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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

竹野地区パークボランティアの安全管理講習会を行いました

2023年06月01日
竹野 久畑久美子

みなさまこんにちは。
竹野自然保護官事務所の久畑です。
先日、竹野地区パークボランティアを対象とした安全管理講習会を2日間にわたり開催しました。

午前中に皆で普通救命講習のWEB講習(eラーニング)を受講した後、消防署に依頼して心肺蘇生法、AEDの使用方法、止血、窒息への対処法などについて学びました。
普通救命講習は個人的に毎年受けているのですが、わかっているつもりが抜けていることがあったりと、やはり年に1度は受講しなくてはいけないなと思いました。

        (心肺蘇生の受講中)
 
1日目の午後からはスノーケル実習です。
普段、自然学校のスノーケル指導をしているセンタースタッフから器具の取り扱い方、コース、注意点などを聞きました。
その後、海の生物に詳しいパークボランティアさんから大浦湾で見られる生き物について話を聞き、スノーケルの実習を行いました。
     
(大浦湾で見られる魚について解説中)    (スノーケル実習をしながら生物観察)
 
実習では先ほど名前の出た魚を見ることができたようです。その後は棘皮動物の観察を行いました。利用者の方に楽しんでもらえるように、たくさんの生き物の解説ができるといいですね。
 
2日目の午前は普通救命受講者とボランティア活動班に分かれて活動を行いました。
大浦湾では岩場が多く磯観察で使う網はすぐに破れてしまいます。ボランティア活動班はその網のチェックや修繕を行ったり、海岸清掃を行いました。
      
       (器具の修繕を行う様子)        (細かく砕けた発泡スチロール)

定期的に清掃活動を行っているためかゴミの量は思っていたよりも少なかったです。
ただ、細かく砕けた発泡スチロールが積み重なり、地面がふわふわになっている箇所は回収の手段が思いつかず、手で拾える物だけの回収となり、大変心残りとなりました。
 
2日目の午後は神戸ライフセービングクラブという神戸、須磨海岸を中心に活動されているライフセーバーの方々から水難救助法を学びました。
座学では事故を未然に防ぐことの大切さ、観察の重要性について話していただきました。
体調だけはでなく、緊張やプレッシャーがパニックに繋がり、事故の引き金となりうることがあるため、利用者が水に対する緊張で神経質な行動、逆に陽気すぎる行動をとっていないかをよく観察することが大切なのだそうです。
実習では毛布を使った担架と保温、搬送法、様々なパターンでの水上からの救助法を学んだ後、行方不明者発生のシミュレーションを行いました。

(搬送法で実際に人を運んでいる様子)

シミュレーションだとわかっていても皆が本気で取り組んでいたのでとても緊迫感があり、午前中に確認したはずのAED利用の手順を忘れてしまったり、フロー通りに動けず、思い込みで動いてしまったり、情報の共有ができなかったり・・・。
現場は軽くパニック状態でした。
     
         (救助者への心肺蘇生)         (保護者がいる場合の救助)
 
救助訓練は最悪の事態を想定して行っていますが、まずは事故を起こさないことが一番大切です。この研修が生かされる機会が無いことを祈りつつ夏のシーズンを迎えたいと思います。
 
それでは、また次回。