ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

吉野熊野国立公園 田辺

33件の記事があります。

2016年08月04日スノーケル体験 in 白浜

吉野熊野国立公園 田辺 都築真子

 こんにちは!田辺自然保護官事務所の都築です。夏真っ盛り!みなさんいかがお過ごしですか?私は、当事務所に着任してから、すっかり海に魅了され、7月にダイビングのライセンスを取得しました。 

 

 ダイビングというと難しいイメージがあり、できるか不安な方も多くいるかと思いますが、もうひとつ海中の景色を楽しむスポーツにスノーケルがあります。

 

 7月24日から8月28日の毎週日曜日(8月14日を除く)に、白浜で特定非営利活動法人自然体験学習支援センターが、子どもを対象としたスノーケルによる海洋環境学習体験実習を行っています。先日、そのうちの1回にスタッフとして参加してきました。このイベントは、吉野熊野国立公園80周年&拡張記念パートナーシップイベントにもなっています。(パートナーシップイベント一覧はこちらをご確認ください⇒:一覧)

 

 参加した子供たちは、海で泳いだことはあるけどスノーケルをするのは初めてで、白浜の海中を見てとても楽しんでいました。終わりに近づくと「まだやりたい!」とみんな口をそろえて言っていました。海からあがった後もなかなか海から離れず、磯で生き物や海のカニや貝を探して遊んでいました。

 この体験を通して、白浜の海の豊かさを感じ、自然の中で遊ぶ楽しさを知ってくれたかなと思います。また、新しい友達もできて、夏休みの良い思い出になったとのではないでしょうか。

 

 イベント後の「またやってみたい!」「楽しかった」と言う子供たちの笑顔が素敵でした。このようなイベントをきっかけに、自然を好きになって、自然の中で遊んでくれる人がもっと増えればうれしいですね。

ページ先頭へ↑

2016年07月21日アフリカツメガエル

吉野熊野国立公園 田辺 都築真子

 みなさん、こんにちは。今週から小中学校では夏休みが始まりましたね。

梅雨の間、みなさんも耳にされたかと思いますが、窓を開けると雨の音と共に聞こえてくる音といえば・・・カエルの鳴き声ですね。私が地球上で一番苦手な生物です。

 6月に、田辺市の鳥ノ巣半島のため池に生息している外来種『アフリカツメガエル』の現地調査に行ってきました。環境省 田辺自然保護官事務所が地域の自然保全団体とともに行うグリーンワーカー事業の一環です。下の写真がアフリカツメガエルです。かわいいと言われる方も多くいらっしゃるようですが、みなさんはいかがでしょうか?

 アフリカツメガエルは、一生を水中で過ごす生物で、アフリカ中南部原産ですが日本の気候にも適応しており、氷点下にならない限り生きています。

 実験動物やペットのえさとして輸入され現在も流通していますが、日本国内で野生下での定着が確認されているのは、国内では鳥ノ巣半島以外に千葉県の利根川下流域周辺だけです。そのため、詳しい生態はわかっていない状態です。

 当日は、自然環境研究センターの戸田光彦主席研究員を招き、地元の関係者20名程度が集まり防除検討と調査を行いました。

 鳥ノ巣半島は、入り組んだ海岸線に囲まれ、小規模な水田や梅畑、ため池、タブノキやスダジイ等の二次林が点在しており、里地里山の景観が成立している地域です。神社合祀令で有名な南方熊楠ゆかりの神島を眺望できる場所もあります。

 この鳥ノ巣半島で、平成19年に地元の写真家・内山りゅう氏により初めてアフリカツメガエルが確認され、その後、生息場所が広がり、今では半島に37あるため池のうち21箇所でみられるようになりました。水生昆虫などの在来種の捕食といった生態系への影響が心配されています。

 平成26年からは地元の中学校・高等学校の生物部が防除に取り組んでおり、現在までに、約2000匹も捕獲しています。しかし、今回の調査で、息継ぎに上がってくるカエルの成体や幼生(いわゆるオタマジャクシ)が何匹も確認され、夕方に一部のため池に9つのわなを仕掛け、翌朝回収に行くと、約100匹ものカエルが入っていました。

 捕獲したカエルの内容物を調べたところ、驚いたことに胃の中からは同種のカエルがでてきて共食いが確認されました。その他にも、今までに、オタマジャクシやネズミとみられる哺乳類やヤゴ、マツモムシなどの昆虫も見られています。

 

 今後は、戸田主席研究員のアドバイスをもとに、中学校・高等学校の生物部や地元の方々と共に協力し、防除に向けた取り組みを進めていきたいと思っています。そして、私自身も、この機会に、もう少し積極的にカエルに向き合い、カエルを克服して、どんな自然の中でも、どんな生き物でも対応できるアクティブ・レンジャーを目指してがんばりたいと思います。

ページ先頭へ↑

2016年06月13日よしくまの海を楽しもう!

吉野熊野国立公園 田辺 都築真子

 皆様、初めまして。新たに田辺自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーとして新しく着任致しました都築 真子(つづき まこ)と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 梅雨も始まり、蒸し暑い日々が続きますね。

 私の勤務する田辺自然保護官事務所は、昨年4月に開所した新しい事務所です。去年9月、吉野熊野国立公園「よしくま」が、串本町の田の崎から、みなべ町の千里の浜にかけて大きく拡張をしたので、その地域を担当しています。

 拡張域の大部分は紀伊半島南西部の海域です。今回は、最近私が参加した、よしくまの海を楽しむイベントをご紹介します。

 まず一つ目は、南紀熊野ジオパークガイドの皆さんによるジオツアーです。南紀熊野ジオパークのジオサイトの多くは、吉野熊野国立公園の中にあるため、ジオツアーに参加することで、吉野熊野国立公園のみどころを巡ることができます。5月中旬には、白浜町の日置(ひき)で「美熊野 渚ウォーク」という女性のジオガイドさんが企画した、自然の中での癒しをテーマにしたジオツアーがありました。吉野熊野国立公園&南紀熊野ジオパークの志原海岸で、カラーセラピーやアロマセラピー、砂浜を素足で歩いたり、地元の素材を使った藍染め体験や石鹸手作り体験をしました。また、体を動かした後は、地元の食材を使ったおいしいランチもあり、参加者の方々が大満足されていました。

 続いて、5月末には、南方熊楠ゆかりの国指定天然記念物である「神島」(田辺市)にシーカヤックで渡り、浜の清掃活動と漂着ゴミ調査を行う民間団体のイベントに同行しました。参加者の皆さんは、シーカヤックで田辺湾の海を感じながら、神島の歴史や漂着ゴミ問題を学び、地域と自然とのつながりや、地球規模での漂着ゴミ問題について考えるきっかけになったと思います。

 さらに、6月に入ってからは、ナショナルトラスト先駆けの地として有名な「天神崎」(田辺市)で公益財団法人 天神崎の自然を大切にする会の自然観察会がありました。親子づれを中心に約100人という多くの方々が参加し、参加者の皆さんが、ウニやナマコ、カニやエビなどの磯の生き物を自分の手や網を使って捕まえて観察をしていました。分からないことがあれば教えてくれる地元の生物に詳しい先生方のお話に、子供たちが目を輝かせている姿が印象的でした。

 まだアクティブ・レンジャーとして着任して2ヶ月程ですが、よしくまの自然の中で遊び、楽しんでいる方々を見て、改めて国立公園に指定された自然の素晴らしさに気づかされるイベントばかりでした。

もっと多くの方に、よしくまに訪れて楽しんでいただけるよう、私自身も実際に参加して楽しみながらPRしていきたいと思います。

※よしくまでは80周年&拡張を記念して、自然を楽しむイベントをパートナーシップイベントとして位置づけてカレンダーにまとめています。よしくまの山、川、海、それぞれ魅力あふれるイベントを掲載しているので、ぜひHPをチェックしてみてください☆

イベントカレンダーHP :http://kinki.env.go.jp/to_2016/8024.html

ページ先頭へ↑

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。

ページ先頭へ