ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年12月

7件の記事があります。

2019年12月24日Memories of Oodaigahara in 2019

吉野熊野国立公園 小川 遥

 皆さま、こんにちは。吉野の小川です。

 12月も半ばを過ぎ、2019年も残りわずかとなりました。年末の大掃除を無事に終えることができるかよりも、年越しそばの上にはニシンを載せるかエビ天ぷらを載せるか、それとも肉大盛りにするかを考えてしまう時期です。個人的には、全部載せをするとより素敵な2020年を迎えることができるのではと思っています。

 さて、今年最後となる今回は、2019年の大台ヶ原を振り返っていきたいと思います!

 まずは春。道路の冬季通行止めが解除された翌日には、今シーズン始発となる奈良交通バスの乗客を出迎えて、山開きが行われました。大台ヶ原パークボランティア(以下PV)も早速活動を開始し、皆さまに気持ちよく利用してもらうべく、汚れた看板の掃除やゴミ拾い、歩道補修などを行いました。まだ花や緑は少ない時期ですが、木々の芽の膨らみやほんのりと暖かさを感じる陽気、時々聞こえる動物の声が春の訪れを感じさせてくれました。

大台ヶ原山開き

PV活動(看板拭き).

PV活動(歩道補修)

大台ヶ原山開き

PV活動(看板拭き)

PV活動(歩道補修)

 春から夏はたくさんの草木が展葉して花をつけ、鳥たちの恋の季節となり、賑やかさが増します。その一方で、雨が多い大台ヶ原ならではの霧立ちこめる幻想的な風景が見られる日もありました。PVも自然観察会を開催し、参加された方に旬の大台ヶ原を紹介しました。

シロヤシオ(正木峠周辺)

霧の西大台

8月観察会(大蛇嵓)

シロヤシオ(正木峠周辺)

霧の西大台

8月観察会(大蛇嵓)

 9月末には林野庁との共催イベント(森林再生応援団)を行い、一般ボランティアの方に稚樹を保護した柵内のササ刈りやネット巻きなどをしていただきました。麓よりも一足早く秋が深まると、たくさんの方が紅葉の東大台と西大台を楽しまれていました。

森林再生応援団

紅葉(西大台)

紅葉(大蛇嵓)

森林再生応援団

紅葉(西大台)

紅葉(大蛇嵓)

 最後に冬。PVは、11月半ばに行った歩道沿い側溝の掃除や木道階段のコケ取り、ササ刈りなどを締めくくりとして、今シーズンの活動を終了しました。そして、例年と比べると降雪は遅めでしたが11月終盤には雪景色が見られ、本格的な冬の到来を感じる中、12月初めの道路の冬季通行止めに伴い、閉山いたしました。

霜柱(西大台)

霧氷(西大台)

霧氷(ドライブウェイ)

霜柱(西大台)

霧氷(西大台)

霧氷(ドライブウェイ)

 みなさんはどのような2019年の大台ヶ原を楽しまれたでしょうか。まだ見たことがない風景がある、もう一度あの景色を見たい、行ったことがないけれども行ってみたいという方は、是非来年の大台ヶ原を楽しみにお待ち下さい。もちろん、4月の開山までこちらの日記でも引き続き大台ヶ原の魅力をお届けしたいと思います。それでは皆さま、素敵な新年をお迎え下さい。

【お知らせ】

☆大台ヶ原公園川上線(大台ヶ原ドライブウェイ)通行止め☆

令和元年12月2日(月)15時~令和2年4月17日(金)15時(予定)

上期間中は、冬季閉鎖のため、大台ヶ原山上へ通じるドライブウェイは通行止めです。

詳細はこちら

★平成31年4月1日より、事務所の名称が変更となっております★

(変更後)吉野管理官事務所  ←(変更前)吉野自然保護官事務所

住所及び電話番号に変更はありません。引き続きよろしくお願いいたします。

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2019年12月23日東お多福山にてススキの収穫!

瀬戸内海国立公園 神戸 中村高也

 皆さんこんにちは。神戸自然保護官事務所の中村です。

 六甲山の紅葉も終わりを迎え、今年は比較的暖かい日が続いていますね。神戸ルミナリエも15日で閉幕し、街中は年末の準備に大忙し。まさに師走という言葉通り、人が忙しそうに行き来しています(もちろん私も)。

 さて、先日はそんな街中を飛び出して、瀬戸内海国立公園六甲地域にございます東お多福山で草原の保全活動を行っている皆さんとご一緒してきたので、その様子をご紹介します。

東お多福山の山頂付近の草原 山頂からの眺望も素晴らしいです

    【東お多福山の山頂付近の草原】      【山頂からの眺望も素晴らしいです】

 写真でもわかりますが、東お多福山の山頂には現在、草原が広がっております。開けた草原で登山で疲れた体を休めて、レジャーシートを広げてランチなんて、最高ですよね。

 六甲唯一の草原の山として有名な東お多福山、過去のお話しをしますと、戦前はかやぶき屋根の材料となるススキを得るために人の手が入ることで80ha以上ものススキ草原が維持されていたのだとか。ですが、戦後はススキが利用されなくなり、人の手が入らなくなった草原は高さ2mを超えるネザサに置き換わってしまいました。

 現在の美しい草原は、「東お多福山草原保全・再生研究会」の皆さんが13年にわたりネザサの刈り取りを続けてきたことによって維持されているものです。足下に目をやると、スミレ類やキキョウ、リンドウといった開けた場所を好む多様な花々も見られます。適度に管理された自然環境では、人の手が入らない環境よりも生物多様性が高くなる場合があることが知られており、「里地里山」と呼ばれます。この東お多福山の草原は、市民の取り組みを中心に、関係する行政機関や研究機関等、多くの人が関わることによって維持されている「里地里山」ということができます。

12月のネザサ刈り取りの様子 リンドウの姿も(10月撮影).

    【12月のネザサ刈り取りの様子】    【リンドウの姿も(10月に撮影)】

 そして今月は、普段のネザサ刈り取り作業に加えて、草原に繁茂するススキの収穫が行われました。草原が広がるにつれて、収穫されるススキも年々増えているようで、一年に一度の刈り取り、皆さん気合十分です。

刈り取り後のススキをまとめて束に 皆さんで分担して運びました

   【刈り取り後のススキをまとめて束に】  【皆さんで分担して運びました】

 こうして収穫されたススキは、県内のかやぶき屋根の建物のふき替えに使用されています。なお、この時期には地面の下にススキの冬芽ができているため、刈り取りによるススキへの悪影響はないばかりか、陽当たりがよくなるため翌年のススキの生長を助けます。

 手つかずの自然も大切ですが、このススキ草原のように人と自然が共生し「利用することによって保全される」自然もまた素晴らしいものです。生活が便利になるにつれて、このような自然は失われています。それは日本の文化が失われていくようでさみしい思いもあります。

 みなさんもぜひ東お多福山に登っていただき、草原の風景を楽しみつつ、人と自然の共生について思いをはせてみてはいかがでしょうか。

   

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2019年12月20日令和元年 海そうじ日記

山陰海岸国立公園 派谷 尚美

 「竹野ブルー」と称される美しい海の色と、衝撃的な透明度で訪れる人々を迎えてくれる大浦湾(兵庫県豊岡市)。夏の海水浴の時期を中心に多くの人が訪れ、自然体験を楽しんでいます。

 世界各地で海洋ごみ問題解決の必要性が叫ばれる中、重機を用いての清掃が行えない立地条件ながら大浦湾がきれいな海をなんとか維持できているのは、人力での地道な清掃活動に取り組んでくださっている方々のおかげです。

 今回は令和元年最後の日記として、私が皆さまと一緒に取り組んできた今年の大浦湾での清掃活動を振り返ります。

パークボランティア研修会での清掃活動(3月・5月・10月に実施)

パークボランティア研修会での清掃活動① パークボランティア研修会での清掃活動②

パークボランティアによる月2回の定期的な清掃活動

パークボランティアによる定期的な清掃活動 回収した漂着ごみ

 竹野地区パークボランティア(※)の方々は、日頃から時間と労力(と交通費)を使って清掃活動にご協力くださっているのですが、今秋10月からは、さらに月2回の定期的な清掃活動も始めました。

おそうじスノーケル(9月に実施)

おそうじスノーケルの作業風景 おそうじスノーケルの集合写真

 また、今年は竹野スノーケルセンターの無料イベントとして初の「おそうじスノーケル」を実施しました。スノーケリングで大浦湾の海中景観を楽しんだ後、浅瀬の海中ごみを回収するという内容で、参加者の皆さまが楽しみながらごみを拾ってくださり、大浦湾にもたくさんのごみがあることを知っていただく機会となりました。

清掃活動前と清掃活動後の海岸の様子

清掃活動前の海岸 清掃活動後の海岸

 清掃活動ではこのくらい目に見えた成果をあげられる日もあり、そうなるとやる気も高まります!

 しかし台風や大雨などの荒れた天気があればあっという間に元通りか、以前より酷い状態になってしまうこともあり、「またゼロからスタート」の気分でお掃除の繰り返しです。

 「海岸を清掃してもまたすぐに汚れるから、清掃の意味がないのでは?」とおっしゃる方もいます。たしかに、一度きれいにしてもまた次々とごみが漂着するのできりがありません。しかし掃除しなければ海岸のごみは溜まる一方で、いずれはきれいな海を見ることもできなくなるでしょう。

 海に出てしまったごみを回収する努力と、海にごみを出さない努力、この2つを地道に続けているおかげで、大浦湾でもみんながきれいな海を楽しむことができ、美しい自然環境が保たれています。

 来年も「海をきれいに」の思いで取り組む皆さまと、楽しく活動を行いたいと思います。

パークボランティアとは・・・

※自然保護思想の普及啓発を図ることを目的として、国立公園での活動に自発的に協力頂ける方にご登録頂いている環境省のボランティア団体です。竹野地区では、竹野スノーケルセンターの運営補助や海岸清掃を中心とした活動にご協力を頂いています。

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2019年12月16日つれもていこら観察会~満天の星空をみよう!~を開催しました

吉野熊野国立公園 中村千佳子

 皆さんこんにちは。田辺管理官事務所の中村です。風が一層冷たく、冬らしくなってきました。空が澄んでくる冬は、星もきれいに見え、流れ星を見つけると嬉しくなり願い事をしたくなりますね。

 さて、田辺管理官事務所では、星空観察を通じて光害(ひかりがい)や大気汚染等に気づき、環境保全について関心を深めていただくことを目的として、12月2()にみなべ町にて、つれもていこら観察会~満天の星空をみよう!~を開催しましたのでご報告します。

 当日は、朝から雨が降っていましたが夕方には止み、観察会を行うことができました。

近隣から13名が参加してくれました。

星空観察について講師から解説
星空観察について講師から解説

 はじめに、講師の角田 夏樹氏より、光害(ひかりがい)や星空観察についてのお話しを聞きました。

 今回の観察場所の近くにある千里の浜はアカウミガメの産卵地としても有名で、野生動物は光に引き寄せられたり、逆に夜は光を嫌って逃げていくなどの説明がありました。

 照明にはこういった様々な影響があること、道路・街路などの人工照明の過剰な明るさや不必要な方向に漏れた光はエネルギーの無駄になること、街灯の高さを低くしたりデザインを工夫することで明るさだけでなく周辺環境に配慮した照明が必要であることなど、分かりやすい解説で、星空ガイドとしてのこれまでの活動をお話いただきました。

 次に、星空観察を行う広場へ移動しました。北極星や夏の大三角形、秋の四角形等をレーザーポインターを使って夜空に当てながら星の場所を教えてもらいました。また、大きな望遠鏡で月の表面のクレーターや天の川に集まる肉眼では見えない無数の星々の観察も行いました。

広場での星空観察
広場での星空観察

 参加者からは、「はじめて(大きな望遠鏡で)月や星を見ました。感動しました。」「色んな星をしっかり見られたし、星の名前もよくわかった。」「流れ星を見られて嬉しかった。」「光害についてこれから必要でない光は消そうと思った。」などの感想が寄せられました。

集合写真
集合写真

 これからの季節、共に空を見上げ、自然の光を眺めながら贅沢な時間を過ごしてみませんか?

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2019年12月16日「串本潮岬自然観察会」開催のご報告です!

吉野熊野国立公園 熊野 内橋未裕

 皆さま、こんにちは。吉野熊野国立公園管理事務所の内橋です。

とうとう冬到来!という感じですね。今まで軒下に巣を張り獲物を待ち構えていたジョロウグモが、忽然(こつぜん)と姿を消していることに最近気づきました。冬の訪れを察知したのでしょうか?実はジョロウグモの寿命というものは短く約1年で、冬までに卵を産み、親グモはその寿命を終えます。私が見つけたジョロウグモも、卵を産みにどこかへ消えてしまったのでしょうか。少し寂しい気持ちを1匹のクモは残していきました。

 さて、クモの話はさておき。去る12月7日(土)に「串本潮岬自然観察会~海岸に現れた白線と貝の浜ができた理由~」が開催されました。潮岬には、観光タワーや灯台、望楼(ぼうろう)の芝があり観光客が訪れる場所となっていますが、今回はこういった観光名所や本州(・・)最南端(・・・)()潮岬というイメージだけではない、ダイナミックな自然を知ってもらおうという試みで行われました。

潮風の休憩所集合(2019年12月7日) 白蝶貝と木曜島の歴史解説 クイズ形式で解説(2019年12月7日)

     潮風の休憩所集合        白蝶貝と木曜島の歴史解説        クイズ形式で解説

 この日は、南紀熊野ジオパークガイドの方が講師・案内役を勤めました。「潮風の休憩所」で集合し、休憩所内の展示で白蝶貝と木曜島の歴史を紹介した後、望楼(ぼうろう)の芝から続く森へ足を進めていきます。そこから大小様々な砂利石がゴロゴロしている潮岬灯台周辺の磯辺まで下りました。奇岩や磯の成り立ち、岩質の解説を交えながら(しお)御岬(のみさき)神社や(くじら)山見(やまみ)、貝殻が浜一面に積もるオゴクダの浜を回りました。

解説からは、普段何気なく目にしている岩にも種類があり、それぞれどういう出来方をしたのか、その何千万年という歴史が感じられ、皆さんから感嘆の声が上がりました。また、「潮岬は訪れたことがあるが、ここまで降りたことはない。」など、初めて足を踏み入れた方が多かったようです。

砂利浜と奇岩(21019年12月7日) 集合写真(2019年12月7日) オゴクダの浜(2019年12月7日)

     砂利浜と奇岩            集合写真             オゴクダの浜

この日は、朝から雨模様で開催が危ぶまれましたが、運良く曇りのまま一日を終える事が出来ました。今回訪れた磯辺は、潮の満ち引きの関係や天候で様子が変わるので、この地を訪れる際は十分お気をつけください。

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2019年12月06日大台ヶ原の冬に向けて

吉野熊野国立公園 小川 遥

 皆さま、こんにちは。吉野の小川です。

近頃は日を追うごとに空気が冷たくなり本格的な冬に入りつつあります。この時期になると、ゆっくりお風呂につかり、秋の味覚に未練を残しつつもこたつで鍋とみかんに幸せを感じながら、年末に向けた食べ納めに思いを巡らせております。

 さて、今回は、先日行った大台ヶ原での取組みのひとつをご紹介したいと思います!

大台ヶ原といえば、特徴のひとつに、東大台のトウヒ林を主とする亜高山帯針葉樹林や西大台に広がる大規模なブナ-ウラジロモミの針広混交林があります。特に最終氷期時代の生き残りであるトウヒが近畿地方でまとまって見られることはとても貴重です。

トウヒ

ウラジロモミ

ブナ

トウヒ

ウラジロモミ

ブナ

 しかし、大台ヶ原に多数生息するニホンジカにより剥皮され枯死してしまうことが問題となっています。そのため、環境省ではかねてより剥皮防止として樹脂製ネットを巻き、母樹の保護に取り組んできました(詳しくはこちら

シカによる剥皮は時期に関わらず確認されていますが、春先開山後に食害がより目立っていると感じられます。そこで、閉山に備えて、職員にてトウヒを中心にネットを設置する作業を行いました。数人で1本1本巻いていく地道な工程ですが、1本でも多くの木々を守ることから大台ヶ原の森林維持や再生に繋がることを願っています。

剥皮された木

ネット巻き作業

ネット巻き後

剥皮された木

ネット巻き作業

ネット巻き後

 そして、大台ヶ原も遂に今シーズンの終わりが近づいてきました。12月2日(月)15時に山上駐車場へ続く道路が冬季閉鎖となり、それに伴って大台ヶ原ビジターセンターも閉鎖いたします。

また、三重県側から大台ヶ原へ続く大杉谷の登山シーズンは、今春に設定していた開山期間のとおり、11月24日(日)をもって終了いたしました。

 今年もたくさんの方に季節ごとに移り変わる様々な大台ヶ原や大杉谷をお楽しみいただけたことかと思います。ご来訪ありがとうございました!

【お知らせ】

☆大台ヶ原公園川上線(大台ヶ原ドライブウェイ)通行止め☆

令和元年12月2日(月)15時~令和2年4月17日(金)15時(予定)

上期間中は、冬季閉鎖のため、大台ヶ原山上へ通じるドライブウェイは通行止めです。

詳細はこちら

☆大台ヶ原ビジターセンターのFacebookが始まりました☆

今年度8月より、こちらのFacebookにて、大台ヶ原ビジターセンター窓口による大台ヶ原の情報をお知らせしております(開山時期のみ)。皆さま、是非ご覧ください。

☆大台ヶ原登録ガイドをご紹介☆

環境省では、大台ヶ原をより深く楽しく安全に満喫いただくために、大台ヶ原登録ガイド制度を運用しております。ガイドを選んで自分だけの大台ヶ原をカスタマイズしてみましょう。くわしくはこちら→Let's enjoy Oodaigahara!!

★平成31年4月1日より、事務所の名称が変更となっております★

(変更後)吉野管理官事務所  ←(変更前)吉野自然保護官事務所

住所及び電話番号に変更はありません。引き続きよろしくお願いいたします。

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2019年12月04日デンジャラスなトレイル

吉野熊野国立公園 青谷 克哉

 吉野管理官事務所の青谷でございます。吉野は気温も下がって冬の気配を感じる間もなく、いきなり到来してしまっている感じです。寒くなると暖房器具が手放せませんが、本格的に稼働する前に点検は欠かせませんね。火事には十分気をつけたいものです。

 さて、点検ということでは去る11月13日に天川村にある登山道の点検に行って参りました。その登山道は双門弥山線歩道と言いまして、天川村の熊渡りという所から弥山山頂を目指す登山道になります。我が管内では最も過酷で危険な歩道であると思っています。

 この時期は日暮れも早く気温も下がりやすいのでスタートを早めにしようと早朝4:30に事務所を出発して登山道入り口へ。しかし現地は真っ暗闇でした。流石に早すぎたかと登山道を維持管理している天川村の職員と相談し、これは危険と一緒に一時待機。ヘッドライト無しでも行けるかな?という具合を見計らって出発しました。

 天川村は熊渡りからスタートで、まずは白川八丁を目指します。下の写真は白川八丁にたどり着いてすぐの風景です。

白い石場をどんどんと進んで行きます。最近雨も降っていないので水量は少なく、道中にある釜滝も細々としておりました。

 釜滝からは斜面を登り、山に分け入っていきます。山中はまた過酷な道で、よくもこんな所に道を作ったものだと思いますね。工事をした人々の苦労が忍ばれます。感謝の念に堪えません。そんな道中にある梯子を登り、鎖を掴み、根っこをよじ登ってもう大変です。

鉄梯子鉄梯子

険しい道を進んでいると、いよいよ弥山川に突き当たります。そこからは河原を上流にたどり河原小屋跡へ。

河原小屋跡地付近

昔の台風のせいで岩がごろごろ。開けたところで一休み、昼食をとって英気を養います。河原小屋跡からは岩場を登る道が始まり、こちらもハードな道行きです。

切り立つ崖にある鉄棒だけの足場を越えたりします。怖すぎますね、命を大切に。狼平まで登れば一安心。避難小屋で休憩し、あとは歩きやすい登山道を登るだけです。

 こんな危険な登山道で何を点検するのかというと、梯子や鎖をメインに道の状態などです。施設の破損は危険に直結します。危険な道をさらに危険にするわけにはいかないので見回るわけです。緩みはないか、鎖は無事かを見回り、必要があれば修繕します 。アクティブ・レンジャーは、こういう過酷な場所でも仕事をします。

 双門弥山線歩道は上級者向けのコースであり、体調良く体力の充実した状態の時に二人以上で挑んで下さい。このコースの下りは危険度が跳ね上がりますので下からの登りのみにして下さい。ヘルメットも忘れずに。途中で引き返すということが非常に困難な登山道でもありますので、下調べをしっかりとして無理と思えば行かない選択も必要です。また、引き返すときは早めに決断をしてください。

 しかしながら、過酷な道行きに危険ばかりと脅すだけでは折角の歩道整備も意味が薄れるというもの。双門弥山コースは、吉野管理官事務所管内のどの山とも違った登山が楽しめます。まさしく登っていくという言葉が似合う、足だけでなく両手、時には全身を使っての登山は、すばらしい達成感を与えてくれます。山間を行くので展望は所々しか開けていませんが、それでもはっとする様な景色が見えるときがあります。

こんな感じです。方角はみたらい渓谷、観音峰の方向になります。登った!という満足感が欲しい方には大変オススメのコースですが、これからの時期は冬山になりますので、早速のチャレンジはオススメしません。山小屋も閉まっており、車道も通行止めになります。道中の岩場や鉄梯子も凍結し、積雪があるでしょう 。来年、暖かくなってから挑戦して下さい。

 それでは、今回はこの辺でごきげんよう。

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