ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

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2009年02月12日出前授業【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 学生の頃、私は授業が楽しくないと「教え方が悪い。」「先生が悪い。」とよく平気で思っていたものでした。しかし一転、教える側に立ってみると、何かを教えたり、伝えたりすることはとても難しいとわかります。「ああ先生、ごめんなさい!」とあの頃の自分を反省しながら、いま私は大台ヶ原の郷、上北山村の小中学校で行う「出前授業」の準備をしています。
 子供達の時間割の1時間ぶんをもらい、環境学習を行うのがこの「出前授業」なのですが、授業の構成を考えたり、初めて顔を合わせる生徒さん達にどうしたら面白く、分かりやすく授業の内容が伝わるかを考えるのは、難しくもあり、また面白くもあります。




写真:吉野自然保護官事務所にて。中学校の授業のために作成した資料
問題:色とりどりに何かが示されています。その数は29個!これは一体、何の地図でしょうか?

 シーズン中、大台ヶ原で行っていた自然観察会とはまた違った視点で、国立公園のことを何かひとつでも伝えることができれば・・・と思う今日この頃です。



問題の正解:日本の国立公園29個を地図上に表したものです。

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2009年02月10日アクティブ・レンジャー写真展

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

アクティブ・レンジャーが見た国立公園がこちらです。↓



今、近畿地方環境事務所では、近畿地区で活動をしているアクティブ・レンジャーの写真展を開催しています。
実は、この写真展、今年度から始まって既に3回目、「夏・秋・冬」と季節ごとに国立公園の様子を紹介してきました。(今季の写真は8点)
きれいな情景・季節の表情・生き物の鼓動を写し、ミニ・コメントも付けています。自然に興味がある方、都会に疲れて安らぎがほしい方、是非お立ち寄り下さい。
「国立公園の魅力を知っていただきたい」「すばらしい自然を見ていただきたい」
そんな、アクティブ・レンジャーの熱い思いが詰まっています。
(展示場所:大阪市中央区大手前1‐7‐31 大阪マーチャンダイズマート(OMM)ビル8階 近畿地方環境事務所の廊下で開催中です。)

今後は近畿地方環境事務所だけにとどまらず、国立公園のビジターセンターをはじめ、いろいろなところで展示し、幅広くPRしていければと思います。

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2009年02月05日冬の情景【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

「吉野山はどんな色?」
もしもそんなふうに聞かれたら・・・

先日、吉野山の上千本に行ったとき園路の傍らではススキの穂が風になびいていました。
目の前にはススキの草原が、その周りには枯れた草木が敷き詰められたように広がっています。谷を隔てた向かいのお山にはお寺の屋根がポツンとかくれんぼ。
冬まっただ中の吉野山は金色輝いています。寒々しい木々の梢とは対照的に、それらの情景の中には、何か心をホッとさせる温かさを兼ね備えているように感じました。



撮影日時:平成21年1月28日
撮影場所:如意輪寺付近

「吉野山はどんな色?」
もしもそんなふうに聞かれたら・・・「暖かい金色」といったところでしょうか。

もうすぐスギ花粉の季節。
吉野山の周辺は杉の人工林。雄花はたわわに実り、スギ花粉が今にも飛び散りそうになっています。舞い散る花粉はまるで金粉のよう。きらびやかな色どりが吉野山をもうしばらく包みそうです。


撮影日時:平成21年1月28日
撮影場所:上千本(奈良県吉野町)

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2009年02月04日冬の吉野熊野国立公園【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

大台ヶ原は静かな冬の眠りについているようです。



写真:2月3日(火)冬期閉鎖のため、現在は通行止めになっている大台ヶ原ドライブウェイ入り口。バックにうっすらと雪の大普賢岳が見えます。
~~大台ヶ原ドライブウェイは4月21日午後3時より開通予定です~~

大峯や大台ヶ原の山上では雪が積もり、人を寄せ付けない厳しい冬を迎えている一方、吉野山では2月1~3日まで節分のイベントが開かれ、賑わいを見せています。



写真:2月3日(火)吉野山の金峯山寺節分会の様子。「副は内、鬼も内」と唱える、珍しい鬼の調伏式。
撮影者:瀬川自然保護官

大台ヶ原と吉野山。同じ吉野熊野国立公園といえど、本当にそれぞれが違う顔を持っているのだな、と再確認してしまいます。

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2009年01月28日冬の赤い実②【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは!
葉を落としきった寒々しい吉野山。そんな吉野山から今日は植物のご紹介です。
吉野でも熊野(1月21日投稿)に続いて赤い実を見つけました。


撮影日時:平成21年1月14日

目を凝らし・探してみると・ほらそこに・見つける不思議・十人十色


写真に小さく写っているのはカラスウリ、ハート型の葉っぱが特徴的でツル状に他の草木に絡みます。
今は葉が枯れて赤い実だけが残っていました。
 事務所に帰って分かったことですが、種子がその形から打ち出の小槌にも喩(たと)えられ、財布に入れて携帯すると富みに通じる縁起物として扱われていたそうです。その他、若い実は漬物として利用されたり、身をくりぬき、穴をあけてランタンとして使われたりと用途は様々。最近ではインテリア用品として用いるために栽培も行われているようです。特徴的な色、形をしたこの実を誰もほったらかしにするはずはないようですね。
種子は鳥達の冬の貴重な餌にもなっているようです。





良く見ると誰かが実をつついた跡が・・・
ほらっ↓



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2009年01月22日吉野の詩【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

 
朝ぼらけ・有明の月と・見るまでに・吉野の里に・降れる白雪 
                                (坂上是則)



撮影日時:平成21年1月14日
撮影場所:高木山展望台


夜明けの月光がさしているのかと見ちがえるほど、吉野の山里に降り積もっている白雪を詠んだ歌です。1000年も前、坂上氏が吉野に積もった白雪に感嘆した歌だそうです。
先週、吉野山に雪が降り積もり山一面を白い景色に変えました。
白い雪は、社寺仏閣や格子作りの街並みをより雰囲気あるものに醸し、時が止まっているかのような気分にさせてくれます。
そのような雰囲気に浸りながら一句詠んでみました。 

吉野山 格子作りの街角で 人の心に ふれる白雪 
                            (木谷昌史)

1000年先も残したい景色です。



撮影日時:平成21年1月14日
撮影場所:世尊寺跡

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2009年01月20日瀞峡と天の川【利用・施設】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 吉野熊野国立公園は奈良、三重、和歌山県にまたがっており、和歌山と三重県を管轄とする熊野と、奈良県を管轄する吉野の自然保護官事務所とでそれぞれ担当の業務を行っています。そして年に一度、オリ姫とヒコ星のように2つの事務所のメンバーが集い意見交換などを行います。

 今回はそれぞれの担当の境目に位置する「瀞峡(どろきょう)」で新たな自然ふれあい行事を行う案があり、現地確認も兼ねて合同会議を行いました。そして私は久しぶりの野外業務に浮き足立ってしまいました。



写真:1月19日 谷を渡す吊り橋からの瀞峡の風景。

瀞峡は和歌山、三重、奈良県を流れている北山川の峡谷です。私が担当している大台ヶ原を源流とする熊野川の支流の北山川の中・下流域に位置しています。激しく浸食と蛇行を繰り返し、厳しくそびえ立つ絶壁の間を広大に流れる美しい水、ここも吉野熊野国立公園の絶景のひとつになっています。
山岳地形の多い吉野と、海岸地形が多い熊野地域。それぞれをつなぐ瀞峡が本当に天の川のように見えてきてしまいます。

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2009年01月14日お山紹介(大日岳)【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

今日は、大峯の名峰の一つである大日岳のご紹介をします。
大峯山脈の真ん中辺りに位置し、標高は1521mほど。ちょうど釈迦ヶ岳の隣に並んで立っています。修験道との関わりの深さを象徴するかのように山頂には大日如来像が鎮座しています。



大台ヶ原ドライブウェイから見た大日岳


山頂に鎮座する大日如来坐像
(1926年:仏立会寄進)

頂上からは釈迦ヶ岳や四天石(巨岩郡)を一望することが出来ます。
体力・登攀技術に自信のある方は目指してみてはいかがでしょうか?

※その景色を望むのは大変困難で、急峻な一枚岩を登るためかなりの危険を伴います。


大日岳の一枚岩


大日岳からの眺め、釈迦ヶ岳と手前に四天石が見えます。


【大日岳こぼれ話】
大日岳の山頂には雨(あま)蓋(ぶた)、風(かぜ)蓋(ぶた)石、宝剣石があり、触れると雨風が起こるとされ山麓の十津川村小川では雨乞いのために登ることもあった。山頂からは奉献品とみられる宋代の銅鏡、湖州鏡が発見されているとのこと(参照:奈良県教育委員会 大峯奥駈道調査報告書)

宋代はなんと今から約1000年前にも遡ります。出土品一つ一つにも歴史があり、それらの年代を知るたびに大峯奥駈道が「世界文化遺産」に指定されている凄みを感じます。



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2009年01月13日冬ごもり【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

ここ数日の寒波で、吉野にも雪が積もり始めました。私はすっかり凍えて家で縮こまっています。そして私以外にも、春を待ちわび、じっと息をひそめている生き物がいました。



写真:1月13日 吉野自然保護官事務所周辺 アオスジアゲハの蛹

茶色の枯れ葉に、ハッとするようなきれいな緑色の蛹です。アオスジアゲハの蛹には緑と褐色とがあり、一般にこの色の変化は周囲の環境にとけ込むためと言われているそうですが、おや?この蛹はなぜ目立つほうの色になってしまったのでしょうか。私のようにウッカリ屋なのでしょうか・・・。
実は蝶の蛹の色の変化は、周りの色だけで決まるわけではないそうです。確かなことは分かっていませんが感触やニオイ、光なども影響している可能性も考えられているようです。

そこにはどんな進化の過程があったのか想像もつきませんが、ともあれ、吉野事務所一同で蝶になる日を心待ちにしています。

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2009年01月09日冬の珍客【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆様
あけましてオメデトウございます。(^◇^)


撮影日時:平成21年1月9日
撮影場所:吉野自然保護官事務所(奈良県吉野町)

事務所にカメムシ君が訪れていました。
カメムシの仲間は、成虫で越冬するそうなので
どうやら、風の当たらないドアの格子の間で寒さをしのいでいたようです。
暖かいところがちゃんと分かるんですね。
生き物の不思議には、ほんと驚かさせるばかりです。
今年はどんな驚きが待っているでしょうか?
今から楽しみです。本年もどうぞ宜しくお願いします。

【冬越しする虫達】
・ナナホシテントウムシ
・クサギカメムシ
・タテハチョウ
・クワガタ類 等々

以上の虫達、皆さんの家の周りにもいるかもしれませんね。

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