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アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 熊野

355件の記事があります。

2012年08月03日アカウミガメふ化間近!【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼

こんにちは、吉野熊野国立公園・熊野地区担当の鎌田です!
暑い日が続いていますね!


イメージ写真:ウミガメも暑いかも?
(写真は紀宝町ウミガメ公園(三重県)で飼育されているアカウミガメです)


吉野熊野国立公園に指定されている七里御浜・王子ヶ浜には、毎年アカウミガメが産卵にやってきます。例年に比べ、今年はたくさんのアカウミガメが産卵を行っているようです。アカウミガメの卵は約2ヶ月で孵化します。産卵は5~8月に行われるため、早いものはもうすぐふ化するかもしれません!子ガメのふ化に遭遇したときは、騒いだり、子ガメを手に取ったりせず、そっと見守ってあげてくださいね!



○ウミガメパトロールの際に発見した漂着生物を紹介します


(上)オウギガニの仲間です。種は分かりません。もともと赤いのか、干からびたせいで、赤色にゆで上がってしまったのか、わかりません。オウギガニの仲間は、甲の形が扇型(前の方が左右に広く、後が狭まっている)なのが特徴です。近縁のスベスベマンジュウガニやウモレオウギガニなどは、フグ毒を持っていますよ。

(下)イセエビの殻です。南紀の浜では、よく打ち上げられたイセエビの殻を見ることができます。何に食べられたのでしょうか?タコでしょうか?




(上)イワガニの仲間?大きさはモズクガニほどですが、それにしては甲の縁のトゲの形などが違う気がします。

(下)いつも紹介するハコフグの仲間のハマフグです。体の断面の形は5角形です。ハマフグの干からびたものを拾ったのは、これで3個目。浜ではよく見つけるのですが、水中でハマフグを見たことがありません。ハコフグ・ウミスズメ・シマウミスズメなどは良く見かけます。これらに比べて、ハマフグは少し深い所に住んでいるのかもしれません。


生きている海の生きものを観察するのは少し難しいかもしれません。ですが、漂着物を探すだけでも、案外いろいろな種類の生きものを見ることができますよ☆
暑さに気を付けて、皆さんも浜を探してみてください!

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2012年07月10日今年も開催します!串本海中観察会【イベント】【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼

みなさまこんにちは!
熊野地区担当の鎌田です。
毎年好評の自然ふれあいイベント「串本海中観察会」を今年も開催します!

―串本海中観察会とは?
 多様なサンゴ生態系が特徴的な和歌山県串本の海は、吉野熊野国立公園の「海域公園」に指定され、「ラムサール条約登録湿地」にもなっています。串本海中観察会は、この美しい海中の景色をスノーケリングで楽しんでいただけるイベントです!ぜひご家族でご参加ください!(応募多数の場合は抽選となります。)

<イベントの詳細>
申し込み方法やその他の詳細は、以下のリンク先をご覧ください。
環境省近畿地方環境事務所 吉野熊野国立公園「串本海中観察会」開催案内
http://c-kinki.env.go.jp/to_2012/0627a.html


<お電話でのお問い合わせ>
お問い合わせは、熊野自然保護官事務所まで!
Tel:0735-22-0342


<串本のおさかな紹介>
観察会で見られるかもしれない魚の一部を紹介します☆

写真上:青色のきれいな「ソラスズメダイ」。
写真下:「チョウチョウウオ」です。メジャーな熱帯魚ですね。

足ヒレで砂を巻き上げると、餌を探しにやってくる「ヤマブキベラ」。どこまでもついてきます。

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2012年07月06日今年も始まっています!ウミガメパトロール【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼

こんにちは、熊野地区担当の鎌田です。
今年もウミガメパトロールの時期がやってきました!

―ウミガメパトロールとは?
 吉野熊野国立公園に指定されている七里御浜と王子ヶ浜では、産卵にやってくるアカウミガメ保護のため、浜への車両の乗り入れが規制されています。環境省では、車両の乗り入れの防止と規制の普及のため、毎年パトロールを実施しています。



今年は多数のアカウミガメが上陸・産卵を行っています。ウミガメのほふく跡を多数見ることができました(左上写真)。車両の乗り入れが無いか確認し、周辺のゴミ拾いを行っています(左下写真)。地域の方が定期的に掃除をされているため、ゴミはそれほど多くありません。
謎の漂着物もありました(右写真、海洋気象ブイ?)。

○パトロール期間中に見られたちょっと珍しい生き物

1. コグンカンドリ

南太平洋やインド洋産の巨大な海鳥です。幼鳥は方々に飛び散る性質があり、日本沿岸でも見られることがあります。翼を広げると1 m 80 cmほどにもなります。浜から見える遠くの空をまるでグライダーのように滑空していました。

2. ハマフグ

ハマフグは断面が3角形のハコフグの仲間です(上写真)。ハコフグの仲間は、体の断面のかたちで見分けることができます(下図)。ハコフグはおもちゃの様で面白いですね☆
(図の一部は以前の記事http://c-kinki.env.go.jp/blog/2011/09/1321.htmlから再掲載です)

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2012年06月12日ミカドアゲハの幼虫がいました!【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼

こんにちは、熊野地区担当の鎌田です。
吉野熊野国立公園内で、ミカドアゲハの幼虫を見ることができました。
イモムシの画像がありますので、苦手な方はご注意ください。


ミカドアゲハの成虫です。アオスジアゲハに似ていますが、筋の色はより白に近いです。オガタマノキなどに卵を産みます。


ミカドアゲハの幼虫は小さいころは褐色ですが、大きくなると緑色に近づいていきます。保護色になっていて、意外と見つけにくいです。

他のアゲハチョウの仲間と同じように、敵に襲われたミカドアゲハの幼虫は臭角を出します。臭いにおいで、敵を追い払います。

最初はたくさんいたミカドアゲハの幼虫ですが、イソヒヨドリなどの天敵に食べられているようで、かなり数が減ってしまいました。羽化まで見守りたいと思います。

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2012年05月29日コチドリのひな【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼

熊野地区担当の鎌田です。
吉野熊野国立公園に指定されている和歌山県那智勝浦町宇久井(ビジターセンターのウェブサイトはこちらです→http://www.ugui-vc.jp/)で、コチドリのひなを見ることができました!



(上)ひなです。もこもこしていて、とてもかわいいです!
(中)じっとしていると、背中の模様がカモフラージュになってなかなか見つけられません。
(下)親鳥です。目の周りのオレンジのアイリングが特徴です。


その他、アマサギやソリハシシギなどを見ることができました。

(上)宇久井ではあまり見ないアマサギ。
(下)ソリハシシギ。くちばしが少し上に反っているのがわかりますか?

越冬を終え、南方から渡ってきたシギ・チドリは、シベリアや中央アジアなどで繁殖します。
日本でのシギ・チドリの季節は終わりに近づいています。

また秋にたくさんのシギ・チドリが戻ってきてくれるといいですね!

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2012年05月15日「地質の日」イベント実施しました!【イベント】

吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼

熊野地区担当の鎌田です。
イラストはクリックすると別ウィンドウで開きます。
本州最南端・和歌山県串本町の潮岬で地質に関する自然観察イベントを実施しました!潮岬の海岸では、太古の火山活動のなごりを観察することができます。
潮岬周辺の岩石は、主に次の3つに分けられます。白味のあるグラノフィアー(石英斑岩)、黒味のある玄武岩、白い粒の入ったドレライト(粗粒玄武岩)です。これらに気を留めながら周囲を探すと、玄武岩の岩脈が、グラノフィアーを貫いたこん跡が見つかりました!これらの岩石は、溶けた玄武岩のマグマが火山活動によって上昇しながら、グラノフィアーの割れ目を貫いてできたものです。
また、玄武岩が撮ドレライトを貫いた跡もあり、複数回の火山活動があったことをうかがわせます。潮岬では過去のダイナミックな火山活動をこん跡をかんさつすることができました。何気ない石にも秘密が隠されているかも!?みなさんもぜひ、「地質」に着目してみてください!

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2012年05月10日「シギチ」来てます【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼

熊野地区担当の鎌田です。
イラストはクリックすると別ウィンドウで開きます。
吉野熊野国立公園に指定されている「孔島・鈴島」(新宮市三輪崎)には、ハマオモト(ハマユウ)などの貴重な植物が多数多く自生しています。その久島・鈴島の浜にいろいろな種類のシギ・チドリが来ていました!写真には5種類6羽のシギチドリがいます。どこに何がいるか、分かりますか?
冬羽と夏羽のムナグロがそれぞれ1羽、夏羽のダイゼンが1羽、夏羽のオバシギが1羽、夏羽のキョウジョシギが1羽、冬羽のキアシシギが1羽います。一見オスとメスの違いに見えますが、ムナグロとダイゼンは、夏羽になると胸が黒く染まります。ムナグロは翼にオレンジの斑点があります。ダイゼンはムナグロより少し大きく、また白黒のコントラストが目立ちます。
夏羽のムナグロはまだ換羽の途中で、まだら模様でした。オバシギとキョウジョシギは、また次の機会に紹介します。

※キアシシギに関する記事はこちらです。
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2012/04/1391.html

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2012年05月02日熊野の地質|和歌山県編【イベント】【その他】

吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼

熊野地区担当の鎌田です。
先日の日記(http://c-kinki.env.go.jp/blog/2012/03/1385.html)に引き続き、今回は和歌山県にある地質・地形の名所を紹介したいと思います。また、地質に関するイベントのお知らせをさせていただきます。

1.紀の松島(和歌山県那智勝浦町)
那智勝浦町にある紀の松島では、複雑な岩礁や海岸線によって美しい景観が形作られています。太古の巨大な熊野カルデラの名残であり、地下にはまだ熱源が残っているため、周囲にはたくさんの温泉があります。




2.橋杭岩(和歌山県串本町)
串本町にある橋杭岩は、何本も橋杭のように突き出した岩が独特の景観を形作っています。かつて溶岩が一直線に海へ進んだあと、固まり、周囲の岩石が風化してできました。



3.潮岬(和歌山県串本町)
串本町にある潮岬は、本州の最南端に位置します。ここにはマグマに由来する岩石が取り残されています。
熊野自然保護官事務所では、5/10の地質の日にちなみ、毎年イベントを実施しています。
今年度は、潮岬をテーマにフィールドワークを行う予定です。
詳しくは、以下のリンクをご覧ください。
http://c-kinki.env.go.jp/to_2012/0425a.html

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2012年04月23日宇久井の旅鳥100|キアシシギ【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼

宇久井ビジターセンター(http://www.ugui-vc.jp/)を拠点に、吉野熊野国立公園で見かけた鳥を紹介するシリーズです。

南紀では徐々に暖かさが増し、いろいろな種類のシギ・チドリがやってきています!

キアシシギ, Tringa brevipes Syn.Heteroscelus brevipes, 2012/04,那智勝浦町宇久井


今日見かけたのは、「キアシシギ」です。シギ・チドリの仲間は見分けが難しいですが、慣れてくると少しずつ違いが分かるようになってきました!


キアシシギは、眼を通る線がくっきりしており、くちばしの色は黄色→黒のグラデーション。背中は特に模様がないが、胸には波状の模様がある。尾の先端が黒く、脚は鮮やかな黄色をしている。



南紀では今がシギ・チドリの最盛期です。みなさんもぜひ、水田や干潟などを注意深く観察してみてください!枯草や砂の色にまぎれて「シギチ」がいるかも!?

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2012年04月05日宇久井の旅鳥・迷鳥100|マミチャジナイ【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼

和歌山県那智勝浦町の宇久井半島にある宇久井ビジターセンター(http://www.ugui-vc.jp/)を拠点に、来ては去っていく旅鳥や、珍しい迷鳥などを紹介するシリーズです。100種類を目標に(そんなにいないかも?)、宇久井周辺の鳥を、できるかぎり写真付きで紹介したいと思います。(現在、2種)
※1種目は、以前に紹介した「シロカモメ」をカウントしました。
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2012/03/1379.html


※旅鳥とは?
多くの鳥は「渡り(わたり)」を行います。
暖かい南の地域で越冬を行い、春~夏は北の地域で繁殖します。
日本で越冬する鳥を「冬鳥」、日本で繁殖する鳥を「夏鳥」、日本以外で越冬と繁殖を行い、渡の途中で寄る鳥を「旅鳥」と呼びます。また、これらとは別に、周年同じ地域にとどまるものを「留鳥」と呼びます。また、渡りのルートを外れ、本来ならいるはずのない場所で見られるものを「迷鳥」と呼びます。




写真は、2012年3月に宇久井ビジターセンター付近で見た「マミチャジナイ」(ツグミ科ツグミ属)です。中国南東部などで越冬し、中国北東部やロシアの一部で繁殖します。鳥に詳しい方にうかがったところ、宇久井の周辺では、珍しいらしいです。
同属のアカハラに似ていますが、目の上にはっきりした白いライン(眉班)が入ります。くちばしの付け根にも白い斑があります。
名前:マミチャジナイ、観察日:2012年3月、場所:那智勝浦町 / Name:Turdus obscurus, Date: Mar., 2012, Region: ukui, Nachikatsuura, Wakayama, JP



これから暖かくなるにつれ、シギ・チドリの仲間が旅鳥としてやってきます。
遠くから宇久井にやってくる鳥たちの様子を、これからも定期的にお伝えしたいと思います!

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