ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

606件の記事があります。

2008年07月17日防鹿柵完成【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

 今日、弥山付近で防鹿柵が完成しました。
防鹿柵の総延長約1km。現地は標高が高く、急傾斜地です。作業してくださった業者の方は本当に大変な思いをされたことでしょう。
風雪に耐えながら、中の大事な植生を守ってくれるに違いありません、数年後にはオオヤマレンゲ*の眩い花が一面に広がっていることでしょう。
また、防鹿柵が完成に至るまでには、いろいろな立場の方(地元自治体・植生の専門家・山小屋の管理人・コンサルタントetc)から意見をいただくなど、様々な方の思いが形になっています。
 オオヤマレンゲの見頃はもう終盤ですが、来年も見事な花を咲かせてくれることを期待しつつ下山してきました。


写  真:完成検査に立ち会うアクティブ・レンジャー木谷
撮影日:平成20年7月16日


※大峯山系の弥山地域では、国の天然記念物になっているオオヤマレンゲ群落や高山植物をシカの食害から守るため防鹿柵を設置しています。

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2008年07月15日ヒルクライム大台ヶ原since2001

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

7月13日(日)に上北山村主催の自転車レース、ヒルクライム大台ヶ原Since2001が行われました。走行距離28km、標高差1,240mという厳しいコースに挑んだ参加者は500人を超えました。前日の夜から祭りが開かれ、上北山村は大盛り上がり。

過酷なレースである反面、学校の敷地が受付場になったり、レースが始まればコース沿いの家々から応援があったりと、まさに村が団結して開催された、とても温かみのあるイベントでもあります。大台ヶ原地区パークボランティアの皆様もスタッフとして大台ヶ原ヒルクライムを支えてくださいました。

おかげさまで、吉野自然保護官事務所から参加したレンジャー2名、アクティブレンジャー2名は、見事全員完走することができました!
雄大な山景色を望む、激坂を登りながら、何度も、もうあかん!と息も止まりそうになっていた私ですが、共に坂を登る選手に「がんばれー!」と励まされたり、「しんどいー!!」と共感の声を互いにかけあったり、チェックポイントで太鼓の大応援を受けたりしていると、不思議とペダルをこぎ続けることができました。ゴールできた時はその達成感と、レース中に励ましの声をかけてくださった知人、そして名も知らぬ方々の姿が浮かび、とても気持ちの良いものでした。



そんな感動をくれる、大台ヶ原ヒルクライムSince2001、皆さんもぜひ参加してみて下さい!!

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2008年07月10日見えないエネルギー

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

蒸し暑い夏が吉野にもやって来ています。吉野の事務所はエネルギーの消費を少しでも避けるため、クーラーの使用を控えています。また、家にはクーラーがないので(これは金銭の消費を避けるため)「あつい~今日もあつい~・・・。」とブツブツ言っている吉野のAR青谷です。

そんな状態でクーラーの入った場所へ行ったりすると、「こら涼しいわ~!」と歓喜すると同時に、冷房に使われるその膨大なエネルギー量にふと気が付いて、恐ろしくもなったりしてしまいます。



写真:夏は涼しくなるよう、工夫されている吉野自然保護官事務所内。換気扇で壁を通って地下に空気が送られ、事務所地下で冷やされた空気が床から出てくるようになっています。クーラーを使うときは太陽光パネルでためられた電気を使います。

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2008年07月08日オオヤマレンゲ開花【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史



 
撮影日時:6月28日

 八経ヶ岳にある防鹿柵内ではオオヤマレンゲが見事に咲いています。
バラのような形の花びらは淡い白く清楚。上品な甘い香りにうっとりです。今は防鹿柵によって囲まれた場所で毎年花を咲かせています。
 防鹿柵はあくまで緊急対策的な処置で抜本的な解決策ではありません。
もう柵なんていらない、そんな日がくる日が来てほしいと切に願います。


           -お願い-
 防鹿柵内では、ロープより内側に次代を担う大切な植物達がひしめき合っています。
 植物観賞は進入防止用ロープの外側でお楽しみください。宜しくお願いします。

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2008年07月02日「~苔の森でミニエコツアー~」【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

 今の大台ヶ原は霧のかかり具合が絶妙です、濃い緑の森とうっすらと白い霧がなんとも幻想的な風景を作り上げています。
 先日行った「~苔の森でミニエコツアー~」に参加された方も、「奈良県にこんなところがあったなんて知らなかった~」と驚いておられました。
白色と緑色のコントラストといえば、ツルアジサイが苔道で見頃を迎えています。ツルアジサイは他の樹木に巻きついて上方に伸びていきます。立ち枯れた木にツルアジサイが花をつけているのを見て、「枯れ木に花やな~」と参加者の方がつぶやき、皆様から笑みがこぼれていました。




 「~苔の森でミニエコツアー~」では、移りゆく大台ヶ原の自然や変わりゆく大台ヶ原の自然の解説や、衰退しつつある森を再生するための取り組みを紹介をしています。
 「伝わったかな?」と不安になったり、「ここの解説もうちょっと簡潔にしたほうがいいよ!」と反省したり「ここにポスターを置いて広く知ってもらおうか!」等など、試行錯誤を繰り返しながら、中身の濃いイベントを企画しています。

※スマイルは人の心を朗らかに、そして幸せにします・・・
大台ヶ原の苔道でとびっきりの笑顔をご用意し、皆様のお越しをお待ちしております。(@^^)/~~~





※青谷さん、大台ヶ原地区パークボランティア通信'Drumming'の作成作業、お疲れ様でした。

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2008年06月30日大台ヶ原地区パークボランティア通信'Drumming'

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

先週6月28日(土)にAR自然観察会として~苔の森でミニエコツアー~が行われました・・・とその様子はAR木谷さんにお任せするとして。

私はようやくひとつの仕事を終えることができました。
大台ヶ原地区パークボランティア(以下PV)さんの活動をお知らせしている通信「ドラミング」の作成です。(ドラミング=キツツキが木をつつくこと、その音)

PVさんの活動の感想文を載せようとしては、
「あー、ページ内に文字がうまく入りきらん~!」
今後の活動予定を載せようとしては、
「しまった!これの詳しい内容まだ決まってへん!〇さんに電話、電話~!」
事務所のみなさんに内容チェックしてもらっては、
「このお知らせのワクを前に持ってきて、住所を後ろにしたら?」
「ウワーほんだら感想文のワクがずれ込んでまたページ内に入りきらん~!!」



写真:PV通信ドラミング・今回は全8ページ(事務所にて)

・・・ようやく未熟ながらも私にとって初めてのドラミングが完成しました。
やっと印刷、かと思えば
「あれ~?なんでA3のはずがA4でプリントされてんの~!?」

まだまだ修行が足りません。

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2008年06月25日応急処置講習会

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 この仕事を始める直前、周りからよく「山で仕事なんかして大丈夫なん?何かあったらどうするん?」などどよく心配されたものです。まあなんとかなるやろ~精神の吉野のAR青谷ではありますが、やはり山深い大台ヶ原で何かが起きてしまったら大変です。助けを呼ぶのに、救急車を呼ぶのに、ヘリコプター(!)を呼ぶのには長い時間がかかってしまいます。

 というわけで、そんなときに少しでも何かができるよう、大台ヶ原地区パークボランティアさんの研修のひとつである応急処置講習会が行われました。



写真:6月21日(土)吉野消防署にて、講習会の様子

①なにやら楽しそうですが、これは右目を怪我した場合の処置。垂れ下った布を無傷の左目がでるまで引き上げれば完成。
②AED(電気ショックを流す医療機器)の使用法は・・・電源を押せば手順を全部しゃべって教えてくれるのです。
③包帯がないときは・・・なんとラップで骨折の処置が!
④人工呼吸と心臓マッサージの練習。これが意外と疲れます。


とても勉強になりました。吉野消防署の皆様ありがとうございました!

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6月22日(日)の自然観察ハイキング・歩道修繕は残念ながら雨で中止となりました。わざわざ大台ヶ原まで登ってきてくださったボランティアの皆様、有難うございました。

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2008年06月24日とある梅雨の日【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

今日は弥山に出張。防鹿柵を張る事前の現地の確認*です。

「今日は雨か・・・」、気が重たい一日の始まり。
雨の日はいつも以上に気合をいれないと車から下りることができません。



写  真:現在地を確認する福田自然保護官
撮影場所:弥山
撮影日時:6月23日

山頂付近は霧雨、晴れの日とは打って変わって気温はかなり低め。
おまけに体が濡れてブルッと風邪を引きそうです。
下山のとき、着替えのシャツを持ってくればよかったと体の芯から反省。
「温かいお湯に浸かりたいな~」、こうして梅雨の一日が過ぎていきました。

*注
【大峯防鹿柵設置箇所現地検討会のお知らせ】

環境省では、6月29日・30日に平成20年度・平成21年度に設置を予定している防鹿柵について現地検討会を開催します。
この検討会は、平成19年度に策定した吉野熊野国立公園大峯山系植生復元施設基本計画に基づき、平成20年度、平成21年度に防鹿柵を設置する箇所について、現地を確認しながら、現地で頂いたご意見を工事に反映させていくものです。
申込方法や詳細は、近畿地方環境事務所のホームページをご覧ください。

HPアドレス → http://c-kinki.env.go.jp/to_2008/0612a.html

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2008年06月20日ヒルクライム大台ヶ原2008

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

今日の吉野は通り雨の連続でした。そして予想通り、雨に降られてずぶ濡れになりました吉野のAR青谷です。しかし今日はある練習のため、事務所に着替えを持ってきていたので一安心です。

私は今、奈良県上北山村の「ヒルクライム大台ヶ原since 2001」という自転車レースのため、日夜トレーニング(ほぼイメージトレーニング)に励んでいます。



写真:ヒルクライムのために無理を言って借りたマウンテンバイク

標高差1,240m、距離28kmの距離を制限時間3時間で走る、という私にとっては無謀この上ないチャレンジなのですが、参加することになったのもARになってからこの土地で頂いた嬉しい縁があるからこそ。
しかし反面、プレッシャーで仕事に集中できません。完走できずにバスで撤収してゆく、悲しい自分の姿が目に浮かびます・・・。

2008年7月13日(日)開催! ヒルクライム大台ヶ原since2001
http://www.oodaigahara.com/hc.html

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2008年06月19日水無月のこころ(6月の大峯)【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

昨日、瀬川レンジャーと登山道を巡視してきました。
場所は明星ヶ岳や頂仙岳の周辺。シラビソ林内を歩いていると、ほのかに甘い香りが漂ってきます。匂いのもとは枯れたシラビソの葉。「不思議ですね~、あのにおい」、優しい香りに癒された瞬間でした。
登山道を歩いていると今年出たばかりのセミの抜け殻やオオヤマレンゲの蕾が目につきました。そのうちセミ*が鳴き出し、オオヤマレンゲは満開になることでしょう。
今の季節、目に見える大きい変化こそありませんが、「何かワクワクさせる季節なんだな~」とふと思いました。




写  真:登山道(頂仙岳明星ヶ岳線歩道)を歩く木谷
撮影場所:弥山(奈良県天川村)
撮影日時:平成20年6月18日


(*注)セミ:エゾハルゼミ



~ちょっと気になる大峯登山・季節の服装~ 

この日の陽気は、薄い雲がかかっていましたが少し暑さを感じるぐらいでした。
服装は半袖でちょうどいいぐらい。ただ素肌をだしているところは虫さされご用心です。気になる方は長袖を羽織るか虫よけ対策がいるかもしれません。
また、梅雨とはいえ紫外線が強い時期なので帽子を活用したいですね。その他にも、雨具の準備もお忘れなく。


○気候情報
日の出 4:43  日の入り 19:12
※山間地では山に囲まれているため上記の時刻より日が早く沈むので注意して下さい。

月の平均気温 21.5 ℃  (気象庁HP参照 平成17年6月:上北山村)




写  真:虫にさされた手
撮影場所:吉野自然保護官事務所
撮影日時:平成20年6月19日
コメント:かゆみが治まるのに時間がかかりそうです。


以上、
休みの日に自家製梅酒を作りたいと思っている大峯地区アクティブ・レンジャーの木谷でした~

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