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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

熊野の地質|三重県編【その他】

2012年03月26日
熊野
熊野地区担当の鎌田です。
先日は和歌山県主催のジオパーク講習会に参加してきました。
※ジオパークとは?
 ジオパークとは、ジオ(地球)に親しみ、その成り立ちやしくみを学ぶことのできる自然の公園のことです。地質や地形に関連する名所(=ジオサイト)の集まりが、ジオパークにあたります。現在、日本国内で20の地域が日本ジオパークに、また、5の地域が世界ジオパークに指定されています。
多くの名所がある和歌山県では、4年後の世界ジオパーク認定を目指してさまざまな取り組みが始められています。


和歌山県と三重県にまたがる吉野熊野国立公園には、たくさんの地質・地形に関する名所があります。ジオパーク活動が盛り上がっていることにちなみ、「よしくま」の地質名所を2回に渡って紹介したいと思います。
今回は三重県編です。


① 須賀利大池(三重県尾鷲市)
三重県尾鷲市の須賀利には、大池・小池と呼ばれる2つの湖があります。このうち大池は、海面変動にともない海とつながったり断絶されたりしてきた、海跡湖であるといわれています。湖底を調べることで、過去の海面や津波の様子などが分かるそうです。また、大池にあるハマナツメの最北群落は国の天然記念物に指定されています。(写真は鹿によるハマナツメの食害防止のためにネットをはっている様子です)




② 楯ヶ崎(三重県熊野市)
海から飛び出した岸壁には巨大な柱状節理が発達しています。また、スダジイの巨木群や、オオキンカメムシなど、さまざまな生物を観察できます。写真は昨年に熊野自然保護官事務所が実施したウォーキングイベントの様子です。手前が千畳敷・奥が楯ヶ崎になります。
ウォーキング&自然観察イベント「楯ヶ崎ウォーク!」の様子はこちら→http://kinki.env.go.jp/blog/2011/12/1346.html




③ 鬼ヶ城(三重県熊野市)
鬼ヶ城は七里御浜の北隣に位置する奇岩です。太古の巨大な火山である熊野カルデラが噴火した際に生じた火砕流が冷えて固まってできた岩石で構成されています。岩石の粒を目を凝らしてみてみると、小さなガーネットの原石が埋まっていることがあります。




みなさまも、南紀にお越しの際は、すこし趣向を変えて「地質」や「地形」に注目してみてはいかがでしょうか?次回は和歌山県の名所を紹介します!