ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

606件の記事があります。

2008年08月29日アクティブレンジャー自然観察会

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

現在大台ヶ原山上では月2回程度、大台ヶ原の自然をより知ってもらうために、自然観察会を開催しています。アクティブレンジャー観察会・苔の森でミニエコツアーは、大台ヶ原の東に位置する東大台の、「苔道」という、普通に歩けば20~30分ほどのコースをじっくり1時間半ほどかけて周ります。



写真:8月23日(土)苔道の歩道から。大台ヶ原は全国有数の雨が多く降る場所です。この日も朝から雨でした。

雨の中観察会なんて・・・と少し憂鬱になってしまいそうですが、こんな天気の時こそ、大台ヶ原の森は霧に包まれ、一層幻想的な雰囲気を放ちます。そんな時は、面白い植物や、自然を守るための話の合間に「霧がきれいですね~!苔がきれいですねえ~!!」と言うと、雨の中参加してくださった方々は「ほんとに綺麗ですね~。」としばしウットリされることも。参加者の方が一番自然を知れるのは、こんな時なのではないか、とも思ったりもしています。少しでもそのきっかけを作れる観察会になれば、と思う今日この頃です。

=大台ヶ原 自然観察会のお知らせ=
【アクティブレンジャー自然観察会・苔の森でミニエコツアー】
日時:平成20年9月6日(土)27日(土) 10月4日(土)25日(土) 11月1日(土)
時間:10:30~12:00、13:30~15:00 の2回

【パークボランティア自然観察会・大台ヶ原自然観察ハイキング】
大台ヶ原をよく知っているパークボランティアが、ただ歩くだけではわからない、雄大な自然の裏側をご案内します。
日時:平成20年 9月21日(日) 10月19日(日)
時間:10:30~(当日の状況に適したプログラムを行います。)

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2008年08月27日葉月のこころ(8月の大峯)【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

暑さが和らぎましたね。大峯地域の山麓では過ごしやすい日が多くなっています。
山の様子はといいますと、8月の中頃に弥山に登ったのですがこの日は吐く息が白く、濃霧だったこともあって気温はなんと16℃。休憩の時は肩が冷えびえしてきたのでレインコートを羽織って寒さをしのいだほどです。
 気候の急変ぶりに心では秋を待ち望んでいても、体はまだ準備が整っていないようですね。
体調管理に気を引き締めつつ季節の変化を楽しむ、そんな毎日がもう少し続きそう。



写真は弥山の周辺の景色を撮影。
シラビソの立ち枯れ、その根元から生えるシラビソの幼木。
深い霧から浮かぶそれらの風景が幻想的な世界を醸している。

※撮影日時:平成20年8月20日



【大峯の気候情報】
○ 8月の平均気温 25℃  
○ 9月の平均気温 22.3℃  (気象庁HP参照 平成17年:上北山村)

日の出 5:25  日の入 18:31 (8月27日:奈良)
※山間地では山に囲まれているため上記の時刻より日が早く沈むのでご注意下さい。

【これから山へお出かけの方へ】
 山頂付近ではもう秋の準備が始まっているようで、半袖では不安を感じました。
休憩時や風が強い時に羽織るものがあったほうがよさそうです。
 今月は気象が安定しない日が多い印象を受けています。週間天気予報が外れたり、夕立ちが多かったり…
天気予報は出来るだけ最新の情報がお勧めです。それと朝スッキリ晴れていても雨具の準備はぬかりなく!
雷にもどうかご注意ください。それではお気をつけて!!!


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2008年08月22日家族で挑戦、天川の森の標本作り②【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

8月9日、天川村洞川エコミュージアムセンターで4家族12名の参加者の方々と一緒に森の標本を作ってきました。出来上がった作品がこちらです↓



材料を集めた場所は杉の植林地だったので、材料になる落ち葉や木の実は種類が限られました。しかも同じ道を歩くので似たような作品に仕上がりそうな予感もしてたのですが
出来上がった作品はまぁ~なんとも個性豊か、人の感性の違いに驚かされるばかりでした。
この日は、カジカの滝までのミニハイキング。道中では気になった動物や植物など天川の自然の紹介の他、名所の紹介が行われました。また標本の材料集めと標本作り、そして、森の代表的な役割や国立公園の紹介の他、アクティブ・レンジャーのお仕事紹介を行ってきました。



石清水に手をつける子供たち
森からの恵みはキーンと冷たい!


【今回のイベントを通じて】
思い起こせば子供の頃、社会の地図で見つけた国立公園の文字。広い範囲に示された公園という言葉に「どんな公園なんだろう」と疑問をいだいたのを思い出します。公園は公園でも自然公園という概念は大人でさえ難しい言葉です。子供達にとってはなおのこと難しいことでしょう。ただ少しでも国立公園がどんなところなのかを知ってもらって、こういったイベントを通じて自然の魅力を感じてもらうことで多少なりとも自然に対する感性が豊かになるのだと思います。
まだまだ、自然の魅力やすばらしさ・地域の特異性などを十分に伝えきれていないことが多いなと感じる私ですが、まずは私自身が自然をもっと感じて、そして楽しみながらこれからも自然のことを学んで行くことが大切なんだと改めて思いました。

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2008年08月21日パークボランティアさんが活動しています!

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

吉野熊野国立公園 大台ヶ原地区には現在69名のパークボランティアさんがいます。皆さんが公園を、いつも気持ちよく安全に利用できるよう、清掃活動をはじめ、公園の全体的な管理をしていただいています。山の上とはいえ、夏の日差しが照りつける暑い大台に、パークボランティアさんは今回も遠いところから、足を運んできてくださいました。



写真:8月18日(月)木道ライン引きの様子。
公園内の階段は白っぽく、お天気の日などは特に段差が見えにくくて、危ない!利用者が階段を踏み外さないよう、段差を示すラインを引きました。

降りるときに階段、踏み外しそうになったんですよ。なるほど、これだと見やすいですね!ありがとうございます~!

という利用者からの声。いつもこうして、現場でしか聞くことができない生の声を、パークボランティアの皆様によって聞くことができます。

暑い中どうも有難うございました!

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2008年08月08日大台ヶ原の自然

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

大台ヶ原の自然を展示している巡回展「大台ヶ原の自然」が8月9日~31日の夏休み期間、大台ヶ原ビジターセンターにて開催されています。

大台ヶ原の歴史や自然生態の紹介から、たくさんの昆虫の標本やツキノワグマの剥製の展示まで。知られざる大台の魅力が展示されています。夏休みに大台ヶ原へのご予定がある方は、ぜひビジターセンターへお寄り下さい!


「大台ヶ原の自然」 8月9~31日  9~17時 無料
大台ヶ原ビジターセンター・レクチャーホールにて

~大台ヶ原展とは!?~
「大台ヶ原」の四季やそこに暮らす動植物達をはじめ、歴史や文化にも触れながら、大台ヶ原の自然をご紹介します。大台ヶ原の自然から学んできたことを基に、その自然を守り、未来へと繋げるための方策についても考えます。

〇期間終了後は・・・
奈良県内外で巡回展を開催します。大阪自然史博物館、川上村森と水の源流館を予定。

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2008年08月05日家族で挑戦、天川の森の標本作り①【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは!
今日は天川村洞川にある洞川自然研究路(近畿自然歩道)を歩いてきました。
この道は、山あいを流れる川のすぐ横に設けられており、清らかな川の流れや湧水を楽しむことができます。規模は小さいですが勢いよく流れ落ちる滝もありますよ。


写  真:道からの景色
撮影場所:洞川自然研究路
撮影日時:平成20年8月4日

今週末、天川村が主催するファミリー向け自然体験教室がこの研究路と洞川エコミュージアムセンターを使って行われます。木谷は講師として参加し国立公園のことや森の役割などを解説してきます。
今日はそのための下見と打ち合わせ。(自然の仕組みや楽しさをうまく伝えられるか不安はありますが、本番が近付くにつれて胸は高鳴っています。)
参加者の方はエコミュージアムセンターを出発し、解説を聞きながらカジカの滝というところまで散策します。その帰り道に森の中に落ちているものを探し、後でそれらを材料した森の標本作りに挑戦します。


写  真:森の標本作りの試作品
作  成:アクティブ・レンジャー(左:木谷 右:青谷)
撮影日時:平成20年7月21日

作品づくりは子供達だけでなく大人達も挑戦します。
当日、どんな作品ができあがるのか想像も尽きません… 
お盆明けに当日の模様をアクティブ・レンジャー日記にてお伝えしますので乞うご期待下さい。



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2008年08月01日妖怪 一本たたら

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

大台ヶ原はその昔、神秘の森として人々から恐れられていました。大台ヶ原に妖怪伝説があるのも、その現れではないでしょうか。

「果ての日(12月20日)に伯母峰(おばみね)※1.を越すな、越せば一本たたらに生き血を吸われる・・・。」
日も暮れてすっかり暗くなった山上、大台ヶ原ビジターセンターで、ろうそく一本の明かりのなか、ARの木谷さんが「一本たたら」と呼ばれる恐ろしい大台の妖怪のお話をしました。それをおそるおそる聞いているのは、白浜町立児童館の子供達です。和歌山からはるばる7時間もかけて大台へ来て下さいました。
AR木谷さんが、人間が一本たたらに襲われた恐怖の瞬間を演じると、
「うわ、ビクった~!」「なんや、全然こわないで!」と子供達。

翌日は東大台をまわりながら「いっぽんたたらぁ~、一本だったらぁ~♪」とすっかり覚えてくれたご様子。妖怪変化を封じ込めたと言われる牛石※2.も見学しました。

大台ヶ原の魅力は、その自然の美しさだけでなく、神秘的な部分にもあるのではないでしょうか。皆さんも、いつもとは違った視点で大台ヶ原を歩いてみてはいかがでしょうか。

※1.伯母峰=大台ヶ原ドライブウェイを入って車で10分ほどの場所。
※2.牛石=東大台の牛石ヶ原に寝そべっている牛のような形をした石。一本たたらもこの石に封じ込められたが、1年に一度の果ての日に自由に出てくることを許されたという言い伝えがある。


絵:AR青谷による一本たたらの想像絵。身の丈は3m近く、目がひとつだそう。

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2008年07月30日七曜岳【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは、時折夕立ちに見舞われる大峯は夏本番です。汗がにじみ出ます。
さて吉野熊野国立公園には名峰が数多くありますが奈良県上北山村・天川村にあるまたがる七曜岳もその一つ。標高1584m、75か所ある大峯修験の靡き(聖なるところ)にもなっている眺めの良い山です。


写  真:七曜岳山頂からの眺め
日  時:平成20年7月30日

七曜岳に向かうルート上には清涼感漂う滝や冒険心のそそられる洞窟があります。
また、ブナの巨木を見上げれば、日の光に照らされたエメラルド色の葉っぱがキラキラと輝いています。今の季節、体の中に浸みいるようにヒグラシの鳴く音が林内に響き渡っています。



写  真:①水簾滝 ②無双洞 ③登山道の様子 ④ブナの巨木

今年、環境省ではこのルートを安全に利用してもらえるように、ルートの概要を記した案内標識や崖をよじ登る難所・滑落事故のあった場所に危険を注意喚起する看板の設置を設置します。案内標識には、展望地や歩行時間の目安・危険箇所・高低差など登山のお助け情報が満載です。設置後はぜひ足をとめてご覧ください。
また、このルートは魅力いっぱいのルートであると同時に行程が長く標高差の厳しいルートでもあります。
もし、これからこのルートを歩かれる方は、ご自分の体力と相談しながら無理のない計画で安全で楽しい登山を心がけて下さい!!

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2008年07月24日文月のこころ(7月の大峯)【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

 今日は太陽が照りつける吉野より日記を書いています。
 昨年、夏の雨降りの日が少なかったためなのか大台ヶ原や大峯山系では秋になってカエデの葉先が縮れていました。紅葉する前に縮れてしまって、綺麗な紅葉が楽しめない状況が山の上で起こっていました。それだけに夏の水不足が心配なアクティブ・レンジャーの木谷です。



写  真:夏の八経ヶ岳
撮影場所:弥山(奈良県天川村)
撮影日時:平成20年7月16日


 さて、世間の学校は夏休み。登山を計画している家庭もいるのではないでしょうか?
 夏の山は虫達が活発です。山で見かけたバイケイソウの花には花粉目当ての虫達が集まっていました。先日は見たこともない脚の長い黄金色の甲虫が花にもぐっているのを見つけました。ふと足をとめて観察してみると普段見ることのできない虫たちを見つけることができるかもしれませんよ。
 夏休みという言葉の響きに懐かしさを感じながらも、生き物達からは大人になった今でも不思議と感動を与えてもらっています。生き物の魅力は果てしないですね。



写  真:花に埋もれる金色の虫
撮影場所:弁天の森付近(奈良県天川村)
撮影日時:平成20年7月16日


~~~・登・山・ミ・ニ・情・報・~~~

 先日、弥山に登った際500mlの水を持っていったのですが、気温が予想以上に高く水は下山するときには空っぽ寸前。標高が高いので涼しいだろうと高を括って失敗してしまいました。
 夏、山に登られる際には、いつもより多めの飲み物の準備をお勧めします。また、日焼けをすると疲労感が増すので広いつばのついた帽子もお勧めです。無理のない安全な計画で楽しい思い出をどうぞ!!


【月の平均気温】  24.6℃  (気象庁HP参照 平成17年:上北山村)

【日の出・日の入り】
・日の出 05:00  
・日の入 19:06

※山間地では山に囲まれているため上記の時刻より日が早く沈むので注意して下さい。

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2008年07月22日夏休みだ!自然観察ハイキングだ!

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

夏休みの始まりとなった3連休の日曜日、夏らしい日差しが照りつける大台ヶ原で自然観察ハイキングが行われました。今回のハイキングの主役はやはり、子供たちです!
「今日は子供の自由研究で来たんですよ~!」とお母さん。
「よし、それなら!」とガイドにも力が入るパークボランティアさん。

森と林の、違いはわかる?
この公園の木に、金網が巻かれているのはどうして?
さて、この植物の名前は何だったかな?

自然のなぜ?なに?を子供たちも一生懸命考えます。
「楽しかったです~!有難うございました!」と笑顔で帰っていかれるご家族を見ていると、自然観察ハイキングの楽しさ、大切さを感じます。



写真:7月20日 自然観察ハイキングの風景
今回は多数の参加者により、パークボランティアさん達も、ガイドにサポートに懸命に務めてくださいました。お忙しい中、どうも有難うございました。

次回、パークボランティアさんによる自然観察ハイキングは、8月10日に行われます。みなさんもぜひご参加ください!

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