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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

集合住宅 【動物】

2009年05月28日
熊野
 本日熊野では暴風警報が発令され、大荒れの天候の中、日記を書いています。

 先日、串本町の九龍島※1にて行われたグリーンワーカー事業※2の環境調査に同行しました。非常によく潮の引く大潮の日であり、干潮時に現れた磯で、興味深いものを目にしました。


蜂の巣のように、岩に無数の穴が空いているのが分かるでしょうか。


よく見てみると、これらは生き物たちの巣穴になっていました。ヨロイイソギンチャク、ヒザラガイ等々が各々1つ1つ穴に入り、海辺地区の集合住宅と化していました。

 満潮線と干潮線の間にあたる場所は潮間帯と呼ばれ、1日の内で陸上と海中が入れ替わり、大きく環境が様変わりします。この様な変化の激しい場所にも多くの生き物たちが暮らしています。満ち潮時には海面の下に隠れてしまって、窺い知ることが出来ない環境を垣間見ることができました。

 春は昼間に潮がよく引く日があり、磯で生き物を観察したり、遊んだりするには最適の時期です。身近にあっても意外と知らない磯の世界を体感してみてはいかがでしょうか。


※1.串本町古座の沖合に浮かぶ約2.5haの無人島で、吉野熊野国立公園特別地域に指定されています。

※2.動植物の保護、環境美化、公園施設の維持管理、景観保全、調査等の業務を、地域の自然や社会状況を熟知した方を雇用して行うことにより、管理レベルのグレードアップを図る事業です。(環境省HPより)