吉野熊野国立公園 熊野
355件の記事があります。
2011年10月26日潮だまりの魚【動物】
吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼
こんにちは!熊野地区担当の鎌田です。
最近の熊野の海は波が穏やかで透明度も高く、ここ和歌山県那智勝浦町 宇久井半島でもいろいろな魚の写真を撮ることができました。

(左)潮だまりに「ゴンズイ」が取り残されていました。特徴的な口ヒゲからわかるように、海で生活するナマズの仲間です。小さな個体は特に大きな群れを作り、かたまって移動することから、「ゴンズイ玉」などと呼ばれています。背ビレと胸ビレに毒をもっているので、不用意に触らないよう注意が必要です。
(右)潮だまりの底でじっとしているのは、イソギンポの仲間の「カエルウオ」です。カエルのようにのっぺりとした顔をしています。雑食性で、岩に生えた細かな付着藻類や、小さなエビやカニなどの甲殻類を食べています。

(左)フグの仲間の「ヒガンフグ」だと思われます。沿岸に生息しています。潮だまりでの観察や、釣りなどで見かけます。フグなので、言わずと知れた毒魚です。
(右)大きさや白い斑点から「クサフグ」のように思いましたが、クサフグだったら大きな黒い斑点がもっと目立つはずです。さて…?

岸辺に住むフグの中でも、宇久井半島でよくみられるのはクサフグ・コモンフグ・ヒガンフグなどです。
クサフグの特徴は、
・体が小さい(~20cmくらい)
・比較的はっきりとした大きな黒い斑点がある
・小さな白い斑点がたくさんある
・海から川に進入する性質がある
コモンフグの特徴は、
・白い斑点の大きさがばらばらで、入り組んでいる
・尻ビレが黄色いことが多い
ヒガンフグの特徴は、
・黒色の斑点がある
・体がこまかなこぶ状の突起でおおわれている
です。
このほかにも、近縁なフグの仲間には、マフグ・ショウサイフグ・トラフグなどがいます。
よく見られる種類のフグについて一般的な特徴をあげましたが、実際は体の模様も変化に富み、フグを見分けるのはとても難しいとされています。更に紛らわしいことに、違う種類の間で雑種まで作ります。
見分けが難しいフグですが、ここはじっくりと観察してみることで、自然に向き合うよい機会になるのではないでしょうか。
最後に、猛毒を持つフグの調理には免許が必要です。フグが釣れた時は、ご自身では決して調理せず、信頼できる調理師さんに任せて下さいね。
最近の熊野の海は波が穏やかで透明度も高く、ここ和歌山県那智勝浦町 宇久井半島でもいろいろな魚の写真を撮ることができました。

(左)潮だまりに「ゴンズイ」が取り残されていました。特徴的な口ヒゲからわかるように、海で生活するナマズの仲間です。小さな個体は特に大きな群れを作り、かたまって移動することから、「ゴンズイ玉」などと呼ばれています。背ビレと胸ビレに毒をもっているので、不用意に触らないよう注意が必要です。
(右)潮だまりの底でじっとしているのは、イソギンポの仲間の「カエルウオ」です。カエルのようにのっぺりとした顔をしています。雑食性で、岩に生えた細かな付着藻類や、小さなエビやカニなどの甲殻類を食べています。

(左)フグの仲間の「ヒガンフグ」だと思われます。沿岸に生息しています。潮だまりでの観察や、釣りなどで見かけます。フグなので、言わずと知れた毒魚です。
(右)大きさや白い斑点から「クサフグ」のように思いましたが、クサフグだったら大きな黒い斑点がもっと目立つはずです。さて…?

岸辺に住むフグの中でも、宇久井半島でよくみられるのはクサフグ・コモンフグ・ヒガンフグなどです。
クサフグの特徴は、
・体が小さい(~20cmくらい)
・比較的はっきりとした大きな黒い斑点がある
・小さな白い斑点がたくさんある
・海から川に進入する性質がある
コモンフグの特徴は、
・白い斑点の大きさがばらばらで、入り組んでいる
・尻ビレが黄色いことが多い
ヒガンフグの特徴は、
・黒色の斑点がある
・体がこまかなこぶ状の突起でおおわれている
です。
このほかにも、近縁なフグの仲間には、マフグ・ショウサイフグ・トラフグなどがいます。
よく見られる種類のフグについて一般的な特徴をあげましたが、実際は体の模様も変化に富み、フグを見分けるのはとても難しいとされています。更に紛らわしいことに、違う種類の間で雑種まで作ります。
見分けが難しいフグですが、ここはじっくりと観察してみることで、自然に向き合うよい機会になるのではないでしょうか。
最後に、猛毒を持つフグの調理には免許が必要です。フグが釣れた時は、ご自身では決して調理せず、信頼できる調理師さんに任せて下さいね。
2011年10月06日桜の狂い咲き/秋の気配【植物】【その他】
吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼
こんにちは。熊野地区担当の鎌田です。
現在南紀では桜の狂い咲きが見られます。

台風で葉が散ってしまい、ホルモンバランスが崩れたせいで狂い咲きが起こったそうです。
花はきれいですが、ちょっと複雑な心境です。
最近は朝夕の気温がめっきり下がり、秋の気配が近づいてきました。
宇久井半島でもドングリが色づいてきています。

宇久井半島で見られるドングリの木は、主にマテバシイとコナラです。
マテバシイのどんぐりは大きく、2~3cmほどの縦に長い形をしています。
小ぶりなコナラのドングリは1.5cmほどで、丸い形です。
拾ったドングリで、ヤジロベエを作ってみました。

用意するものは、ドングリ・串・キリ・ボンド です。
作り方は…
1. ドングリをレンジでチンする(発芽して割れてしまうのを防ぐ)
2. 串を同じ長さにそろえる。長ければ長いほど安定する
3. ドングリに穴をあける(2個はお尻に1つの穴を、1個は側面に2つ穴をあける)
4. ボンドで組み立てる
これだけ!
ドングリは粘土などに埋め込んで固定すると、楽にキリで穴を空けられます。
ヤジロベエは、簡単に作っても案外安定してくれます。
キリは鋭いので、ケガには注意して作業してくださいね。
これからの秋、みなさんもドングリ拾いを楽しんでみてはいかがでしょうか?
現在南紀では桜の狂い咲きが見られます。

台風で葉が散ってしまい、ホルモンバランスが崩れたせいで狂い咲きが起こったそうです。
花はきれいですが、ちょっと複雑な心境です。
最近は朝夕の気温がめっきり下がり、秋の気配が近づいてきました。
宇久井半島でもドングリが色づいてきています。

宇久井半島で見られるドングリの木は、主にマテバシイとコナラです。
マテバシイのどんぐりは大きく、2~3cmほどの縦に長い形をしています。
小ぶりなコナラのドングリは1.5cmほどで、丸い形です。
拾ったドングリで、ヤジロベエを作ってみました。

用意するものは、ドングリ・串・キリ・ボンド です。
作り方は…
1. ドングリをレンジでチンする(発芽して割れてしまうのを防ぐ)
2. 串を同じ長さにそろえる。長ければ長いほど安定する
3. ドングリに穴をあける(2個はお尻に1つの穴を、1個は側面に2つ穴をあける)
4. ボンドで組み立てる
これだけ!
ドングリは粘土などに埋め込んで固定すると、楽にキリで穴を空けられます。
ヤジロベエは、簡単に作っても案外安定してくれます。
キリは鋭いので、ケガには注意して作業してくださいね。
これからの秋、みなさんもドングリ拾いを楽しんでみてはいかがでしょうか?
2011年09月28日植物?動物?/ハコフグの仲間その2【動物】【その他】
吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼
こんにちは!
熊野地区担当の鎌田です。
波の高い日の後に海岸へ行くと、いろいろなものが流れ着いています。
宇久井半島周辺の海岸で拾った物を紹介します。
1.スポンジ状のなぞの物体

おわん型で、手ざわりはざらざらしています。
海水につけると柔らかくなり、まるで「スポンジ」みたい。
この正体は、つぎのうちどれだと思いますか?
(1). 海藻が干からびて脱色したもの
(2). 無脊椎動物
(3). 断熱材などの建材が流されたもの
以下の検索結果などで、生きている時の写真を見ることができます。
<”Demospongiae”の画像検索の結果>
これらは「カイメン」の仲間で、こんななりでもれっきとした動物の一種です。英名もまさに“sponge(スポンジ)”、昔はこれをお風呂のスポンジとして使っていました。現在のプラスチックスポンジは、これに似せて作った物なのです。
ということで、正解は(2)でした。カイメンには眼も口もなく、岩や海底に張り付いて、海水をろ過して小さな浮遊物を食べて生活しています。ふしぎな生き物ですね。
2.ハコフグの“かんぴんたん”
南紀では、干からびてしまったもののことを“かんぴんたん”と呼ぶようです。以前のエントリでもハコフグ仲間の1種を紹介しました。
<2011年6月2日 「さかなミイラ【動物】>
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2011/06/1274.html
今回はまた別な種類のミイラを拾ったので、再び紹介します。

ハコフグ科コンゴウフグ属、「シマウミスズメ」です。頭とおしりにある角・体の表面にある不規則な線の模様が特徴的です。この模様は、生きているときはきれいな青色です。
日本近海の主なハコフグの仲間は、大きく3種類に分けることができ、それぞれ体の形に特徴があります。

ハコフグ属(画像左)は、体の断面が4角形で、ハコフグ・ミナミハコフグなどの種が含まれています。南紀ではもっとも普通に見られる分類群です。
コンゴウフグ属(画像中)は、ウミスズメなどの種を含み、眼の上の角が特徴的です。体の断面は釣鐘型の5角形です。
ラクダハコフグ属(画像右)は、体の断面が膨らんだ3角形をしています。背中のでっぱりがラクダのコブのような形をしています。以前紹介したハマフグも、ラクダハコフグの仲間です。
ハコフグの仲間には独特のかわいさがあり、ダイバーにも人気の魚です。みなさんも海岸を歩かれた際には、“かんぴんたん”をぜひ探してみてください!
熊野地区担当の鎌田です。
波の高い日の後に海岸へ行くと、いろいろなものが流れ着いています。
宇久井半島周辺の海岸で拾った物を紹介します。
1.スポンジ状のなぞの物体

おわん型で、手ざわりはざらざらしています。
海水につけると柔らかくなり、まるで「スポンジ」みたい。
この正体は、つぎのうちどれだと思いますか?
(1). 海藻が干からびて脱色したもの
(2). 無脊椎動物
(3). 断熱材などの建材が流されたもの
以下の検索結果などで、生きている時の写真を見ることができます。
<”Demospongiae”の画像検索の結果>
http://www.google.co.jp/search?tbm=isch&source=hp&q=Demospongiae&btnG=%E7%94%BB%E5%83%8F%E6%A4%9C%E7%B4%A2&gbv=2&oq=Demospongiae&aq=f&aqi=&aql=&gs_sm=s&gs_upl=0l0l0l1016l0l0l0l0l0l0l0l0ll0l0
これらは「カイメン」の仲間で、こんななりでもれっきとした動物の一種です。英名もまさに“sponge(スポンジ)”、昔はこれをお風呂のスポンジとして使っていました。現在のプラスチックスポンジは、これに似せて作った物なのです。
ということで、正解は(2)でした。カイメンには眼も口もなく、岩や海底に張り付いて、海水をろ過して小さな浮遊物を食べて生活しています。ふしぎな生き物ですね。
2.ハコフグの“かんぴんたん”
南紀では、干からびてしまったもののことを“かんぴんたん”と呼ぶようです。以前のエントリでもハコフグ仲間の1種を紹介しました。
<2011年6月2日 「さかなミイラ【動物】>
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2011/06/1274.html
今回はまた別な種類のミイラを拾ったので、再び紹介します。

ハコフグ科コンゴウフグ属、「シマウミスズメ」です。頭とおしりにある角・体の表面にある不規則な線の模様が特徴的です。この模様は、生きているときはきれいな青色です。
日本近海の主なハコフグの仲間は、大きく3種類に分けることができ、それぞれ体の形に特徴があります。

ハコフグ属(画像左)は、体の断面が4角形で、ハコフグ・ミナミハコフグなどの種が含まれています。南紀ではもっとも普通に見られる分類群です。
コンゴウフグ属(画像中)は、ウミスズメなどの種を含み、眼の上の角が特徴的です。体の断面は釣鐘型の5角形です。
ラクダハコフグ属(画像右)は、体の断面が膨らんだ3角形をしています。背中のでっぱりがラクダのコブのような形をしています。以前紹介したハマフグも、ラクダハコフグの仲間です。
ハコフグの仲間には独特のかわいさがあり、ダイバーにも人気の魚です。みなさんも海岸を歩かれた際には、“かんぴんたん”をぜひ探してみてください!
2011年09月15日台風被害とウミガメ調査【その他】【動物】
吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼
こんにちは、熊野地区担当の鎌田です。
台風12号の影響により、熊野地区でも大きな被害が出ています。

大勢の方が浸水などの被害に遭い、また世界遺産に登録されている熊野古道などの文化財も被害を受けているようです。亡くなった方々のご冥福を祈ると共に、復興の一助となれるようがんばっていきたいと思います。
さて、先日、「紀宝町 ウミガメ公園」が行っているウミガメの調査に同行しました。今回の調査は、七里御浜に産卵したアカウミガメの卵のふ化率を調べるものです。
アカウミガメの子供は、産卵から2ヶ月ほどでふ化し、砂の中の巣を脱出して海へ旅立ちますが、残念ながら、中にはふ化できなかったり、ふ化できても脱出できずに死んでしまうものもいます。
台風による高潮や(海水に触れると卵はふ化できません)、環境の変化などが原因と言われていますが、よく分かっていないことも多いです。
ふ化率を調べることで、ウミガメの個体数の変化を知るめやすになり、またウミガメの生態を知る上での貴重なデータになります。

仔ガメが巣立ったあとの産卵巣を堀、卵のカラを数えることで調査を行いました。

今回の調査では、産卵数が105個、ふ化できていた卵が80個でした。ふ化率は約76%で、これは例年よりだいぶ高い値です。台風の影響もありましたが、多くの仔ガメが無事海へと旅立てたようです。
今年ふ化したウミガメが、また七里御浜に産卵に戻ってくるといいですね!
台風12号の影響により、熊野地区でも大きな被害が出ています。

大勢の方が浸水などの被害に遭い、また世界遺産に登録されている熊野古道などの文化財も被害を受けているようです。亡くなった方々のご冥福を祈ると共に、復興の一助となれるようがんばっていきたいと思います。
さて、先日、「紀宝町 ウミガメ公園」が行っているウミガメの調査に同行しました。今回の調査は、七里御浜に産卵したアカウミガメの卵のふ化率を調べるものです。
アカウミガメの子供は、産卵から2ヶ月ほどでふ化し、砂の中の巣を脱出して海へ旅立ちますが、残念ながら、中にはふ化できなかったり、ふ化できても脱出できずに死んでしまうものもいます。
台風による高潮や(海水に触れると卵はふ化できません)、環境の変化などが原因と言われていますが、よく分かっていないことも多いです。
ふ化率を調べることで、ウミガメの個体数の変化を知るめやすになり、またウミガメの生態を知る上での貴重なデータになります。

仔ガメが巣立ったあとの産卵巣を堀、卵のカラを数えることで調査を行いました。

今回の調査では、産卵数が105個、ふ化できていた卵が80個でした。ふ化率は約76%で、これは例年よりだいぶ高い値です。台風の影響もありましたが、多くの仔ガメが無事海へと旅立てたようです。
今年ふ化したウミガメが、また七里御浜に産卵に戻ってくるといいですね!
2011年09月02日「串本海中観察会」が開催されました!【イベント】
吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼
こんにちは。
熊野地区担当の鎌田です。
今回は、8月23日と25日に行われた、「串本海中観察会」の様子をお届けします!
暖かい黒潮の影響で、串本の海には世界最北のサンゴ群落が分布しています。
これらを観察するために欠かせないのが、シュノーケリングです。
息継ぎなしで呼吸ができるので、サンゴや海の生物を気軽に観察することができます。
今回の観察会では、シュノーケリングの練習と海中観察を楽しんでもらいました。

午前中は講義の時間です。
串本海中公園センターのベテランスタッフが、シュノーケリングの方法や串本の生物について分かりやすく解説してくれました。
講義の後は、いよいよ海へ!

23日は絶好のシュノーケリング日和で、
波も透明度も絶好のコンディションでした!
参加者の皆さんには、串本の豊かな海を体験してもらえたと思います。
しかしながら、残念なことに、25日のシュノーケリングは大雨で中止になってしまいました…
今回は、雨天時の代替案として、串本海中公園センターの「水族館バックヤードツアー」を実施しました。

普段は見ることのできない水族館の裏側を楽しんでもらいました。
串本海中公園センターでは、串本近海で採集された生物のみを展示しているそうです。
ウミガメの飼育や、珍しい生き物のエピソードなど、参加者の方々は興味津々。
シュノーケリングを体験してもらえなかったのは残念でしたが、
串本の海に少しでも親しみを持ってもらえたらと思います。
今回は串本海中観察会の様子を紹介しました。
機会があれば、みなさまも積極的にシュノーケリングに挑戦してみてはいかがですか?
熊野地区担当の鎌田です。
今回は、8月23日と25日に行われた、「串本海中観察会」の様子をお届けします!
暖かい黒潮の影響で、串本の海には世界最北のサンゴ群落が分布しています。
これらを観察するために欠かせないのが、シュノーケリングです。
息継ぎなしで呼吸ができるので、サンゴや海の生物を気軽に観察することができます。
今回の観察会では、シュノーケリングの練習と海中観察を楽しんでもらいました。

午前中は講義の時間です。
串本海中公園センターのベテランスタッフが、シュノーケリングの方法や串本の生物について分かりやすく解説してくれました。
講義の後は、いよいよ海へ!

23日は絶好のシュノーケリング日和で、
波も透明度も絶好のコンディションでした!
参加者の皆さんには、串本の豊かな海を体験してもらえたと思います。
しかしながら、残念なことに、25日のシュノーケリングは大雨で中止になってしまいました…
今回は、雨天時の代替案として、串本海中公園センターの「水族館バックヤードツアー」を実施しました。

普段は見ることのできない水族館の裏側を楽しんでもらいました。
串本海中公園センターでは、串本近海で採集された生物のみを展示しているそうです。
ウミガメの飼育や、珍しい生き物のエピソードなど、参加者の方々は興味津々。
シュノーケリングを体験してもらえなかったのは残念でしたが、
串本の海に少しでも親しみを持ってもらえたらと思います。
今回は串本海中観察会の様子を紹介しました。
機会があれば、みなさまも積極的にシュノーケリングに挑戦してみてはいかがですか?
2011年08月18日須賀利大池とハマナツメの保全作業【植物】
吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼
こんにちは!
熊野地区担当の鎌田です。
先日は須賀利大池に行ってきました。
須賀利大池は、尾鷲市須賀利の沿岸に位置する池です。
ここには貴重な植物である「ハマナツメ」が自生しており、
日本有数の大群落を形成しています。
しかしながら、そのハマナツメの群落が現在消失しつつあることが分かってきました。
その原因の1つと考えられているのが、カワウの営巣です。
大量のカワウの排泄物によって、大池は富栄養化し、水質が激変してしまいました。

(大池に住み着いたカワウ)
また、より深刻なのが、シカの増加による食害です。
柔らかな新芽をすべてシカが食べてしまうため、ハマナツメは増えることができず、群落がどんどん衰退していっているのだと考えられています。

(ハマナツメの群落は丸裸に…)
今回は、シカの食害を防ぐため、獣害防止用ネットを張りに行ってきました。
ハマナツメの株をぐるりと囲むことで、シカが芽を食べるのを防ぎます。

(鋭いトゲのあるハマナツメに、作業は苦戦します。)
にわか雨に降られてずぶ濡れになりましたが、ひとまず作業は無事終了。
とりあえず、何株かのハマナツメはこれで大丈夫です。
ヒトもシカもハマナツメも、バランスよく共生できる社会を目指したいですね。
熊野地区担当の鎌田です。
先日は須賀利大池に行ってきました。
須賀利大池は、尾鷲市須賀利の沿岸に位置する池です。
ここには貴重な植物である「ハマナツメ」が自生しており、
日本有数の大群落を形成しています。
しかしながら、そのハマナツメの群落が現在消失しつつあることが分かってきました。
その原因の1つと考えられているのが、カワウの営巣です。
大量のカワウの排泄物によって、大池は富栄養化し、水質が激変してしまいました。
(大池に住み着いたカワウ)
また、より深刻なのが、シカの増加による食害です。
柔らかな新芽をすべてシカが食べてしまうため、ハマナツメは増えることができず、群落がどんどん衰退していっているのだと考えられています。
(ハマナツメの群落は丸裸に…)
今回は、シカの食害を防ぐため、獣害防止用ネットを張りに行ってきました。
ハマナツメの株をぐるりと囲むことで、シカが芽を食べるのを防ぎます。
(鋭いトゲのあるハマナツメに、作業は苦戦します。)
にわか雨に降られてずぶ濡れになりましたが、ひとまず作業は無事終了。
とりあえず、何株かのハマナツメはこれで大丈夫です。
ヒトもシカもハマナツメも、バランスよく共生できる社会を目指したいですね。
2011年08月01日海のおさかな観察会【イベント】【動物】
吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼
熊野地区担当の鎌田です。
先日「海のおさかな観察会」が開催されました!
今日はその様子をお届けします。
当日は定員いっぱいの20名の方が参加して下さいました。
宇久井ビジターセンターで魚に関するレクチャーをしたあと、
さっそく浜へ移動です!
暑すぎず、かといって曇りでもなく、天気に恵まれたようです。

ここでちょっとハプニングが!
観察用に、前日のうちに魚を釣って、
カゴに入れて深場に沈めておいたのですが…

(写真は紀南新聞提供)
一晩で白骨化していました!
昨日の昼までは元気だったウツボも、骨と皮に…
おそらく、夜の内にカニやエビなどに食べられてしまったのだと思います。
生きた魚を観察できなかったのは残念ですが、
貴重な機会ですので、お魚たちの弔いも兼ねて、骨格を観察してもらいました。
こんな魚もたもですくいました(上)。

最初は変な色のカサゴだと思いましたが、手に取ってみると違うみたい。
この魚は「ムラソイ」です。
こうして見比べてみると、眼の下のトゲのかたちなどが違いますね。
カサゴの仲間はとても多様で、沿岸域から深海まで様々な種類が生息しています。
中には棘に毒をもっているものもいますので、釣り上げたりしたときは注意してくださいね。
ハプニングもありましたが、
「海のおさかな観察会」は無事終了することができました!
機会があれば、みなさんも水中めがねを使って水の中を観察してみてください!
先日「海のおさかな観察会」が開催されました!
今日はその様子をお届けします。
当日は定員いっぱいの20名の方が参加して下さいました。
宇久井ビジターセンターで魚に関するレクチャーをしたあと、
さっそく浜へ移動です!
暑すぎず、かといって曇りでもなく、天気に恵まれたようです。
ここでちょっとハプニングが!
観察用に、前日のうちに魚を釣って、
カゴに入れて深場に沈めておいたのですが…

(写真は紀南新聞提供)
一晩で白骨化していました!
昨日の昼までは元気だったウツボも、骨と皮に…
おそらく、夜の内にカニやエビなどに食べられてしまったのだと思います。
生きた魚を観察できなかったのは残念ですが、
貴重な機会ですので、お魚たちの弔いも兼ねて、骨格を観察してもらいました。
こんな魚もたもですくいました(上)。

最初は変な色のカサゴだと思いましたが、手に取ってみると違うみたい。
この魚は「ムラソイ」です。
こうして見比べてみると、眼の下のトゲのかたちなどが違いますね。
カサゴの仲間はとても多様で、沿岸域から深海まで様々な種類が生息しています。
中には棘に毒をもっているものもいますので、釣り上げたりしたときは注意してくださいね。
ハプニングもありましたが、
「海のおさかな観察会」は無事終了することができました!
機会があれば、みなさんも水中めがねを使って水の中を観察してみてください!
2011年07月13日宇久井ビジターセンター仕事紹介【その他】
吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼
みなさまこんにちは。
熊野地区担当の鎌田です。
今日は皆さんに、ビジターセンターの仕事の一部を紹介します!
和歌山県那智勝浦町宇久井に位置する宇久井ビジターセンターは、
吉野熊野国立公園の利用促進を目的として、
情報発信をしたり、自然とのふれあいの場を提供するための施設です。
生物標本や写真の展示、自然観察会などイベントを実施しています。
仕事1 園地のパトロールと整備
施設の管理や、身近な自然の情報発信のためには、頻繁なパトロールが欠かせません。
普段はビジターセンターの職員さんが毎日園地を巡視してくれています。
毎日とはいきませんが、私も時間がある限り園地内を見て回るようにしています。

写真は宇久井半島の浜に漂着したウミガメの調査をしているところです。
紀宝町ウミガメ公園の職員さんが、甲羅のサイズなどを調べています。
腐敗がひどく、かつ100kg近い重量があったため、運ぶのに苦労しました。
砂浜の隅に埋めておきましたので、秋頃にはきれいな骨格標本になっていると思います。
仕事2 展示物の準備
魅力的な施設展示を作るためには、季節に応じた展示内容を考える必要があります。
写真は展示方法について打合せをしているところです。

今回のテーマは、トンボ、海や川の生物、「ハマ」の名のつく植物の展示などです。
展示期間は、来週から9月中旬になりますので、近くまでお越しの方はぜひ足をお運び下さい!
仕事3 野生生物の調査

写真は園地内にセンサーカメラを設置しているところです。
竹の枠は腐葉土をためるためのものですが、これを利用してカブトムシを育てています。
しかし、先日何かの動物が侵入したらしく、中が荒らされていた様子がありました。
タヌキか、アライグマか、何が来ているのか分かりませんが、
この機会に、園地内の動物調査をかねて、赤外線センサーカメラでその正体をさぐろうという訳です。
何かおもしろいものが映れば、また改めて紹介しますね!
今回は宇久井ビジターセンターの仕事の一部を紹介しました。
宇久井で見られる生物の情報や、イベント情報など、より詳しい情報に関しては、宇久井ビジターセンターのWebページをご覧下さい。
http://www.ugui-vc.jp/
皆様のご来館をお待ちしています☆
熊野地区担当の鎌田です。
今日は皆さんに、ビジターセンターの仕事の一部を紹介します!
和歌山県那智勝浦町宇久井に位置する宇久井ビジターセンターは、
吉野熊野国立公園の利用促進を目的として、
情報発信をしたり、自然とのふれあいの場を提供するための施設です。
生物標本や写真の展示、自然観察会などイベントを実施しています。
仕事1 園地のパトロールと整備
施設の管理や、身近な自然の情報発信のためには、頻繁なパトロールが欠かせません。
普段はビジターセンターの職員さんが毎日園地を巡視してくれています。
毎日とはいきませんが、私も時間がある限り園地内を見て回るようにしています。
写真は宇久井半島の浜に漂着したウミガメの調査をしているところです。
紀宝町ウミガメ公園の職員さんが、甲羅のサイズなどを調べています。
腐敗がひどく、かつ100kg近い重量があったため、運ぶのに苦労しました。
砂浜の隅に埋めておきましたので、秋頃にはきれいな骨格標本になっていると思います。
仕事2 展示物の準備
魅力的な施設展示を作るためには、季節に応じた展示内容を考える必要があります。
写真は展示方法について打合せをしているところです。
今回のテーマは、トンボ、海や川の生物、「ハマ」の名のつく植物の展示などです。
展示期間は、来週から9月中旬になりますので、近くまでお越しの方はぜひ足をお運び下さい!
仕事3 野生生物の調査

写真は園地内にセンサーカメラを設置しているところです。
竹の枠は腐葉土をためるためのものですが、これを利用してカブトムシを育てています。
しかし、先日何かの動物が侵入したらしく、中が荒らされていた様子がありました。
タヌキか、アライグマか、何が来ているのか分かりませんが、
この機会に、園地内の動物調査をかねて、赤外線センサーカメラでその正体をさぐろうという訳です。
何かおもしろいものが映れば、また改めて紹介しますね!
今回は宇久井ビジターセンターの仕事の一部を紹介しました。
宇久井で見られる生物の情報や、イベント情報など、より詳しい情報に関しては、宇久井ビジターセンターのWebページをご覧下さい。
http://www.ugui-vc.jp/
皆様のご来館をお待ちしています☆
2011年07月01日「海のおさかな観察会」「串本海中観察会」のお知らせ【イベント】
吉野熊野国立公園 熊野 鎌田遼
みなさんこんにちは。
熊野自然保護官事務所の鎌田です。
気温もぐんぐん上がって、いやおうなく夏の到来を感じさせますね!
今回は、そんな季節にピッタリのイベントを2つ紹介します!
1.「海のおさかな観察会」平成23年7月31日(日)開催
宇久井半島にて、海の魚をテーマに、観察会を実施します!
食卓に並ぶ魚以外にも、海にはたくさんの種類の魚が住んでいますが、
これらがどんな生活をしているのか、目にする機会は少ないと思います。
今回の観察会では、魚たちの普段の様子を、実物を前にして解説します!
詳細はリンク先の開催案内とチラシをご覧ください。

開催案内 http://c-kinki.env.go.jp/to_2011/0630a.html
チラシ http://c-kinki.env.go.jp/to_2011/data/0630a_1.pdf
[PDF 320KB]
2.「串本海中観察会」平成23年8月23日(火)、25日(木)開催
本州最南端に位置する和歌山県串本では、色とりどりのサンゴや魚が生息しています。
また、これらの貴重な生物を観察することができる串本の海域は、「ラムサール条約湿地」として登録されています。
美しい景色が広がる串本の海で、シュノーケリングに挑戦してみませんか?スタッフが優しく指導します!
詳細はリンク先の開催案内とチラシをご覧ください。

開催案内 http://c-kinki.env.go.jp/to_2011/0621a.html
チラシ http://c-kinki.env.go.jp/to_2011/data/0621a_1.pdf
[pdf 658KB]
今回はイベント情報を2点お知らせしました。
皆様の参加お待ちしています!
お問い合せ・お申し込みは、熊野自然保護官事務所までお願いします。
TEL: 0735-22-0342 (平日9:00~17:00)
E-Mail: WB-KUMANO@env.go.jp
熊野自然保護官事務所の鎌田です。
気温もぐんぐん上がって、いやおうなく夏の到来を感じさせますね!
今回は、そんな季節にピッタリのイベントを2つ紹介します!
1.「海のおさかな観察会」平成23年7月31日(日)開催
宇久井半島にて、海の魚をテーマに、観察会を実施します!
食卓に並ぶ魚以外にも、海にはたくさんの種類の魚が住んでいますが、
これらがどんな生活をしているのか、目にする機会は少ないと思います。
今回の観察会では、魚たちの普段の様子を、実物を前にして解説します!
詳細はリンク先の開催案内とチラシをご覧ください。

開催案内 http://c-kinki.env.go.jp/to_2011/0630a.html
チラシ http://c-kinki.env.go.jp/to_2011/data/0630a_1.pdf
[PDF 320KB]
2.「串本海中観察会」平成23年8月23日(火)、25日(木)開催
本州最南端に位置する和歌山県串本では、色とりどりのサンゴや魚が生息しています。
また、これらの貴重な生物を観察することができる串本の海域は、「ラムサール条約湿地」として登録されています。
美しい景色が広がる串本の海で、シュノーケリングに挑戦してみませんか?スタッフが優しく指導します!
詳細はリンク先の開催案内とチラシをご覧ください。

開催案内 http://c-kinki.env.go.jp/to_2011/0621a.html
チラシ http://c-kinki.env.go.jp/to_2011/data/0621a_1.pdf
[pdf 658KB]
今回はイベント情報を2点お知らせしました。
皆様の参加お待ちしています!
お問い合せ・お申し込みは、熊野自然保護官事務所までお願いします。
TEL: 0735-22-0342 (平日9:00~17:00)
E-Mail: WB-KUMANO@env.go.jp
以前のエントリでも2種類のどんぐりを紹介しましたが、
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2011/10/1324.html
国立公園内を注意して歩いていると、他にもたくさんの種類のどんぐりを見つけることができました。
(※写真の葉はどんぐりの木の葉ではありません。)
コナラやクヌギは落葉樹で、雑木林に生えるどんぐりの木ですが、熊野ではあまりみかけません。むしろウバメガシ・アラカシなどのカシの木や、ツブラジイ・スダジイなどのシイの木が多いようです。一部の神社の境内では、植栽されたイチイガシの巨木を見ることができます。人の手が入った里山では、クリの木もよく見かけます。
ツブラジイやスダジイは渋が少なく、あく抜きをしなくても食べられるどんぐりで、ほんのりとした甘みがおいしいです。
現在9種類のどんぐりを見つけましたが、国内に分布するどんぐりをつける木は、22種類あるそうです。熊野にはまだまだ別な種類のどんぐりがあるはずなので、もっと探してみようと思います。