アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]
オオヤマレンゲと防鹿柵【植物・施設】
2012年07月19日
吉野
みなさんこんにちは!吉野の杉本です。
7月10~11日に天川村弥山と八経ヶ岳へ巡視に行ってきました。
八経ヶ岳は標高1915mと近畿最高峰の山であり、また険しい登山道もあると前情報をもらっていたので、いつもより気合いを入れて登ってきました。
八経ヶ岳の見所はやはり、近畿最高峰からの眺めでしょうかね。八経ヶ岳は周囲一帯が山地になっていますので、高い場所から遠くの景色を見渡すのではなく、山深さを堪能する眺望となっております。
八経ヶ岳の見所は眺望だけにあらず!ここは「オオヤマレンゲ」の自生地でもあり、天然記念物にも登録されています。昔は至る所にオオヤマレンゲが茂っていたそうですが、現在はその数が減少しているそうです。
オオヤマレンゲが減少している理由はシカが食べてしまうからだと考えられています。シカは食欲が旺盛なため、生息密度が高い地域では樹木の子供や、樹木の樹皮が食べられてしまいます。
この写真はオオヤマレンゲではありませんが、シカに樹皮を食べられてしまうとこのようになります。人間で言うところの血管の役割を果たす管が、樹木には樹皮の真下に通っているので、食べられた面積が広くなると枯れて死んでしまいます。
そういった状況を回避するために、防鹿柵(ぼうろくさく)と呼ばれる網を設置し、シカが入り込めないゾーンを設置し植物を守っています。上の写真の後ろに写っている網が防鹿柵です。
今回の巡視の目的は、その防鹿柵の破損状況の確認でした。
防鹿柵の網がちぎれるなどして、穴が空いてしまうとシカが防鹿柵の内部に侵入して、植物たちを食べてしまいます。
防鹿柵のイメージ
上:防鹿柵が適正な場合 下:防鹿柵が破損している場合
この防鹿柵の外ではオオヤマレンゲが減少していますが、中では綺麗な花を見ることができます。また、防鹿柵の中ではオオヤマレンゲの実生(みしょう:植物の子供)もたくさん成長を始めているらしいです。
私は下山してから実生の話を保護官から聞いたので観察することはできませんでした(もう少し早く教えて欲しかった・・・)。
オオヤマレンゲの開花時期は6月下旬~7月上旬となっておりますので、今年の見頃はそろそろ終わりかもしれません。また来年にも綺麗な花を咲かせてもらえるよう、シカから守っていかなければなりませんね。
7月10~11日に天川村弥山と八経ヶ岳へ巡視に行ってきました。
八経ヶ岳は標高1915mと近畿最高峰の山であり、また険しい登山道もあると前情報をもらっていたので、いつもより気合いを入れて登ってきました。
八経ヶ岳の見所はやはり、近畿最高峰からの眺めでしょうかね。八経ヶ岳は周囲一帯が山地になっていますので、高い場所から遠くの景色を見渡すのではなく、山深さを堪能する眺望となっております。
八経ヶ岳の見所は眺望だけにあらず!ここは「オオヤマレンゲ」の自生地でもあり、天然記念物にも登録されています。昔は至る所にオオヤマレンゲが茂っていたそうですが、現在はその数が減少しているそうです。
オオヤマレンゲが減少している理由はシカが食べてしまうからだと考えられています。シカは食欲が旺盛なため、生息密度が高い地域では樹木の子供や、樹木の樹皮が食べられてしまいます。
この写真はオオヤマレンゲではありませんが、シカに樹皮を食べられてしまうとこのようになります。人間で言うところの血管の役割を果たす管が、樹木には樹皮の真下に通っているので、食べられた面積が広くなると枯れて死んでしまいます。
そういった状況を回避するために、防鹿柵(ぼうろくさく)と呼ばれる網を設置し、シカが入り込めないゾーンを設置し植物を守っています。上の写真の後ろに写っている網が防鹿柵です。
今回の巡視の目的は、その防鹿柵の破損状況の確認でした。
防鹿柵の網がちぎれるなどして、穴が空いてしまうとシカが防鹿柵の内部に侵入して、植物たちを食べてしまいます。
防鹿柵のイメージ
上:防鹿柵が適正な場合 下:防鹿柵が破損している場合
この防鹿柵の外ではオオヤマレンゲが減少していますが、中では綺麗な花を見ることができます。また、防鹿柵の中ではオオヤマレンゲの実生(みしょう:植物の子供)もたくさん成長を始めているらしいです。
私は下山してから実生の話を保護官から聞いたので観察することはできませんでした(もう少し早く教えて欲しかった・・・)。
オオヤマレンゲの開花時期は6月下旬~7月上旬となっておりますので、今年の見頃はそろそろ終わりかもしれません。また来年にも綺麗な花を咲かせてもらえるよう、シカから守っていかなければなりませんね。