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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

秋のほにゃらら

2012年09月11日
神戸
蒸し暑い日が続いていますね、早くカラッと涼しい秋空にならないかしらと空を見上げたりしておりますが、日がくれれば鈴虫は鳴いているし、秋の風物詩はちゃんとその姿を見せ始めています。

さて、吉野は大峰のアクティブレンジャーがなんだかとてつもなくキケンそうな登山道を巡視されている中、こちら神戸アクティブレンジャーの多賀は秋の植生を観察すべく、まったりと六甲地域に存在する草原とゴルフ場へ行って参りました。

ん?草原?

はて?ゴルフ場?

と、不思議に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

草原といえば九州の阿蘇くじゅう国立公園にある阿蘇草原や、奈良の曽爾高原などが有名どころでしょうか。ところがどっこい、瀬戸内海国立公園 六甲地域にも草原があるのです。さらに神戸ゴルフ倶楽部という、日本最古のゴルフ場もあります。

今回は、兵庫県人と自然の博物館、東お多福山草原保全・再生研究会および神戸県民局県民室環境課により開催された「東お多福山のススキ草原植生観察」並びに社団法人神戸ゴルフ倶楽部、神戸市及び国立公園六甲山地区整備促進協議会により開催された「神戸ゴルフ倶楽部での草原性植物観察会」に同行させて頂き、様々な草原性植物を観察させて頂きました。




かいつまんで説明いたしますと、六甲地域内の東お多福山は元々ススキ草原だったそうで、60年程前にはおよそ83ha(サッカー場116個分くらいですね)ほどのススキ・ネザサ混合草原が広がり、山頂からは大阪湾が一望できる程展望の良い場所だったそうです。
やがて人々の暮らし方や土地の管理方針が変わってから、ススキ草原は徐々にネザサ草原や森林へと移り変わり、今ではおよそ9ha(サッカー場12個分ほど)が草原として残るのみとなりました。
草原としての姿は残すものの、ネザサが優勢なために他の草原植物が育たず、展望も悪くなってしまった、そんな東お多福山のススキ草原を再生しようという活動が行われており、今回の植生観察会も再生活動の一環として開催されたわけです。
では神戸ゴルフ倶楽部での観察会は関係あるのか?といいますと、場所からしても東お多福山とは直接関係ないです。直接の関係はないですが、実は草原性植物というキーワードで繋がっています。東お多福山と同じ六甲山系にあるこの神戸ゴルフ倶楽部は、自然の地形と植生を生かした野性味あふれるゴルフ場でして、他では見られなくなってしまった六甲山の植生が残存している稀有な場所でもあります。ゴルフ場であることからハイカー等一般人の立ち入りが規制され、かつ適宜に人によって手入れされるこの神戸ゴルフ倶楽部は、草原性植物が残るに適した意外な穴場となったわけですね。

では、そんな秋の草原植物、皆さんは何を思い浮かべますか?

先程から度々文章に登場しているススキは代表的ではないでしょうか。
そのほか秋の七草として知られているものがありますね。
萩(ハギ)、葛花(クズ)、撫子(ナデシコ)、女郎花(オミナエシ)、藤袴(フジバカマ)そして桔梗(キキョウ)。
今回はフジバカマとクズを除いて全部撮り集めましたよ!残念ながら残り2種類はまだ咲いていなかったもので・・・。




何だか、とりとめもない内容になってしまいましたが・・・皆様、また次回まで!