ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年3月

5件の記事があります。

2021年03月30日春の熊野古道・大辺路『長井坂』の巡視

吉野熊野国立公園 田辺 戸口協子

鳥がさえずり、野山から花が香る季節となりました。

みなさま、こんにちは。田辺管理官事務所の戸口です。

先日、すさみ町にある長井坂の巡視に行ってきました。長井坂というのは、世界遺産『紀伊山地の霊場とその参詣道』にも登録されている熊野古道のうち、紀伊半島南部の沿岸部を通っている大辺路(おおへち)の一部です。

JR周参見駅からしばらく国道沿いを歩き、和深川沿いの里道に入ると、道端や山の中腹にヤマザクラなどのサクラが咲いているのが見られました。

1.すさみ町の野山に咲くサクラ
緑の山に彩り添えるサクラ

里道の両脇にある田んぼや水路からは、タゴガエル(和歌山県レッドデータブック準絶滅危惧)の鳴き声が多く聞こえ、冬眠から目覚め、求愛時期に入っていることがうかがえました。また、長井坂西登り口近くに流れる和深川では、夏には涼しげな澄んだ声で鳴くカジカガエル(和歌山県レッドデータブック準絶滅危惧)を見ることができます。

2.すさみ町和深川(春)
和深川

和深川を渡るところから長井坂に入ります。入口からすぐ坂が始まり、「長井」坂の名前のとおり、急勾配の坂道がしばらく続きます。

植林されたスギ林の間を、息を切らしながら登りきると、稜線にさしかかります。

3.すさみ町長井坂 4.すさみ町の広葉樹が多い稜線の古道
5.古道沿いのヤブツバキ
長井坂

(上)広葉樹の多い稜線の古道

(下)古道沿いのヤブツバキ

稜線に沿った道の右手側には吉野熊野国立公園の枯木灘海岸が位置しており、所々にある展望地点からは海岸線から遠くまで広がる太平洋を見渡すことができます。

6.沖の黒島・陸の黒島方面の眺望 7.江須崎方面の眺望
沖の黒島・陸の黒島方面の眺望 江須崎方面の眺望

稜線沿いには広葉樹が多く、積もった落ち葉やその下にある腐葉土により歩道はふかふかで、歩いていて気持ちがよかったです。

8.すさみ町の古道を歩く

落ち葉の中には、和歌山県の県木であるウバメガシが多くありました。ウバメガシは海岸沿いに多く自生する照葉樹で、この地域では特に冬の厳しい西風が吹き付けるため、斜面にへばりつくような形に木が育ちます。「枯木灘」の名前は、その様子が枯れ木に見えることが由来とも言われています。

古道沿いのサクラの中には、花芽一つ当たり2輪ずつ、ほんのりピンク色の花びらを持つ花が咲いている木もありました。 2018年に103年ぶりに新種として発見され話題になったクマノザクラの特徴と似ています。もしかしたらクマノザクラかも⁉︎(雑種もあるようなので、断定はできません。)

9.古道沿いに咲くサクラ 10.公園外で咲いていたクマノザクラ
古道沿いに咲くサクラ (参考)公園外で咲いていたクマノザクラ

また、途中でこんなものが見つかりました。

これ、何に見えますか?

11.天然のエビフライか 12.巨大松ぼっくり
これは...天然のエビフライ?? 巨大松ぼっくり

全長が約12cmもあり、大きさからしてもエビフライそのもの...に見えますが、これは植林された外国のマツ「テーダマツ」の松ぼっくりをリスが食べた跡です。見事な大きさの森のエビフライには、テンションが上がりました。

最後の急な坂を下ると、見老津駅付近の海岸に降りてきました。

13.すさみ町見老津の海
見老津の海岸

稜線を歩いている間は海岸を望みながらの眺望に(花粉も多かった!?こともあってか)少し陶酔したような感覚でした。

今はまだ感染症対策が欠かせませんが、安心できるようになった際の訪れたいところリストに追加してみては?海を見ながらの古道歩き、おすすめです。

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2021年03月26日春と竹野ブルー

山陰海岸国立公園 竹野 久畑久美子

みなさまこんにちは、竹野自然保護官事務所の久畑です。

竹野周辺でも 桜がぽつりぽつりと咲き始めました。

花冷えというのでしょうか、今朝はとても肌寒かったです。

ぽつりぽつりと咲き始めた桜

    (ポツポツ咲き始めた桜)


日中はとても良い天気で気温も少し上がり、展望台から見える大浦湾の景色もすっかり春めいてきた様に感じます。

展望台から見える大浦湾

    (展望台から見える大浦湾)

竹野では竹野の海の青さを竹野ブルーと呼びます。

海が荒れることの多い冬を過ぎて、その色を一番きれいに見る事ができる季節が春と感じています。

すっきりと澄んだ海水の色はなんとも言えない青になります。

竹野ブルーの竹野浜

      (竹野ブルーの竹野浜)

最近は竹野周辺の浜では冬の間に漂着した海洋ゴミの清掃活動が活発に行われています。

先日大浦湾でもパークボランティアによる清掃活動を行いました。

雨の間をぬっての実施となりましたが30分足らずで約15袋ものごみを回収することができました。

大浦湾のごみ拾いをする様子

   (大浦湾のごみ拾いをする様子)

拾ってはまた海が荒れ、ごみが流れ着くという繰り返しですが、少しでも海に出るごみの量が少なくなるようにこれからも継続していきたいと思います。

各地のブルーを守るために!

海と言えば海水浴、マリンレジャーの印象が強いかと思いますが、美しい海の景色を楽しむならばこれからの季節がおすすめです。

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2021年03月08日鳥獣保護区の制札の点検

吉野熊野国立公園 吉野 早川諒介

 皆さまこんにちは。吉野管理官事務所の早川です。

 先日、国指定大台山系鳥獣保護区における制札の点検を行いました。大台山系鳥獣保護区は鳥獣の大規模生息地として環境省が指定している鳥獣保護区になります。その指定された区域を示すため設置された看板を制札と言い、鳥獣保護区の境界沿いや歩道などに設置されています。制札は土砂崩れ等で消失している場合があるため、巡視を行っております。

 鳥獣保護区には、鳥獣保護区と特別保護地区に分かれており、従って、鳥獣保護区と特別保護地区の2種類の制札があります。どちらの保護区も鳥獣の捕獲が禁止されており、野生鳥獣の特に重要な生息場所になります。特別保護地区では、工作物の建築や木竹の伐採等も規制されています。

 今回の制札点検は大台ケ原の川上辻からスタートし、大台辻を経て大杉谷の林道までの行程になり、総距離は往復18㎞となりました。当日は晴天で前日の降雪により程よく積雪していました。保護区には野鳥だけでも多くの種類が確認されており、令和3年度の目標として、野鳥の鳴き声だけで種類がわかるように頑張りたいと思います。

鳥獣保護制札 特別保護地区(制札)

(制札、鳥獣保護区)            (制札、特別保護地区)

(設置されている、様々な野鳥の鳴き声を紹介した案内板)

(設置されている、様々な野鳥の鳴き声を紹介した案内板)

 登山は風景だけでなく、鳥類の鳴き声、動物の足跡などに注目をすることで、普段とは違った視野で楽しむことができると思います。

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2021年03月02日大台ヶ原登録ガイドと歩く冬のモニターツアー

吉野熊野国立公園 小川 遥

 皆さま、こんにちは。吉野の小川です。

つい先日新年が始まったと思ったのに、あっという間に3月になりました。三寒四温な日々が続いて体調管理にはより気を遣う時期ですが、梅の花が咲き誇り、他の木々の蕾もどんどん膨らんでいき、春の訪れを感じます。

 さて、今回は、上北山村による、大台ヶ原登録ガイド制度を活用した冬の取組をご紹介します。

平成29年10月より運用開始となった「大台ヶ原登録ガイド制度」。大台ヶ原に訪れるみなさんに、深く、楽しく、安心して東大台や西大台を満喫していただくために始まりました。ニーズに対応しつつ大台ヶ原の魅力を伝えていく、一定の要件を満たした多様な得意分野を持つガイドの方達が登録されています。

 上北山村では、登録ガイドによる大台ヶ原の冬期利用を数年前から検討しており、今後の本格的な実施にむけた調査のため、この冬に試行的に登録ガイドを対象としたモニターツアーが行われました。

(※通常、大台ヶ原ドライブウェイは冬期閉鎖中、車両及び人の通行はできません。今回は関係機関との事前調整のもと、特別な許可を得て通行し、調査を行っています)

上道

動物の足跡

中道から見た沢

上道

動物の足跡

中道から見た沢

 落ち葉や霜柱で盛り上がった土に積もる雪を踏みしめると伝わってくるふわふわザクザク感、様々な動物の足跡、森の中にただよう静寂な心地よさなどを体感できました。しかしその一方で、閉山期間で雪があるからこそ気をつけなくてはいけないこと、滑りやすい箇所や不安定な足場などもあります。そのような時には、先導する登録ガイドがコースタイムや体力に配慮しつつ、見所や注意点を教えてくれました。

 この調査を通し、上北山村の冬期観光における新たな魅力や、大台ヶ原登録ガイドが提供するより質の高い自然体験の多様化に繋がる可能性が見えてきたのではないでしょか。

尾鷲辻東屋の氷柱

スノーシューの利用

大峰山系

尾鷲辻東屋の氷柱

スノーシューの利用

大峰山系

 大台ヶ原登録ガイドHPでは、様々なスキルや得意分野をもつガイドの皆さんを紹介しております。4月下旬の開山に向けてチェックをして、来シーズンでは是非登録ガイドと一緒の大台ヶ原を楽しんでみてください。

県道大台ヶ原公園川上線(大台ヶ原ドライブウェイ)通行止め

令和2年12月1日(火)15時~令和3年4月19日(月)15時(予定)

上記期間中は、冬季閉鎖のため、大台ヶ原山上へ通じるドライブウェイは通行止めとなります。

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2021年03月02日浦富海岸・鴨ヶ磯ショートカットコースのご紹介

山陰海岸国立公園 浦富 澤恵美子

 みなさま、こんにちは。浦富自然保護官事務所の澤です。

 浦富海岸とは、駟馳山(しちやま)から陸上岬(くがみみさき)に至る岩美町の海岸の総称で、ほとんどが国立公園区域となっています。

見どころは、大小の島々や白砂の浜、洞門、そして透明度の高い海。崩れやすい花崗岩で成り立っているため、優しい海岸線の印象を受けます。ジオパークトレイルコースにもなっている自然歩道もありますので、ドライブだけではなく、ウォーキングも楽しめます。

今回は、浦富海岸の見どころの一つである鴨ヶ磯について紹介します。小鴨ヶ磯・椿谷・大鴨ヶ磯をまとめて鴨ヶ磯と言います。

【小鴨ヶ磯】

【大鴨ヶ磯】

白い砂浜が大変きれいな海岸で、海水の透明度が極めて高く、駐車場から見ても、海の中が透けて見えています。鴨ヶ磯へは駐車場より、階段を300段ほど下りていきます。行きはよいですが、帰りはのぼりが続き息が切れます。体力的に自信がないとあきらめてしまう方もおられたかもしれません。

【駐車場より眺めた大鴨ヶ磯】

 

 そこでご紹介です。

令和3年3月下旬、鴨ヶ磯ショートカットコースが開通します。

階段の上り下りが少なくなり、もっと多くの方に鴨ヶ磯を楽しんでいただけるようになりました。これまで

1時間以上を要していた周回コースも、ショートカットコースを使えば、30~40分の小回りコースとして利用いただけます。また既存の階段に展望デッキと手すりも設置されました。海岸にはベンチもできましたので、この機会にぜひ鴨ヶ磯の絶景をお楽しみください。

 

      【県道からの階段】                 【橋】

 

        【丸太階段】                【展望デッキ】

 

       【手すり付階段】               【海岸のベンチ】

【お知らせ】

 椿谷の木道橋が倒壊し、当面の間通行止めとなります。ご迷惑をおかけしますが、椿谷と小鴨ヶ磯の間は通りぬけできませんので、ご了承ください。

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