ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

吉野熊野国立公園 熊野

355件の記事があります。

2006年05月26日光るキノコ、今年も生えてきました。 【植物】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

みなさんこんにちは。熊野AR鈴木です。
先日、宇久井半島で発光性のキノコ「シイノトモシビタケ」を発見しました!連日続いた雨のおかげか、去年見たときよりも柄がしっかりと伸びていました。そのおかげで昼間に見に行き、光っていない(本当は昼夜を問わず光っているらしいのですが…)にも関わらず、すぐに見つけることが出来ました。あ、でも最初に発見したのはまだ一度も見たことがなかった熊野の自然保護官なんですけどね。

シイノトモシビタケ(キシメジ科 クヌギタケ属)は、宇久井半島では6月?7月上旬にかけて多く見られ、雨の次の日などによく観察できます(去年は晴れの日続いていた時に見に行ったことがあったのですが、1つも見つけられませんでした。)。シイの倒木(特に腐敗している部分)に生えていて、私が見たことのあるシイノトモシビタケの大きさは約1.5?4cmくらいでした。説明が難しいのですが、光は黄緑色っぽい感じです。

私のカメラでは発光しているシイノトモシビタケを撮ることが難しく、今回は昼間のシイノトモシビタケの写真しか載せることが出来ません!なので興味を持った方は、是非熊野にお越しくださーい。


写真:宇久井半島のシイノトモシビタケ(2006.5.23撮影)

ページ先頭へ↑

2006年05月17日晴れでも雨でも植物は元気です。【植物】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

みなさんこんにちは。熊野AR鈴木です。
熊野は昨日からまた雨が降り始め、いまは風も強く吹いてます。
そして先ほど出張から帰ってきたわたしはびしょぬれです。

今日、ハマダイコンを見たらもう立派なさやをつけていました。ついこの間まで淡い桃色の花が咲き誇っていたのに早いですねえ。

まだこのさやは青々しいので、波に乗り漂っていくまではもう少し時間がかかりそうですが、わたしは今日の強い雨風でどこかに飛んでいくのではないかと思ってしまいました。

もっと足腰鍛えます。



撮影:2006.5.17(宇久井・上地の浜)
コメント:ハマダイコン(アブラナ科)のさや

ページ先頭へ↑

2006年05月10日ウミガメパトロール開始!【その他】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

 こんにちは。最近の熊野地方のお天気は、雨、雨、雨。こっちの雨はとても強く降るので、あたると痛いんですよ。雨で各地の状況が気になりますが、今のところ問題はないようです。

 さてさて雨の降る中、今週の月曜日に今年初の「車馬等乗り入れ規制パトロール」を実施しました。タイトルの「ウミガメパトロール」はこのパトロールの通称です。ウミガメを見回るパトロールとか、ウミガメに乗ってパトロールだとかではないのであしからず。今日はこのパトロールについてお話しします。

 世界的に個体数が減少傾向にあるウミガメが、産卵のため吉野熊野国立公園である三重県七里御浜(前回紹介した地域です)と和歌山県王子ヶ浜の海岸にやってきます。ウミガメの上陸、産卵、孵化の保護をすることを目的として、平成9年からこの地域は、ウミガメの産卵期である5月から9月までの期間に車やバイク等の乗り入れを規制を行っています。


和歌山県新宮市王子ヶ浜(大浜ともいいます)です。今回の座標位置はここに合わせているので、七里御浜は前回の座標を参考してください。去年この浜にウミガメが32頭上陸し、14頭産卵しました。孵化したウミガメの赤ちゃんは1000頭以上です。


 この乗り入れ規制に伴い、毎月パトロールを実施しています。パトロールは熊野の自然を考える会、新宮市ウミガメを保護する会の方、それから三重県、和歌山県、熊野市、新宮市、御浜町、紀宝町、新宮市等の行政機関と行っています。

 今回のパトロールでは乗り入れている車両は見当たらなかったのですが、浜にわだちの跡が残っている場所が多かったです。しかしわだちの跡はなかなか消えないので、規制前のものであるかも知れません。

 毎年ばらつきがあるのですが、ウミガメの上陸は5月中旬くらいから確認されています。ウミガメは光、音等にとても敏感で、しばらくの間海で陸地の様子を観察し、産卵に適している場所かどうかを見極めています。やっと上陸しても適した産卵場所を見つけられないと海に戻ってしまうし、産卵できてもその上を車等が通ってしまうと卵が踏みつけられ割れてしまいます。


今回発見したわだちの跡です。車が通ると、浜に数百キロの負荷がかかるといいます。その負荷がかかった砂の中で、ウミガメの赤ちゃんは生きられないですよね。


 車やバイクは駐車場に止めて、七里御浜と王子ヶ浜は砂利浜の感覚を足で感じて楽しみましょう!ふくらはぎ、きゅっとあがりますよ。たぶん。


ページ先頭へ↑

2006年05月02日七里御浜 【気候 その他】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

暑いですね。新陳代謝が良好な熊野AR鈴木です。
 やっと暖かくなってきたなあと思ったら、昨日は各地で猛暑。熊野地方も相当な暑さだったのですが、風が強く吹いていたので、事務所に入ってくる風が心地よかったです。今は雷とともに雨がぱらついてきました。もう梅雨のような気候です。

 さてさて、今日は吉野熊野国立公園の七里御浜(しちりみはま)を紹介します。

 七里御浜は三重県熊野市から熊野川河口にかけて25km(七里)ほど続く、玉砂利が敷き詰められている美しい砂礫海岸です。浜の幅も広く、以前は松林から海まで100mほどあった場所もあったそうです。

 七里御浜は伊勢と熊野を結ぶ熊野古道伊勢路の一部でもあり、イザナミノミコトの墓所といわれている「花の窟」があるなど文化的にも価値ある場所であり、また天然記念物である「獅子岩」、「鬼ヶ城」も見ることができます。

 それからこの七里御浜はウミガメの産卵地でもあります。熊野地域には、アカウミガメが産卵するためにこの七里御浜に上陸します。そのため七里御浜の一部は、5月から9月までの間、ウミガメの上陸・産卵・孵化の保護を目的とした車馬等の乗り入れ規制も行っています。

 七里御浜に先週末行ってみると、家族でピクニックをしていたりご夫婦で散歩する姿が多く見られました。文化や自然の魅力ある七里御浜の魅力は地元の人も、旅行客も引きつけられるんですね。遊泳禁止の海ですけど、これからの暑い季節は七里御浜の魅力にどっぷりはまり、乗り切っちゃおうと企んでいる鈴木でした。



長いっ!七里御浜


浜の幅は年々減少しつつも、こんなに広いです

ページ先頭へ↑

2006年04月26日宇久井ビジターセンター内展示・初お披露目 【利用・施設】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

 みなさん、こんにちは。熊野AR鈴木です。
 今日は着々と工事が進んでいる、宇久井ビジターセンターの中を覗いて見てください!!

 外観はほぼ出来上がっている宇久井ビジターセンターですが、館内は展示物の搬入作業に大忙しです。展示物は昆虫や海の生き物の標本があったり、壁には鳥の模型を飾っていたり、色々な角度からこの地域の自然の面白さを伝えていけるようになっています。

受付から見た館内の様子です。

鳥模型設置!!


 宇久井ビジターセンターは7月にオープン予定です。
 今後もこのAR日記を通して、「宇久井ビジターセンターのいま」を紹介していきますので、お楽しみあれ。


ページ先頭へ↑

2006年04月18日今年度お初、磯の観察会実施です。 【イベント】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

 ぽかぽか陽気のなか、お昼にお散歩して気分がるんるんな熊野AR鈴木です。今日は4月16日(日)に実施した、宇久井磯の観察会のレポートをします。

 2?3日前から天候が怪しく開催が危ぶまれた磯の観察会も、前日の予報で40%の降水確率となり第一関門突破です。当日はすっかり晴れわたり、参加者計15名の観察会のはじまりはじまり。

 まず講師である熊野自然保護連絡協議会の瀧野先生、南先生の紹介、それから危険な生き物の説明や生き物は持ち帰らないことなどの注意事項を説明し、早速フィールドとなる宇久井のイナリの浜へ移動です。今回の観察会では小学校低学年の参加者が多く、子ども達は大はしゃぎです。歩いている途中でもう何かを発見して先生に聞きに行ったりしていました。

 みんなが夢中になったものの1つは「アメフラシ」。感触の柔らかいアメフラシを触って雄叫びをあげる子ども達や、アメフラシばかりを集めて並べているお母さんなど、アメフラシはこの日のヒーローとなっていました。

上がニセクロナマコ、下がアメフラシです。

お母さんの「アメフラシ店」の出来上がり?

 それからお母さん対象の食材当てクイズをしました。
 これはなんだと思いますか??

正解は…寒天の材料になるテングサです。

 ではではこれは何でしょう??

はい時間切れ。
正解はひじきで?す!
 少しかじって食してみましたが、歯ごたえがよかったです(砂の食感もあり)。

 最後にはヤドカリの引っ越しを観察しました。先生が集めてくれた大きめの貝をヤドカリの近くに置いて、ヤドカリが移動する様を観察しました。物色して、これだと決めた新たな宿にスルッと上手くはいるヤドカリに拍手です。静かにしていないとなかなか引っ越ししないヤドカリですが、○○君はちょっかいを出したくて仕方ありません。お兄ちゃんは注意しますが、その光景がなんとも微笑ましかったです♪



 どんな生き物がいるのか、未知数な世界に引き込まれていく子ども達は笑顔が最高でした。今年宇久井ビジターセンターがオープンしますが(しつこいですか?)、このような観察会をやっていきたいと思ってます。乞うご期待!


ページ先頭へ↑

2006年04月11日「調査」ってこんなことしてます。  【利用・施設】 

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

こんにちは、熊野AR鈴木です。熊野では昨日から降り続いている雨で、すっかりサクラは散ってしまいました。いまは勢いよく伸びているサクラの葉っぱが、雨を喜んでいます。

 さてさて、今日は吉野熊野国立公園の園地で行っている調査を紹介します。

 園地とは国立公園の保護や利用の計画に基づいて整備された公園で、熊野地区には27箇所の園地があります(各園地の紹介は、今後行っていきますね。お楽しみあれ!)。これらの園地には、展望が良かったり、いいお散歩コースになる歩道があったりします。仕事で園地に行ったときも、柔らかい芝生を見ると寝ころんでお昼寝したくなってしまうんですが、そこは我慢!楽しそうに園地で遊んでいる人を横目に、お仕事してます。

 どんなお仕事?かというと、園地にある展望台や案内板、園路、トイレ等施設の損傷状況等を調べて補修したり、修繕時に必要なデータ等を調べています。またこの調査と併せて、国立公園の展望調査も行っていて四季ごとに変化する国立公園の変化を調査しています。

 以前、調査中に「テレビに出てた人!?」と言われたことがあります。テレビにも出たことは無かったので最初は何のことだかさっぱりわからなかったのですが、某テレビ局の番組で熊野を舞台に自然保護官の仕事が紹介されたことがあり、そのことを思い出されたみたいです。どういう形であれ、自然保護官やARの仕事を知ってもらえたらうれしいですね。



燈明崎(とうめいさき)園地古式捕鯨燈明崎山見跡の標識

タカノ巣園地から見える海金剛(うみこんごう:写真正面の岩の名前です)

ページ先頭へ↑

2006年04月07日サクラ舞う 【植物】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

 事務所の窓から桜吹雪が舞う景色を少しもの悲しく見ている熊野AR鈴木です。熊野ではもうさくらんぼがなっています。
吉野では4分咲き…。もう少しサクラの季節を堪能したいです。今週末吉野へ行こうかな?。


おいしい実がなりますように!

ページ先頭へ↑

2006年04月04日春です。春、感じてますか? 【イベント】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

お久しゅうございます。鈴木です。

3月の下旬に、宇久井半島にて、ゆっくり歩きながら細胞に葉緑体が見られ、細胞壁も備えている生物、すなわち木本や草本などの陸上植物を詳しく観察し、専門家から解説を受ける催し、すなわち平たく言うと草木の観察会に参加したのです。

宇久井半島って覚えてますか?今春にビジターセンターがオープンするところです。

話は戻り、観察会では、サクラの花が見られました。ここでいうサクラはソメイヨシノではありません。オオシマザクラとヤマザクラの両者です。オオシマザクラは、鮮やかな緑色の新葉が展葉し、同時に大きめの白い花が咲いていました。一方、ヤマザクラは、少し淡いピンクの花が咲き、中には赤茶色の新葉が少し展葉しているものもありました。

その他にもタチツボスミレやフモトスミレ、モチノキの花が咲き、のほほ?んな春を感じさせてくれました。

春の暖かい自然の中での植物とのふれあいは、やすらぎをもたらし、ホモサピエンスとしてのヒトらしさを取り戻させてくれる至福のひとときでした。天気は曇りでしたが、気持ちはにこちゃんマークです。

タチツボスミレって可憐です。

モチノキの花と実です。実からも鳥もちができると聞いて、早速歯で砕いて見ましたが粘りは出ず、大失敗。今度はもっと新鮮な実でチャレンジします。

ページ先頭へ↑

2006年03月23日熊野の春  【植物】

吉野熊野国立公園 熊野 鈴木さやか

 皆さんがタンポポと聞いて思い浮かべる花はどんな花ですか?

 私がぱっと思い浮かぶタンポポは、春になると空き地や校庭の隅に咲いている黄色いタンポポです。まんまるの綿毛を見つけてはふーーっと吹いて種を飛ばしていました。これをすると春を自分が撒き散らしているかのように錯覚して、うきうきした気分になっちゃうんですよね。

 先日、那智勝浦町宇久井でタンポポが咲いていました。それは黄色いタンポポではなく、白い花のタンポポです。「シロバナタンポポ」といって、花の中央部のみが黄色い白いタンポポです。東京が北限といわれていて(福島県でも発見されたことがあるらしい)、関東より北に住む人にとっては珍しい花ですが、九州以南ではタンポポといえば、白い花を咲かせるシロバナタンポポが思い浮かぶ人も多いようです。

 各地のAR日記でも春を感じる記事が多くなってきました。冷たい風が吹きつける日もありますが、もう春ですね。近畿地方の春は今年初めて過ごしますが、東北人から見た熊野地方の自然をこれからも紹介していきたいと思います。


宇久井で咲いていたシロバナタンポポ

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ