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アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

606件の記事があります。

2010年01月27日春気分? 【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
最近吉野では日中に暖かな日差しが差すことが多く、日も少しずつ長くなっていることから、(日中のみ)春が近づいてきていることを実感します。
そんな中、吉野自然保護官事務所のまわりで「タンポポ」が咲いているのを発見しました。
つい先日までは咲いていなかったはずですが・・・暖かな日差しのお陰でしょうか。見つけたとき、『もうすぐ春が来る!』と何だかちょっと嬉しくなってしまいました。

写真:セイヨウタンポポ(1月27日撮影)

さて、今回はこの「タンポポ」に焦点を当ててお伝えしたいと思います。「タンポポ」は皆さんご存じかと思います。花の後に実る「わた毛」を飛ばして遊んだ経験がある方も多いと思います。では、この「タンポポ」に種類があることはご存じでしょうか?
どのような種類があるのか挙げてみると、カンサイタンポポ、セイヨウタンポポ、アカミタンポポ、シロバナタンポポなどなど・・・思いのほか多くの種類があるのです。
皆さんがよく目にする「タンポポ」は、カンサイタンポポとセイヨウタンポポではないかと思います。

では、カンサイタンポポとセイヨウタンポポの違いは?というと、花が咲いていれば比較的簡単に見分けることができます。

写真:セイヨウタンポポを横からみると・・・(1月27日撮影)
上の写真の赤矢印の先にベロンと反り返っている部分があります。この部分には『総苞外片(そうほうがいへん)』という名前がついており、この部分が反り返っていれば「セイヨウタンポポ」です。この『総苞外片』が反り返らず、写真の青矢印にくっついていれば、「カンサイタンポポ」です。
「カンサイタンポポ」は在来種(※)で、「セイヨウタンポポ」は外来種(※)と言われています。
(※)在来種とはもともと日本に住んでいた種で、外来種とは他地域から入ってきた種のことです。

 皆さんのお住まいの場所でももうすでに「タンポポ」が咲いているかもしれません。「カンサイタンポポ」と「セイヨウタンポポ」のどちらが咲いているのか、観察してみてはいかがでしょうか。

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2010年01月20日大峯百選 其の弐 【植物】【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
最近の吉野では相変わらず朝晩ともに冷え込みますが、昼は陽気で暖かくなる予感がしています。このまま春まで陽気が続いてほしいものです。皆さんのお住まいの地域ではいかがでしょうか。

 さて、前回の「大峯百選」(※)は吉野山の歴史的景観をお伝えしましたが、今回は自然情報についてお伝えしたいと思います。
(※)1月8日 『大峯百選 其の壱 【その他】』をご参照下さい。
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2010/01/08/index.html

吉野山と言えば、やはり「日本一のサクラの名所」で有名ですね!皆さんは、吉野山のサクラが街路樹などでよく見られるものと異なる種類ということはご存じでしたか?街路樹などでよく見られ、開花予想が出されているのは、「ソメイヨシノ」という種類で、吉野山でよく見られるものは「シロヤマザクラ」という種類です。この2種類の簡単な見分け方は、花と葉が出るタイミングです。皆さんが見慣れた「ソメイヨシノ」は花を咲かせた後、葉をつけますよね?ところが、「シロヤマザクラ」は花と葉が同時に出るのです。

写真:シロヤマザクラの花と葉。赤い矢印の先に花と同時に出ている葉があります。

 また、上千本に花矢倉という場所があり、この場所からは吉野山が一望できます。サクラの花が咲き乱れた吉野山を見下ろすと、ピンクの絨毯から蔵王堂が頭を出していたりと、普段見られない景色を見ることができます。

写真:花矢倉からの展望

 今年の春には、サクラの種類の観察や花矢倉からの展望など、「近くで」と「遠くから」の両方でぜひ、吉野山のサクラを堪能していただきたいと思います。
※サクラの季節になると、吉野山は慌ただしくなり、平日も週末も混雑します。特に週末・好天・満開の3拍子が揃ってしまうと大混雑となってしまいますので、平日のお出かけをおすすめします。

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2010年01月18日大台百景7・8「滝」【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

さて、頑張って続けています。
(何を続けているの?という方は12月24日の日記をどうぞご覧下さい↓)http://c-kinki.env.go.jp/blog/2009/12/952.html 
 今回の「大台百景」は、大台ヶ原の滝をテーマにしたいと思います。大台ヶ原山上の駐車場から、歩道を約1時間ほど歩いたところで、遠方に2つの滝を望むことができます。



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8.東大台から見る滝(10月)・・・東大台にある大蛇嵓(だいじゃぐら)から望む中ノ滝(右上)と西ノ滝(左下)。
写真:大台ヶ原ビジターセンター ふれあいコーディネーターさん撮影

 大台ヶ原の特徴である平らな山上から、まるで垂直に切られたような斜面を滝が下ります(このような地形を「隆起準平原」と呼ぶそうです)。
 遠くから見ると、滝とこの特徴的な地形がよくわかり「山を流れる水が落ちて、滝になるとは、こうゆうことか!」と当たり前の事なのですが、この風景を見ていると、妙にリアルに納得させられてしまいます。

 大台ヶ原には三つの滝があり、それぞれ東ノ滝、中ノ滝、西ノ滝と呼ばれています。この写真にもある中の滝は「日本の滝100選」のひとつで、長さはおよそ250メートルを誇っています。



9.東大台の沢(シオカラ谷・9月)・・・もうひとつの滝、東ノ滝は歩道から見ることはできませんが、山の上の駐車場から30分ほど歩いたシオカラ谷の吊り橋の下を流れる沢は、西へと下り東ノ滝となります。

---☆大台ヶ原には「西大台」と「東大台」の2つの区域があります☆---

◆西大台・・・「利用調整地区」に指定され、より良い自然環境を守るため、1日に入山する人数が決められています。入山するには事前に手続きが必要です。

◆東大台・・・西大台と違い、こちらはどなたでも手続きなしで自由に入山することができます。
※大台ヶ原ドライブウェイ(4月22日15時まで冬季閉鎖中)、山の上の駐車場も自由にご利用いただけます。

詳しくは、吉野熊野国立公園大台ヶ原ホームページへGO!
http://c-kinki.env.go.jp/nature/odaigahara/odai_top.htm

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2010年01月15日南国気分 【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
今週は寒波が訪れ、吉野では雪が降り、日陰ではいつまでも雪が溶けない状態が続いています。皆さんのお住まいの場所ではいかがでしょうか。

 さて、13日に三重県の御浜町でエコツーリズムの検討会が行われ、青谷ARと私もこの検討会に出席するため、三重県御浜町まで行ってきました。
吉野から尾鷲湾の海岸沿いに出るために、国道169号を南下(山越え)しました。この日吉野では雪がチラホラ降っており、「スリップに気を付けなくては・・・」と話をしていました。吉野自然保護官事務所を出発し、徐々に標高が高くなるにつれて次第に怪しい雲行きに・・・そして最も恐れていた吹雪&路面凍結に出くわしてしまいました。

写真:川上村で出くわした吹雪&路上凍結(1月13日撮影)

 この吹雪&路面凍結を無事に抜け、御浜町に到着し、エコツーリズムについてしっかり考えることができました。

写真:エコツーリズム検討会の様子(1月13日撮影)

 しかしさすがは紀伊半島の南部!雪の気配はなく、照りつける太陽も吉野とは違う印象を受けました。いつも事務所から見ている太陽ではなく、春を迎えたような暖かな日差しで「南部ではもう春が来たのかな?」と思ってしまいました。
そう思っていた矢先に、スミレの花が目に留まりました。

写真:咲き誇った(?)スミレ(1月13日撮影)
もう春がすぐそこまで来ているのかもしれません。
同じ「吉野熊野国立公園」と言っても、「北部と南部」では「山と川・海」と多種多様な素晴らしさがあるので、皆さんも是非「吉野熊野国立公園」の中の「違い」を見ていただければと思います。

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2010年01月12日大台百景5・6「シカ・その弐」【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 さて、今回の「大台百景」は、前回(1月4日の日記)に引き続き、大台ヶ原のニホンジカをご紹介したいと思います。(「大台百景」と題して、吉野熊野国立公園大台ヶ原の魅力を、写真を使いながらご紹介しています。)

 大台ヶ原で見ることのできる野生のニホンジカは、季節によってその姿を変えます。


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5.東大台のメス鹿:左=8月、右=11月

 夏の鮮やかな緑が似合うベージュに、白い斑点をあしらえたファッショナブルな夏毛(左)。夏毛から生えかわった冬毛(右)は寒々しい冬の灰色の森に溶け込むような、シックな薄いこげ茶色をしています。


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6.東大台のオス鹿:左=8月、右=10月

 オスは毛色が変わるだけでなく、角にも変化を見ることができます。夏(左)は角の色が少し赤みがかっていますが、秋(右)になると白っぽくなっています。その違いの理由は「角」の伸びる過程にありました。

 大台ヶ原のシカの角は毎春に生えかわり、新しく生えてきた角の内部には、血管が編み目のように通っています。血流も止まり、カルシウムの固まりとなった「完全な角」となる秋(右)まで、ニョキニョキと伸びている最中の「未完全な角」が春~夏(左)にかけて見ることができます。

 夏に大台ヶ原で、オス鹿が人前に出てくることは少ないので、もし見かけられましたら、ぜひじっくりと観察して見て下さい。

 森の変化と同様、シカでも季節の違いを楽しむことができます。モデルとなったシカの皆様もカメラ目線でありがとうございました!(シカがじっと見るのは、こちらを危険なものかどうかを観察している行動です)

---☆大台ヶ原には「西大台」と「東大台」の2つの区域があります☆---

◆西大台・・・「利用調整地区」に指定され、より良い自然環境を守るため、1日に入山する人数が決められています。入山するには事前に手続きが必要です。

◆東大台・・・西大台と違い、こちらはどなたでも手続きなしで自由に入山することができます。
※大台ヶ原ドライブウェイ(4月22日15時まで冬季閉鎖中)、山の上の駐車場も自由にご利用いただけます。

詳しくは、吉野熊野国立公園大台ヶ原ホームページへGO!
http://c-kinki.env.go.jp/nature/odaigahara/odai_top.htm

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2010年01月08日大峯百選 其の壱 【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします!

 さて今回のアクティブ・レンジャー日記ですが、青谷ARに便乗(?)し、大峯地区でも素晴らしい景色や動植物などを何とか皆さんにお伝えできないか・・・と考え、「大峯百選」というタイトル(これも便乗?)でお伝えしようと思い立ちました(この「百選」は私の独断で選んでおり、「百選」になるかどうかも分かりません)。
この日記を通じて、『吉野熊野国立公園に行ってみたい!』と思っていただければ幸いです。

 記念すべき?第一弾となるのは、「大峯奥駈道」に深い関わりを持つ「吉野山」です。
吉野山はサクラ(シロヤマザクラ)で有名ですね!春になると大勢の人たちで賑わいます。
吉野山のサクラはとても見事なものですが、その他に「吉水神社」、「吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)」、「金峯山寺(蔵王堂)」、「金峯神社」など、ここには書ききれないほどの重要な文化財がたくさんあります。
今回はこの様々な文化財の一部をご紹介したいと思います。


写真:金峯山寺 仁王門
仁王門をくぐると・・・

写真:金峯山寺 蔵王堂
蔵王堂が現れます。
仁王門、蔵王堂ともにずっしりとした存在感があります。

 金峯山寺から進んでいき、奥千本まで足をのばすと・・・

写真:金峯神社
静かな山中にひっそりと佇んでいます。

 このように吉野山では、サクラやアジサイなどの自然景観と金峯山寺などの歴史の両方を堪能できる場所です!『大峯百選 其の弐』でも吉野山の素晴らしさをお伝えできればと思います。お楽しみに!

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2010年01月04日大台百景3・4「シカ」【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 皆様、新年あけましておめでとうございます。どうぞ今年もよろしくお願いいたします!

 さて、勢いで始めてしまいましたこの「大台百景」、頑張って続けていきたいと思います。
(何を勢いで始めてしまったの?という方は12月24日の日記をどうぞご覧下さい↓)http://c-kinki.env.go.jp/blog/2009/12/952.html 

 吉野熊野国立公園にある大台ヶ原は私の担当する場所で、奈良県の南に位置する上北山村にあります。奈良といえばシカ!というわけではありませんが、大台ヶ原では野生のニホンジカを見ることができます。



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3.東大台(8月)・・・東大台ではこのようにササが茂って草原のようになっている場所がいくつかあります。シカはササが好物なのでこうした場所でよく見かけるのですが・・・?高く伸びたササ(ミヤコザサ)に埋もれて、シカの耳だけがぴょこぴょこと動いている少し不思議な風景に出会いました。



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4.あらなんて可愛らしい~と見ているとササから顔だけだしてササをもしゃもしゃ・・・。自分の好物に埋もれながら食べ歩きとは、これまた幸せなひとときではないでしょうか。

 大台ヶ原でシカを見かけられたら、じっと観察してみてはいかがでしょうか。意外な一面に出くわすかもしれません。そしてくれぐれも、野生動物にはエサをあげたりしたいよう、ご協力をお願いいたします。

---☆大台ヶ原には「西大台」と「東大台」の2つの区域があります☆---

◆西大台・・・「利用調整地区」に指定され、より良い自然環境を守るため、1日に入山する人数が決められています。入山するには事前に手続きが必要です。

◆東大台・・・西大台と違い、こちらはどなたでも手続きなしで自由に入山することができます。
※大台ヶ原ドライブウェイ、山の上の駐車場も自由にご利用いただけます。

詳しくは、吉野熊野国立公園大台ヶ原ホームページへGO!
http://c-kinki.env.go.jp/nature/odaigahara/odai_top.htm

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2009年12月28日大峯の冬 【利用・施設】【天候】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
各地からの雪の便りが届いていますね。もちろん、吉野でも積雪が見られました。高田ARも書いているように、真っ先に「通勤どうしよう・・・」と心配になってしまいましたが、「今こそアクティブ・レンジャーの意地を見せる時だ!」といつも通り自転車で出勤しました。しかし、スリップはしなかったものの、あまりの雪の多さに家を出てからちょっと後悔してしまいました。

 さて、12月17日に天川村へ行ってきました。吉野では、12月18日の朝に初積雪となったのですが、さすがは天川村!!前日の17日には、すでに白銀の世界へと変貌していました。

写真:洞川エコミュージアムセンター前の道路(12月17日撮影)

写真:雪の中の母公堂(ははこうどう)(12月17日撮影)

 天川村洞川(どろがわ)では積雪だけではなく、路面凍結もしていました。車から降りてしばらく歩いたのですが、「滑っていく方が早いのでは?」と思えるほど滑る状態でした。
母公堂からしばらく歩き、山上ヶ岳登山口まで行くと、目の前には雪化粧をした山上ヶ岳が現れました。

写真:冬の山上ヶ岳(12月17日撮影)
もうすっかり冬山になっており、白一色となっていました。

 これから天川方面へ行かれる方、冬山登山を考えていらっしゃる方は、装備、防寒対策など十分にお気を付けください。遭難された場合、ご自分の命の危機だけではなく、捜索する方々にも迷惑がかかることを認識し、十分に余裕をもった計画、装備を心がけるよう、お願いいたします。

~~~~~~~~お知らせ~~~~~~~~
天川村洞川の母公堂付近は、冬期通行止めとなります。ご注意下さい。
場所:大峯公園線(天川村 洞川より奥)
日時:1月7日(木)~3月24日(水)
※天候などにより、変更される場合があります。

 本年の投稿は今日で最後となりました。今年はアクティブ・レンジャー日記をご覧いただき、ありがとうございました。来年も吉野熊野国立公園(大峯地区)の素晴らしさ、自然情報などを発信していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは皆さん、良いお年を!

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2009年12月24日大台百景1・2「霧」【天候】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 アクティブ・レンジャー日記は、国立公園の素晴らしさを皆様にお伝えすることを大きな目的としています。しかして私は、国立公園である大台ヶ原の素晴らしさを、なかなか皆様にお伝えできていなかったのではないか?と思う次第なのです。
 そこで思いついたのが、このタイトルに書いた「大台百景」です。山も閉じていてなかなか現場の様子をお伝えできないこの冬の時期に、テーマを決めて大台ヶ原の魅力を(ほとんど私視点ではありますが)写真中心でお伝えさせていただこうかと思います。
※勢いで「百景」と決めましたが、今後どうなるかは・・・わかりません!!

 さて今回ご紹介させていただきたいのは、大台ヶ原の「霧」です。
大台ヶ原は日本でも有数の雨の多い地域です。それだけに霧が発生することも多く、昔は「迷いの山」と呼ばれていたそうです。まだ道が明瞭で無かった頃、山を行く人々は霧によって行く先を見失うことも多かったのでしょう。
 霧が発生した森はどこかうっそうとした中にも透明感があり、風に流され動く霧を見ていると、普段はなかなか感じることのできない、「森の立体感や奥行き」を感じることができます。



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1.東大台(8月末)・・・真っ直ぐに伸びた針葉樹林の森に霧がかかると、そのシルエットが浮かび上がり、影絵の中に閉じこめられたような気分になります。森の遠くほど視界が消え、目の前の木や苔がしっとりと存在をたたえてくれます。



2.西大台(5月末)・・・まるで霧を降らしているかのように上空を覆うブナ林を歩いていると、バイケイソウのみどりの絨毯が足下に浮かび上がります。西大台は歩道と森の距離が近いので、森との一体感をより楽しんでいただけます。

---☆大台ヶ原には「西大台」と「東大台」の2つの区域があります☆---

◆西大台・・・「西大台利用調整地区」と呼ばれ、より良い自然環境を守るため、1日に入山する人数が決められています。入山するには事前に手続きが必要です。

◆東大台・・・西大台と違い、こちらはどなたでも手続きなしで自由に入山することができます。
※大台ヶ原ドライブウェイ、山の上の駐車場も自由にご利用いただけます。

詳しくは、吉野熊野国立公園大台ヶ原ホームページへGO!
http://c-kinki.env.go.jp/nature/odaigahara/odai_top.htm

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2009年12月15日冬の虫 【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
今週末からまた一段と気温が下がるようですね。そろそろ本格的な冬が訪れるのでしょうか。

 皆さん、「ユキムシ」というものをご存じですか?天気は良いのに、白い雪のようなものがフワフワ飛んでいる・・・そんな経験はありませんか?
実はそのフワフワ飛ぶ白い雪のようなものは、「ユキムシ」と呼ばれている昆虫なのです!!(綿毛を付けた植物の種も飛んでいますが・・・)
「ユキムシ」は体に白いフワフワしたものを付けているため、「ワタムシ」とも呼ばれているようです。

この「ユキムシ」の正体は・・・
農業や花壇の大敵の「アブラムシの仲間」なのです!「ユキムシ」とは、1種類を指すのではなく、数種類の総称のようです。

写真:「ユキムシ」の全貌

写真:飛び立とうとする「ユキムシ」(ともに11月27日撮影)

 寒い冬に漂って何をしているかと言うと、卵を産むために移動をしているのです。農業や花壇の大敵であるアブラムシも寒い冬に向け、我が子が安全に冬を越せる場所を探しているのです。
皆さんも「ユキムシ」を見つけたら観察してみてはいかがでしょうか?よく見ると、フワフワで可愛く(?)見えるかもしれませんよ。

 また、吉野自然保護官事務所のすぐ近くに生えているエノキの幹には、「イラガ」の繭(まゆ)がついていました。「イラガ」は毒を持った蛾(ガ)の仲間なので嫌われ者ですが、幹にうまく溶け込んでいる様は、感心してしまいます。

写真:「イラガ」の繭(脱出後)(12月15日撮影)

 皆さんも天気が良い休日に、冬ならではの生き物観察をしてみてはいかがでしょうか?落葉して寂しくなった木々などに寒い冬を乗り切る生き物たちの息づかいが聞こえてくるかもしれません。

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