ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2016年09月30日近畿の屋根「大峰山脈」

吉野熊野国立公園 青谷 克哉

 9月は長月。その由来は夜がだんだんと長くなってくるので「夜長月」が短くなったとか、雨の多い時期故に「長雨月」から転じてなど諸説言われます。夜は長くなっても、睡眠時間はいつも同じ、吉野自然保護官事務所アクティブ・レンジャーの青谷です。

 まだまだ所によっては暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?不意の高温にご注意下さい。


 8月11日は、「山の日」ということでよしくまの山々も大いに賑わったものと思います。私も、大台ヶ原にて記念イベントなど手伝っていたのがつい最近と思っていたらもう9月も終わりです。なんとも早いものです。

 

 さて、2016年吉野熊野国立公園盛り上げよう第三弾は、大峰山脈をご紹介いたしましょう。

 大峰山脈は紀伊半島のほぼ真ん中に位置し、奈良県吉野山と和歌山県熊野本宮大社を繋ぐ大峰奥駈道(おおみねおくがけみち)が通っています。国立公園のみならず、ユネスコエコパーク、世界遺産(紀伊山地の霊場と参詣道)にも登録されています。

 近畿最高峰といえば八経ヶ岳。標高1915m、オオヤマレンゲの自生地があり、植生保護のために防鹿柵を設置しています。開花時期(7月頃)には、真っ白な美しい花を見ることができます。左が弥山から見た八経ヶ岳、右がオオヤマレンゲです。

 大峯修験の根本道場大峯山寺を有する山上ヶ岳は、今も多くの修験者が訪れます。山に漂う雰囲気も、他とは違うものを感じました。心が引き締まるというか、凛とした空気といいますか、やはり霊場という雰囲気でしたね。弥山には立派な山小屋があります。近くには公衆トイレもあり、管理人の方が綺麗に保ってくれています。釈迦ヶ岳山頂では釈迦如来の像が祀られています。この釈迦如来像ですが、大正13年に強力を生業としていた岡田雅行が、一人で担ぎあげたといわれています。すごいですね。釈迦ヶ岳北側には仏生ヶ岳があります。ちなみに、釈迦ヶ岳は釈迦如来の住むこの世界とは別の所とされています。今までもこれからも、多くの人々がここで祈りを捧げるのでしょう。

写真は左から大峯山寺、弥山小屋、釈迦如来像です。

 このように、様々な山が連なる大峰山脈は「近畿の屋根」ともいわれ、今も多くの登山者を引きつけてやみません。これからは紅葉も美しい季節になりますので、秋のトレッキングに訪れてはいかがでしょうか?

 

 所によっては危ない道もありますので、ルールをしっかりと守り、万全の体調と装備でもって、どうぞお気を付けて歩いて下さい。

 それでは、今回はこのへんでご機嫌よう。


八経ヶ岳から仏生ヶ岳へ至る登山道から見える風景


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2016年09月28日東お多福山で昆虫観察!

瀬戸内海国立公園 神戸 高橋明子

みなさんこんにちは。

暑さも少し落ちつき、朝晩は過ごしやすくなってきた神戸からです。


 先日、瀬戸内海国立公園六甲地域にある東お多福山にて、昆虫観察会を行いました。

台風が心配されましたが、初秋というにはまだ気温が高く熱中症が心配されるほどのお天気になりました。

観察会を行った標高697mの東お多福山は、市街地からも比較的アクセスしやすい場所にあります。

今回は伊丹市昆虫館から講師をお招きし、昆虫を観察しながら草原の生物多様性を感じ、東お多福山の新たな楽しみ方を発見してもらおう!という企画です。昆虫ということで小学生の親子連れの参加者が多いのかな、と思っていたところ、少年の心を忘れない元気な大人の方々に参加して頂きました!

【やる気に満ち溢れる参加者】

 


 道すがら、色々な昆虫が見つかるたびに人の輪ができ、その昆虫の生態や見分けかたの解説をして頂きました。昆虫というと、「子どもの頃は平気だったけれど、大人になると苦手になった」という声をよく聞きます。私もあまり関心をもっているとはいえない時期がありましたが、山や川へ出かけるようになってからは、植物とともに自然と目に入ってくる存在になりました。そして、いつも行く場所に名前の知らない生き物がこんなにもいるなんて!!と興味がわくようになりました。

                    【熱心に解説を聞く参加者】


 今回の観察エリアは、以前のススキ草原の景観を取り戻そうと、市民団体や研究機関等が協力してネザサの刈取りや植生調査を行っている場所でもあります。ネザサが優占していた場所も選択的に刈取りを行うことによって、ススキをはじめ他の様々な草原性植物が見られるようになり、またこの変化によって、カマキリやバッタ類といった昆虫をよく見かけるようになったと教えて頂きました。

 その他にも、このネザサの刈取り活動にも参加されている、東お多福山ガイド養成講座の卒業生から東お多福山にまつわるお話をして頂きました。

 

 左上:ツマグロヒョウモン♂

 右上:オオミズアオ 幼虫

 左下:ルリモンハナバチ

    写真ではわかりにくいですが、青色がとても

    きれいで最近「幸せを呼ぶハチ」として

    人気沸騰中だとか。


 今回、私は網を持つと狩猟本能が発揮されすぎるおそれがあったため、写真撮影に徹しましたが、たくさん見られたバッタ、イナゴ類の写真はうまく撮ることができませんでした。種を見分けることも、細部を写真撮影して拡大して判別しないと難しいうえに、名前もイナゴ、イナゴモドキ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ・・・と惑わされるものが多く、こうしてわからないものを調べたりしているうちに、ずぶずぶと虫の世界にはまっていくのだな・・・と思いました。

 これから秋が深まるにつれて、虫の鳴き声も色々聞けることと思います。耳を澄ませながら近くの野山にお出かけになってはいかでしょうか?


※今回の観察会では、観察のために捕まえた全ての昆虫をリリースしています。また国立公園内では昆虫採集 

 行為自体が禁止されているエリアもあります。マナーを守って国立公園をご利用下さい。

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2016年09月28日イベント紹介

吉野熊野国立公園 熊野 岩田佐知代

こんにちは。

熊野自然保護官事務所アクティブ・レンンジャーの岩田です。

 

10月に行われる「よしくま80周年&拡張記念」として開催されるイベントの紹介をさせていただきます。

まずは、10月1日(土)、2日(日)に三重県尾鷲市で行われる『須賀利大池を学ぼう!~海跡湖を知る~』のご案内です。

 「須賀利大池」は尾鷲市海岸部と共に昭和50年12月に吉野熊野国立公園に追加編入され、平成24年1月に国の天然記念物にも指定されている海跡湖です。海跡湖とは、地殻変動や海流の影響などで、海の一部が陸地に取り残されてできた湖沼のことです。大池周辺地では断層周辺に太古の地殻変動に関する現象が見られると共に、生きた化石といわれる絶滅危惧種のハマナツメや他の希少植物なども生育し、貴重な自然環境を観ることができます。

 1日目は、須賀利大池・小池についての座学、2日目は須賀利の漁師町の集落を歩き、船で大池に渡り、海跡湖観察のフィールドワークを行います。普段なかなか踏み入れることのできない古い歴史に包まれた地に足を運んでみませんか。

 

須賀利大池を学ぼう!~海跡湖を知る~

 

 次に10月2日(日)に年中ミカンの採れる町 三重県御浜町と日本野鳥の会三重県支部との共催で「秋のバードウォッチング」が行われます。当日はどんな野鳥が観察できるでしょうか。

 詳細は以下のHP(http://kinki.env.go.jp/to_2016/post_70.html)とチラシをご覧ください。

 

 

秋のバードウォッチング

 

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2016年09月20日神秘の森 荘厳の山 大台ヶ原を歩く

吉野熊野国立公園 井藤大樹

 今年の8月は例年と一味ちがいます。"山の日"が制定され、811日が新たな国民の祝日となりました。山の日は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨としています。吉野熊野国立公園大台ヶ原地区では、山の日制定と当公園の80周年・拡張を記念して、ガイドウォークイベント"神秘の森 荘厳の山 大台ヶ原を歩く"を723日、811日に実施し、928日にも開催予定です。このイベントでは3つのツアーが同日に行われます。ひとつ目は、地元ガイドが案内する西大台ガイドウォーク。ふたつ目は、地元ガイドが案内する東大台ガイドウォーク。そして、大台ヶ原自然再生推進委員会委員がガイドする自然再生ガイドウォークです。参加者は、事前に申し込んだツアーに分かれて各コースを回ります。今回は、811日の山の日に開催された2回目のイベントについて報告します。

 今回のイベントでは、全てのツアーが募集定員に達し、一部でキャンセル待ちが出るほどの人気でした。さらに当日は、初の山の日ということもあってか、ツアー参加者以外にもたくさんの方が大台ヶ原を訪れていて、駐車場および周回線歩道は大変な賑わいをみせていました。

 西大台ガイドウォークでは、利用者の立ち入りを制限している利用調整地区内のコースを回りました。参加者は、ガイドによる大台ヶ原と地元の人との関わりについての話や動植物の解説に耳を傾けながらブナやウラジロモミの原生的な森林が広がる神秘的な雰囲気を楽しんで下さったようです。

西大台の原生林(西大台ガイドウォーク)

 東大台ガイドウォークでは、ビジタ-センターから正木峠を通り、尾鷲辻(おわせつじ)・牛石ヶ原から大蛇嵓(だいじゃぐら)に立ち寄って、中道からビジタ-センターに戻るコースを歩きました。このコースの見所は、なんと言っても大蛇嵓の断崖絶壁です。当日は晴天で見晴らしが良かったため、大蛇嵓から谷をのぞき込んだ参加者はあまりの標高差に足がすくむ方もいたようです。

大蛇嵓(東大台ガイドウォーク)

 この日の自然再生ガイドウォークのガイドは、奈良教育大学教授で植物生態学・保全生態学がご専門の松井 淳先生でした。このツアーでは東大台を回りながら、環境省の自然再生の取り組みを松井先生から解説いただきました。参加者は、普段入ることができない防鹿柵の中に入り、柵の内外の植物の生育状況や種類の違いなどを観察していました。

正木峠の防鹿柵(自然再生ガイドウォーク)

 本イベントのもうひとつのお楽しみは、上北山村の地物を使った美味しくて豪華なお弁当です。内容は毎回変わるのですが、今回は、上北山村特産のゐざさ寿司やシカの焼肉、村内で採れたワサビを使った花漬け、イタドリの炒め物などが入っていました。ボリュームもたっぷりで参加者には満足いただけたのではないでしょうか。

 このイベントを通して、皆さんがもっと山に親しみ、環境保全に目を向けてもらえれば嬉しく思います。

  

※ 9月28日開催予定のこのイベントは、ご好評につき、すでに定員に達しました。

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