたい方にはウールクラフトや、森のクラフト体験がありますし、森や自然について学びたい方にはキノコの観察会や森の手入れイベントがあります。

自然も良いけど文化的なことに興味がある!という方には「外国人墓地」の探訪などいかがでしょうか?通常は一般立ち入り禁止ですので、これはチャンスですよ~。

森の音楽会も開催されますので音楽が好きな方はこちらにいらしてみてはいかがでしょうか?

家庭科も図画工作も生物も社会も音楽もニガテ!という方にはコレ!!
「丸太切り競争」をおススメします☆
ストレス発散がてらに思いっきり丸太を切ってください!

【イベントによっては事前申し込みが必要ですので、ご興味がある方は是非ゼヒ以下神戸市のリンクより申し込み・お問い合わせをお願いします。】

http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2012/10/20121005300201.html

私どもは子供向けのクイズラリーを用意しておりますので、お時間のある方はどうぞいらして下さい。もちろんクイズラリー抜きでブースにお立ち寄り頂いても問題ありません!(などといいつつ、実は日記を書いている者として正体を見られるのが大変気恥ずかしいです・・・。)

文化祭、皆さんにはどんな思い出があるのでしょうね。
こうべ森の文化祭ではまた新しい一面を持った文化祭の思い出を作っていただけたらと思います☆

それでは皆様、森の文化祭でお会いできることを祈りつつ、また次回まで!

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2012年10月02日オシゴト色々

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

東遊園地公園でまったりお昼御飯が楽しめる季節になってまいりましたね。神戸自然保護官事務所の多賀です。

さて、前回に引き続き、今回も弊所の地味な方のオシゴトを紹介させて頂きます。

国立公園はそもそも皆さんに自然とふれあい景観を楽しんでいただくことを大前提にしております。ということは、アクセスを良くするための道であったり、現地で快適に過ごして頂くための東屋やベンチ、公衆トイレ、大きいものでは宿泊施設や野営場等を設置することになります。そして設備を設置したならば、その設備の維持管理が必ず必要になってきます。

普段都会で暮らしていると、気づかぬうちに道には除草剤が撒かれ、生垣は剪定され、凸凹になった道路は補修されているので、そういった類の施設は随分と長持ちでメンテナンス要らずと錯覚してしまいます。
ですが、アスファルトの道は放っておけばひび割れて雑草が生え始めますし、ベンチなどはいつしかボロボロになったり傾いたりと、案外目が離せないものです。
そんな目の離せない国立公園内の施設の維持管理も私達の仕事に含まれるのですね。

といっても、道端の生垣の剪定作業を日記に掲載しても少々ひねりが足りませんので、今回はちょっと変わったものの修繕風景を皆様にご覧になっていただきたいと思います☆

こちらは何度か話題に出ている成ヶ島です。



成ヶ島のうちでも、多様な動植物が生存している干潟エリアは漂着ゴミ避けのブイが設置されています。今回はこのブイが老朽化により切断されてしまったので、その補修に参りました!

↓見えにくいかもしれませんが、赤マルで括っている箇所でブイが断絶されています。




とはいえ・・・いかんせん私たちはド素人でして。
結局のところは「成ヶ島を美しくする会」の皆様に船を操舵していただき、海に入ってもらい、ロープをつなぎ直して頂きました。



私はといえば、邪魔にならないように記録写真を撮影するのみ・・・。

私達だけでは出来ないことが多く、ご協力頂いている皆様には毎度毎度頭が下がるばかりです。

今回は短くなりましたが、また次回も宜しくお願いします☆

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2012年09月24日再び離島へ・・・

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

どうも皆様、すっかり朝晩の空気がひんやりして気持ちよくなりましたね!富士山ではもう初冠雪を記録したそうで。
実は蒸し暑いのが苦手なので涼しい季節を迎えて喜んでいる神戸自然保護官事務所の多賀です。

ふと思ったのですが、この日記で色々とアクティブレンジャーの仕事を綴っている割に、どこでどんな仕事しているのかきちんとした説明をしたことがなかったですよね。
というわけで、今回は神戸自然保護官事務所の担当エリアと主な仕事について軽く綴ってみようかと思います。

まずは場所!
神戸自然保護官事務所の担当は【兵庫県内】の瀬戸内海国立公園になります。といいますのも、瀬戸内海国立公園は大阪府・和歌山県・兵庫県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・福岡県・大分県の1府10県にまたがっておりまして、一つの事務所が瀬戸内海国立公園全体を管理するのではなく、瀬戸内海国立公園を細かく地域分けして、それぞれ担当事務所が割り当てられているのです。
地図でみると瀬戸内海国立公園はこんな↓感じですね。




神戸自然保護官事務所の管轄エリアは「六甲地域」と「淡路地域」、「西播地域」の3つになります。結構広いですよ。西播地域なんて行って仕事をして帰ってくるのに1日がかりです。とはいえ、他の国立公園は飛行機でないと辿り着けない場所があると思うと、ここはまだ車で行ける分アクセスが良いと言えますね。
しかし!こちらだって船でしか行けない所があるのです!(なんとなく張り合ってみました。)
それは家島諸島及び淡路島の南に位置する沼島(ぬしま)です!
地図にあるとおり離島ですね。

今回はずばり、その沼島に行ってきました。沼島は古事記や日本書紀の国生み神話の舞台であるという説があります。実は、この島へ行く機会はないかしらと心待ちにしておりました☆




それでは次に、神戸自然保護官事務所で特に多い仕事について説明します!
アクティブレンジャー日記では、自然観察会や管内巡視中に見かけたものなどを中心に掲載させて頂いておりますが、実際のところ神戸自然保護官事務所で一番多い業務は国立公園内の許認可行為に係る現地確認(とそれに伴う書類作業)です。
んー、響きからしてお堅い感じですね。
すごく柔らかい言い方をすると、「国立公園内で○○を建てたいけどいいですか?」という質問に対して、予定地へ赴いて、その内容や必要性、それを建てることによる国立公園の風致景観への影響などを確認します。確認の結果によっては、計画変更をお願いしたり、書類による申請手続きをお願いしたりするわけですが、話が長くなるのでその辺は割愛しましょう。

今回訪れた沼島の国立公園に指定されている地域内では、新設備が設置される予定でして、今回はその予定地を練り歩きながら、山中の畑を横切ったり、ヤブ蚊に食われたりしながら、現地確認いたしました。




予定地の兼ね合いで沼島の名所には一箇所も寄れなかったのが残念。
いつか個人的に行く際の目的になりますからその方が良いのですけどね。

以上、神戸自然保護官事務所の業務紹介でした☆
ちなみに国立公園によって自然保護官事務所の業務内容は大きく異なるらしいので、私としては他の事務所が主にどんな仕事をしているのか知りたいところです(笑)

それでは皆様、また次回まで!

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2012年09月11日秋のほにゃらら

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

蒸し暑い日が続いていますね、早くカラッと涼しい秋空にならないかしらと空を見上げたりしておりますが、日がくれれば鈴虫は鳴いているし、秋の風物詩はちゃんとその姿を見せ始めています。

さて、吉野は大峰のアクティブレンジャーがなんだかとてつもなくキケンそうな登山道を巡視されている中、こちら神戸アクティブレンジャーの多賀は秋の植生を観察すべく、まったりと六甲地域に存在する草原とゴルフ場へ行って参りました。

ん?草原?

はて?ゴルフ場?

と、不思議に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

草原といえば九州の阿蘇くじゅう国立公園にある阿蘇草原や、奈良の曽爾高原などが有名どころでしょうか。ところがどっこい、瀬戸内海国立公園 六甲地域にも草原があるのです。さらに神戸ゴルフ倶楽部という、日本最古のゴルフ場もあります。

今回は、兵庫県人と自然の博物館、東お多福山草原保全・再生研究会および神戸県民局県民室環境課により開催された「東お多福山のススキ草原植生観察」並びに社団法人神戸ゴルフ倶楽部、神戸市及び国立公園六甲山地区整備促進協議会により開催された「神戸ゴルフ倶楽部での草原性植物観察会」に同行させて頂き、様々な草原性植物を観察させて頂きました。




かいつまんで説明いたしますと、六甲地域内の東お多福山は元々ススキ草原だったそうで、60年程前にはおよそ83ha(サッカー場116個分くらいですね)ほどのススキ・ネザサ混合草原が広がり、山頂からは大阪湾が一望できる程展望の良い場所だったそうです。
やがて人々の暮らし方や土地の管理方針が変わってから、ススキ草原は徐々にネザサ草原や森林へと移り変わり、今ではおよそ9ha(サッカー場12個分ほど)が草原として残るのみとなりました。
草原としての姿は残すものの、ネザサが優勢なために他の草原植物が育たず、展望も悪くなってしまった、そんな東お多福山のススキ草原を再生しようという活動が行われており、今回の植生観察会も再生活動の一環として開催されたわけです。
では神戸ゴルフ倶楽部での観察会は関係あるのか?といいますと、場所からしても東お多福山とは直接関係ないです。直接の関係はないですが、実は草原性植物というキーワードで繋がっています。東お多福山と同じ六甲山系にあるこの神戸ゴルフ倶楽部は、自然の地形と植生を生かした野性味あふれるゴルフ場でして、他では見られなくなってしまった六甲山の植生が残存している稀有な場所でもあります。ゴルフ場であることからハイカー等一般人の立ち入りが規制され、かつ適宜に人によって手入れされるこの神戸ゴルフ倶楽部は、草原性植物が残るに適した意外な穴場となったわけですね。

では、そんな秋の草原植物、皆さんは何を思い浮かべますか?

先程から度々文章に登場しているススキは代表的ではないでしょうか。
そのほか秋の七草として知られているものがありますね。
萩(ハギ)、葛花(クズ)、撫子(ナデシコ)、女郎花(オミナエシ)、藤袴(フジバカマ)そして桔梗(キキョウ)。
今回はフジバカマとクズを除いて全部撮り集めましたよ!残念ながら残り2種類はまだ咲いていなかったもので・・・。




何だか、とりとめもない内容になってしまいましたが・・・皆様、また次回まで!

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2012年08月31日夏だっ!海だっ!この夏最後の観察会だっ!!

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

とうとう夏休みも終わりですね。巷では既に登校日を迎えた学校もあるそうで。
そんな時の流れに抗うかのように真夏日の観察会に昨日行ってまいりました。
神戸自然保護官事務所の多賀です。

日記のタイトル、今夏のシリーズタイトルとして最後まで使うことにしました。
開き直った?いえいえ、そんなことはありませんよ。そんなことは。

さて、今回は離島です!響きがいいですよね。無人島とか離島とか。
無人島でサバイバルできる自信はあまりない都会育ちの私ですが、無人島に行けば行ったで、いかに真水や食糧を確保するかについて妄想したりします。

今回行った離島はたつの市の南に位置する「沖の唐荷島」と「中の唐荷島」です。
その名の通り唐からの船が荷を下ろしに来たといういわれのある島だそうです。




この2つの島は近接しておりまして、干潮時には歩いて渡れます。
そんな陸続きになる島も、満潮になれば大人でも泳がなければ渡れないほどになるわけですから、潮の満ち引きというのはスケールの大きい変化ですよね。
ということで、今回は潮の満ち引きの原理を知り、実際に満ち引きを見て体験しようというイベントが、あいおい播磨灘の里海づくり協議会とB&Gあいおい海洋クラブ様によって実施されました☆


まずは沖の唐荷島に上陸し、西はりま天文台の先生に潮の満ち引きについての話を聞いたり、磯の生き物などを観察したりしました。

そして子供達も待望の干潮。
沖の唐荷島と中の唐荷島を往復します。

みんなで並んで・・・中の唐荷島へ向かってスタート!



なぜ並んでスタートしたかといいますと、沖の唐荷島から中の唐荷島までの距離を歩数で推測する実験もしていたのです。聞けば、この島での観察会は今年で3回目だそうですが、前の2回は島に行く途中で数え忘れたり、危うく満ち潮の影響で沖の唐荷島に戻れなくなりそうになったりと、なかなか歩数を確認できなかったのだとか。

途中でムラサキウニを獲得



で、結局歩数はどうなったのか・・・?
残念ながら私は、岩場&海水上でカメラを死守すべく、歩くことそのものに集中していたため、歩数まではとても数えている余裕がなかったです・・・。

子どもたちが数えていた歩数はいくつだったのでしょうね。

それでは皆様、また次回まで!

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2012年08月08日夏だっ!海だっ!またまた自然観察会だっ!!

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

さてさて、暦の上では昨日(8月7日)が立秋、これから秋へと季節が移ろい始めるのですね。神戸市、東遊園地公園のセミの鳴き声も心なしか音量が減ってきた気がします。
前置きはこれくらいにして、神戸自然保護官事務所の多賀です。

日記のタイトル、もはや何も考えていないだろうと突っ込まれそうな予感が。
別のタイトルを考えてはいたのですが、むしろこのくらいしつこい方が逆に覚えて頂けるような気がしまして。しかして、ただの言い訳といわれてしまえば元も子もないですね。

タイトルはともかく、8月6日と8月7日に赤穂市は丸山海岸にて、赤穂市教育委員会主催の「赤穂の自然観察会」を、赤穂市教育研究所 自然研究部の皆様と実施致しました!

真夏日の青い空の下、波の音とセミの鳴き声に包まれ、汗だくになる・・・。
もう、夏☆満☆喫ですね!あとは氷水で冷やしたスイカがあれば最高です!
なんてね!別に遊びに行ったわけではありませんよ!
全くもって!そんなことはありません!!

こちらの観察会では、まず初めに屋外でポイントラリーを行い、ポイントラリーを全部回ったら屋内で自然工作を行う流れでした。そこで今回、私達は主にポイントラリーの方を協力させて頂きました。

ときに皆様、擬態(ぎたい)生物をご存知でしょうか?
周りの風景を真似てその場にいないように見せかけたり、別の生き物を真似ることで外敵から逃れたり獲物を捕食したりする生物たちのことですね。
今回は、子供らに擬態がどのくらい効果的であるのか体験してもらうために、ポイントラリーの中に、自然の中に置かれた親指サイズのオモチャを探し当ててもらうポイントを用意しました。
ぱっと聞いた感じ、オモチャでは色も自然物とは異なるし、形からしてすぐ見つかるのでは?それでは擬態にならないのでは?と思われる方も多いのではないでしょうか。
実はプラスチックや塩ビのオモチャでも、ちゃんと周りの色に合わせれば意外と見つからないものなのです。(その分、設置した私たちが設置場所を忘れると本当に見つからなくて苦労しますが・・・)
写真では実際の感覚とずれてしまうのですが、こんな↓感じに溶け込みます。

大体左の写真中央に・・・右写真のように拡大すると、少し手足が見えますね・・・。


ここに置いてあるのは写真のとおり、カマキリの形を模したオモチャです。
このように、自然界にそぐわないような人工物でも、色が似ていれば人間の目でも騙されてしまうのだということを、少しでも子供達に体感してもらえればという趣旨の遊びでした。

子供たちはかなり本気で探してくれ、「むっちゃむずいなコレ~」とのコメントまで頂き、なかなか置き甲斐があったなぁ、とひっそりほくそ笑んでおりました。



なんとか見つけようと探しています。

その後は屋内で、海岸で拾った貝を使った万華鏡と写真立て作りを。せっかくですので私も混じって万華鏡作りをしました。成果物はこの通り!


ワタクシめの夏休みの工作一丁上がり、と。


それでは皆様、また次回まで!

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2012年07月30日夏だ!海だ!自然観察会だ!!

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんは、神戸自然保護官事務所の多賀です。
最近日記のタイトルが似たものばかりですね。

それはさておき、ようやく学校は夏休みに入りましたが「最近の子供たちは外に出ないでテレビゲームばかりしている」なんてイメージはありませんか?
そもそも私が都会育ちだから、自分の過去を振り返って余計にそう感じてしまうのかもしれませんね。そんな私の思い込みが良い意味で裏切られたのが、7月28日(土)に行った小学生の子供達との海辺の生き物観察会でした☆

自然観察を行う前に、海に関する○×ゲームと、中身の見えない袋に何が入っているのか触感で当てるゲームを用意したのですが、○×ゲームでは半数の子供が全問正解するわ、触感で当てるゲームでは「あ、これ前に捕まえたことあるし」とあっさり当てるわで。いやはや、子供たちを侮っておりました。

ゲームの後は、海岸に出て、海辺の生き物を自分で探したり捕まえたりしてもらっていたのですが、まあ集めてくる集めてくる。実は事前にその海岸ではどんな生き物が見つかるのか確認してあったのですが、その時確認できた生物以外のものがわんさかと集まっていました。さらに驚いたのが、子供たちは魚とり網などが無くとも、結構動きの早いエビや小魚をヒョイヒョイと捕まえてくるのですね。おかげさまで私の方が見ていて楽しくなっていました。


探し始めると、大人も子供も夢中になります。

ときに、この日はMVP賞を与えたくなる程逞しい子がいました!


この写真の少年、手に何を持っていると思います?
木の枝ですね。
しかしただの木の枝ではないのですよ。
写真をよーく見たら、木の枝から白い糸が垂れているのがみえるでしょうか。
なんとこれ、本人が観察中に作成した釣竿なのです!

この少年は、自然観察場所付近で桟橋で釣りをしてる人達を見て、その辺に釣り糸と釣り針が落ちていると見当をつけ、実際にそれらを拾ってつなぎ合わせて作ったのだとか。
自家製の釣竿でとらえたエモノはこのとおり!


その後も次から次へと「このあたりに居るわ」と言ってすっと釣り糸を垂らせば、ぱっと魚を釣る少年を見て、舌を巻くとはまさにこの事だなとしみじみ思いました。

よく「これだから今どきの子供は~」なんてフレーズを耳にしますが、そんなことはない。「今どきの子供だって十分スゴイ!」と思わずにはいられませんでした。

次の自然観察会ではどんな驚きが待っているのでしょうね♪

それではまた次回まで!

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