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アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

606件の記事があります。

2010年12月08日大台ヶ原のフィールドサイン【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 人の気配のなくなった大台ヶ原の歩道で、こんなものがよく見られました(現在、大台ヶ原ドライブウェイは冬期閉鎖のため通行止めです)。

 お食事中の方は申し訳ありません。うんちの写真が並びますので、ご注意ください。



よく見ると木の実やタネを食べているもよう。これはテンか、イタチのようです。



こちらはおそらくキツネ。先が細くなっているのが特徴です。



さてこれは何でしょうか?
 もっとサイズが大きければツキノワグマのものと似ていますが、小さいです。よく見るとタネを食べているようです。専門家の方によるとこれもテンかイタチだろうとのこと。

※どの動物のものか確定するには細かい調査が必要になってきます。

 野生動物はその姿を見ることが少ないですが、糞やツメ跡、食痕(実などをかじった跡)を観察することで、そこにどんな生き物が住んでいるのかがわかります。こうした痕跡は「フィールドサイン」と呼ばれ、特に糞は動物の生息調査などにも大いに役立ちます。

 ちなみに大台ヶ原には、ツキノワグマ、ニホンジカ、カモシカ、ノウサギ、キツネ、タヌキ、イタチの仲間(テン、アナグマなど)ネズミの仲間(ニホンリス、ムササビなど)・・など 約30種類のホ乳類が生息しています。

 大台ヶ原で、ぜひ皆さんも野生動物たちの暮らしを感じてみてください。


★大台ヶ原ドライブウェイ冬期通行止め期間★
平成22年12月1日(水)午後3時 ~ 平成23年4月21日(木)午後3時まで
大台ヶ原山上駐車場へ続く大台ヶ原ドライブウェイ(大台ヶ原公園川上線)は、上記期間中は冬期閉鎖のため通行止めとなります。

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2010年12月06日吉野山のサクラ 【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
今月で今年もおしまいですね。年々年月の流れを早く感じています。皆さんはいかがでしょうか。

 さて今回は、毎年春が待ち遠しくなる(?)吉野山のサクラについてお伝えします。吉野山はサクラの名所として有名ですが、近年「サクラが衰退している」という話が新聞などでも取り上げられています。衰退の原因は、いまだよく分かっていないことも多いのですが・・・

写真:テングス病にかかったシロヤマザクラ(吉野山にて撮影)

写真:ヤドリギに寄生されたシロヤマザクラ(吉野山にて撮影)

 この2枚の写真のように、「テングス病」や「ヤドリギの寄生」なども原因のひとつだと言われています。「テングス病」は、細い枝が密生して伸びる樹木の病気で、「天狗の巣のように見える」ため、このように呼ばれているようです。テングス病を発端として他の菌が侵入し、結果的には枯らしてしまうようです。
 もうひとつは、「ヤドリギ」です。ヤドリギは名のとおり、樹木に寄生する植物で、樹木から栄養をもらって生活しています。しかし、生きていくための栄養をすべてもらうのではなく、半寄生(※)を行っています。半寄生であっても、テングス病などで弱っていると、ヤドリギの影響で枯らしてしまうのかもしれません。
(※)半寄生とは、宿主から栄養をもらうだけではなく、光合成を行って自らも養分をつくることです。
ヤドリギはブナやエノキなど、サクラ以外の落葉樹にも寄生します。宿主が落葉、ヤドリギが常緑なので、秋から春にかけてはとてもヤドリギの存在が目立ちます。落葉樹が葉を落とす頃になって、「あんなところにヤドリギが!」ということが多々あります。
この他にもサクラが枯れる要因があると思うのですが、サクラの衰退の詳しいメカニズムは分かっていません。しかし、地元の方々をはじめ、様々な人々によって、衰退を防止する取組が活発に行われています(※)。
(※)取組の一部として、2010年5月25日 「グリーンウェイブ【イベント】」をご参照下さい。
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2010/05/25/index.html

 ヤドリギは冬期の野鳥の貴重な食料になるなど、生態系の中でもきちんと役割を担っています。テングス病やヤドリギが一方的に悪いわけではありません。古来から続く吉野山のサクラを守るためにどのような手を打つべきなのか、物も言わぬ自然環境を相手にものを考えることは、とても難しいことだと感じました。

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2010年12月03日吉野山 秋の終わり【利用・施設】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 吉野自然保護官事務所では吉野山にある金峯神社のトイレに、利用者カウンターを設置しています。12月になると凍結のおそれがあるため、このトイレは閉鎖されます。というわけで閉まる前に今年度最後のカウンターのデータ回収を行いました。
 毎年、このデータからわかるのは、桜の春に利用者が殺到し、紅葉の秋にも利用が増加していることです。「今年はどれくらい入ったかな~?」と思わず賽銭箱をのぞくような気持ちでシーズン中(4月~12月)の利用者数をこれからまとめることになります。

 これまでは、どこか冬のような秋のような・・・という感じでしたが、そんな曖昧な季節も終わり、この日の天気は確実に秋が終わりを告げていました。



藤原道長が参拝したと言われる金峯神社(世界遺産)。境内の左を下りてゆくと源義経ゆかりの「義経かくれ塔」があります。



紅葉して色をつけた葉っぱは、もう土や水の中に溶けていました。



気温は6℃(金峯神社付近の標高は約750メートルほど)

 冬がいよいよやってきます。雪の吉野山もまた楽しみのひとつです。

★大台ヶ原 冬期通行止め期間★
平成22年12月1日(水)午後3時 ~ 平成23年4月21日(木)午後3時まで
大台ヶ原山上駐車場へ続く大台ヶ原ドライブウェイ(大台ヶ原公園川上線)は、上記期間中は冬期閉鎖のため通行止めとなります。

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2010年11月30日冬支度 【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
最近、出勤時に気になるものをよく見かけます。
その気になるものとは・・・「霜」です。毎朝とても寒いのですが、近くの畑一面に霜が降りているのを見ると、寒さに追い打ちをかけられ、活動意欲を奪われてしまっています。皆さんのお住まいの地域は、いかがでしょうか。

 さて、今回はそんな寒さを乗り切ろうとする生き物についてお伝えします。「冬になると虫は居なくなる」という言葉をよく耳にしますが、実際は冬でも昆虫が居なくなることはありません。寒い冬を乗り切るために隠れているのです。成虫や幼虫で冬を越す種類でも、冬はほとんど動けません。つまり、危険が迫っても逃げられないので、隠れる場所はとても重要になってきます。そんな場所が吉野自然保護官事務所のすぐ近くのエノキ(ニレ科)の根元にもありました。

   ↓この幼虫が・・・

写真:上)エノキの葉上のゴマダラチョウの幼虫(11月19日撮影) 下)エノキの根元で越冬するゴマダラチョウの幼虫(11月30日撮影)

 上の2枚の写真は、ゴマダラチョウ(タテハチョウ科)の幼虫です。このチョウは、幼虫で冬を越します。暖かい季節はエノキの樹上で葉をムシャムシャ食べている(※)のですが、冬が近づくと根元まで降りてきて、落ち葉の下で寒さに耐えているのです。しかも!活動中は緑色、越冬中は茶色?と、葉の色に合わせて、目立たないように体の色まで変えてしまいます。
(※)もっと活発な時期のゴマダラチョウの幼虫が見たい!という方は、こちらをどうぞ!『2009年7月28日 あなたはだあれ?【動物】(竹野自然保護官事務所 高田アクティブ・レンジャー)』
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2009/07/28/index.html

 幼虫を見つけたとき、根元の落ち葉の中からクモなどがたくさん出てきました。落ち葉の下は安全できっと暖かいのでしょう。様々な生き物の越冬場所になっているようでした。

 ゴマダラチョウの他にも、チラチラと顔を覗かせる太陽を求めて、キタテハ(タテハチョウ科)が日光浴をしていました。

写真:ヨモギの葉上で日光浴をしていたキタテハ(11月19日撮影)

 キタテハは成虫で冬を越す種類で、翅の裏側(閉じた時に見える面)が枯れ葉そっくりです。安全に生きて行くための知恵でしょうか。昆虫の環境への適応には、いつも驚かされます。
 これから本格的な冬を迎えますが、皆さんも寒さに負けず、昆虫たちの冬の生活を覗いてみてはいかがでしょうか。枯れ葉の中や石の下など、意外と身近なところで越冬していますよ。

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2010年11月22日大台ヶ原大そうじ【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 11月3週目の土日は、大台ヶ原の毎年恒例の行事、大台ヶ原地区パークボランティアさん達による「大そうじ」!今年も2日間かけて、山の歩道周辺や車道脇のゴミ拾いを行っていただきました。

【1日目】
 東大台をまわる歩道のゴミ拾い。多く目につくのは「飴の空袋」です。飴を食べた後にポケットに入れた袋が、歩いているうちに落ちてしまうことがあります。「自分も気をつけよう~。」と心に戒めました。



ゴミがよく見つかる木道の下を重点的にチェック!
 上から、草などに埋もれたゴミたちの場所を見つけ、下で集めている人に動いてもらいます。大台ヶ原でゴミがよく見つかる場所や、作業の仕方などは知らず知らずのうちに引き継がれています。

【2日目】
 この日は雲ひとつ無いお天気。大台ヶ原山上駐車場からドライブウェイを2.5キロメートルほど下りながら作業を行いました。



休憩中。真っ青な空に感激!
 そうじをしていると、いつも大台ヶ原からご褒美がもらえます。



回収されたもの。
 昨年は「キウイが何個も落ちていた」という珍事件がありましたが、今回多かったのは昔の工事で使われたものであろう残骸です。秋にスタッフがごみ拾いを行ってくれたせいもあってか、全体的に少なめでした。

 大台ヶ原地区パークボランティアの活動は春のそうじに始まり、冬のそうじに終わります。皆様、今シーズンもありがとうございました!

★冬期通行止め期間★
平成22年12月1日(水)午後3時 ~ 平成23年4月21日(木)午後3時まで
大台ヶ原山上駐車場へ続く大台ヶ原ドライブウェイ(大台ヶ原公園川上線)は、上記期間中は冬期閉鎖のため通行止めとなります。

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2010年11月18日小処温泉と紅葉のお祭り【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 11月13日(土)大台ヶ原の郷、上北山村の小処温泉付近で「もみじ祭り」が開催されました。渓流を挟む山の斜面の紅葉が見頃を迎え、たくさんの方がこのお祭りに来られました。



 小処温泉(向かいの建物)のお祭りの様子。大台ヶ原のパネルを展示(左側ブース)させていただきました。
 地元の名物の「トチ餅」や「ぼたん汁」などのいい匂いに包まれ、盛りだくさんのプログラムに賑わいました。

 渓流わきを歩くウォーキングイベントも開催されました。



 渓谷を埋め尽くす迫力満点の紅葉。こうした渓流の横の斜面は、日光がよくあたるので、木々も綺麗に色をつけます。



 河原に出ると、切り立ったV字の山の斜面の向こうに、大台ヶ原の姿が・・・!

 村の方々に助けられ、大台ヶ原のパネル展示&解説も無事終了することができました。

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◆吉野熊野国立公園 大台ヶ原の登山道のご案内◆

小処温泉の建物からすぐ。大台ヶ原の「西大台利用調整地区」へと続く登山道入口があります。
西大台へ立ち入るには、事前に申請が必要となります。詳しくは下記までお問い合わせくさい。
お問い合わせ:上北山村商工会TEL:07468-3-0070(12月26日~1月5日を除く)

☆「西大台利用調整地区」って? 吉野熊野国立公園大台ヶ原HPへ!☆
http://c-kinki.env.go.jp/nature/odaigahara/west_odai/west_odai_index.html

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◆吉野熊野国立公園の秘湯「小処温泉」のご案内◆

【浴用の適応症】神経痛・筋肉痛・五十肩・うちみ・慢性皮膚病・慢性婦人病・糖尿病・疲労回復などなど
(上北山村ホームページより)
☆女性必見!渓流の景色を眺める露天風呂があります!!
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★冬期通行止めのお知らせ★
平成22年12月1日(水)午後3時 ~ 平成23年4月21日(木)午後3時まで
大台ヶ原山上駐車場へ続く大台ヶ原ドライブウェイ(大台ヶ原公園川上線)は、上記期間中は冬期閉鎖のため通行止めとなります。



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2010年11月17日大峯の初雪? 【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
吉野では今週始めから本格的に寒くなり、朝晩は氷が張るのでは?と思うほどです。皆さんのお住まいの地域ではいかがでしょうか。

 さて、今回は一足先に訪れる大峯の冬についてお伝えします。11月9・10日に一泊で弥山への登山道の巡視と防鹿柵のチェックに行ってきました。前回の弥山巡視(※)は雨・風でしたが、今回は2日とも晴れる予報でしたので、何とか大丈夫だろうと思っていました。
(※)2010年10月28日 「山の秋 【植物】【その他】」をご参照下さい。
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2010/10/28/index.html

 しかし!!やはり山の天気は変わりやすいものです。登り始めた9日の朝、麓は確かに晴れていたのですが、足を進めるに連れて少しずつ雲行きが怪しくなってきました。気温はとても低く、手の感覚がなくなるくらいでしたが、「今日は晴れの予報だし、雨は大丈夫だろう」と思っていた矢先、雨ではなく白いものが降ってきました。

写真:左)麓の紅葉 右)降ってきた霰(あられ)? (11月9日撮影)

 始めは、雪だ!と思ったのですが、降り積もるときにサラサラと音を立てていたので、よく見てみると霰のようでした。晴れる気配もなく、山頂付近には厚い雲が覆っていました。山頂に到着する頃には、周りはうっすらと霰に覆われていました。

 2日目こそは晴れて欲しいと願っていたのですが、2日目も相変わらず厚い雲に覆われており、前日よりも霰が積もっていました。霰が降る中、今年設置した防鹿柵のチェックを行ったのですが、その際に、思わぬものを見つけました。

写真:左)シラビソの葉の霧氷 右)防鹿柵のネットにも!(11月10日撮影)

 この霧氷のお陰(?)で、辺り一面雪化粧をした景色に変貌していました。防鹿柵のチェックも無事に終わり、下山途中、登山道脇に中に赤いきれいなものに気付きました。

写真:ミヤマシキミの実(11月10日撮影)

 次の世代を残すためにミヤマシキミ(ミカン科)が付けた真っ赤な実です。寒さにもめげず、必死に生きている生き物を見て、たくましさを感じました。
 もうすでに山頂では冬が訪れています。路面凍結の危険もありますので、これからの登山を考えていらっしゃる方は、十分注意していただきたいと思います。

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2010年11月12日秋の吉野山 【利用・施設】【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
最近吉野では、また一段と気温が下がってきています。「秋」という言葉をタイトルに使っていますが、気分はすっかり冬です。

 吉野山の奥千本にある金峯神社(きんぷじんじゃ)の近くに、環境省が設置した公衆トイレがあります。このトイレには、利用者数を数えるためのカウンターが設置されています。11月8日に、カウンターの点検と巡視を兼ねて吉野山に行ってきました。

写真:秋の金峯神社(11月8日撮影)

 上の写真の通り、金峯神社周辺はスギやヒノキが多いので、あまり紅葉は見られませんが、秋の少し涼しげ(?)な風が吹く奥千本もまた趣があります。
 公衆トイレのカウンターの点検を済ませ、車道に出たときのことでした。車道脇の藪の中からガサガサと物音がしたので、「シカかな?」と思って見ていると、何とヤマドリが出てきました。

写真:車道に現れたヤマドリの雄(11月8日撮影)

 ヤマドリはゆっくりと道路を横切り、反対側の藪の中に消えていきました。吉野山では度々ヤマドリを目撃しますが、これほど近くに現れたのは初めてで、思わず見とれてしいました。本格的な寒さを前に、エサ探しをしていたのかもしれません。

 今吉野山では、紅葉も見ごろとなっています!シロヤマザクラをはじめ、カエデなどの紅葉を楽しむことができます。

写真:左)高城山展望台へ登る道(奥千本) 右)七曲坂を一望(下千本)(11月8日撮影)

 上の2枚の写真を見ていただくと分かるように、下千本の七曲坂のシロヤマザクラは落葉してしまっていました。季節外れの台風14号の影響で落葉してしまったのかもしれません。しかし、奥千本の高城山展望台付近では、見事に紅葉しており、低所よりも高所の方が紅葉している印象を受けました。皆さんも紅葉を見に吉野山までいらっしゃった際には、ぜひ奥千本まで足を運んでいただければと思います。

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2010年11月10日初冠雪【天候】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 木枯らし1号が吹いた翌日の平成22年10月27日、大台ヶ原で初冠雪を記録しました!

 平成20年は11月19日、平成21年は11月3日にそれぞれ大台ヶ原で積雪が見られました(西大台利用調整地区巡視業務日報より)。今年はまた早い時期に雪が降ったようです。



 大台ヶ原ドライブウェイ当日の朝。道路脇に白く積もった雪がチラチラと見えたかと思えば、前方の山一面が樹氷に覆われていました。



10月27日:紅葉と氷の花(画像クリックで拡大)
撮影:大台ヶ原地区パークボランティア 長田さん

 樹氷が、秋のカラフルな森に白い桜を咲かせたようでした。大台ヶ原を訪れた利用者のみなさんも、パークボランティアのみなさんも、アクティブ・レンジャーの私も突然あらわれた絶景に「ラッキー!」。中にはこの樹氷を予期して来られた方もいらっしゃいました。



10月27日:世にも珍しい?「カエデの樹氷づけ」
撮影:大台ヶ原地区パークボランティア 長田さん


【これから大台ヶ原へ来られる利用者の皆様へ】

◆大台ヶ原は現在、雪が降るほど気温が低くなってきています。防寒具を必ずご用意ください。
◆今後は、ドライブウェイの凍結も予想されます。お車でお越しの方は、冬用タイヤをご準備ください。
◆12月1日より、大台ヶ原ドライブウェイが冬期閉鎖になります(山上駐車場への通行ができません)。

★冬期通行止め期間★
平成22年12月1日(水)午後3時 ~ 平成23年4月21日(木)午後3時まで
大台ヶ原山上駐車場へ続く大台ヶ原ドライブウェイ(大台ヶ原公園川上線)は、上記期間中は冬期閉鎖のため通行止めとなります。

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2010年11月05日和佐又山 【利用・施設】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
突然ですが、皆さんは「笙ノ窟」の読み方をご存じでしょうか?



正解は、「しょうのいわや」です。
 今回は、この「笙ノ窟」についてお伝えしたいと思います。
11月2日に、この笙ノ窟へ行ってきました。笙ノ窟は、奈良県川上村と上北山村の境界付近の日本岳の近くにあり、和佐又山や大普賢岳、七曜岳などへも登ることができる和佐又ヒュッテの登山口から行くことができます。登山口から笙ノ窟までの間には、指弾ノ窟(したんのいわや)や朝日窟(あさひのいわや)も見ることができます。この3つのうち、笙ノ窟がもっとも大きい窟で、祠がまつられています。
「窟(いわや)」とは、「天然にできた岩間の洞穴」(広辞苑より)のことで、笙ノ窟は断崖絶壁の下部に大きな口を開けています。

写真:左)笙ノ窟 右)笙ノ窟上部の断崖絶壁(11月2日撮影)

 これらを含む大峯山脈には、行者さんが行(ぎょう)を行う、「靡(なびき)」と呼ばれている場所があります。「靡」は75箇所もあり、それぞれの場所に番号が振ってあり、熊野本宮大社から吉野山を経て吉野川の川岸まで続いています。笙ノ窟はその中の一つで、62番目の靡なのです。笙ノ窟は、自然が創り出した、非常に歴史の深い場所でもあるのです。

 和佐又ヒュッテの登山口から笙ノ窟までの間には、大峯の山々を見ることができる場所もあります。見れば見るほど、大峯の山深さには圧倒されます。

写真:登山道から南西方向を望む(11月2日撮影)

 和佐又山はブナなどの落葉広葉樹が多いため、紅葉も見物です。今年は紅葉の当たり年(?)ということをよく耳にしますが、ピークには少し早いながらも紅葉を見ることができました。

写真:和佐又山の紅葉(11月2日撮影)

 もうすでに山の気温は低いですが、皆さんも防寒、日没時間に気を付け、山一面の紅葉をご覧になってはいかがでしょうか。きっと素晴らしい景色が広がっているはずです。

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