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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

須賀利大池調査に行ってきました【景観】【動物】【植物】

2013年01月09日
熊野
こんにちは、吉野熊野国立公園 熊野地区担当の鎌田です。
尾鷲市 須賀利大池に調査に行ってきました。



須賀利大池は、国立公園の特別地域に指定されており、また天然記念物にも指定されています。
須賀利大池は「海跡湖」と呼ばれ、かつての津波の折などに海水が侵入し痕跡が湖底に堆積しています。この堆積物の解析は津波研究の一助になります。
また、絶滅危惧種であるハマナツメの大規模群落見られるなど、生物相も大変特徴的ですが、現在この群落は、主にシカの食害によって衰退してしまっています。

環境省では、昨年度に防鹿柵(鹿の進入を防ぐ柵)を設置し、ハマナツメ群落のシカ食害対策を行ってきました。今回の調査は、柵の現状確認のためのものです。
現地を確認したところ、柵の周りにはシカがぞろぞろと歩き回った跡がありますが、柵の中は大丈夫なようでした。



枯木の倒壊や動物(タヌキ?)による柵の破損が一部ありましたが、以前は見ることのできなかったハマナツメの芽吹きや、大きく実生が生育しているなど、防鹿柵が効果を発揮していることが確認できました。




須賀利大池は船以外ではアプローチしにくい場所にあります。行ける機会は少ないですが、可能な限り今後も注意深く経過を観察したいと思います。