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アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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瀬戸内海国立公園 神戸

171件の記事があります。

2013年04月26日あわただしい季節

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

ゴールデンウィークですね。ご旅行でウキウキソワソワされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。私、神戸自然保護官事務所の多賀は行列や渋滞が苦手ですので、なるべく自宅でまったり過ごそうと心に決めております。

この時期は自然界もあわただしいですね。外に出る度に見かける虫の種類が増え、小鳥たちの活動も活発になり、植物は違った花が咲いていて、いつも目を楽しませてくれます。目を楽しませると同時に疑問がわき出たり、昔の記憶を呼び覚ましたりするので、これもまた面白いですね。

疑問から始めますと、最近ようやく私の中で解決した疑問がありまして、それは春から夏ごろに山を歩き回るうちにふと香る、「メンマのようなたくあんのような、何だかしょっぱそうなモノの匂い」の正体でした。いつも匂いはすれど、どの植物なのか分からずにその場を通り過ぎていたのですが、先日たまたま花が満開の状態で、近づいて匂いを確認することが出来ましたのでようやく確信できました。

あれはヒサカキの花の匂いだったのですね。

こんなどこでも見かけるような植物の事を今まで知らなかったの!?などと驚かれそうなので、言い訳をさせて頂きますと、実は私、小学生の頃から社会人になるまで海外暮らしでして、割と一般的に日本で見られるものに見慣れていなかったり、日本語での名称を知らなかったりします。(もともと植物関係は弱いのもありますが。)

特にヒサカキは私の住んでいた国には自生しておらず、その何とも独特な匂いに最初は誰かが近くで調理しているか食事でもしているのかと周りを見回したものです。

別の時には、とち餅で有名なトチノキって見たことあったっけ?と疑問に思い、ふとグーグル先生に尋ねてみたところ、トチノキの親戚がセイヨウトチノキで、そのセイヨウトチノキとは昔住んでいた家の近くの公園で良く見かけたコンカーの木(Conker treeあるいはHorse Chestnuts)であったことに気付いたときは、「なんだ結構見たことあるし、すんごい親近感湧いてきた!」などと1人盛り上がっておりました。ちなみにこれがフランス語でマロニエだと知ったときは「っは!紅○豚のエンディングテーマに出てくる木はこいつの事か!」と更に興奮していたのは内緒です。

さて、日本の植物に戻りまして、名前は良く聞くけれどもまだ見たことが無かったのがこちら、「カタクリ」になります。昔、片栗粉の原材料だった植物ですね。今は数が少なくなったそうですが春に林内で群生している場所もまだあるようですね。



先日ようやく見ることが出来ました☆

同じく春に林内で群生しているもので私にとってなじみ深いのがブルーベルでしょうか。こちらもカタクリ同様、数が減りつつあります。


シュンランも先日初めて見かけて何とも可愛らしい花だと感動してパシャパシャ写真を撮りまくりました。

それにしても、どこの国でも当たり前だった風景や見慣れた生物が減り続けている現状は切ないですね。これからゴールデンウィークに入り、皆様も野外に出かけたりすることも多いかと思います。その際に、綺麗だったり珍しかったり可愛らしかったりする動植物を見たら、捕まえたり採ったりせず、そっとしていただき、思い出だけをお持ち帰りいただくようお願いします。そうすればまた将来その場に戻ったとき、その風景をもう一度楽むことができるでしょうから。

なんだか偉そうに最後語ってしまいましたが、また次回も宜しくお願いします☆

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2013年04月16日一撃殺虫!!ベイトさん

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

すっかり暖かくなりましたね。春眠暁を覚えずとはよく言ったもので、朝方ついつい寝過ごしたくなる気持ちと戦う日々を過ごしております。神戸自然保護官事務所の多賀です。皆様はうららかな陽気の中いかがお過ごしでしょうか。

「寝る」といえば、私がまだピチピチの二十歳だった頃、尾瀬の方でボランティアガイドをしていたことがありました。そこで寝泊まりしていた部屋というのが、どこからかハサミムシやムカデがわいて出てきたり天井から落ちてきたりするというスリリングな場所だったのです。寝るときに顔に落ちてきたらイヤだなぁという思いが毎晩一瞬よぎっていたものの、眠気に負けてぐうぐう寝ていたことを思い出します。

あの頃は割と平気だったのですが、今でも出来るかと聞かれると少々自信がないですね。寝室にアリが這っているところも想像すると何だか背筋がゾワゾワします・・・。では、前置きがまたしても長くなりましたが、前回に続き、「アルゼンチンアリ防除」について書いていきたいと思います。

前回の日記では、アルゼンチンアリは外国からやってきた種で、繁殖力が恐ろしく強く、やたら攻撃的な性質を持ち、在来種を脅かすだけでなく、家の中を侵略してくる脅威であることを説明させて頂きました。それでは今回はそのアリをどうやって防除するのかのお話です。

第1のステップは簡単・簡潔です。

アリを持ち込まない、持ち出さない。これにつきます。

かなり単純な事ですが、意外と難しいです。といいますのも、このような小さな生物は土石・材木や園芸植物の中に紛れ込み、運んでいる人がそのことに気づかないことが多いのですね。ですから、既にアルゼンチンアリが定着してしまっている地域では、その存在と対策について周知することが大切になります。

アルゼンチンアリ防除の手引きも参照ください。


http://www.env.go.jp/nature/intro/4control/files/manual_argentine.pdf


ではもしも気づかないうちにアルゼンチンアリが近所に来てしまったら、次はどうするのか。それはやはり早期発見と迅速な対応に限ります。数が少ないうちに一気に叩いてしまうのです。

私達はアルゼンチンアリの被害を抑えるため、ベイト剤と液体殺虫剤の組み合わせでアルゼンチンアリ防除を行っています。ベイトとは英語のbait(エサ)のことです。仕組みはコン○ットと同じで、殺虫効果のあるエサを巣の中まで運んで行ってもらい、巣の中からじわじわ数を減らします。また、液体殺虫剤の方は巣を見つけたらスプレーします。即効性と遅効性の両方から攻めるのですね。



右下の緑色の物体がベイト剤です。左上のタンクには液体殺虫剤が詰まっています。



7歩に1つ置いていきます。夏になったらキツそうな作業です・・・。

ベイト剤は親指ぐらいの大きさでして、これ1つ1つをアルゼンチンアリの活動領域をすっぽり囲うようにチマチマと設置するため、結構な労力になります。完全駆除にはどのくらいかかるのかと問いかけた際に、90%程度減らすのに1年かそれ以上かかるかも、との回答が返ってきました。

広がるのは一瞬だというのに、駆除にはそれほどの労力と時間が必要になるのです。皆様、くれぐれもご注意を!

それではまた次回まで☆

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2013年03月29日侵略!アルゼンチンアリ

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

春爛漫ですね。もうお花見をされたかたもいらっしゃると思います。花より団子、団子より花見酒、そんな神戸自然保護官事務所の多賀です。皆様はどうでしょうか。

サクラといえば街で見かけるサクラのほとんどはソメイヨシノで、しかも自然に増えることが出来なく、人が地道に接ぎ木あるいは挿し木して全国各地で増えたと知ったとき、日本人の並みならぬサクラ好きを思い知りました。さてさて、世の中には人の手によって増え、喜ばれるものもあれば、予期せぬ形で人の手によって増え、問題になっているものがあります。

今回のテーマはこちら、「アルゼンチンアリ防除」になります。防除とは、被害の防止と除去を意味します。

アルゼンチンアリは南米原産で、150年の年月の間に北米、オーストラリア、アフリカやヨーロッパに進出しました。日本では1993年に広島県での定着が確認されて以降、兵庫県、山口県、大阪府、京都府、愛知県、岐阜県、神奈川県へと、徐々に広がっている特定外来生物です。(※特定外来生物とは外来生物法に基づいて指定された生物で、その輸入・飼養・運搬等が規制されています。)




写真左に写っているのは在来アリ、右がアルゼンチンアリになります。写真から見ても分かるように、アルゼンチンアリは全長3ミリ程度と小さく、ぱっと見ただけはそれほど在来種を脅かすようには見えません。ですが!アリというのは自分よりも大きい相手でも群がって攻撃したり捕食したりしますよね。アルゼンチンアリも然り。数を武器に在来種を駆逐してしまいます。アリの巣には通常1匹の女王アリがいますが、彼らの巣には複数の女王アリが存在し、その女王アリはそれぞれ1日60個もの卵を産みます。彼らの繁殖力たるや相当なものなのです。

これでまだエサについてこだわりがあれば良かったのですが、彼らは雑食性ですので、その場その場に応じたエサを見つけられます。

さらに!彼らはおよそ5℃~35℃までの気温の中で活動可能で、コンビニよろしくほぼ365日24時間営業という、まさに勤勉な「働きアリ」なのです。私達が寝ている間も彼らは着々と数を増やし、その分布域を広げ続ける・・・。おそろしい。知れば知るほどこのアリは恐ろしいやつです。

まだまだありますよ・・・アルゼンチンアリは巣の1つ1つが独立し、それぞれの縄張を持っているわけではなく、地域一帯の巣が全て1つの巨大な巣となっているのです!かっこよく言いますとスーパーコロニーを作ってしまうのです。ですからアルゼンチンアリ同士の潰し合いはなく、そのかわりアルゼンチンアリ以外の生物に被害が及びます。

その攻撃力、繁殖力、適応万能性によって在来アリが一掃されてしまった地域もあるとか・・・。ここまで強いと何だか感心してしまいますが、感心している場合ではないのです!

アルゼンチンアリの見分け方


http://www.env.go.jp/nature/intro/5pr/files/r_argentine.pdf

彼らのもう一つの恐ろしさとは・・・その小さな体躯を生かして1ミリ程度の隙間からどこへでも侵入可能なところです。モチロン貴方のお宅も例外ではありません!

砂糖水を含ませた綿に集まるアルゼンチンアリ


家の外だろうと中だろうと、彼らは食べ物に群がります。食べ物が無くとも部屋中行列をなしてワラワラ歩き回り、就寝中に咬みついてきたりします(毒はありません)・・・想像するだけでもげんなりしますね。

人間にとっては不快害虫であり、農業害虫でもありますし、生態系への影響も懸念されております。

世界の侵略的外来種ワースト100に選ばれたまさに侵略虫!

このような害虫の場合、一番効果的なのはまず侵入を防ぐ、侵入されてしまった場合は早期発見と防除の実施が不可欠になります。

神戸では既にアルゼンチンアリが定着しておりまして、中でもまだまだ分布域が大きくなっていない一区画の防除作業を私どもは始めたところです。詳細について語りたいところですが、少々長くなってしまったので今回はここまで。

続きはまた次回に☆

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2013年03月06日浜甲子園鳥獣保護区へ

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

ツバキもウメも花が咲き、春爛漫の空気が漂い始めていますね。サクラも綺麗で好きですが、初夏の水田を早く見たいなと思う神戸自然保護官事務所の多賀です。皆様はいかがお過ごしでしょうか。

冬の渡り鳥が去りはじめた後という少々残念なタイミングでしたが、先日管轄内の鳥獣保護区へ行って参りました。兵庫県は西宮市にある浜甲子園鳥獣保護区は、近畿地方有数の渡り鳥の中継点となっています。元をたどれば旧海軍飛行場の一部だったのですが、台風により陥没した後に砂がたい積し、干潟となった風変わりな土地です。阪神淡路大震災の影響により地盤沈下が生じたため、現在環境省により干潟再生の取り組みが行われている場所でもあります。

平日でしたがバードウォッチングの方の姿がチラホラと見られ、その道の方々にはなかなか人気のスポットらしいことが見受けられました。そして歩けばさっそく鳥も海にプカプカ浮いているものや、陸で休んでいるものなどすぐに観察できました。



砂浜で休憩中の鳥たち

さてここで質問です。上の写真には何種の鳥が写っていると思いますか?(画像が小さくて申し訳ありません・・・)
全部同じ種類が写っているでしょうか、それとも3種くらいは別の種が写っているようにみえるでしょうか。



私が判別したところ、この中には少なくとも7種の鳥が写っています。

ではどの種類が写っていたかといいますと・・・


※ちなみに拡大写真に写っているのはウを除いて全てオスです。ウについてはオスかメスか、ウミウかカワウかもちょっと判別できませんでした。すみません・・・。

写真が小さくて分かりにくかったとは思いますが、実際に野外で見る時も裸眼ではこの程度の大きさでしか見られないことが多いです。そんな黒いツブツブの鳥の群れの中には意外にも多くの種が混じっていることを実感いただけたのではないでしょうか。バードウォッチャーが随分と大きな双眼鏡や地上望遠鏡を持っているのもうなずけますね。

それにしても今回は干潟の話で始まったのにメインはカモかよ!なんてツッコをされている方もいらっしゃるかもしれません。お詫び申し上げます。ちゃんとシギ・チドリなどの干潟らしい鳥が撮影できた暁にはAR日記に掲載いたしますので・・・。

それではまた次回まで☆

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2013年02月19日ゆるいキャラクターと生物多様性

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

地元復興や活性化のために活躍する、ゆるいキャラクターが世間を賑わせているみたいですね。2010年からグランプリまで開催されているとなると、こちら(近畿地方環境事務所)もユルいキャラを生み出して存在をアピールしよう!などと夢見てしまいます。春が近いせいでしょうか、少々妄想がちな神戸自然保護官事務所の多賀です。

近畿地方環境事務所自体を代表するキャラクターは居りませんが、吉野熊野自然保護官事務所の管轄内である大台ヶ原には、オオダイガハラサンショウウオがモデルとなったマスコットキャラクター大台ヶ原山椒大夫(おおだいがはらさんしょうだゆう)君がおります。環境省自体には、例えば環境省大気汚染物質広域監視システムの「そらまめ君」、こまめな生活を推奨する「コマメちゃん」、エコ・アクション・ポイントの「ビープ(BEAP)君」、浄化槽キャラクター(8人居ます)などなど、個性派のキャラクターが勢ぞろいしております。個人的には「黄砂ライダー」がお気に入りです。興味がありましたら検索してみてください。

さて、前置きが長くなりましたね。
多種多様なキャラクターが存在する中、私もようやくそのキャラの2人(2体?)にお会いすることが出来ました。それがこちら、生物多様性広報キャラクターの「タヨちゃん」と「サトくん」です。この2人にはほかにも数体愉快な仲間たちが居りますが、今回は登場できなかったようです。



タヨちゃんとサトくん推参

この日は兵庫県立人と自然の博物館にて「生物多様性地域連携促進セミナーin兵庫」が開催されておりまして、その内容に合わせて上記キャラクター達が登場してくれたわけです。このセミナーでは兵庫県内の地域団体が取り組んでいる生物多様性保全活動報告や、各活動に関するワークショップを行い、それぞれの活動団体の抱える課題や今後の展望などが話し合われました。海底から山にまたがる活動や工場跡地の再生など、各団体の活動拠点やその目標は異なっており、100の団体があれば100の生物多様性保全のあり方が生まれるのかもしれないと考え込んでしまいました。



セミナー中の様子



各団体の活動展示

私個人の話で恐縮ですが、特に今回興味を引いたのは淡路島の社団法人 淡路水交会 様が行われている漁業者の森づくり活動でした。日記が長くなってしまうので話を割愛致しますが、減少し続ける産卵床となる藻場、それに伴う漁獲量の減少、やせ続ける海底の砂地、栄養の足りない海水など、海は実に多くの問題をその中に潜めており、話を聞けば聞くほど、様々な陸の問題のしわ寄せが海に集まっているのだろうかと考えさせられました。普段の業務ではなかなか国立公園外の活動にふれることがありませんので、視野を改める非常に良い機会であったとつくづく思います。

皆様ももし興味とお時間があるときは、このようなイベントに参加されてみてはいかがでしょうか。

後半少々真面目になりましたね。
それではまた次回まで☆

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2013年02月07日氷瀑はいずこへ・・・

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

節分が過ぎましたね。正月はおせち、1月7日は七草粥、2月の節分には豆を食べるものだと私は思っていたのですが、大阪に来て恵方巻きの存在を知りました。縁起ものでして、なんでもその年の恵方に向かって無言で丸かぶりするのだそうですが、私はいまだに食べたことが無かったりします(もともとは関西の風習だという説もあり、全国的にはあまり浸透していない地域もあるようです)。皆さんの地元にはどのような風習がありますでしょうか?神戸自然保護官事務所の多賀です。

さて、そんな節分の前の日である2月2日に「初心者のための冬山登山体験教室」を開催いたしました!

この日は兵庫県山岳連盟より講師2名とサポート1名にお越しいただき、万全を期して観察会に臨み、もちろん氷瀑や雪や、生き物の足跡も・・・・




となるはずでしたが、残念ながらこれらは下見の時に撮影したものです。

下見の日より気温の高い日が続き、最後のダメだしといわんばかりに前夜に雨が降ったため、体験教室実施日には雪も氷もほとんど解けておりました・・・。
ご参加頂いた皆さんには是非アイゼンを使って雪の上を歩いて頂きたかったのですが、雪に代わって、ぬかるんだ登山道で歩行練習となり本当に申し訳なかったです。




その後はアイゼンを外してテクテクと歩き、山頂付近でかろうじて残っていた雪(といいますか氷)を楽しんでいただいたり、国立公園のお話をお聞き頂いたりし、下山と相成りました。

少々心残りのあるイベントとなりましたが、来年こそはという思いが強くなりましたね。

ご参加頂いた皆様、講師とサポートにお越し頂いた兵庫県山岳連盟様も本当にありがとうございました☆

それではまた次回まで。

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2013年01月25日雪やこんこん氷やこんこん

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

最近空気がひんやりとしていて、それが私の目にはしみるのか、通勤自転車に乗りながら涙を流している今日この頃です。傍から見ればニコニコしながら涙目なので少々不気味かもしれません。そんなことはさておき、体調を崩しやすい時期ですが皆様はいかがお過ごしでしょうか。神戸自然保護官事務所の多賀です。

そういえば関西に来たばかりの頃は皆さん「さむい」ではなく「さぶい」とおっしゃっていたのを不思議に感じておりました。今では私も「は~、さむっ」ではなく「は~、さぶっ」というようなったのは、それなりに順応したということでしょうか。

さてさて冷え込む今日この頃、六甲山も先日かなりの積雪がありました。その結果がこのとおり。




雪だるまの大行列です。

やっぱり冬といえば雪、雪といえば雪だるまですよね。あと、かまくらでしょうか。
この雪だるまさん達ですが、どうも昨日(1月24日)より開催されている「第9回 氷の祭典」の一部のようです。「氷の祭典」は、阪神・淡路大震災10周年より鎮魂の祈りを込めて開催されているもので、数々の氷の彫刻が神秘的な雰囲気を作りあげています。(氷の彫刻については皆様にゼヒ実物をご覧になって頂きたいので、当日記での写真公開は控えさせていただきます☆)

と、そんな中に・・・




アザラシ。

紛うことなき、アザラシ。
須磨海浜水族園より出張でお越しいただいているマーゴさん(♀)だそうです。




落ち着けずずっと動き回っておりましたので、被写体がブレています(苦笑)
山のてっぺんで海の生物代表、アザラシに出会えるという意外な体験が出来るのもまた、都市に隣接している瀬戸内海国立公園六甲地域ならではの特色でしょうか。

それでは、心持ち短い日記となりましたが、皆様また次回まで☆

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2013年01月09日☆イベント「初心者のための冬山登山体験教室」告知です☆

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

皆様あけましておめでとうございます!
今年もアクティブレンジャー日記を宜しくお願いします。

皆様のお正月はいかがでしたでしょうか。私はアクティブレンジャーらしく登り初めをしようと計画していたにも関わらず、初詣に行ってまったり過ごすうちに冬期休暇が終わっておりました。しまりのない年始で少し後ろめたい気持ちになっております、神戸自然保護官事務所の多賀です。

さて、ヘビ年ですね。巷では様々なヘビに関する催しものが開催されているようです。私はヘビのまんマルおめめが可愛らしいと思いますが、皆様はいかがでしょうか。

個人的な経験からすると、ヘビというのは山道を歩いていて意外と遭遇率の高い脊椎動物です。ダントツで良く遭遇するのがカエルやトカゲでしょうか。鳥にも遭遇しているのですが、どうも足元を見ながら歩かないと危なっかしく、顔を見上げるころには飛び去って行く鳥のシルエットを追うばかりです。ヘビも似たようなもので、ふと前を横切る姿や、茂みの中へと去っていく姿をちらりと見たりします。去年の夏、摩耶山を下山中にアオダイショウを見つけ、じっくりその姿を拝むことが出来た時はかなりホクホクした気持ちでした。
(↓前にも掲載しましたがその時の写真です)



とはいえ、山道を通らずともちょっと人気の少ない神社などの境内では、木の洞でのんびり休んでいる姿を見ることもあります・・・。

さんざんヘビの話をしておりますが今は冬、ヘビも冬眠中のはずですから春までその姿はお預けですね・・・。ヘビの話はこれくらいで。

今回はイベント告知です!きたる2月2日(土)に、六甲山冬の名物である氷瀑(凍った滝)及び樹氷を観察する「初心者のための冬山登山体験教室」を開催します!

この教室では兵庫県山岳連盟の文科省公認スポーツ山岳指導員の方々を講師としてお招きし、冬山登山の基礎知識レクチャーやアイゼンの着脱・歩行練習を行うなど冬山登山の正しい知識を学びつつ、冬の瀬戸内海国立公園六甲地域を楽しもう!という内容になっております。
夏山の経験はあるけれど冬山は行ったことがない、あるいは冬山登山についての知識を持ちたい!という、登山経験はあるけど冬山は初心者の方におススメの教室です。

僭越ながら私も国立公園の事について少しお話をさせて頂く予定です☆

詳細は以下の通りですので、ご興味のある方はゼヒゼヒお問い合わせ・お申込みください!

●開催日時: 2013年2月2日(土)
●場所:有馬温泉駅(神戸電鉄有馬線) 9:00集合
(有馬温泉駅16:00解散予定)
●体験教室内容
 ・有馬~六甲山周遊コース(七曲りの滝の氷瀑観察等)
 ・冬山の基礎知識レクチャー
 ・アイゼンの着脱・歩行練習
 ・国立公園の概要解説
●参加対象:18歳以上で登山経験のある方
●参加費用(山岳登はん保険料) :¥1,100
●定員:15名
●持ち物: 冬季登山向けの装備:帽子、手袋、防寒具・雨具、登山靴、アイゼン(クランポン)、昼食及び飲み物、着替えなど
※アイゼンをお持ちでない方は、無料にて貸出いたしますので、申し込みの際に お申し出ください。
●お申し込み・お問い合わせ先
 以下必要事項をFAX、もしくはメールにてお送りいただくか、電話にてお申込み下さい。
【必要事項】
 ・氏名
 ・住所
 ・生年月日
 ・性別
 ・携帯電話番号
 ・メールアドレス
 ・アイゼン所持の有無
 ※山岳登はん保険加入に必要な事項ですので、お間違いの無いようご注意願います。

【申込・問合せ先】
 神戸自然保護官事務所
 TEL:078-331-1146
 FAX:078-331-1148
 MAIL:RO-KOBE@env.go.jp

それでは皆様、また次回まで!

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2012年12月28日ひなたぼっこ

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

年末が差し迫れど事務所内の風景はさして変わらず、仕事中に確認するカレンダーと、確実に増えた今年分のファイルを見て年末を実感しております。皆様はいかがお過ごしでしょうか。神戸自然保護官事務所の多賀です。

事務所内は代わり映えなくとも、外に出れば冬をしっかり感じることが出来ます。先日は六甲の麓でも雪が降っておりました。
といってもチラホラと振る程度でしたので積もることもなく、雲の切れ間からは日の光が差し、存外暖かかった日でもありました。そんな日に日向ぼっこしていたのは・・・



イノシシ。



4頭も。

聞くところによるとこのイノシシたち、まだ小さかったころに誤ってこの川に落ちてしまい、そのまま山に戻ることが出来ずに居ついてしまったのだとか。真偽のほどはともかく、通常は人前から姿を隠す傾向にある野生生物が、さもありなんと目立つところで寝ているのは驚きです。

神戸市は以前からイノシシが街中に出没し、問題となっていたため2002年より「イノシシ条例」(正確には「神戸市いのししの出没及びいのししからの危害の防止に関する条例」)が施行されています。この条例により神戸市の一部区域ではイノシシのエサやりや、エサとなるゴミを放棄することが禁じられています。もちろん六甲山系のハイキング道でもゴミは持ち帰り、イノシシにエサとなるような食物を与えないようお願いしております。

なじみ深い動物ではありますが、あくまで野生生物であり、人からの干渉を受けないほうがお互いの為です。皆様も六甲山系に訪れる際はどうかゴミを持ち帰り、イノシシを見かけても、どんなにうり坊がかわいらしくとも、エサを与えたりしないようお願い致します。

少々話が真面目になりましたね。

気持ちよさそうに眠っているイノシシを後にして、この日は兵庫県山岳連盟様の管理されている「岳連の森」へ行って参りました☆

「岳連の森」は国土交通省による「六甲山系グリーンベルト整備事業」の一環でして、災害防止や良好な景観の維持、生物多様性の保全・育成、レクリエーションの場の提供などを目的にしています。今回はその森で兵庫県山岳連盟の皆様とリース作りを楽しんでおりましたが、よくよく見ると材料の中に何とも便利そうなアイテムが・・・。




画像が粗くて申し訳ありませんが、上の写真の植物が何か分かりますでしょうか。お正月に良く使うアレです。そろそろスーパーでも出回り始めていますね。

答えはウラジロです。

山に入れば結構自生しておりまして、この時期になるとそういったものについつい目が行くようになってしまいます。あ、単に私がそれらを見るとお正月のご馳走を思い出すからかもしれません。マツなどもこの季節に見ると門松やらおせちのつまものを連想してしまいます。

このウラジロ、少し採って(※必ず事前に土地所有者の了承を得てくださいね。)、綺麗に洗ってふきんなどで拭き、ラップかプラスチックの袋に入れ、冷凍庫に平たくなるように置けば、そのまま保存出来るらしいです。使うときは室温に置けばすぐ戻るのだそうで。ちょっとした主婦の知恵も、こちら「岳連の森」で習得させて頂いた日でした。

さて、長々と書き連ねましたが、皆様いつも読んでくださりありがとうございます。
来年も引き続きアクティブレンジャー日記を宜しくお願いします。

それでは皆様、良いお年を☆

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2012年12月14日漂着ゴミとクリーン作戦とアクティブレンジャー

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

ひねりの無いタイトルですね。なんとなくどこかのライトノベルのような響きですが、関係はないです。さて、クリスマスが近づきつつあり子どもさながらに浮かれております、神戸自然保護官事務所の多賀です。

今回は成ヶ島でのクリーン作戦について。
神戸管轄で本当に良く話題に出る無人島ですね。

こちらは地元の由良中学校が主体となって開催されているイベントでして、かれこれ10年以上も続けられている活動です。
成ヶ島という島は大阪湾のゴミが滞留しやすい場所となっており、放っておけば、じき海岸がゴミで埋もれてしまいます。そんな場所を綺麗にしよう!大切に守っていこう!という思いと共に由良中学校の皆さんは毎年クリーン作戦を実施しているのだそうです。




時に皆様は漂着ゴミにはどんなものがあると思われますか?
ペットボトル、空き缶、釣り道具、ビニール袋、ロープ、コンビニ弁当のパック、自転車のタイヤ、ブイ、発泡スチロールの箱、大小様々なボール、ビーチサンダル、枚挙に暇がないとはよくいったもので、中には医療系廃棄物などの危険物もあり、一体ダレがどこでこんなものを捨てたんだろうかと思うこともあります。
オートバイのヘルメットとシートが漂着していたのを見た時も一体なにがあったんだろうかと考えてしまいましたが・・・。
クリーン作戦中に昔から由良で暮らしておられる方から伺ったのですが、昔は身元不明の遺体もたまに漂着していたとか・・・。いやはや。

そのようにゴミ集めで顔を赤くしたり昔話を聞いて顔を青くしたりしている間、由良中学生によるクリーン作戦はつつがなく進み、集められたゴミたちは国土交通省の海洋環境船「Dr.海洋」に積み込まれ、ゆっくりと運ばれていきました。




後は毎年恒例の炊き出しがふるまわれ、サッパリした海岸を後に延べ200名ほどの人が「また来年まで」と、成ヶ島を後にしたのです。

クリーン作戦はまた来年ですが、神戸自然保護官事務所の今年分のAR日記はあともう1回ありますよ!

ということで、皆様また次回まで☆

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