ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2018年11月

3件の記事があります。

2018年11月30日鳥取砂丘ビジターセンターがオープンいたしました。

山陰海岸国立公園 浦富 澤恵美子

 みなさん、こんにちは。

9月より浦富自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーとして着任しました澤 恵美子(さわ えみこ)と申します。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 鳥取は日に日に寒くなってきています。天気も雨や曇りのどんよりした日が多くなり、寒さが身にしみます。でも、晴れた日の空は澄んで気持ちよく大変貴重でありがたい気持ちになります。

 さて、待望の山陰海岸国立公園鳥取砂丘ビジターセンター(以下:ビジターセンター)が10月26日にオープン致しました。

 平成25年からビジターセンター整備に向けて地域の皆様と検討をはじめ、ようやくこの日を迎えることができました。

新しくオープンしたビジターセンターは、山陰海岸国立公園鳥取砂丘地域の利用拠点として年間利用者60万人の来場を目指します。

 

 今回は開館記念式典の模様についてお知らせします。

2018年10月26日鳥取砂丘ビジターセンター開館記念式典当日正面写真

 

 式典当日の天気は風が少々ありましたが、大変気持ちのよい秋晴れ。

まずは、福部保育園の園児による、元気いっぱいの「エビカニクス」の踊りで始まりました。楽しく踊る子どもたちの姿に会場の方々の手拍子も弾み、皆さんの表情もにこやかでした。

鳥取砂丘ビジターセンター開館記念式典園児踊り(2018年10月26日)

式典では環境省、鳥取県、鳥取市の主催者挨拶のあとに、多くのご来賓の方々からご祝辞、お祝文、ご祝電をいただきました。

そしていよいよ、待ちに待ったテープカットです。

鳥取砂丘ビジターセンター開館記念式典テープカット(2018年10月26日)

テープカットの瞬間、山陰海岸国立公園鳥取砂丘ビジターセンターが誕生しました。

 ビジターセンターの外観は山陰地方の宿場町の雰囲気を醸し出すデザインとなっています。

1階には案内カウンターや休憩スペースがあり、1階から2階の吹き抜けには全長4メートルの火山灰層の標本が展示されています。

半地下には体験学習室、レクチャールーム。体験学習室には風紋発生装置があり館内スタッフが無料でビジターセンターのガイドをしてくれます。

2階は映像ミニシアター「すなくら」があり、普段なかなか目にできない、生きている砂丘の姿を体験できます。このほかにも展示コーナー、学習コーナーなどもあり、色々な砂丘を発見できると思います。

 たくさんの方々に立ち寄っていただき、いつまでも親しまれ愛される施設に成長していってほしいです。

 みなさまも機会があれば是非とも山陰海岸国立公園鳥取砂丘ビジターセンターへお越しください。

こころよりお待ちしております。

鳥取砂丘ビジターセンター開館記念式典当日朝の砂丘(2018年10月26日)

当日朝の砂丘 

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2018年11月06日「よしくまアドベンチャーin神島へシーカヤックで渡ろう!」を開催しました。

吉野熊野国立公園 田辺 中村千佳子

 田辺自然保護官事務所アクティブ・レンジャーの中村です。爽やかな風が吹き、紅葉の便りが届く季節となりました。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

 この季節、私の楽しみは山のてっぺんで、地元で採れたみかんを食べながらよしくまの景色を眺めることです。

高尾山の山頂より田辺湾を望む。
田辺市高尾山山頂より

 さて、10/21(日)に田辺市神島にて平成30年度吉野熊野国立公園子どもパークレンジャー事業「よしくまアドベンチャーin神島へシーカヤックで渡ろう!」を開催しましたのでご報告します。

 今回のアドベンチャーは、地域の子ども達に、普段は上陸することのできない神島にシーカヤックで渡る体験をすることで、神島の自然や文化について学び、地域の豊かな自然やその恵みに目を向けるとともに、海岸の漂着ゴミを回収しながら、海が抱える環境問題に触れ、考えるきっかけとして目的として開催しました。当日は近隣の市町から40組を超える応募があり、その中から抽選で選ばれた10組20名の親子が参加しました。

 まずは、今回のアドベンチャーの目的やシーカヤックの説明を聞いた後、実際にシーカヤックへ乗り込み、パドルで漕ぐ練習をしました。

シーカヤックの操作方法の説明時の様子(2018年10月撮影) 海に浮かぶシーカヤックから見た神島(2018年10月撮影)

シーカヤックの説明              神島

 それから、神島へ向け出発しました。風が少しあるものの、波もなく天気に恵まれ、参加者は気持ちよさそうにシーカヤックを漕いでいました。はじめはパドルの漕ぐリズムが全く合わず真っ直ぐに進めなかった人たちも、次第に息が合いとても速く進んでいました。

神島へ上陸後島内の石碑を見学しました 磯にいるいきものも観察しました
石碑の見学                  磯の見学 

浜辺にある漂着ゴミを皆で清掃しました 集合写真を海の上で撮りました
回収したゴミ                  集合写真

 

 神島に上陸後、講師から観察時の注意事項を聞いた後、浜辺の植物や磯の生き物などを観察しました。

タイドプールには小さな魚やカニなどがいて、子どもたちは熱心に生きものについての説明を聞いていました。また、砂浜には動物の足跡がありタヌキやアライグマであると学びました。

 浜辺に生えているハカマカズラの葉は、台風による塩害で葉が変色し枯れているのが多かったのですが、参加者は興味深げに神島のハカマカズラを観察していました。

 その後、みんなで漂着ゴミを回収しました。回収中には、大きなロープや網などが見つかりました。回収したゴミの量は80キロで、ゴミはみんなでシーカヤックに乗せて港まで戻りました。

 これらの経験をとおして、参加者からは「神島の磯を探検できて楽しかった!」「動物が泳いで海を渡ることに驚いた。餌になるような物を捨ててはいけないと思った。」「海から見る田辺市は綺麗だった。」「シーカヤックを漕ぐのが難しかったけど、普段行けない神島に行けて嬉しかった。」などの感想が寄せられました。

 これからも、地域の子ども達が色々な体験をしながら、豊かな自然にふれあう機会を作っていきたいと思います。

注:神島は、田辺市により上陸が禁止されています。今回は特別に市の許可を得て上陸しました。また、神島は吉野熊野国立公園第1種特別地域及び国の天然記念物に指定されています。

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2018年11月01日イベント報告

吉野熊野国立公園 熊野 岩田佐知代

 こんにちは、熊野自然保護官事務所アクティブ・レンジャーの岩田です。

11月となり、朝夕冷え込む季節となりましたね。

前回案内させていただいた「地球の息吹を感じよう!荒船海岸 耳の鼻」イベントの実施報告をさせていただきます。

 10月8日(月・祝)、たびかさなる台風襲来で、開催前には、何度も天気予報とにらめっこをしながらも、快晴の下、開催することができました。

「耳の鼻」とは荒船海岸の突端にある地名で地形図でも確認できますが、耳なのか鼻なのかとても不思議な名前の地名で興味がわきます。

「耳の鼻」って、聞いたことはあるけれど行ったことがないという方や、この地にもう一度行ってみたかったという地元の方々など参加者19人全員が浦神から荒船海岸までの山道を踏破し、地球の息吹!まさしく「よしくま」の醍醐味(だいごみ)を体感していただくことができました。

浦神から荒船海岸までの山道はかつて、地元の漁業、炭業や農業の営みを支える日々の生活道でしたが、漁業は船での操業となり、今ではほとんど使われなくなりました。その山道を1時間ほど歩き、眺望のきく場所で目的地の「耳の鼻」を確認しました。

耳の鼻の眺望

 海岸に降りて、歩くと地層が斜めに傾いた岩石が見られます。講師の先生の解説では1700万年前に前弧(ぜんこ)(かい)(ぼん)()()()(海底のくぼ地)に堆積した地層できた岩石が、地殻変動によって流動し、斜めに傾いてできたということです。

海岸沿いを歩く

 海岸沿いをさらに30分ほど歩き、「耳の鼻」をめざしました。

耳の鼻の入口と思われる場所で、「え?ここが耳の鼻?」と思いながら進んでいくと、まさしく吸い込まれそうな鼻の穴が視界に入ってきます。皆さん「わぁすごいね!」の一言でした。

普段はあまり立ち入ることのない、荒波にもまれ浸食されながらも大自然がそのままの状態で残された、5つの穴がある圧巻の海蝕(かいしょく)洞門(どうもん)(補足1)を通り抜けました。

海蝕洞門内

 解説を聞きながら節理(せつり)(割れ目)と断層(だんそう)(ずれ)が入り組んだ岩石を観察した後、隆起し、厚い泥岩と砂岩層の中で固まりきらないうちに褶曲(しゅうきょく)(補足2)ができた層内褶曲の岩石上で、傾きのポーズで記念撮影を行いました。

層内褶曲で記念撮影

 潮の干満の関係で、あまりゆっくりすることはできませんでしたが、帰りは台風で漂着した流木の多さを感じながら浦神湾内の海沿いを歩き、ノジュール(堆積岩中にできる硬い塊)を見つけたり、細かな石英(ガラス光沢の結晶)がちりばめられている石を観ながら、壮大な自然海岸の手つかずの大自然を満喫していただくことができました。

泥岩の中のノジュール 石英質の石

 これからも吉野熊野国立公園のすばらしいところを皆さんに情報発信できたらと思いますので、

ぜひ「よしくま」へ足をお運びください。

  補足1:波の侵食作用等で柔らかい部分の岩が削られ洞窟となったものを海食(かいしょく)(どう)と呼び、岩を貫通し、       

      トンネル状になったものを海蝕洞門と呼びます

  補足2:堆積された地層や岩体が力を受けて変形し、湾曲した構造を褶曲と呼びます。

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