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アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

606件の記事があります。

2010年04月22日樹氷【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 世間が春めいてきた4月に、大台ヶ原では樹氷を見ることができました。


4月8日(木)樹氷:大台ヶ原ドライブウェイより。

 樹氷とは、冷た~~い水滴からなる霧が、風に送られて木などにぶつかり、そこに凍りついて氷の層を作ったものだそうです。雪が積もったの?と思うほどに白いのは、小さなアワ(気泡)を多く含んでいるためだそうです。
 シャラシャラと割れたガラスが降るような音がしたので見てみると、枝についていた氷が、風でとばされて降り落ちていました。



 近くで見ると、氷がこんなに大きい!樹氷を違った視点で見ることができました。
 
 突然ですが、ここでちょっと東北の国立公園の魅力をご紹介!中にはこんな樹氷もあるそうです。



写真:2月18日 西吾妻山(にしあずまやま)
撮影者:裏磐梯ビジターセンター 金野氏

 こちらは驚きの「樹氷」です。ボコボコとスノーマンのような姿をしたのが樹氷で、木の先端部分が深く積もった雪から頭を出しているのだそうです(黒く映っているのは人です)。所変われば品変わる、とはこのことですね。
 写真は磐梯朝日国立公園の裏磐梯ビジターセンター(福島県)から提供していただきました。ありがとうございます!

-------------------お知らせ----------------
大台ヶ原ドライブウェイは4月22日の午後3時からいよいよ開通です!

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2010年04月15日西大台の春【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 吉野自然保護官事務所では、山のシーズン到来に向けて準備を進めています。
 私は大台ヶ原地区のアクティブ・レンジャーになって3回目の春を迎えました。しかし冬の間にすっかり体がなまり、シーズン最初の巡視は、一歩登っては息を切らし・・・となってしまいました。

写真:4月の西大台

 西大台ではブナなどの落葉樹(紅葉して葉を落とす木)が多く、冬の間はすっかり葉を落としています。一見元気の無い森のようですが、新緑の季節を迎えると、あっという間に緑に覆われ、夏の前には下の写真のような風景になります。
 冬の間にしっかりと力を蓄えているのでしょうか。こうした植物の大きなエネルギーにはいつも感動してしまいます。


写真:7月の西大台

 足もとにも大きなエネルギーがひそんでいました。早春の西大台を真っ先に緑に染めるバイケイソウの芽が、そこかしこから顔を出していました。


写真:4月 西大台のバイケイソウの芽生え

大台ヶ原の春は、もうすぐそこまで来ているようです。
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西大台(西大台利用調整地区)に入るには、事前に手続きが必要です。
詳しくは吉野熊野国立公園大台ヶ原HP→西大台利用調整地区へGO!
http://c-kinki.env.go.jp/nature/odaigahara/west_odai/west_odai_index.html

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2010年04月13日大峯百選 其の漆 【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
今回も「大峯百選」の「其の漆」として、近畿最高峰の「八経ヶ岳」についてお伝えしたいと思います。
「八経ヶ岳」の見どころと言えば・・・
やはり近畿最高峰からの景色です。周辺一帯が山地ということもあり、大峯の山深い景色を一番上から見渡すことができます。「行者還岳」や「大普賢岳」など周りの山々を地図で確認しながら眺めるのも楽しいものです。

写真:八経ヶ岳から南東方向を望む

 また八経ヶ岳周辺は、「天女花」との異名を持つ「オオヤマレンゲ」の自生地でもあります。かつては至る所にオオヤマレンゲが見られたそうですが、現在は数が減少しており、その理由としてニホンジカの食害が疑われています。ニホンジカの入ってこれない「防鹿柵(ぼうろくさく)」の中では今もその可憐な花を見ることができます。

写真:左 防鹿柵入口 右 雨に打たれるオオヤマレンゲ(モクレン科)

 行者還トンネル西口からの登山道では、同じく白い花の「シロヤシオ」を見ながら登ることができます。

写真:登山道脇のシロヤシオ(ツツジ科)

 八経ヶ岳は、近畿最高峰であるだけでなく、オオヤマレンゲやシロヤシオなどたくさんの花を見ることができる場所です。オオヤマレンゲはちょうど梅雨どきの6月下旬から7月上旬にかけて、シロヤシオは5月下旬から6月上旬にかけてが見ごろです。ぜひ皆さんも「山」と「花」を見に、八経ヶ岳登山を計画してみてはいかがでしょうか。

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2010年04月09日大峯百選 其の陸 【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
吉野では春らしい好天ですっきりとした日々が続いています。皆さんのお住まいの地域ではいかがでしょうか。

 さて、今回も「大峯百選 其の陸」として、和佐又山の魅力をお伝えしたいと思います。
和佐又山には、「笙ノ窟(しょうのいわや)」や「無双洞(むそうどう)」、「水廉ノ滝(すいれんのたき)」など見どころがたくさんあり、和佐又山とその周辺の大普賢岳、七曜岳それぞれの山頂からは大峯の山深さが望めます。
「笙ノ窟」は、和佐又山から大普賢岳の間にある「日本岳」付近にある自然岩窟です。この付近には、多数の自然岩窟があり、その中で「笙ノ窟」は修験の行場のひとつでもあり、この窟で冬を越す「笙窟冬籠」は峯中随一の荒行とされているようです。大普賢岳から七曜岳を通り、和佐又山に戻る途中に「水廉ノ滝」があり、豊富な水に恵まれていると言われる大峯の側面を見ることができます。

写真:(左)笙ノ窟 (右)水廉ノ滝

 大峯では、上記のような地形が織り成す見どころのほか、生きものが織り成す見どころがあります。和佐又山・大普賢岳では、とても立派な「巨木」を見ることができます。

写真:ブナの巨木

 地形や生きものが織り成す風景は四季折々、それぞれに十分な魅力がありますが、私は、山の上も暖かくなる5月頃が一番好きです。瑞々しい新緑を迎えた巨木を見上げながら、水の流れる音に耳を傾けると、自然の雄大さを十二分に感じることができます。皆さんもぜひ、体験してみてはいかがでしょうか。

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2010年04月01日春の訪れ 【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
最近、吉野は少しずつ春に向かっているように感じます。夜はまだ肌寒いですが・・・皆さんのお住まいの地域ではどうでしょうか。

さて今回は4月ということで、春の訪れを実感させてくれる植物のご紹介をしたいと思います。
春に道端で目を引く植物といえば・・・スミレです。

写真:タチツボスミレ(スミレ科:4月1日撮影)

 皆さんはスミレの花が道路脇やコンクリートの亀裂からよく顔を覗かせているのをご覧になったことがあるかと思います。では、なぜこの様な場所に生えているかご存じでしょうか?
これは、スミレの種子に秘密があります。スミレは、種子に「エライオソーム」という物質を付けています。「エライオソーム」は、アリの好物です。アリは、落ちているスミレの種子を見つけると、「エライオソーム」を食べるために巣へと持ち帰ります。そして、巣の中で「エライオソーム」を食べ、種子を捨てるのです。捨てられた種子はアリの巣の近くで芽を出します。アリの巣は、道路脇のアスファルトの隙間やコンクリートの亀裂を利用して作られていることがよくあり、そのため、スミレは道路脇やコンクリートの亀裂でよく見かけるのです。アリは好物の「エライオソーム」を食べることができ、スミレはより遠くに種子を運んでもらうことができるお互いにオイシイ思いができる関係にあるのです。

 吉野熊野国立公園にある弥山(みせん)という山の頂上付近でも、とても小さく、可愛らしいスミレの一種を見ることができます。スミレはとても種類が多く、細かく分類すると、日本だけで300種もあると言われており、スミレだけを扱った図鑑があるほどです。

写真:弥山山頂付近で咲くスミレの一種(2009年5月14日撮影)

 以前の日記でもご紹介(※)したように、私たちが何気なく見ている生き物たちは、それぞれが深く関わりを持ちながら生活しているのです。皆さんも視点を変えていろいろな生き物を見てみてはいかがでしょうか。その生き物の思わぬ生き様が見えてくるかもしれません。
(※)2009年7月24日 「アリと植物 【動物】【植物】」をご参照下さい。
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2009/07/24/index.html

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2010年03月25日大台百景15・16「海の見える休憩所」【利用・施設】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 大台ヶ原からは、紀伊半島を縦断する山々を見ることができ、近畿にもこんな山深いところがあるのか~と実感することができます。しかしひとたび見る向きを変えると、海が目に飛び込んでくるのも大台ヶ原の魅力ではないでしょうか。
 大台ヶ原の山上駐車場から歩道を東へ30~40分ほど歩くと、三重県の尾鷲湾を見下ろすことができます。大台ヶ原は、実は海まで20キロメートルほどしか離れていません。そんな海と山が隣接した地形が、たくさんの雨の恵みをもたらしています。



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14.休憩所(東大台・日出ヶ岳付近)から見た尾鷲湾。
 山を歩いていて海が見えると、不思議と特別な気分になってしまうものです。めったにないそうですが、空気の澄んだ日には(写真の左側の)遠くに富士山が姿を現すこともあるそうです。



15.休憩所(東大台・日出ヶ岳付近)から見た日の出。
 高山などで、尊いものとして迎える日の出は「御来光」とも呼ばれています。尾鷲湾の地平線から太陽が顔を覗かせると「新しい一日が始まった!」と今日を迎えたありがたさを感じてしまいます。

---☆大台ヶ原には「西大台」と「東大台」の2つの区域があります☆---

◆西大台・・・「利用調整地区」に指定され、より良い自然環境を守るため、1日に入山する人数が決められています。入山するには事前に手続きが必要です。

◆東大台・・・西大台と違い、こちらはどなたでも手続きなしで自由に入山することができます。
※大台ヶ原ドライブウェイ(4月22日15時まで冬季閉鎖中)、山の上の駐車場も自由にご利用いただけます。

詳しくは、吉野熊野国立公園大台ヶ原ホームページへGO!
http://c-kinki.env.go.jp/nature/odaigahara/odai_top.htm

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2010年03月23日大峯百選 其の伍 【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
吉野では、連休明けから天気が優れません。やっと春を感じて咲き始めた花たちが散ってしまいそうで、心配になってしまいます。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

 さて今回は、忘れかけた頃にやってくる(?)「大峯百選」の5回目として、「山上ヶ岳」に焦点を当て、お伝えしたいと思います。

 過去の「大峯百選(※1)」でご紹介した天川村洞川(どろがわ)に山上ヶ岳の登山口があり、「女人結界」の門があります(※2)。この「女人結界」の門を見ていると、大峯の歴史深さを感じることができます。
(※1)2010年2月8日 「大峯百選 其の参 【その他】」をご覧下さい。(http://c-kinki.env.go.jp/blog/2010/02/08/index.html
(※2)女人結界については、2009年6月18日 「山上ヶ岳巡視 【利用・施設】」をご参照下さい。
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2009/06/18/index.html

写真:山上ヶ岳登山口にある女人結界

 山頂には大峯山寺本堂があり、修験道の根本道場となっています。大峯山寺本堂のすぐ手前には、大峯奥駈道を通った際にくぐる4つの門の最後となる「妙覚門(みょうかくもん)」があります。

写真:大峯山寺すぐ手前の妙覚門

 これらのように山上ヶ岳は、修験道に深く関わりを持っています。なので、様々な「行場(ぎょうば)」があります。「行場」は、山々の厳しい地形の場所に身をおき、修行を行う場所です。「行場」がたくさんあるということは・・・険しく厳しい自然が昔からそのまま残っているということにもなります。
ここは、行場として有名な「西ノ覗(にしののぞき)」があり、厳しい行場であると同時に、素晴らしい風景を見ることが出来る場所でもあるのです。

(左)絶壁で足がすくむ西ノ覗も・・・(右)見上げれば素晴らしい景色が眼前に広がっています。

 大峯地区は、「歴史」が数多く残されており、「自然」もとても豊かに残されている場所なので、是非、「歴史」を感じつつ「自然」の豊かさも実感していただきたいと思います。

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2010年03月18日蜻蛉の滝よろず観察会 【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
最近吉野では、朝寒く昼は暖かいとも寒いとも言えない日々が続いています。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

3月13日に奈良県川上村にある森と水の源流館主催の「吉野川紀の川しらべ隊 蜻蛉(せいれい)の滝よろず観察会」が、川上村にある蜻蛉の滝周辺で「冬越しをしている昆虫の観察」を主なテーマとして行われました。講師は昆虫生態写真家の伊藤ふくおさん、森と水の源流館の木村全邦さんと私の3人で行われました。

観察会が始まって早速、「これ何ですか!?」との声が上がり、参加者の皆さん(大人も子どもも)の観察ぶりに感心してしまいました。

写真:一生懸命昆虫を探す子どもたち(3月13日撮影)

 観察会開始からお昼までの間、テントウムシの仲間やミノムシ、フサヤガ(ガの仲間)など、たくさんの昆虫(昆虫以外も)を観察することができました。見つけたテントウムシの仲間は、枯木の樹皮の裏などで成虫のまま冬を越していました。成虫は寒い冬を乗り越え、春に卵を産みます。

写真:観察した昆虫たち(3月13日撮影)

 お昼からは蜻蛉の滝の周りをぐるりと一周し、森の中での観察を行いました。
午前中に観察した林縁(※1)とは異なり、薄暗い森の中では「オオゴキブリ」や「ショウジョウバカマ」などの生き物たちが潜んでおり、森の「外」と「中」の違いを見ることができました。「ショウジョウバカマ」は4月から5月と春に花を咲かせるのですが、すでに咲いている姿を見て、暖かさを実感しました。ちなみに、「ショウジョウバカマ」は、冬の間「ロゼット(※2)」を形成して過ごしています。
(※1)林縁(りんえん):林の周辺部のこと。林の際(きわ)で、日光が程良く当たる場所は、たくさんの生き物が潜んでいます。
(※2)ロゼット:地面を這うように葉を広げている状態のこと。タンポポなども冬はロゼットを形成しています。タンポポは常にロゼットを形成していますが、冬が一番分かりやすい形をしています。ロゼットを形成することで、エネルギーを節約して、冬の寒さに備えているのでしょうか。

写真:森の中でひっそりと咲くショウジョウバカマ(ユリ科)(3月13日撮影)

今回の観察会を通じ、生き物の寒い冬に耐えるための工夫や冬を越す場所、滝や川など水がもたらす恵みについて、楽しみながら考えていただけたと思います。私自身も改めて考えさせられました。

参加していただいた皆さん、伊藤ふくおさん、木村全邦さん、どうもありがとうございました!!

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2010年03月17日大台百景13・14「不動返し」【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 奈良といえば大仏さま!大阪といえば大阪城!(通天閣?)というように、どの場所でも、シンボルと呼ばれるものがあるのではないでしょうか。

 前回紹介した展望スポットである大蛇嵓(だいじゃぐら)から、
(詳しくは2月2日の日記: http://c-kinki.env.go.jp/blog/2010/02/974.html )
大台ヶ原のシンボルともいえる、「不動返し」を見ることができます。
 よくポスターなどでも紹介される風景でもあるこの「不動返し」は、絶壁の大蛇嵓(標高1578m)から下をのぞくと見ることができ、真っ逆さまに下る大蛇嵓の斜面をひるがえすようにそびえています。

 不動返しは壮大な山々の風景を後ろに従え、大台ヶ原の季節の移り変わりを魅せてくれます。

13. 不動返しの春夏秋冬 ↑クリックで拡大

 緑が色づき始めると大台ヶ原にも春がやってきます。息苦しいほどの夏の緑に染まった後は、赤やオレンジ色を散らし、秋を知らせます。そしてはるか前方にある大峯山脈の雪化粧をじっと見すえる姿も。



14.霧の不動返し

 天候の悪い日は、霧に包まれた神秘的な姿を見れるかもしれません。


大蛇嵓と不動返しの位置関係。赤い矢印は、大蛇嵓から不動返しを見る方向を示しています。

 隆起を続けた地形に、雨による浸食が長い時間をかけて生み出した景色なのでしょう。初めてこの場所を見つけた人はエライ!といつも思います。

---☆大台ヶ原には「西大台」と「東大台」の2つの区域があります☆---

◆西大台・・・「利用調整地区」に指定され、より良い自然環境を守るため、1日に入山する人数が決められています。入山するには事前に手続きが必要です。

◆東大台・・・西大台と違い、こちらはどなたでも手続きなしで自由に入山することができます。
※大台ヶ原ドライブウェイ(4月22日15時まで冬季閉鎖中)、山の上の駐車場も自由にご利用いただけます。

詳しくは、吉野熊野国立公園大台ヶ原ホームページへGO!

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2010年03月09日春の足音 【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
やっと春らしくなってきたと思っていた矢先に、また気温が下がってきましたね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

 さて、前々回(※)は春を思わせる植物たちをご紹介しましたが、動物たちも春の陽気に誘われている(?)ようなので、ご紹介したいと思います。
(※)2月23日 「春の足音 【植物】」をご参照下さい。
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2010/02/23/index.html

 今回ご紹介するのは、「コゲラ」というキツツキの仲間です。『「キツツキ」という鳥がいる。』と思われていることがありますが、「キツツキ」という名称の鳥はいません。「キツツキ」の仲間には、「~ケラ」という名称がついています。例えば、北海道などに生息し、キツツキの中では最も大きい「クマゲラ」や、沖縄本島にのみ生息している「ノグチゲラ」などがいます。「コゲラ」は、日本全土に生息しており、「小さいケラ(キツツキ)」という意味です。

 吉野自然保護官事務所の周りでは聞かない鳥の鳴き声がしました。「何者?」と思っていると、目の前のサクラの枯木に「コゲラ」が止まりました。

写真:サクラの枯木に止まるコゲラの雄(3月8日撮影)

 気温が下がる前の少し暖かくなった時を見測り、活動が活発になっている様に見えました。サクラの枯木の中に潜んでいる虫を食べるところが見られるかも・・・と期待しましたが、残念ながらそのまま飛び去ってしまいました。

写真:飛び去るコゲラの雄(3月8日撮影)

 図鑑には、『近年は市街地で生活するものが増えてきた。』とあったので、皆さんのお住まいの場所でも見かけることがあるかもしれません。

 春を待ち望む生き物たちの活動が見られる時期がやってきました。暖かい晴れの日は、外で生き物観察をされてはいかがでしょうか。まだ誰も見つけていない春の第一人者になれるかもしれません。

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