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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

森から見る【動植物】

2009年12月01日
吉野
 大台ヶ原の自然について、長きにわたって研究や調査を続けていらっしゃる方々がいます。先月の終わりに、大台ヶ原で行われている自然再生事業(※)についての意見交換がありました。そこで私は、これまで大台ヶ原で行われてきた研究内容や調査結果の講演を聞ける機会をいただきました。

※この事業の詳細は、吉野熊野国立公園大台ヶ原HP 
http://kinki.env.go.jp/nature/odaigahara/odai_top.htm 
から、「大台ヶ原自然再生」へGO!

 翌日は講演をしてくださった先生と大台ヶ原へ。長く大台ヶ原の森を見つめてこられた先生に色々なことを教えていただきました。


問題:木の幹に亀裂が入っていますが、これはある動物が残したものです。
(ヒント:熊の爪痕ではありません)



正解はシカが角を磨いた跡!なのだそうです。
(角が痒いかどうかは不明ですが)
 しかしこの話はこれだけでは終わりません。いったん木の幹に傷がつくと、
シカ:「ここから樹皮がめくりやすいですな~。」
となってしまい、シカが口を使って木の皮を剥ぐ、というシカの食害にあいやすくなってしまうのだそうです。
 大台ヶ原では、トウヒやウラジロモミといった針葉樹林を中心に、シカの大きな食害にあうと、木々が次々と枯れてしまうことがあるので問題になっています。

 こうした経過が明らかになってきたのも、長年のねばり強い研究の成果なのだな~と思うと、ますます頭が下がる思いです。自然の本当の面白さは、本の中にではなく、自然の中にあるのですね!
 さあ皆さんもぜひ大台ヶ原へ・・・来年の春に! ↓↓↓

===================お知らせ===================
 大台ヶ原山上の駐車場へと続く、大台ヶ原ドライブウェイ(大台ヶ原公園川上線)が冬期閉鎖となり、車が通行できなくなります。
閉鎖期間:今年12月1日(火)午後3時~来年4月22日(木)午後3時まで
(気候の状況などにより日程が変更される場合があります)