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アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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瀬戸内海国立公園 神戸

171件の記事があります。

2012年07月17日夏だ!海だ!ハマボウ祭だ!!

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

どうも、神戸自然保護官事務所の多賀です。
近畿地方では梅雨が明けしましたね。
いきなり蒸し暑くなって、私は少しへばり気味です。皆様はいかがでしょうか?

とりあえず私のへばり気味の気持ちを吹き飛ばすため、晴れやかな青空とスカッとした黄色の花を一枚。



タイトルの通り、先週の日曜日(7月15日)は成ヶ島でハマボウ祭が開催されました。上記の写真はその際に撮影したハマボウです。
3mほどの高さに成長する樹木で、昔は分布域も広かったそうですが、自然海岸の減少のため、天然の状態で生息している地域は現在限られている種です。兵庫県ではレッドデータブックでAランクに指定されていますね。

他にも成ヶ島にはハクセンシオマネキがピョコピョコと。
どこにいるか分かりますか?
動いていると分かり易いのですが、さすがに静止画でこの解像度だと分かりにくいですね。
実際に遠目で見ていてもただの白い小石ぐらいにしか見えなかったりします。
とりあえず答えは日記の最後に☆

せっかくなので潮を招いているように見える、一連の動きもならべてみました。
干潟を静かに座って眺めていると、ハクセンシオマネキのハサミがチョコチョコ動いているのが見えて、とても面白くかわいらしいですよ!
もし成ヶ島に来られる機会があったら是非是非ご鑑賞ください。

冬の間は大分静かに見えたこの島も、今は歩けば何かの生き物に出会える楽しい場所となっています。他にも六甲地域の山道や、西播地域の海岸でも色々な生き物が活発に行動しています。もうすぐ夏休み、成ヶ島に限らず、皆さんもちょっと出かけてみてはいかがでしょうか。近所の川や田んぼ、少し緑の多い公園などで観察してみると、意外に沢山の生き物に出会えますよ!

ハクセンシオマネキの居る場所は赤線で括っています。やはりこの写真では分かりにくかったかなとは思いますが・・・いかがでしたか?


それでは、今回の日記は少々短くなりましたが、また次回☆

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2012年07月02日摩耶散歩

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

さて、つい先日長乱文を書いたばかりですが、皆様お変わりないでしょうか。神戸自然保護官事務所の多賀です。

以前チラと触れましたが、神戸自然保護官事務所管轄内の国立公園は日常生活と非常に係りの深い場所にあります。といいますかもう、自宅のすぐ隣が国立公園です、とか、いやそもそも自宅が国立公園内にあります、なんて所です。

そういった場所ですので、瀬戸内海国立公園 六甲地域内に位置する摩耶山のウリは、荘厳なる大自然の景観・・・というより、煌々と都会が輝く1000万ドルの夜景です。

えぇ、繰り返し述べましょう。

1000万ドルの価値がある夜景です。

ちなみにこの1000万ドル、昔は100万ドルだったらしいです。インフレだか何だかの理由でいつしか1000万ドルになったとか、電力会社の方が神戸市の夜間電力代を合計したら大体1000万ドルであるとおっしゃっていたからだとかで、実際に何が理由で1000万ドルなのかは誰も知らないようです。その前に誰が100万ドルという価値を付けたのかも詳細は不明とか。なにかと謎が多いのですよね。六甲山と摩耶山は。

さて、アクティブレンジャーたるもの、自分が巡視している場所が一番輝く瞬間を知らないでどうする!ということで、見に行ってきました♪

バス・自動車・ケーブルカーそしてロープウェイのいずれを使っても山頂には行けるのですが、そこは意地を見せて徒歩。
(最近はロードバイクなんて手段も流行っていますが、持っていませんし、乗って登れる自信もありません)
大体2時間半の道のりを、てくてくのんびり登ったり、下ったり、
イノシシの掘り起こした跡に落っこちた芋虫を眺めたり、
カメムシって名前と匂いが残念だけど、実は見栄えする奴がいるよねとかしみじみしたり、
ジャコウアゲハというか、アゲハ蝶は全般的に綺麗だなあと写真をパシャパシャ撮ったり、

『アカスジキンカメムシ』 と 『ジャコウアゲハ』



コゲラの落とす木屑にまみれたり、

『ん~』    『掘って掘って』    『一休み』


『地面は木屑だらけ』

姿は見えませんでしたが早くも鳴き始めたニイニイゼミの声に夏を感じたり、
アオダイショウにこんにちはしたり、
鳥の羽を見つけたり、
ユキノシタのかわいらしさにちょっとうっとりしたり、

『何鳥の羽でしょう?』(回答は最後に)


 『お花畑』    『あんまり見つめちゃいや』

なんて調子で、当初の目的を忘れて山頂に到着。

日暮れにはまだ早い時間でしたので、とりあえず休憩と、便利なことに山頂近辺には国民宿舎もあるので、歩いている途中に掻いた汗を流しにお風呂を。

すっきりサッパリ、日も暮れたところで、いざ摩耶山山頂の掬星台へ!

この時の写真はあえて載せないでおきます。
是非ご自分の目で見て頂きたいので。
というのは言い訳でして、私の撮影技術ではとてもあの夜景を再現できませんので・・・。

一見の価値はありますよ!いや、夜景好きなら二見でも三見でも!!

ありきたりな表現しかできませんが、山頂から眼下にゆらゆら広がる、赤く、青く、金色にゆらめく都会の光の海と、その先に延々と広がる暗澹たる海のコントラストがとても素敵です。ああいう場所に立って都会を見下ろすと、急に文明から放り出された気持ちになって、怖いくらいです。

日中には鳥類、爬虫類、昆虫&お花が見られて、夜には光の海を臨めるなんて贅沢したわ、はぁ満足満足♪と思いながら帰ろうとしたら、近くの茂みから「ガサガサッ」とアヤシイ音が!

何事!?と一瞬体を凍りつかせ、暗闇の中で目を凝らしてみたら、なんと木柵の向こう、たった2mもない位置に堂々とイノシシがいるではないですかっ!

夜闇の中で至近距離はさすがにギョッとします。向こうが人馴れしていて微動だにしない中、こっちが逆にイノシシ慣れしておらず硬直状態になるという衝撃の事実。

しばらく闇の中のイノシシを眺めていましたが、お食事の邪魔をするのも何だか野暮なので、静かに私の方から撤退しました。

でもこれで哺乳類も見れたなぁーとお得感一杯で帰ったのは秘密です。
「オッ○トヌシ様ァ!」なんて脳内再生していたのも秘密です。
あ、人間も哺乳類でしたね。まぁよしとしましょう。

もうすぐ夏を迎える六甲・摩耶山、そろそろ幻影的な光を魅せてくれるホタルが出てきます。

それではごきげんよう☆

追伸
大変恐れ入りますが、寄生と共生の話はまた次回とさせて頂きます。

最後に、今回拾った羽根はカケスの羽根です☆

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2012年06月22日多様性云々

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

神戸自然保護官事務所の多賀です。梅雨が始まりましたね、それ以上に、台風が上陸しましたね。神戸自然保護官事務所は街中の大きい建物の中にあるおかげか、あまり台風の影響を受けませんでした。

保護官事務所とはどこか国立公園の中にポンとあるイメージではないでしょうか。国立公園内の交番のような。少なくとも私はそうだったので、アクティブレンジャーを始めた時に「えっ!事務所本当にここでいいの!?」などと思ったりもしました。しばらくしてから、神戸自然保護管事務所には国立公園内に関する相談に来られる方がかなり多いので、それこそ交通の便の悪いところにあっては良くないのだなと思い直しましたが。

さて、でっかい建物の中にいるわけですから、当然ほかの事務所も入っております。で、他事務所の皆様はしっかりオフィスらしい服装をされている中、私達だけが公園内巡視用のがっつり山歩きグッズで身を固めて歩き回っていると、サラブレッドな馬達の群れの中に、一頭だけシマウマが混じっているような気分になります。

まさに珍獣!

なんてね!

脱線はここまでにしておきましょうか。

前回の日記で生物多様性について書こうかなと後先考えずに予告してしまいましたが、考えてみれば生物多様性とはかなり話が広く深く長くなりそうなので、軽はずみに書いてしまったことを後悔しております。

もう、先に断っておきます!今日は長文です!

そもそも、生物多様性って言葉が長いですよね。文字にしても言葉にしても。かといってほかにしっくりくる言葉も思いつかないのですが。そもそも意味は?となれば、すごーく、ものすごーく、単純にいうと、「いっぱいいろんな生きものがいること」ですかね。こんな風に書くと誰か偉い人に怒られそうで実はビクビクしています。



こんなチャドクガ(威嚇中)の幼虫もまた地球の多様な生物のひとつ。

なんで生物多様性が大事なの?なんでそんな色んな生き物が居た方がいいの?と問われれば、それは「その方が全体的に安定するから」と答えたいところですが、それだけじゃ分かり難いですよね。

とても極端な話をしましょう。

とある孤島には、1種類の草と、1種類のウサギと、1種類のオオカミしかいなかったとします。ところがある日、草に病気が流行り、草は激減してしまいました。飢えたウサギは草の根まで食べつくしてしまい、とうとう島には草1本なくなります。すると、あっという間にウサギは餓死、それに続いてオオカミも餓死し、最後に島には何も残らなくなるわけです。
ところが、もしここで草が1種類じゃなくて2種類あったら、もしかしたら片方の草は全然病気の影響を受けなくて、草もウサギもオオカミも全滅することが無かったかもしれません。それが多様性のもたらす安定性ってやつです。

本当はこの例え、極端で単純すぎるのであまり良くはないのですが、いずれにせよ、生き物の種類が少ないということは、それだけ「もし」「なにか」あった場合に代用がきかず、すぐに破綻を迎えてしまうということです。

ここまで書いてやっと生物多様性の入口あたりってところでしょうか・・・。生態の多様性、種の多様性、遺伝子の多様性ともっと話は広がります。
多様性とは安定性をもたらすとともに人に奇貨を与えてもくれます。特に多くの植物が生成する化学成分は薬効があったり(キナの木から精製されるキニーネはマラリア原虫の特効薬として広く使われていましたね。今も使われているみたいです。)、除虫菊みたいな蚊取り線香の原料になっている、殺虫効果をもつものもありますし、ヘビやクモの毒については神経系の病気に対する薬として研究が続けられています。生物が多ければ多いほど、そういった予期せぬ恩恵が人に与えられる可能性は高まるわけですね。
話が終わらないのでここら辺で止めるとしましょう。とりあえず予告した分だけの責任は果たした・・・のだと思いたいです。

最後にちょっと変わったお花を紹介します。これは私が気に入っている花で、「ギンリョウソウ」といいます。銀の竜の草でギンリョウソウ。別名オバケグサとかユウレイタケとも呼ばれているらしいです。森の中のちょっとじめっとして暗い所でよく見かける気がします。この写真は2週間ほど前に撮影しました。




この植物は草なのに光合成できません。

その理由は見ての通り、葉緑素が無いためです。じゃあどうやって生きているのかというと、樹木と共生している菌に寄生して、木が生成した栄養をパクっています(笑)。
昔、私が読んだ本では腐葉土から栄養を得ていると書かれていましたが、今回調べ直したららどうやらそれは間違っていたようです。侮るなかれ、植物学の進展を。

なにはともあれ、この森の片隅に生える、透明感ある白い花が好きで、そういう意外で面白いものがあふれている世界がとても好きなので、もうそれだけの理由だけど生物多様性ってのを大事にしたっていいじゃないかと思う時もあるわけです。

寄生と共生の話がでたので、次はそっち関係の日記でも書きましょうか・・・なんてことをするからまた後で後悔することになるのですが。

それではまた次回まで☆

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2012年06月06日お祭り騒ぎ☆

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

どうも皆様、神戸自然保護官事務所の多賀です。梅雨の季節ですね。南方は沖縄だと、かれこれ一ヶ月以上前から梅雨入りしているようですが、気象庁の予測では近畿の梅雨入りは明日(6月7日)頃とか。梅雨直前のはずですが、今日は梅雨なんて本当に来るのかと疑うくらい晴れています。
まるでご近所挨拶のように季節の話から始めましたが、実は今回の日記、あまり季節と関係ないです・・・。もっと言えば、今回の日記ではほとんど自然の話題に触れていません。が、しかし!これもまた環境省のオシゴトなのですからやっぱり日記にさせて頂こうじゃありませんか。

前置きが長くなりましたが、前回の日記で少しだけ告知したとおり「神戸まつり」にブース出展いたしました。これが現場の写真です!




「まつり」というだけあって、上の写真のとおり人通りも沢山。ところで今回は珍しく近畿地方環境事務所の他の課の方々と活動しました。他の課?と少し頭をかしげる方もいらっしゃるかもしれません。
こういう風に書くと語弊をがあるかも知れないのですが、私たちアクティブレンジャーが携わっている仕事というのは、環境省の仕事の中でも本当にごく一部です。
近畿地方環境事務所の中には「総務課」「廃棄物・リサイクル対策課」「環境対策課」「国立公園・保全整備課」「野生生物課」があります。今回は様々な課の中でも、「環境対策課」の方々と近畿地方環境事務所のPRをしてきたわけです。
「環境対策課」と初めに聞いたときは、漠然としたイメージしか浮かび上がらなかったのですが、具体的には地球温暖化対策、公害・化学物質対策や環境教育・環境保全活動の推進をされているそうです。環境教育を担っておられるので、それはもう、大人も子供も楽しめる道具箱をお持ちでした!

名付けて「エコトランク」☆

その名の通り銀色の大きなトランクの中に省エネについて学習できる道具が沢山詰まっています。
下の写真(左上分)で職員と少年が手にしているのはエコトランクの道具の一つで、振りながら充電して光を灯す懐中電灯です。
一番下の写真に写っているのは、モーターを回して発電しながらLEDと電球の使用電力の違いを体験する道具です。モーターの方は写真下に見える小さな扇風機みたいなものにも取り付けられるので、時々入れ替えたりしておりました。
それにしてもお子さんたちはみなエコトランクの道具に夢中でした!親御さんがお子さんに代わって遊んでいる姿もチラホラ。
と書きつつ、私を含め大の大人である環境省職員も何やかんやでモーターを回して楽しんでいたのはココだけの秘密です。




では、右上の子供たちが見入っているモノはなんでしょう?

ガ○ラ?(古い)いえいえ違いますよ。

写真に写っているのは特定外来生物に指定されている「カミツキガメ」です。アメリカからペットとして持ち込まれ、今や発見し次第捕獲の対象となっている存在です。外来生物について、神戸まつりに来られる方々にも知ってもらおうと野生生物課より拝借したものですが、実の意図は環境省ブースに少しでも目をとめてもらう為・・・。効果は言わずもがな。

その他にも「廃棄物・リサイクル課」からは3R普及グッズ等を提供していただき、色々とモノのあふれるブースでした。[3R:REDUCE(減らす)、REUSE(繰り返し使う)、RECYCLE(再資源化)]

「国立公園・保全整備課」からは生物多様性折り紙を提供いただいたので、私はいつしか折り紙担当となって子供らとひたすら動植物をかたどった折り紙を折っていましたとさ。
生物多様性という言葉が出たので、次回の日記は生物多様性について触れてみようかなと少し思案中です。

それでは皆様ごきげんよう☆

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2012年05月18日自然観察山歩@仏谷

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

さて、ここ最近動物の話ばかりだったような気がしますので今日は六甲山の植物の話を中心に綴っていきたいと思います。

六甲山は街中から簡単にアクセスできますので、ハイキングに人気のスポットです。もうとにかくハイキングされている方や山ジョギングされている方を沢山見かけます。中には毎日登山をされる方もいらっしゃって、実に1万回を記録されている方もいます。1年間が365日ですので、一日も欠かさずに登山したとして、27年チョイはかかるという計算ですね。
六甲山のところどころに署名簿が置かれている場所があり、登ったら署名簿に名前を記入するそうです。ちなみに一万回を記録すると、それを称えて再度山(ふたたびさん)の記念塔に名前を刻んでもらえるとか。明治半ば以降から続けられているらしく、朝のジョギングといった感覚で職場へ行く前に登ってくるというスタイルなどがあるそうで、本当に見習いたいですね。

さて、そんな登山1万回(以上)という偉大な記録保持者達がいらっしゃる「神戸ヒヨコ登山会」主催の「自然観察山歩」に参加してまいりました。それがもう皆様観察熱心、勉強熱心でして。
「先生~、これ何の花ですか~!」
「先生こっち来て説明してくださいな~っ」
「ちゃんと花の名前、後ろの人に伝えてください~!伝言ですよ~!」とそれはにぎやかな自然観察会でした。
ちなみ先生の説明は分かり易く、例えば若葉にふわふわの絹毛が生えているシロダモの木があったのですが、それを指して「シロダモはね、若葉が白くてフワフワだからウサギの耳。それを目印にするといいよ。」とか、モチツツジの花を見かけると「あれはモチツツジ、花ビラの裏を触ってみるとモチっとしているでしょ。だからモチツツジです」等々。


(モチツツジの花)
その他にも六甲山ではなかなか見かけられないヒトツボクロについて説明していただきました。


(ヒトツボクロ:左が葉の上面で、右が葉の裏面)
見かけは多少地味なやつですが、葉っぱの裏は綺麗な紫色です。夏になると20~30㎝程のスラリと細長い茎を伸ばして先端にかわいらしい小さな花をつける、なかなか奥ゆかしい子です。
他にもちらほらスミレ科の花が咲いていたのですが、先生の話を聞く前に周囲から「あんな、スミレはな、種類が多すぎるから覚えたらあかんねん。スミレと分かってたらええねん。」というコメントや、「スミレ科は交配し易いからね、なんぼでも新しいのが出てくるわ。」となんだかマニアックな話まで。ますますARとして勉強不足だなと思い知らされた日でした。

そうこうして歩いているうちにあっという間に自然観察山歩は終わり、大変勉強になりつつ、なんだか打ちのめされた気分で帰途についた日でしたとさ。

さて気分をガラッと改めまして、告知が大変遅くなりましたが5月20日に開催される「神戸まつり」内の「おっ!サン商店街」に環境省 近畿地方環境事務所もブースを出します!もしご興味があれば是非遊びにいらしてください!
(下図の矢印のあたりに出展します。)


神戸まつりの詳細については、神戸まつりの公式HPをご参照願います。
それでは皆様にお会いできるのを楽しみにしております☆

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2012年05月07日蛙が孵る

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

気候もなんだか暖かいを通り越して暑いになってきた今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
楽しくGWを過ごされた方も沢山いると思います。GWの間は本当に野外で過ごすには良い季節ですね!暑すぎず、寒すぎず、ヤブ蚊はまだ少ないし・・・なんといっても生き物の息吹を直に感じられます!
私が着任したばかりの頃は、茶色にしか見えなかった山々も、今は鮮やかで明るい緑色に変わって遠目からもウキウキします。そして、私が初めて投稿したAR日記でご紹介した例のニホンヒキガエルの卵は・・・




うぞうぞうぞうぞぞうぞうぞ・・・・・



そう、オタマジャクシの大群に変わりましたよ!

いやぁ、正直ここまで集まるとちょっと気持ち悪いですね!



一体一体はかわいいのですけれどね!集まりすぎ!集まりすぎ!!
正直私が捕食系の生物だったらなんて恰好の餌場なのだろうと思わずにはいられません。

オタマジャクシは春時にいろんな池で見かけるのですが、どれも群れる傾向がある気がするのは私だけでしょうか・・・
成長してカエルになると、繁殖期以外はあまり群れるイメージが無いので、オタマジャクシの間だけ群れる何らかの理由があるのかと気になります。
気になりつつ、調べるのはまた今度で・・・。

そういえば今年は皇居周辺の池で希少種のカエルのオタマジャクシが大繁殖したそうですよ!興味がある人はゼヒゼヒ記事を検索してみてください。なかなか圧巻な写真を多数見ることが出来ると思います☆

ではまた次回まで~♪

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2012年04月17日音の世界

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

さて、前回結構鳴き声とか音にまつわる話を書いたので、今回もちょっと続けて音の話を綴っていこうかと思います。

またもや「その程度の事は知ってます」な内容になるかもしれませんが、ご容赦ください。

皆さんもご存じのように、人間には聞こえる音の範囲がありますね。
小・中学校のあたりで、例えば音というのは高音になればなるほど聞こえなくなるというのを学んだのではないでしょうか。コウモリの発する超音波などが良い例でしょうか。
また、イルカの鳴き声も実は人間の可聴域を超えているのですね。ですから皆さんが耳にしたことのあるイルカの鳴き声というのは、一度採取した音を人が聞くことの出来る音域に変換しています。
子供の頃は海に潜るだけでイルカの声が聴けるのではないかと期待に胸を膨らませていただけに、この事実を知ったときはちょっとショックでした。

聞こえない高音があるのならば、聞こえない低音もモチロンあります。
実は高音に比べ、低音の方がより遠くへ響くので、動物は遠く離れた仲間とのコミュニケーションにこの低音を活用しているようです。
例えばアフリカゾウは、人にはとても聞こえないような低く、且つ大音量(でも私達には聞こえないのが面白いですね)で時に10kmほども離れた仲間とコミュニケーションをとるようです。
しかも、です、音は空気を伝わるだけではなく、水中や地面も伝わりますので、時としてゾウは地面を伝わる音を使って数百キロ先の仲間の様子を知ることが出来るとか!ちなみにこの場合、ゾウは耳でなく足の裏から振動を感じ取るそうです。まさに「超」能力。
陸の動物が低音を使うなら、海の動物も低音を使います。クジラもこの低音を出して互いにコミュニケーションをとっていると考えられています。ちなみに、このクジラが発する海中の低音、条件がそろえば1000km程先まで届くのだとか。いやはやスケールの大きい話です。
スケールが大きくなったところで今度はもうちょっと小さな話。
セミや鈴虫、コオロギなんかも音を出しますね。彼らは音によって互いを呼んだりしまして、夏から秋にかけて屋外は虫の音で随分にぎやかになります。そう、私達にとっては。
実は彼ら、自分で自分の出している音が聞こえていなかったり、他の虫の出している音が聞こえてなかったりします。詳しくは私も調べていないので、どの虫がどの虫の音まで知覚しているのかはちょっとここには書けませんが。

視点を変えるといいますか、私達が知覚している世界と、他の動物達が知覚している世界を比べたり、むしろ彼らの知覚している世界を実際に体験できたらきっと面白いでしょうね。いやあ、こんな時こそドラ○もんがいたなら・・・なんてね。

残念ながら今回も全く写真も絵もない日記となってしまいました・・・近いうちにもう少し華やかな日記を書きたいものです。

では、また次回まで☆

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2012年04月03日Nature and nurture

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

結局前回の日記では動物の話にほとんど触れませんでしたので、今度は動物の話の中でも、動物の行動に関わる話をしましょう。
ま、あまりお堅い話ではないので、「ふーん、そうなんだー」とか「あー、知ってたし」なんて程度の内容ですが・・・。

さて、4月に入りました。入学、入社、転勤などで新しい土地で新しい生活をはじめられた方も多いのではないでしょうか。私は4年前に関西に引っ越して来たのですが、何よりも当初は結構関西弁に戸惑いを覚えました。最初の数ヵ月はそれこそ「なるほどそういう言い方になるのか。へぇえ。」と思うことが多かったものです。「捨てる」が「ほかす」、「いじる」が「いらう」、「見ないと」が「見やんと」等々。今ではエセ関西弁を話しながら日々を過ごしておりますが、やはり地元の方には違和感のある発音をしているみたいですね。

で、なんで方言の話をしているかというと、実は動物の世界にも方言があるのですね。例えば都会のスズメと田舎のスズメの鳴き声といいますか、鳴いているときのメロディを比較すると違いが出てくるそうです。ですから、都会のスズメを田舎に連れて行くと、田舎のスズメには「なにコイツ、音痴?」みたいなことになって、同じように田舎のスズメを都会に連れて行ったらこれまた都会のスズメから「どっからきたの?」みたいな扱いになるのかもしれません。
音でコミュニケーションをとるのは鳥だけではなく、例えば海中の生物もそうですね。イルカやクジラの鳴き声は、皆さん一度は何らかの形で聞いたことがあるのではないでしょうか。彼らの鳴き方にはパターンがあって、それぞれ意味があるらしいです。いわゆる言語のようなものが存在しているのですね。しかも、その言語というのはその群れによって異なるとか。となると、異なる場所で生まれ育った同種のクジラの群れが2つあったとして、そのクジラの群れはお互い出会った時にお互い何を言っているのかよくわからない状態になるのでしょうか。

それにしても、この鳴き方の違いはどこから生まれるのでしょう?

皆さんは動物行動学という言葉を聞いたことはあるでしょうか?その名の通り、動物の行動を研究する学問で、動物行動学では上記のような題材をよく取り扱います。たとえばウグイスの鳴き方は本能なのか、それとも学習したものなのか。学習したものなら、その鳴き方を教えるのは親鳥なのか、それ以外なのか。ちなみに鳥の鳴き声については多くの研究がされていまして、例えば生まれてから一度も同じ種の鳥の鳴き声を聞いたことが無い鳥でも、多少調子はずれでも大体同じようなメロディで鳴くことが実証されています。つまり、鳥の鳴き方はある程度、本能によって決まっていて、後は環境によってその鳴き方の完成度が変わってくるのですね。
周りの鳴き声を記憶して、その記憶の鳴き声に自分の鳴き声を合わせてゆくので、地方によって鳴き方に微妙な違いが生まれるのでしょう。
クジラの場合も、自分の群れの仲間の鳴き方を主に聞いて育つので、自然と他の群れの鳴き方と違いが出てくるわけです。

また、鳴き方だけでなく、例えば捕食の方法、渡り鳥や大型草食動物の大移動、あらゆる種の求愛行動や、共生等々、どこまでが動物の本能で、どこまでが学習されたものなのか考えを巡らせてみると面白いですよ。

それでは雑多な日記になりましたが、また次回まで☆

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2012年03月29日摩耶詣

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

水辺に関連する話が続きましたので、今回は山の話です。
摩耶山の春山開きを兼ねた「摩耶詣」に参加してきました!

この摩耶詣、ちょっと変わったところがありまして、詣でるのは人ではなく馬になります。聞くところによれば、江戸時代から続く馬と人の無病息災を祈願する行事なのだとか。今では移動であれ作業であれ、馬を使うことはほとんどないのですが、昔は馬の無病を祈願するほど馬が重宝されていたのが分かる風習ですね。

さて、桜の花や菜の花を背に乗せた六甲山牧場の馬2頭が摩耶山天上寺でお祓いをうけ、お巫女さんや、はるばる大峰からいらした修験者方々らに囲まれ、掬星台へと練り歩いていきます。みなさん伝統的な衣装を着用されているので圧巻です。




掬星台にたどり着くと、まずは山開き宣言が行われ、次に柴燈(さいとう)護摩が焚かれます。私自身は伝統行事等に非常に疎いので、最初「ゴマをたく」と言われて私は胡麻の木でも焼くのかしらとえらい勘違いしてしまいました。護摩供は歴史の長い儀礼の一つらしく、その一連の流れはとても興味深いです。

私たちが掬星台に到着した頃には既に正方形の縄による結界が張られ、その中央に護摩が設置され、北側と南側の両方に護摩にお供えものらしきものが置かれていました。ちなみに、縄には紙垂(あの正月の鏡餅の前にぶら下がってるヤツです)が飾られているのですが、方角ごとに色が違っていたので、そのあたりにも何らかの由来がありそうです。

すぐに結界の中に入って護摩焚きが始まるのかと思いきや、そうではなく、しばらく結界の手前で修験者達による問答が繰り広げられていました。全部は聞こえなかったのと、聞き慣れない言葉がかなりあって、内容がほとんど理解できなかったのですが、どうやらその地に在住している大師(?)のもとに修験者達が訪れ、その山(?)に入山したいと押し問答をしているようでした。途中、大師らしき人が修験者に対し「仏道にありながらなぜ獣の皮をかぶるっているのか」という問いをしたので、なるほど何故だろうと思わず考え込んだせいで答えを聞きのがしたのが残念です。

さて、この問答が30分ほど続いた後に初めて大師らしき人が結界の中へと修験者たちを招き入れ、今度は修験者たちが護摩の周りで様々な儀式を行います。中でも一番目を引いたのが、結界の四方に矢を射る儀式でした。おぼろげですが「○(東西南北いずれか)方にまします~○万○先の眷族をつらなう龍神~」といったフレーズの後、矢が放たれました。どうも四方の龍神とともに邪悪を祓っていたようです。この矢は受け取ると厄除けになるらしく、取りに行った人もいました。他にも護摩の前で刀を用いて印を切ったり、斧で空を切るしぐさがありましたが、多分邪を払う行為かなと思います。

このあたりで体が冷えてしまったので摩耶鍋をいただきました。粕汁をお味噌で味付けしたものと思われますが、少し冷え込む春先の山頂にはぴったりで美味しかったです。皆様も機会がありましたら是非摩耶詣の摩耶鍋を☆

そうして一通りの儀式が完了して初めて護摩に火が入れられます。ここから大師らしき人が念仏(?)を唱え始め、修験者さん達もそれに倣っていました。最初は護摩から白い煙がもうもうと出るだけですが、最後のあたりではかなり強い炎になり、修験者の方々はあんなに近くに居て大丈夫なのだろうかと思わず心配してしまいました。護摩を焚いている間はお供え物や、祈願内容が書かれたお札が次々とくべられ、終わりにはお祓いをうけた厄除けの昆布が参加者に配られるそうです。また紙垂も持ち帰りが出来、これもまた厄除けになるのだとか。



 
残念ながら別件で最後まで見学はできませんでしたが、代々受け継がれてきた風習が楽しめるイベントでした。皆さんも興味がありましたら、来年是非ご参加ください!

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2012年03月16日裏話・・・的な。

瀬戸内海国立公園 神戸 多賀 千枝美

さて、私にとってはAR日記2回目ですね。
新鮮なことがありすぎて危うく書き忘・・・もとい、書くことが一杯で何から始めたものやら迷います。

前回は淡水の生き物の話をしましたので、今回は海の生き物の話にしましょうか。

先日、神戸市立須磨海浜水族園で「大阪湾フォーラム」が開催されまして、後学のために私も行ってまいりました。
様々な方々が、大阪湾のために多種多様な環境保全活動や自然とのふれあい活動を行っておりまして、実に頭の下がる思いでした・・・が、気持ちを切り替えて!

なんと運よくその日は水族園の裏側見学ツアーに参加させていただいたのです☆
舞台の裏とか普段見えない部分ってなぜかすごく見てみたくなりますよねぇ。
というわけでホイホイついて行って・・・




こんなどっかの研究所みたいなシーンや、




そんなにデカくならんでもええやん・・・な感じのイセエビ(?)さんも拝見させていただきました。エビやカニなんかの甲殻類ってのは大人になっても脱皮の度に大きくなり続けるそうで。そりゃぁ飼育環境バッチリの水族館ならこれだけ立派にもなるのでしょうね。

そういえば皆さん、水族館の生物ってどこから来ているかご存知でしょうか?
実は私、今回のイベントに参加するまで漠然と「遠い昔にどっかの誰かが捕まえた野生の海洋生物を、またどっかの水族館とか海洋生物好きの誰かが繁殖を成功させて、で、増えすぎたら別の水族館に渡したりしているのだろうなぁ」と思っておりました。

現実は妄想よりも奇なり、なんちて。

聞くところによれば、なんと瀬戸内海で一般的に見つかる生物であれば水族園のスタッフが自ら採取しに行ったりするそうです!
(※良い子も悪い子も普通の子もそれ以外の子も大人の人も、絶対マネしないでくださいね。)
そうして採取した生物をいろんな工夫と努力で育てて、私たちが水槽越しに見学できるようにしてくださっているのですねぇ。

・・・なんでしょう、アクティブ・レンジャーなのにこの敗北感。
水族園の皆様の方が野性味あふれる毎日を送っておられる気が・・・
いやいや、着任1ヶ月ちょいで挫けてなるものですかっ!

次は動物園の裏側見学ツアーに参加する方法を考えるとしましょう!

それでは皆様、また次回の日記までごきげんよう!

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