ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

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2008年11月21日霜月のこころ(11月の大峯)【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは!
今週は、気温のグッと下がった吉野より大峯地域の気候情報をお伝えします。
昨日、三重滝(奈良県下北山村)に向かう登山道を巡視してきたのですが、登山道沿いには早くも雪が積もっていました。
18日(火)、少し離れたところにある弥山(標高1895m)では一昨日の夜からミゾレになり19日(水)は粉雪だったそうです。20日(木)、気温は-10℃にもなっているそうで、本格的な冬の到来を向かえています。
肌はキーンとしましたが登山道から見える大峯の岩群は白雪衣装をまとい、言葉では言い表現できないほど美しく思わず顔がほころんでしまいました。寒さがつらい季節になりましたがつらいことばかりではなさそうです。


孔雀ヶ岳(標高1799m)。孔雀ヶ岳の周辺には荒々しい岩肌が広がっている。
撮影場所:前鬼から三重滝へ向かう登山道(奈良県下北山村)
撮影日時:平成20年11月20日



路肩に残る雪。路面が凍結しているところもあり要注意です。

撮影場所:(国道309号 通称:行者環林道)
撮影日時:平成20年11月20日


○その他の気候情報
日の出  6:36  日の入り 16:49
※山間地では山に囲まれているため上記の時刻より日が早く沈むので注意して下さい。

11月の平均気温 5.4 ℃  (気象庁HP参照 平成19年:上北山村)


【凍結注意】
峠を超える山道や橋の上、トンネルの出口付近など、吉野郡の山間部では凍結し始めている車道があります。運転にはくれぐれもご注意ください。
(凍結情報は電光掲示版でも確認できます)
 凍結した道路の運転や冬山が怖い方は、アクティブ・レンジャー日記の写真で雪山鑑賞を楽しんでください。それではまた来週、日記でお会いしましょう!

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2008年11月19日上北山村エコツアー

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

大台ヶ原のある上北山村で今年10月と11月にエコツアー※が開催されました。村の自然や暮らし、歴史文化の魅力が詰まった、その名も
「吉野熊野国立公園 大台ヶ原の郷 上北山村エコツアー」です!



写真:10月25・26日 1泊2日の上北山村エコツアー
【1日目】
又剣山で壮大な紅葉景色を堪能し、自然の大きさを体感。
特産品加工センターでは知られざるコンニャクの作り方を知る!お楽しみの試食も・・・。
新屋箸製作所の割りばしは、本来なら捨てられてしまう「もったいない材」から作られています。
瀧川寺で学ぶ、吉野・奥吉野、その歴史の美しさとは?
【2日目】
早朝5時・・・景徳寺で座禅体験。煩悩を振り払い、新しい1日を迎えます。
西大台散策。美しく紅葉した静寂な森を村のガイドさんが案内してくれました。

私もアクティブ・レンジャーとして、このツアーの計画から下見に関わらせていただき、本番はツアー同行スタッフとしてお手伝いさせていただきました。
このツアーを通じて、村の魅力を知ると同時に、自然・文化・歴史が一体となる暮らしを見つめ直すよい機会に恵まれました。

※「自然環境や歴史文化を体験しながら学ぶとともに、その保全にも責任を持つ観光のあり方をエコツーリズムと呼ぶ。」(*抜粋:「エコツーリズム さあ、はじめよう!」環境省、財団法人日本交通公社、2004)その考え方を実践するツアーが「エコツアー」と呼ばれています。

吉野熊野国立公園 大台ヶ原の郷 上北山村エコツアー
~上北山村郷めぐりと大台ヶ原(西大台)の自然体験~
共催:ワーク21上北山、上北山村、近畿地方環境事務所
後援:奈良県、上北山村商工会、奈良交通株式会社

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2008年11月13日晩秋(ばんしゅう)の一コマ【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史


皆さんこんにちは
昨日、弥山の山頂付近で冬の訪れを知らせる「白く輝くもの」を見つけました。
どうも2日前に木々の梢についた霧氷(*注1)が後地面に落ちて、雪みたい残っていたようです。雪はまだ降っていませんが10月初めには初氷が見られ、氷点下になる日も増えてきているそうです。
森の様子はというと、木々達は葉を落とし始め、地面にはふかふかの落ち葉。まるで、
地面で冬を越す生き物達のベットのよう。
寒空の下、そんな落ち葉の厚みを考えるとちょっと暖かい気持ちになりました。
徐々に、でも確実に、冬に向かって季節が移り変わっています。




積もった落ち葉。柔らかくて歩き心地がよい。
足場の悪いところでは、飛び出た根っこに引っかかったり滑りやすかったりと、注意も必要。
撮影場所:奈良県天川村布引谷
撮影日時:平成20年11月12日



葉を落とした木々の間から、遠くの山並みが見渡せる。

撮影場所:弥山付近(奈良県天川村)
撮影日時:平成20年11月12日

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2008年11月11日秋の吉野山

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

環境省は吉野山の奥千本にある金峯神社の公衆トイレに、どの時期にどのくらいの利用があるのかを調べるために赤外線カウンターを設置しています。私は月1回、このカウンターの電池交換とトイレの点検を行っているわけですが、今月はついついトイレ以外のものに目を奪われてしまいました。
吉野熊野国立公園の入り口に位置する吉野山では、木々が秋の色づきを始めています。お寺や神社を包み込むような赤や黄色の葉は、吉野山の景色をより魅力的なものにしています。



写真:11月7日(金)「奥千本」金峯神社の紅葉



写真:11月6日(木)「上千本」付近の紅葉

桜の開花と同様、紅葉のピークも山の上と下で時期がずれます。吉野山の紅葉は今月初めから11月の末頃まで楽しめるようです。
※近鉄吉野駅から上千本まで5キロメートル、奥千本までは7キロメートルほど。行きは上り坂が続くため歩きやすい格好でお越し下さい。

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2008年11月07日実生モニタリング調査

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

紅葉もピークを終えた大台ヶ原は、とても冷え込みが厳しくなりました。早朝の気温が2度や3度まで下がる日もあり、冬が刻々と近づいて来ているのを感じます。
今日も大台は寒かろう!ということで服を着込んでモコモコになったアクティブレンジャーは、パークボランティアさんと共に実生の調査へ行ってまいりました。
※実生(みしょう):草木がつぎ木、さし木などに頼らず種子から芽を出して生長すること。
大台ヶ原の森を代表するトウヒやウラジロモミの実生(子供たち)の生長過程を記録する調査が、平成16年から毎年パークボランティアさん達の手で行われています。



写真:子供たちの背の高さを測っている様子。



写真:名札をつけた子供。

自然は形を変えるのもので、一年も経つと「あれ?去年ここにいた子供はどこ?」など記録はなかなか大変です。それでも根気強く探すと草の中に埋もれていたりして「あ~よかった!枯れずに生きてた!」と思わず歓声が沸きます。植物たちの生長過程や変化を記録し、結果を見いだす調査には長い時間と根気が必要です。それでも毎年行って下さるボランティアの方々が、今日も眩しく見えた一日でした。

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2008年11月05日Welcome to Y.K National Park 1

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは、いつ霜が降りてもおかしくない季節を迎えている吉野よりアクティブ・レンジャー日記を書いています。
先日、V字になって飛行している鳥の群れを見て、季節の移り変わりを感じました。
冬にやってくる鳥たちは越冬のため。きっとこの地が暖かいと感じていることでしょう、僕は寒いのに・・・いや彼らも寒いと思っているカモ。お後が宜しいようで・・・

さて、今年度、吉野熊野国立公園の吉野山地域で公園の境界を示す看板を設置します。
「どこから国立公園なの?」
いつの間にか国立公園内に入っていていつ入ったのか気付かなかったことはありませんか?
国立公園のような自然公園は広範囲で指定されているため、山の尾根が境界だったり川岸が境界だったりと境界を明示しづらいところがたくさんあります。しかも国立公園をまたぐ車道や登山道は数知れません。そのため、いつの間にか国立公園に入っていることがしばしばです。
しかし、国立公園には魅力的な自然・豊かな生態系が数多く残っています。また、すぐれた自然景観が法律によって守られています。公園の境界部分を示すことは、そうした雰囲気をより一層感じることができるでしょう。また法律遵守の効果も期待できます。
今回、吉野山に設置する看板は吉野山に向かう主要道に設置されますので、お車に乗っていればどこから国立公園なのか気付いていただけるのではないでしょうか?



(設置する看板のイメージ)
場所:吉野駅前(近鉄吉野線)



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2008年10月30日紅葉で大賑わい

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

紅葉のピークを迎えた大台ヶ原に沢山の人が訪れ、駐車場は満車。大台ヶ原ドライブウェイでの路肩駐車も400台を超えていたようです。




写真:10月18日(土)駐車場に入りきらず、大台ヶ原ドライブウェイにあふれた車。
そんな中、パークボランティアさんによる自然観察ハイキングが行われました。さわやかな秋晴れの中、紅葉の解説を聞きながら、参加者の方はひと味違う秋の自然を満喫されたのではないでしょうか。



写真:ハイキングの休憩風景。ガイドを務めるボランティアさんもちょっと一息。

※ゴールデンウィークや秋の紅葉シーズンは毎年、車の混雑が予想されます。電車・バスの利用にご協力をよろしくお願いいたします。

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2008年10月20日水無月のこころ(10月の大峯)【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

今、大峯の紅葉はいつ頃が見頃でしょうか?気になる人に耳よりの情報です。
標高1600m~1800m付近ではピークを過ぎ、それより標高の低いところから山麓にかけて徐々に見頃を迎えています。
「おぉ!すごい」「秋の山はいいな~」
10月20日、和佐又山ヒュッテから大普賢岳(標高1780m 奈良県上北山村)、七曜岳、無双洞を通るルートの巡視を行ったのですが、山頂からの眼下に広がる見事な紅葉ぶりに感嘆の言葉が漏れに漏れる一日でした。
 この季節、ひょっとしたら大自然の魅力を直観的に強く感じることができる季節なのかもしれません。この一帯は修験道の聖地として古くから禁伐から守られてきました。また現在では吉野熊野国立公園の特別地域指定されています。
「自然を大切に残すとこんな素晴らしいことがあるんだな」と身をもって感じた一日でもありました。


写  真:水太覗からの景色
撮影日時:平成20年10月20日


~お知らせ~
大峯山系では10月に入ってから遭難事故が相次いでいます。(滑落死亡事故も数件、発生)
落ち葉が積もった登山道は、ルートが確認しにくく遭難を誘発しやすい状況になっています。普段以上に計画的に、慎重に、くれぐれも無理のない登山をお願いします。
遭難にあったときのもしものために、主要な登山口には警察署によって登山届が設けられています。
遭難が発生したとき捜索する範囲が絞り込むことができるため、早期発見の可能性をあげる効果が期待できます。是非、ご活用ください。

~これから登山に行かれる方へ・ご参考までのミニ情報~

○気候
涼しさが増しに増し、肌ざむさを通り越しつつあります。
(つまり寒くなってきています)
尾根では冷たい秋風が吹いていました。
先日の巡視日は秋晴れのおかげで比較的暖かかったのでアウタージャケットは使うことはありませんでしたが、準備しておいた方がよいかもしれません。(耳あてや薄手の手袋も…)

○日没時間等
日の出  6:06  日の入り 17:17 (10月20日:奈良市)
※日暮れが早くなっています。
山に行かれる方は計画的に行動して下さい。

○10月の平均気温  16.6℃  (気象庁HP参照 平成17年:上北山村)



写  真:シロヤシオの紅葉
撮影日時:平成20年10月20日
コメント:木漏れ日を受けて光輝く、まるでキラキラと輝く宝石のよう

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2008年10月17日自然体験プロジェクト

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 皆さんは最近、どれくらい自然と触れ合う機会がありますでしょうか。草に触れたり、葉の匂いをかいだり、実を食べてみたり。自然は見て楽しむだけでなく、人間の持つ感覚すべてを使い、体感して学ぶこともできます。
今回は、そんなふうに自然を体感してもらうためのイベントを一泊二日で行いました。その名も「五感で学ぼう!子ども体験プロジェクト」



写真:10月12日の川上村・三ノ公。林業体験としてノコギリで木を切っています。どちらが早く切れるか競争中! 切り口を見ながら、年輪や木のしくみも学びました。



写真:10月13日の大台ヶ原の苔道にて。みんなで植物の調査をしています。シカが入れないための柵の外と内。ササの長さが違うのはどうして?

五感の鋭い子ども達なら、もしかすると大人とはまた違った感覚で自然を学んでいるのかもしれません。私にとっても、とても勉強になるイベントでした。

※スタッフとして活躍してくださったパークボランティアさん、どうも有難うございました!

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2008年10月09日秋が深まる大台ヶ原でミニ・エコツアー【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史


撮影日時:平成20年10月6日
撮影場所:東大台の上道

 今、大台ヶ原では、秋空の水色と紅葉したカエデの赤や黄色のコントラストが色鮮やかです。それはまさに大自然が生みだすマジック。また、少し肌寒い気候が爽やかな気分にさせてくれます。
 秋の深まりを見せる大台ヶ原、その苔道*でミニ・ガイドツアー*に参加してみませんか?
苔道では、アクティブ・レンジャーによる自然観察会「苔の森でミニ・エコツアー*」をおこなっています。ただ歩くだけではわからない自然の仕組みや生き物の営み、大台ヶ原で起きている自然の異変について気軽に学ぶことが出来ます。
次回のミニ・ガイドツアーは10月25日・11月2日。今年は残すところあと2回、私たちがとびっきりの笑顔でご案内します。


真剣なまなざしのアクティブ・レンジャー


※苔道
大台ヶ原ビジターセンターのすぐ横にある散策道、一周15分から20分ほど。

※「苔の森でミニ・エコツアー」
開始時間など開催の詳細案内はこちら ↓
   (http://c-kinki.env.go.jp/to_2008/0522a.html

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