ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

606件の記事があります。

2009年03月25日Welcome to Y.K National Park 3 

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは
吉野自然保護官事務所管内では、神戸自然保護官事務所に引き続き吉野熊野国立公園で国立公園の入り口を示す看板が完成間近です。


工事の検査をする設計工事管理専門官

吉野自然保護官事務所管内では、吉野山一帯が国立公園に指定されており、そこへ向かう途中に国立公園の境界があります。今回の整備では、そこに看板が2基設置されました。
(近鉄吉野駅前と吉野神宮前)
桜の開花を目前に、立派な看板がもう既に出来上がっています。あとは色彩を周りの景観に配慮して、基礎のコンクリートを茶色く塗れば晴れて工事完了となります。


吉野神宮前の標識

「えっ?あそこって国立公園だったの?」「いったいどこが国立公園なの?」
これは、国立公園を利用されている方からときどき耳にする言葉です。
(実は今の仕事に就く前の私もそうでした。)
国立公園は、景観や地形、自然などが法律によって保護され、また利用の増進が図られている地域です。しかし、観光地の名ばかりが先行して、あまり認知されていないと常々感じます。
限られたスタッフで周知を計ることは難しいですが、「国立公園について知ってもらいたい」「国立公園を利用してもらいたい」「国立公園で自然と親しんでもらいたい」という思いが、看板という情報媒体によって少しずつ形となりつつあるようです。

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皆様、3月末を以て任期満了のためアクティブ・レンジャーを辞めることになりました。
つたない文章で恐縮でしたが、国立公園のことや自然情報、環境省の取り組みなどを分かりやすく、楽しく伝わるよう努めて来た次第です。
そして、この日記を拝見してくださった方々、実際に出会い応援してくださった方々、本当にありがとうございました。


写  真:お世話になった御関係者様
コメント:皆様、どうかお元気で!きっと木谷は、これからも元気です。

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2009年03月24日大台ヶ原近況【天候】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 吉野山の下千本では桜がぽつりぽつりと咲き始めています。「もう春か~もうすぐアクティブレンジャーになって1年か~。」と感慨深くなってしまう今日この頃です。
 しかし担当地区の大台ヶ原はまだまだ山の上、冬の様子を漂わせています。ほとんど溶けてはいましたが、日陰にはまだ雪が残っていました。歩道沿いの草陰を覗いてみると、素敵な氷の造形美を見ることができました。







写真:3月24日 東大台の上道沿いにて撮影。まだまだ寒い大台ヶ原で木が鼻水を垂らしているようです(上:つらら)。シルクの糸の束ような、きれいな霜柱(※)ができていました。繊細な造形をしていながらも、表土を力強く押し上げていました(下:霜柱)。

 これまで、大台ヶ原では5月のゴールデンウィーク直前に樹氷が見られたこともあります。どうやら大台の春はまだ先のようです。

 大台ヶ原ドライブウェイはいよいよ来月4月21日の午後3時から開通予定です!(天候により、日程が変わる場合があります)

※寒冬、土中の水分が地表にしみ出てきて凍結し、細い柱状群となって上方に成長するもの。この際、多くは表土を押し上げる(広辞苑より)。

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2009年03月17日三月の雪景色【天候】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 すっかり春めいてまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私はちょうど2週間前に大台ヶ原のある上北山村で雪景色を見てきたところで、この暖かさに違和感さえ覚えてしまいます。


写真:3月3日の上北山村集落から大台ヶ原ドライブウェイまでの道のり。山にうっすら雪が積もり、水墨画のように幻想的な景色が広がっていました。
撮影者:瀬川自然保護官

 村の雪はもうすっかり溶けているようですが、大台ヶ原の山頂にはまだ白い雪化粧がほどこされているかもしれません。去年の4月に大台ヶ原へ登ったときにはまだ雪が残っていました。今回、大台ヶ原はどんな厳しい冬を経験してきたのか、その痕跡を見るのがとても楽しみです。

 大台ヶ原ドライブウェイは来月4月21日の午後3時から開通する予定です!

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2009年03月13日オオセンチコガネ【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 上北山小中学校の出前授業のあと、授業のふりかえりとして生徒の皆さんに感想を書いていただきました。その中に
「次の授業では、ウンコにどんな栄養があるのかを聞きたいです!」
という面白い提案がありました。これは授業で、動物のフンを利用する大台ヶ原のオオセンチコガネのお話をしたからだと思います。というわけで、今回はちょっと変わったこの虫を紹介します!



写真:オオセンチコガネ(センチコガネ科)体長は2センチ程度。

 オオセンチコガネは大台ヶ原でよく見られる昆虫のひとつです。ルリ色のきれいな光沢があり、見つけた時は思わず嬉しくなってしまいます。コガネむし~は~金持ちだ~♪という歌がありますが、オオセンチコガネは鹿などのフンに集まり食べるという、セレブらしからぬ行動を取ります。メスはフンを地中に埋め込んで卵を産み、卵からかえった幼虫はまたそのフンを食べて育ちます。
 名前の「センチ」は雪隠(せっちん)、つまりトイレのことで、生まれてから大人になるまで、オオセンチコガネは生涯を通してフンの片付けをしているので、こんな名前がついたのかもしれません。

 大台ヶ原でそんなオオセンチコガネに出会えるまで、あと少し。大台ヶ原ドライブウェイは来月4月21日の午後3時より、開通予定です!
※天候により、日程が変わる場合があります。

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2009年03月06日冬の和佐又山【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは!
大峯山系の登山拠点の一つである和佐又山は、雪が地面をうっすらと覆っています。
暖かい日が増える3月は、春の訪れを一段と待ち遠しく感じさせます。


写  真:和佐又山山頂の様子。(積雪は10cmほど)
撮影日時:平成21年3月5日


写  真:和佐又山から見た大普賢岳(棚引く飛行機雲が空に映えています。)
撮影日時:平成21年度3月5日

この冬、和佐又山山頂の見晴らしを良くするため、山頂付近の木を間伐しました。
未だに残る山の雪は、山の凹凸をくっきりと映し出し、山が荒々しく見えます。
冬が終わると、若葉色に染まる大峯の山岳景観を一望するできることでしょう。

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2009年03月05日上北山中学校出前授業【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 大台ヶ原の郷である上北山村の小学校に続いて、中学校の出前授業に行ってきました。生徒数は1~3年あわせて12名。人数こそ少ないけれど、賑やかな声が廊下に響いていました!

 今回は、国立公園をテーマとした授業を行いました。「日本を代表する風景地」が日本の国立公園に指定されていますが、大台ヶ原もその景観が評価され、吉野熊野国立公園に指定されました。世界や日本の国立公園の存在を知ってもらい、地元にある国立公園「大台ヶ原」のまた違った一面を見直してもらえればと思います。



写真:3月3日 上北山中学校出前授業中。自作の日本地図を使って(写真手前)国立公園の場所当てゲームをしてもらいました。その後、写真と一緒に答え合わせをして各国立公園の様子を生徒の皆さんに紹介しているところです。

 国立公園当てゲームは、名前が難しいなど、難易度の高いものほど高得点がつきます(はずれれば、その分減点です)。得点を狙うものの、はずしては「あ~っ!」と声が上がりました。

 冬の間、ずっと準備を続けてきた小中学校の出前授業もこれで終わりました。「授業のしめが甘かったな~、もっと面白く授業できたらよかったな~。」色々と反省するところもありました。また次回に向けて勉強していきたいと思います。

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2009年02月27日上北山小学校出前授業【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 今日は大台ヶ原の郷、上北山村の小学校へ出前授業に行ってまいりました。生徒の数は1~6年生まで、あわせて24人。生徒達も先生達もまるで家族のように自然で、とても温かみを感じる学校です。

 授業の内容は、すごろくをしながら国立公園のルールやマナーを知ってもらおうというものです。生徒一人一人に大台ヶ原に住む動物(コマ)になってもらい、マスを進めていくと国立公園のルールに関するイベントが起こります。






写真:2月27日(金)上北山小学校にて。(上)すごろくの全貌。正面がゴールです! (下)すごろくをした後は国立公園のルールのまとめです。

 国立公園である大台ヶ原には、自然を守るための決まりがあるんだ!ということだけでも知ってもらいたい、という思いで作ったすごろくでしたが、
「知ってる~!野生の動物にエサをあげたら駄目なんやろ~。」
「あらら・・・もう知ってたんやね。」

子供達の「大台ヶ原には何種類の昆虫がいるの?」「珍しい生き物はいるの?」というような素朴な疑問に、逆にこちらが考えさせられる事がたくさんありました。

授業に参加してくれた上北山小学校の皆様、どうもありがとうございました!

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2009年02月25日Welcome to Y.K National Park2

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

ぬるい風に春の訪れを感じます。
さて、吉野熊野国立公園の最北に位置する吉野山では、国立公園の境界を示す標識がもう間もなく出来上がろうとしています。
※標識についての詳細は依然投稿したブログをご参照ください↓
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2008/11/05/index.html

標識の基礎工事が終わり、コンクリートが埋め込まれました。
後は、支柱と看板を取り付けると完成です。


写  真:コンクリートが埋められ完成した標識の足元


現在の様子 ↓



完成イメージ ↓



吉野山での標識の整備は2箇所、早春の吉野山の様子と供に標識の完成のお知らせをお伝えしたいと思います。


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2009年02月19日雪の降る里 【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

花粉情報が気になる季節になってきました。
吉野自然保護官事務所のある吉野町は、昨日は暖かい日、今日は寒い日と気温の定まらない日の連続。交互にやってくる冬と春に心も身体も戸惑ってしまいます。

先週の大峯、洞川地区*(奈良県天川村)は雪に見舞われていました。
大峯山系の中でも洞川地区は積雪の多い地域。天然林と人工林の小山に囲まれ、見える大部分は国立公園の特別地域になっています。今の季節、県内有数の温泉地にもなっている洞川、湯けむりから眺める国立公園に風情を感じます。

※注意:洞川と書いて「どろかわ」と読みます。


撮影日時:平成21年2月10日
写  真:龍泉寺の裏山にある「龍泉寺の自然林」(県指定天然記念物)



写  真:道路にも積もった雪。積雪は15cmほど

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2009年02月17日出前授業準備【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 ここのところ毎日、大台ヶ原の郷、上北山村の小中学校で行う出前授業の準備をしています。授業の内容も無事決め終わり、今は授業で使う、国立公園のルールをテーマとした「すごろく」を小学校用に、日本全国の国立公園をあてるゲームを中学生用に作っています。




写真:大台ヶ原ドライブウェイが冬期閉鎖している間、吉野の事務所に勤務しているビジターセンターのふれあいコーディネーターさん達と、授業の内容をあれこれ考え、制作を行います。

最後には吉野自然保護官事務所の全メンバーを巻き込んで授業の練習です。

吉野自然保護官事務所では、天川村の小学校でも出前授業を行います。子供達に何かひとつでも国立公園のことを知ってもらえればと思います。

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