ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

606件の記事があります。

2012年11月16日大峯から大台への架け橋

吉野熊野国立公園 吉野 杉本 正太

みなさんこんにちは!
奈良県では14日から急激に冷えてきまして、吉野でもミゾレと雨水の中間ぐらいのべちゃっとした雨が降っていました。だんだん寒くなってきたとはいえ、私は半袖で寝ています。杉本です。

さてさて、私の前回のアクティブレンジャー日記で吉野熊野国立公園の特徴について少し触れさせていただきましたが、今回はエリアについて少し触れたいと思います。

吉野熊野国立公園は奈良県、和歌山県、三重県の3県にまたがった広域な自然公園です。もちろん一つの保護官事務所で全てのエリアの管理を行うのは大変なので、吉野自然保護官事務所が奈良県区域を、熊野自然保護官事務所が和歌山県と三重県区域の管理を行っています。

吉野熊野国立公園の奈良県部分はさらに3つのエリアに分けることができ、吉野区域・大峯区域・大台ヶ原区域に分けることができます。吉野区域と大峯区域は私、杉本アクティブレンジャーが担当し、大台ヶ原区域を小川アクティブレンジャーが担当しています。

なんか、とても基本的な情報なのですが、今までこのような解説ってしてなかったような・・・
そんな基本的な情報をなぜ、今更書いたのかと言いますと、先日伯母峯峠に行ってきたからなのです。この伯母峯峠は、吉野熊野国立公園の中で唯一大峯山系と大台ヶ原が山で繋がっているところなのです。

というわけで、伯母峯峠に行った時の報告をしたいと思います。
ふぅー、ようやく本題に入れます。

今回伯母峯峠には、上北山村が主催するエコツアーの「心の道ウオーク」のガイドで行ってきました。

この写真は大台ヶ原側から撮影したもので、写真内で一番高い山が大普賢岳(大峯山系)です。写真中央やや下の尾根線を歩いて大峯山系を目指します。


伯母峯峠の一部の尾根は村界になっており、写真右側(北)が川上村、写真左側(南)が上北山村です。
写真からも分かりますように、北側と南側で針葉樹林帯と落葉広葉樹林帯がキレイに分かれていておもしろいです。

ここの場合は、山の用途が村によって違っているため、このように林相の境界線ができているのだと思いますが、北側だけにスギやヒノキなどの人工林を見ることは珍しくないです。というのも、北側の法面だと、高く成長しないと日光が当たらないので、木がまっすぐ成長し、良い材が生産されるからだと聞いたことがあります。

といった、雑学的な話もガイド中に解説したりします。

もちろんメインの解説は雑学的なことではなく、植物や生物、国立公園などについての解説です。


写真上はヒメシャラと樹洞についての解説中。
写真下は休憩時間を利用して、葉っぱの光合成と紅葉のメカニズムについての解説をしているところです。

といったところで今回はここまで。

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2012年11月14日このような事もやっております~防鹿柵修理の巻~【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 小川 遥

 こんにちは! 吉野の小川です。
どんどん寒さが増してきましたね。特に今週後半は冷え込むようです。
みなさん、防寒対策はばっちりでしょうか。
こたつとみかんと鍋、そしてアイスクリームが恋しくなる季節の到来です。
(こたつでぬくぬくしながら食べるアイスは格別だと思っている小川ARです。)

 さて今回は、こんなこともやっちゃいますというレンジャー(R)とアクティブ・レンジャー(AR)の仕事の一部をご紹介します♪
先日、大台ヶ原より木が倒れて防鹿柵が壊れている!という連絡があり、急遽吉野自然保護官事務所から修理部隊が出動となりました。

【修理前】
腐った木が倒れて見事に防鹿柵のネットを押しつぶしています。

このような時は、まず木の撤去が必要!となりますが、大きなこの木の場合そうそう簡単には動かせません。
ということで、5月に受けたチェーンソー講習(詳しくはこちら)の成果を示す時がやってきました。
まずは、我らの吉野レンジャーがとりかかります。

【木を切断中】
チェーンソーで木をざくざく切って細かくし、ネット上からどかします。


【ネット補修中】
そしてネットを引き上げて、破れた箇所を繕っていくと…


【修理後】


周囲の環境に影響を与えない必要最小限な対策でこのように無事元通りとなりました。
(ネットの向こう側とこちら側に倒木の残骸があるので少し分かりにくいかもしれません)
これで今まで通り、シカから植生を守ることができます。
ちなみに、防鹿柵とは何?なんのためにあるの?と不思議に思った方はこちらをクリック☆

 これまで書いてきたような自然観察会など大台ヶ原の紹介や国立公園をより多くの皆さんに知ってもらうための普及活動に加え、何か異変があったときには現地に駆けつけて対処するなど様々な仕事を行っております。
これからもちょくちょく私たちの仕事を紹介できればと思います★


 さて、ご存じの方もいると思いますが、大台ヶ原は14日に初冠雪となりました。この日はドライブウェーの道路も一部凍結した様子です。
これから大台ヶ原を利用される方は、スタッドレスタイヤへの交換やチェーンの携帯、そして防寒対策など充分にお気を付けていらして下さい。
また、大台ヶ原ドライブウェーは11月30日(金)15:00に閉鎖します!!
これにあわせて大台ヶ原ビジターセンターも11月30日(金)14:00には閉館致します。
ご注意下さい!

 それでは、また次回☆


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2012年11月09日山の形

吉野熊野国立公園 吉野 杉本 正太

皆さん、こんにちは!
いやー、すっかり寒くなりましたね。毎朝おふとんから出るのが辛い季節がやってまいりました。I love おふとん、杉本です。

さて、私たちがいつも歩き回っている吉野熊野国立公園ですが、この公園の特徴と言えば、紀伊山地の美しい山々の稜線があります。
「いまさら なんやねん。」と聞こえてきそうですが、今更的なことを書くのには訳があります。
というのも、普段、巡視等で山の中を歩き回っているので、山々の遠景を見ることってなかなかないんですね。「木を見て森を見ず」ならぬ、「森を見て山を見ず」状態でした。

ということで、吉野熊野国立公園の中の山を遠くから眺めたらどんな形なのか、今回の日記でいくつか紹介したいと思います。

大普賢岳・小普賢岳・日本岳

和佐又山からの撮影です。写真内で一番高い山が大普賢岳で、少し手前の丸く尖った山が小普賢岳です。そしてその手前の横に長い山が日本岳になります。見所は小普賢岳の丸みですかね。なんとも愛らしいです。

大台ヶ原と大蛇嵓

続きましては、大台ヶ原の牛石ヶ原と大蛇嵓です。
又剱(またつるぎ)山からの撮影。
写真右側上部が牛石ヶ原で、中央やや左が大蛇嵓と不動返し嵓です。大蛇嵓から見る不動返し嵓は蛇の頭の形に見えるのですが、又剱山からではよーく探さないと見つかりません。写真を撮影した当時に一緒にいた方々も一生懸命探していました。

行者還岳

最後は行者還岳です。上北山村散切り林道から撮影です。
大峯奥駈道を切り開いた役行者(えんのぎょうじゃ)様も登らずに還ってしまったことから、行者還岳と名前が付きました。
遠くから見ると、なるほど納得がいく傾斜ですね。今は梯子などが設置されていますので登ることが可能です。

この山の形シリーズは、なかなかおもしろいと思っているので、別の山でも書くかもしれません。

といったところで今回はここまで。

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2012年11月07日紅葉 in 行者還岳 【自然】

吉野熊野国立公園 吉野 小川 遥

 みなさん、こんにちは! 吉野の小川です。
涼しくなったなぁと思う間もなく、どんどん寒くなってきた今日この頃。
大台ヶ原も先日初めて雪が降ったようです。霧氷もみることができたとか。
天候によっては昼間であっても0℃近くまで冷え込むこともあるそうで、皆さん行かれる際には防寒にお気を付け下さい。

さて、今週初めに上北山村主催の『心の道ウオーク』にガイドとして参加させて頂きました!! 今回は行者還岳です。国道309号線から登りはじめ、世界遺産である熊野古道を歩き、頂上を目指します。
早朝は雷と雨が激しく、大丈夫かなーと心配していましたが、どうやらスタッフの中に強い晴れ男さんがいたらしく、風はあるものの比較的良い天気の中ツアーをスタートすることができました☆

大台ヶ原ではもうほぼ散ってしまった紅葉ですが、ここではまだまだきれいな景色をみることができました! このあたりの紅葉は、特徴的な景色を見られることからカメラマンや愛好家さんからはとても人気な場所だそうです。
その特徴的な景色というのが、コレです!!

『人』文字紅葉 【行者還岳 11月6日】


まるで「人」という文字を描くようにくっきりと色づいているのが分かるでしょうか。山の斜面部分は杉の木、尾根沿いには広葉樹が分布しているため、このように遠目からも違いがよく分かります。見事なものですね~。

ところで、行者還岳というのは名前が示す通り、その昔役行者(えんのぎょうじゃ)が訪れた際にあまりの険しさから一度引き返した、行者を還らせたという伝承があるほどの山です。
山小屋から頂上を目指すには特に注意が必要です!

用心しいしい登る皆さん 【行者還岳 11月6日】


急なガレ場や階段を登り降りする際は、落石や気を付ける箇所などお互いの声かけ、思いやりは大事ですね☆
そして、そこを越えるとたくさんのシャクナゲが待つ頂上です。ここには錫杖を持って行者気分になれる写真スポットもあります。
行かれた際には是非記念にどうぞ☆

 行く時は少し天気が心配でしたが、雨が降ることもなく、最後には夕暮れがかった景色を楽しむことが出来ました。

夕方近くの紅葉 【行者還岳 11月6日】
 

この心の道ウォーク、今後の計画については上北山村HPをご参照下さい☆


さて、ここまで行者還岳について紹介してきましたが、最後に大台ヶ原についてのご連絡です。
大台ヶ原ドライブウェイの閉鎖日が決まりました!!
11月30日(金)15:00です。
これにあわせて大台ヶ原ビジターセンターも閉館します。
これからのご利用を考えている方はご注意下さい。

それでは、また次回☆



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2012年10月26日紅葉in大台ヶ原【自然】

吉野熊野国立公園 吉野 小川 遥

 みなさん、こんにちは! 吉野の小川です。
少し前までうだるような暑さだったのが嘘かのように、吉野は朝晩と冷えるようになってきました。
なんだか秋という時期が年々短くなってきているような気がするのは私だけでしょうか…。まだまだ秋の味覚を堪能できていないので、冬がやって来てしまう前にいっぱい食べて蓄えたいと思います(笑)

さてさて、今回は前回に引き続き大台ヶ原の紅葉の様子をちらりと紹介したいと思います!!
西大台は杉本ARがきれいな写真で紹介してくれましたので、ここでは東大台をお見せします☆


シオカラ谷吊り橋から 【10月23日撮影】

駐車場周辺 【10月22日撮影】

この間の週末から今週初めにかけては、とても良い天気な上に紅葉も見ごろという大変色鮮やかな大台ヶ原をみることができました。おかげさまで土日は超満員。来られた皆さんにも楽しんで頂けたようです。


大蛇嵓 【10月22日撮影】

大蛇嵓は夕方前に行ったため霧が出てきておりやや陰っていますが、逆に幻想的な風景を見ることが出来ました。写真で充分お伝えできないのが悲しいところです…。

全体的な紅葉のピークはやや過ぎているかもしれませんが、場所によってはまだまだ楽しんで頂ける場所がある様子。早朝から駐車場の混雑がしばらく続くと思いますので、車で来られる方はご注意下さい。
現在は、大台ヶ原の人気マスコットキャラクターである大台ヶ原山椒大夫君もオススメの公共交通機関利用促進キャンペーン中です!(詳しくは9月26日の日記を参照下さい)
 是非是非、鉄道、バスなど公共交通をご活用下さい。

日に日に吉野も麓の上北山村も寒さが増してきていますが、山頂は更に冷え込みます。晴れていても風や気温が冷たく、特に朝晩や雨の日は気温が5度以下になる日もあります。
皆様、くれぐれも防寒着と雨具はお忘れなきよう、大台ヶ原をお楽しみ下さい。

それでは、また次回☆★

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2012年10月25日エコツアーガイドの心得 ~その2~【植物・その他】

吉野熊野国立公園 吉野 杉本 正太

奈良県は斑鳩町法起寺でコスモスが咲いたと新聞で見ました。秋も本格的になってきたなーとしみじみしてます。どうも、吉野の杉本です。

最近、多方面から「いつもアクティブ・レンジャー日記読んでるよ~」と声をかけていただくことが増えまして、なんともうれしい限りでございます。これからもよろしくおねがいします。

さてさて、先日西大台に行く機会がございまして、紅葉の見頃を迎えている大台ヶ原を満喫してきました。
というのも、「心の道ウオーク」という上北山村が主催するエコツアーがあり、エコツアーガイドとして参加致しました。
(心の道ウオークは大台の他にも大峯山系を巡るツアーもございます。詳しくは上北山村役場HPで!)
西大台の一部なのですが、写真のように真っ赤なコミネカエデもあり、鮮やかな登山道となっています。

色づくコミネカエデ

足下には落ち葉の登山道が広がっていて、上を見ても下を見ても秋真っ盛りです。
これから落ち葉がどんどん増えてもっと綺麗な道になっていくと思います。
ただ、落ち葉が増えると歩道が不明瞭になり迷いやすくなりますので十分にご注意下さい。

赤い(?)登山道

さてさて、今回の日記はタイトルにもありますようにガイドを行う上で気を付けないといけないこと、心得とは?について書き綴って行こうかと思います。
前回の話術についての拙文である「エコツアーガイドの心得~その1~」はこちらをどうぞ

~その2~のキーワードは「気遣い」です。まま、当然と言われれば当然のことなのですが、ガイドに慣れて心に余裕がないとなかなか気遣いって難しいです。
今回のエコツアーで気遣いについて考えるきっかけとなったのは、隊列内で私が付いていた位置が最後尾だったからなのです。
登山道を歩くエコツアーってだいたい1列縦隊で移動するのですが、先頭と最後尾にはスタッフが配置され、各々の役割があります。

先頭の主な役割は、隊列の歩くペースをコントロールしながら自然情報の説明や危険箇所の回避などをすることです。
一方、最後尾はと言いますと、隊列全体が見渡せる訳ですから、隊列から外れる人が居ない事を確認することも勿論大切です。しかし、それ以上に、「疲れている人居ないかな~」とか、「質問したがっているけどなかなか聞き出せない人がいるな~」とか、「ガイドの説明に対して不満を持ってないかな~」とか、ちょっとした違和感を汲み取ることが重要で、それができないと最後尾は務められないな、と感じました。

他にもまだまだ気付いたこと気になったことがあり、書きたいことが山ほどあるのですが、ツラツラとまとまりのない日記になってしまいそうなので、またの機会にしたいと思います。

といったところで今回はここまで。

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2012年10月10日秋の訪れ【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 小川 遥

こんにちは! 吉野の小川です。
いつのまにやらセミの鳴き声はすっかり消え、涼しそうな秋虫の音色が聞こえてくる季節です。扇風機もクーラーもない吉野の我が家をいかに爽快で快適な住みかにしようかと悩んでいた私も、今はいかに温かくほっこりした籠もり場にしようかと考え中です。
そんな秋と言えば、さんま!栗!さつまいも!きのこ!梨!りんご!月見団子!などなど…ですが、忘れてはいけないのが、秋ならではの風物詩『紅葉』です☆

大台ヶ原もちゃくちゃくと秋の様相に衣替え中です。10月1週目の土日には、赤く紅葉したシロヤシオを見ることが出来ました。

正木峠のシロヤシオ 【東大台 10月】


さらに、このような紅葉も見ることが出来ました。

ツタウルシの紅葉 【東大台 10月】

これは、立っている木本自身の葉ではなく、枯れ木に巻き付いているツル植物の葉が紅葉しているものです。撮影した某カメラマン、Oアクティブ・レンジャーのスキルがまだ上達していないため、きれいさが上手く伝わりませんが、後ろの木の緑とよく映えています。
ただし、見た目はきれいなこのツルですが、じつはこれはツタウルシという、触るとかぶれやすい植物です! この植物自体は歩道から少し離れたところでしばしば見られるので、眺める分には目の保養なのですが、時々落ち葉が歩道沿いに落ちていることがあります。きれいな赤い葉なのでついつい手にとってみたくなりますが、落ち葉でも人によってはかぶれてしまう場合がありますので、お気を付け下さい。

 さてさて、この日曜日には今年度最後の自然観察会も開催され、締めくくりにふさわしく晴天が見られました。
 そのような日に撮った、青空に映えるカエデがこちら!!

オオイタヤメイゲツ 【10月 東大台】
 日出ヶ岳に続く階段の手前には熊野灘を臨むテラスがあり、その脇には立派なカエデの木があります。上の方から徐々に色づいていく様を観察できました!!
全体的な紅葉はこれからという時期でしたが、大台ヶ原で活躍するパークボランティアとともに散策する秋の自然観察会。参加者のみなさんには喜んで頂けたようで、とても嬉しいです。しかもこの日は満員御礼でした!!

 さて、全部で4回開催した今年度の自然観察会。晴れの日もあれば曇天の日や小雨の降る日もありましたが、このブログを通し、その時々で旬な大台ヶ原の自然を楽しんで頂けたでしょうか。良かった点や反省する点もふまえ、次はより多くの利用客の方に大台ヶ原を知ってもらえる観察会にしていければと思いますので、来年度もどうぞお楽しみに!!

 大台ヶ原の紅葉は10月後半が見どころかと思われます(自然のことなのであくまでも予想です)。しかし、山の上では晴れていても風や気温が冷たく、麓では晴天でも登ると雨が降っていることがあります!!
皆様、防寒着と雨具はお忘れなきよう、大台ヶ原の紅葉をお楽しみ下さい☆

 それでは、本日はこのへんで。皆様、ごきげんよう☆

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2012年10月05日テンナンショウ【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 杉本 正太

みなさんこんにちは!吉野の杉本です。

先日(10月4日)に、大峯山系の頂仙明星ヶ岳線の巡視に行ってきました。
その時に、写真の様な不思議な植物を見つけちゃいました。


いやー、初め見た時は驚きましたね。
草間弥生のデザインを彷彿とさせるような色彩と模様です。

実はこれ、「マムシグサ」と呼ばれるテンナンショウの仲間なんです。
テンナンショウとは写真の様な独特な花を咲かせる植物で、マムシグサも6月頃には同じような花を咲かせます。

マムシグサと呼ばれるようになったのは、茎がマムシの模様に似ているという特徴から、そう呼ばれるようになったらしいのですが、「いやいや、この模様の方が特徴あるでしょ!」と思わず言いたくなりました。

テンナンショウとは湿潤な温帯に生育する植物らしく、テンナンショウを漢字で書くと「天南星」となります。サトイモの仲間(毒を持つものがある)で、昔は漢方薬として使われていたとか、いないとか・・・

わたしは、アクティブ・レンジャーに着任するまで、この植物の姿形すら見たことがなかったので、おもしろい花を咲かせるなーと思っていました。
だいたい5月、6月頃に花を咲かせて、8月頃から結実を始めていました.

実ができはじめた頃は、トウモロコシの出来損ないみたいでかわいらしかったのに、まさかあんなに毒々しい感じになるとは思ってもいませんでした。

改めて植物のおもしろさを感じた巡視でした。

といったところで今回はここまで。

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2012年09月26日オオダイガハラサンショウウオとだゆう君【生き物】

吉野熊野国立公園 吉野 小川 遥

こんにちは! 吉野の小川です。
なんだかんだ言ってまだまだ暑い日が続くな~と思っていた9月でしたが、吉野では朝夜肌寒く感じる程になってきました。とはいえ、日によって昼間はまだ日差しがきつい時もあったりと、服装に困る季節の変わり目。みなさんも体調管理にはどうぞお気を付け下さい。

さてさて、今回はわたくし小川がついこの間遭遇した、なかなか出会えない大台ヶ原の人気者を紹介したいと思います。

オオダイガハラサンショウウオ【9月 西大台】

9月半ばにパークボランティアの皆さんと西大台を歩いていた時に、ひょっこりと歩道へ出てきておりました!!
みなさんもきっとご存じの、大台ヶ原を代表するマスコットキャラクター、大台ヶ原山椒大夫(おおだいがはらさんしょうだゆう)君のモデルでもあります。

愛称:だゆう君

いつかは生のキミに会いたいと思い続けて早数年…ではなく、なんと着任して半年経つか経たないかにして幸運にも出会うことができました。まさかの、吉野事務所の自然保護官よりも先にご対面です(小声)。
あー、今日も大雨だったなぁと思いながら歩いていたところへのご登場。サインをもらうことは出来ませんでしたが、写真を撮らせてもらうことができました(笑)

ところで、このオオダイガハラサンショウウオ、県の天然記念物かつ絶滅危惧Ⅱ類にも指定されている日本固有の種です。
大台ヶ原で発見されたことからこの名前がつけられました。大台ヶ原をはじめとする日本の限られた地域にしか生息していません。
 ですので、雨や霧の日に歩道へ散歩に出てきた彼らと運良く出会った際は、そっと見守ってあげて下さいね☆


さて一方、大台ヶ原の活動PRなどで大活躍中の人気マスコット、だゆう君。これまでは一人で頑張っていた彼ですが、とうとう家族ができました。
その初お目見えがこちら!!


なんともほのぼのした休日のだゆう一家。休みの日には家族サービスも欠かしません。
 
このように環境省では、だゆう一家もオススメする公共交通機関利用促進キャンペーンを行っております。特に利用者が集中する秋の紅葉シーズンは、午前中には駐車場が満車になってしまう場合もあります。
公共交通機関を使ってコトコト揺られながら行く、ここならではのエコ旅大台ヶ原も是非お楽しみ下さい☆

 しかもタイミングの良いことに、下記のイベントも予定しております!!どうぞあわせてご利用下さい♪
【秋の大台ヶ原自然観察ハイキング】
日時 : 10月7日(日) 11:00~15:00
(当日に適したプログラムを行います)
内容 :大台ヶ原で活動するパークボランティアが一緒に歩きながら、見どころや季節の動植物をご紹介します。
参加費:100円(保険代として)
HP :http://c-kinki.env.go.jp/to_2012/0604a.html
※紅葉シーズンは混雑が予想されます。車でお越しの方はご注意下さい。


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2012年09月21日洞川(どろがわ)自然研究路

吉野熊野国立公園 吉野 杉本 正太

みなさんこんにちは!吉野の杉本です。

さてさて、前回のハイレベルな登山道の日記とは打って変わって、今回は登山初心者でも楽に行ける歩道を紹介したいと思います。
その名も「洞川自然研究路」!!読んで字のごとく洞川の自然を研究できる路です。本当に研究できるかどうかは、さておき、なんだか名前だけでもワクワクしますね。

入口はこんな感じでございます。

蟷螂とはカマキリのことで、この洞窟に入っていく修験者がカマキリのように見えたからこの様な名前が付いた説と、カマキリが怒った姿で洞窟に入ると頭を打ちやすいので、人生頭を低くして生きなさいという教えから、この様な名前が付いた説があります。

洞川自然研究路を抜けると「洞川エコミュージアムセンター」があります。
洞川エコミュージアムセンターでは、吉野熊野国立公園・大峯の自然や修験道について詳しく紹介している施設です。レンジャー服を身にまとったマネキンさんも居ます。洞川に訪れた際には是非立ち寄ってみて下さい。

今回紹介した「洞川自然研究路」なのですが、実は道の一部が荒廃してしまっており、通行できない区間があります。通行できない区間では写真の様な注意書きがありますので、面倒ではございますが迂回していただきますよう、宜しくお願いします。



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