ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

2021年6月

4件の記事があります。

2021年06月21日淡路島の『成ヶ島』

瀬戸内海国立公園 神戸 中村高也

 皆さんこんにちは。神戸自然保護官事務所の中村です。

 今年は近畿地方の梅雨入りがとても早く、発表された5月16日は1951年の統計開始以来、最も早い記録だったようです。私は晴れが好きなので、『例年よりも梅雨が長引くのか...』と心配しておったのですが、梅雨前線がその後南下したため、神戸では比較的晴れ間も見えて、本当に梅雨なのかと疑ってしまうような天気が続いております(暑さは相変わらずですが)。

 そんな梅雨の晴れ間を見計らって、先日は、淡路島東端の小島である、成ヶ島に行ってまいりました。

絶景 淡路橋立【成ヶ島の展望台から見る絶景 淡路橋立】

 成ヶ島の場所は淡路島の洲本ICから車で25分ほど南下し、由良の成ヶ島渡船場から船に乗って2分ほどの位置にあります。

 かつて存在していた宿舎などが昭和後期に廃業して以降、無人島になりました。成ヶ島の植生は豊かで、約300種類の樹木や草花、また500種類以上の動物が生育・生息している大変貴重な場所です。

ハマナデシコとハマボウ【ハマナデシコ】             【ハマボウ】

 環境省では、成ヶ島をより多くの皆さまに楽しんでもらうため、標識などの整備を行っており、今回、私は整備した案内板や標識などがしっかり機能しているかの確認を行ってまいりました。

ぐらつきはないか、文字が見えにくくなっていないか等をチェックしました【ぐらつきはないか、文字が見えにくくなっていないか等をチェックしました】

 整備点検で半日ほど歩き回って、汗だくになってしまいました。コロナの影響で外に行く機会が極端に減った影響なのか、目に見えて体力の衰えを感じてしまいます...

 また島内には自動販売機もありませんので、これからの時期は水分補給をしっかり行うなど、熱中症対策を万全にして行かれることをお勧めします。

 また、洲本市役所HPでは、成ヶ島パンフレットのPDFデータを公開しておりますので、こちらを印刷してお持ちいただくと、島のことがより詳しく分かりますので大変便利です。

成ヶ島パンフレット成ヶ島パンフレット

https://www.city.sumoto.lg.jp/hp/kankou/tosen/narugashima.pdf

成ヶ島に関する情報(渡船の料金・定休日等)については洲本市のHPにも詳細がございますので、そちらをご覧ください。

https://www.city.sumoto.lg.jp/hp/kankou/tosen/tosen.htm

ページ先頭へ↑

2021年06月18日梅雨の吉野熊野国立公園

吉野熊野国立公園 田辺 戸口協子

みなさま、こんにちは。

田辺管理官事務所の戸口です。

今年は春の花の開花が全国的に例年より2〜3週間早く、西日本の梅雨入りも足並みを揃えたかのように早かったですね。

さて、梅雨とは「梅」の「雨」と書くように、梅が実る季節に降り続く雨を示した言葉です。

この季節には肉厚の梅があちこちでたわわに実っています。ちなみに、6月6日は「梅の日」だそうで、紀南地域の神社等では梅を奉納する神事がとりおこなわれていました。

先日、雨の中、レインスーツに身を包み巡視を行う機会がありました。

雨音を聞きながら出会った生物をご紹介します。

01_umenomi
梅の実

これは和歌山県が全国生産No.1を誇る梅。赤く色づいた梅はスモモにも似て見えました。赤く色づいた梅で作るジュースはほのかにピンク色で華やか、私は好きです。

梅の中には名の知れた「南高梅(なんこううめ)」というものがあります。この梅は実が肉厚でやわらかく、優良品種栽培時に尽力されたのが南部高校の高田先生であったことから、南部高校の「南」と高田先生の「高」をとり、「南高梅」と命名されたそうです。

02_biwa(20210604)
ビワの実

これはビワ。中国南西部原産で日本には古代に持ち込まれたと考えられています。日本では梅雨の頃に実がなるため、この季節の季語にもなっています。"ビワ"の由来は、葉や実の形が楽器の「琵琶」に似ていることが由来とされています。

0
サカキの花

みなさんは神様にお供えするサカキに花が咲いた様子を見たことはありますか?

私は今回、初めてサカキの花を見ることができました。葉の裏面となる側の枝に、たくさん白い花が下を向いて並んで咲いていて、控えめで品のあるとても良い香りがしました。

04_nezumimochi(20210604)
ネズミモチのつぼみ

これはネズミモチ。「ネズミモチ」という名の由来は、秋になる実がネズミの糞に似ていること、また木の姿が"モチノキ"に似ていることで、この2つが合わさった名前となったようです。

05_akate-gani(20210604)
アカテガニ

アカテガニは海辺から少し内陸の山でもみられるカニです。カニはえら呼吸をするので、水がないと生きていけませんが、アカテガニは中でも乾燥に適応した種で、水を口から吐き出し、その水は腹部の脇を伝わせ足の付け根から再び体内に取り入れ循環させています。

カニが「泡を吹く」のは、循環させている水が蒸発して減ると、体液と混ぜるため、水に粘りがでて口から「泡を吹く」ように見えるのですね。

このときに出会ったアカテガニは雨をまとって、いつもに増して艶やかでした。

06_kuchinashi(20210604)
クチナシの花

これはクチナシの花。小さなかざぐるまのような直径10cmほどの白い花は存在感があり、キンモクセイと桃の果実の香りが合わさったような甘い香りを漂わせていました。

一見、平らな花ように見えますが、裏側を見ると高盆型で、漏斗の部分が長い花であることがわかりました。

07_ajisai(20210604)

梅雨はまだ少し続きそうですが、時には雨の中の散歩も新たな発見があるかと思うのでおすすめです。

ページ先頭へ↑

2021年06月18日植生豊かな丹後砂丘

山陰海岸国立公園 竹野 久畑久美子

皆さまこんにちは。

竹野自然保護官事務所の久畑です。

少し前ですが、京都府京丹後市のロングビーチのうち、小天橋から箱石海岸までの見廻りをしましたのでその様子をご紹介します。

丹後砂丘の木道

この長い砂浜は丹後砂丘と呼ばれ、海浜植物などの植生がとても豊かな場所です。国立公園の中でも風致を維持する必要性が特に高い地域として第1種特別地域に指定されています。

小天橋から箱石海岸までの区間は木道が整備され、歩きやすくなっています。所々浜に降りられるようになっており、砂の感触を楽しむこともできます。

遊歩道沿いには様々な海浜植物が自生しています。

丹後砂丘で見られたたくさんの海浜植物

(左上から:コウボウムギ・ハマベノギク・ハマハタザオ

 左下から:ハマニガナ・ハマヒルガオ・ハマエンドウ)

少しの距離でたくさんの植物を見ることができました。

ツクシのような開花前のハマウツボ 紫色の花をつけるハマウツボ

      (ハマウツボ:開花前)               (ハマウツボ:開花時)

ツクシのような開花前と、紫色の花を咲かせているハマウツボ。

葉のない植物で、寄生植物です。このハマウツボは、一緒に写っているカワラヨモギの根に寄生している事が多いです。

開花前のハマボウフウ 開花したハマボウフウは小さな白い花の集まり

    (ハマボウフウ:開花前)         (ハマボウフウ:開花時)

ハマボウフウは食虫植物を思わせる見た目にびっくりします。

花が開くと、ねぎぼうずのようなポンポンです。この小さなつぼみ一つ一つが花です。

一方で、生態系等に大きな被害を及ぼすおそれのある外来種として「重点対策外来種」に選定されている植物も見られました。

ふんわりとした黄色の花を咲かせるコマツヨイグサ 砂浜にコマツヨイグサが群生しているようす

        (コマツヨイグサ)                (コマツヨイグサの群生)

ふんわりとした、かわいらしい花のコマツヨイグサ。辺りを見回すと一面に咲いていました。

ビックリするような色彩の花を咲かせているイタチハギ

            (イタチハギ)

また、焦げ茶色のつぼみに紫の花、花から飛び出たオレンジ色の葯。見るからに強そうな雰囲気を醸し出しているイタチハギ。土手や町中など至る所で見かけますが、ここにもありました。

探せば他にも侵略性の高い外来種がいるかもしれません。

丹後砂丘はたくさんの貴重な海浜植物が観察できる場所です。豊かな植生が守られるよう、これからも見守っていきたいと思います。

歩くからこそ見える景色もある☆

それではまた次回。

ページ先頭へ↑

2021年06月11日自然歩道点検

山陰海岸国立公園 浦富 澤恵美子

 みなさま、こんにちは。浦富自然保護官事務所の澤です。

 毎年鳥取県、鳥取市、岩美町の担当者と環境省で、自然歩道の点検を二日間に分けて行っています。

 ・施設が老朽化し壊れそうなものはないか。

 ・下り道、滑りやすく危なくないか。

 ・道がわかりにくくはないか。

 ・景色は見えるか。

等、安全に利用できるかを確認します。

 今年も晴天の二日間、自然歩道点検を行いました。3ルートの点検を行いましたが、今回は今年3月に新ルートが開通した駟馳山(しちやま)ルートの様子をご紹介致します。

【大谷~岩戸】

 駟馳山とは鳥取市と岩美町をまたがる山です。従前のルートは、2017年に発生した地すべりのため通行止めとなっていました。昨年の点検で新ルートの工法検討を行い、秋から工事が行われていました。今回の点検は、完成した新ルートを岩美町側より出発し鳥取市側へ向かいました。

自然歩道路線図

岩美町網代

【中腹からの景色(岩美町網代)】

しち山最高地点

【最高地点】

 ルートの最高地点にはベンチがあり休憩できます。

 ここからは鳥取市へ向かう下り道となります。途中、牛ヶ首・滝ヶ磯と絶景ポイントがあります。

 滝ヶ磯へのルートも土砂崩落により通行止めでしたが、昨年度歩道が整備され、柱状節理の迫力のある断崖の景色を間近で見られるようになりました。

滝ヶ磯

【滝ヶ磯】

鳥取砂丘

【鳥取市側展望所より眺める鳥取砂丘】

 駟馳山から浦富海岸や鳥取砂丘の景色を見ながら歩く新ルート。日本海を望め、駟馳山の森の中も楽しめる素敵なコースとなっていました。

 今回の点検では、歩道内の草の繁茂、ビューポイントの支障木、柵、手すりのぐらつき、道がわかりづらい等の課題がありました。みなさまに安全に自然歩道を楽しんでいただけるよう、関係機関で協力して整備や維持管理に取り組んでいきます。

ページ先頭へ↑

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。

ページ先頭へ