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アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

606件の記事があります。

2014年07月15日10年振りの全面開通!!

吉野熊野国立公園 吉野 杉本 正太

そして数ヶ月振りの日記更新です。
みなさんこんにちは!
しばらく日記が滞ってしまっていました、すみません。日記が滞っていた間色々な出来事がありました。あんなことやこんなことそんなことまで、めまぐるしい日々を過ごしておりました。そんな日々を思い出しながら日記を書いています。杉本です。

さて、さっそくですが大杉谷登山道が今年の4月に全面開通しました。
大杉谷登山道は三重県多気郡大台町の旧宮川村と奈良県上北山村の大台ヶ原を繋ぐ登山道で、平成16年の台風により光滝のあたりで大崩落をおこし、昨年までは七ツ釜滝~堂倉滝の区間が通行禁止となっていました。
しかし、今年度から大崩落箇所は写真のような巨岩の新名所として生まれ変わり開通しております。


巨岩の上を歩いたりよじ登ったりとスリリングな道となっていて、よく観察しながら歩かないと目印を見失ってしまいそうになります。

大杉谷は日本三大渓谷にも数えられており、大杉谷のコアなファンが全国にはたくさんいらっしゃるそうです。
実際に私も歩いてみて感じましたが、人々を虜にするのが納得できる美しい渓谷でした。


しかし美しい自然と険しい自然は表裏一体です。
大杉谷登山道は体力作りと登山計画をしっかり立て、安全に登らないと少し厳しいコースだな、とも実感しました。
岩肌が見えている道が特に雨が降るなどして濡れていると滑ってしまいそうです。大台ヶ原から下るルートよりも少し体力は必要ですが、宮川から登るルートの方が安全な気がしました。

そんな美しい大杉谷が10年ぶりに開通し、すでに多くの方々が訪れているそうです。また、開通とほぼ同時に、今年5月から大杉谷の国立公園としての所管が熊野自然保護官事務所から私のいる吉野自然保護官事務所に変更されました。
そこで、仕事始めに大杉谷の登山道入り口に写真のような登山者カウンターを設置させていただいております。


こちらの装置は、特別なにか操作は必要なく、単純に赤外線で装置の前を通った人を数える機械になります。登山者数の実態がわかることで、登山届けの提出率や登山中の事故率などが把握でき、登山道整備の基本計画や救助体制の検討などに役立てることができます。
登山者数の把握にご協力下さい。

といったところで今回はここまで。

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2014年03月12日なら生物多様性保全ネットワークに行ってきました。

吉野熊野国立公園 吉野 杉本 正太

みなさんこんにちは。先日の休日に七輪に火をおこして燻製をしました。炭を足す際に七輪の上の鉄板で軍手が溶けてしまい、溶けた軍手が手に付きました。未だに軍手の溶け跡が消えません。どうも、休日もアクティブなアクティブレンジャー杉本です。火傷は奇跡的にしていません。

冬期は山に行く機会がめっきり減ってしまい、事務所内でアクティブに仕事をしています。
ここ半月ほどの私は、奈良県が主催する「なら生物多様性保全ネットワーク」で展示するパネル作りに勤しんでいました。



このイベントは、生物多様性に関する運動や活動をされている団体が集まり、それぞれのブースでパネルなどを使って活動報告をするといったものでした。

吉野自然保護官事務所の展示ブースでは、大台ヶ原自然再生に関する資料を用意していきました。
①大台ヶ原の歴史と自然の変遷についてのパネルと自然再生計画の活動内容のパネル
②大台ヶ原の山岳模型
 大台ヶ原エリアに設置している防鹿柵の位置がわかるようになっています。
③イノシシとニホンジカの頭骨
 イノシシには下顎がないですが、インパクトは大なので、たくさんのお客さんに立ち止まって見てくれました。
④剥皮防止ネット
 シカによる樹皮剥ぎから樹木を守るために木の周りにぐるりと巻くためのネットです。
⑤吉野熊野国立公園のパンフレット類
 表紙が海の写真なので、吉野熊野国立公園って海あったの!?と驚かれる方が数人いました。
⑥トウヒの実生とコケとタヌキの頭骨が入った水槽
 コケの隙間からトウヒの実生が顔を出している雰囲気を再現してみました。



展示を見に来られていたお客さんは子供連れのご家族が多かったです。
子供にはやはり動物の頭骨が大人気でした。10分ぐらい微動だにせず、じーっと骨をただただ眺めている少年もいました。
これはなんの骨でしょうというプチクイズをしていたのですが、「恐竜!」と答える子供がやたら多くて何でかな~と考えていたら、別のブースで化石のレプリカ作りをされていたようで、その影響っぽかったです。

次に人気だったのは、山岳模型でした。
「なにこれ~?なにこれ~?」と目をキラキラさせながら質問し来た子供がとてもかわいかったです。

大人に人気だったのは、頭骨とパネルでした。
大台ヶ原に行ったことが無い人から自然再生について詳しく知っている人まで、いろいろな人が来られていて、その人にあった言葉を選んで説明していたので、私自身も理解を深めることができました。

普段は大峯山にかかる仕事が多く、自然再生については知らない事も多かったので、なかなか良い経験ができました。

と言ったところで今回はここまで。

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2014年02月19日出前講義で天川小学校に行ってきました

吉野熊野国立公園 吉野 杉本 正太

みなさんこんにちは。

最近、事務所内の席替えをしました。小学生の頃、席替えにはドキドキワクワクしたものです。その気持ちは大人になっても変わらないなぁと実感しました。どうも、席替えをして心機一転仕事に励みます。杉本です。

先日,天川小学校へ出前講義に行ってきました。

私は幼い頃、「木は木」「草は草」「虫は虫」と漠然と自然を眺めるだけで、それぞれ生き物の種名を調べたり覚えたりなどということは一切しない子供でした。そのせいか、いまだに種の同定は苦手です。

そんなバックグラウンドがあるので、動植物を観察する力を付けて欲しいと思い、今回の出前講義では自然観察会と、そこで観察した植物を使うゲームを用意していきました。

講義の流れは次のような感じです。
1 小学校の周りを一緒に歩いて自然観察をおこなう
2 写真上の記録帳の括弧の空欄に観察して見つけた特徴を書いてもらう
3 身近な植物の特徴を把握したところで、下の写真のようなカードを背中に付ける(本人は何のカードが付いているかわかりません)
4 お友達に「私の特徴を一つ教えて下さい。」と質問をして、聞き出した特徴から自分のカードに書かれている植物の名前を当てる(わかるまで同じ質問を繰り返す)


とまぁ、いろいろと準備をしていったのですが、当日は生憎の大雪。とても外を歩いて回れるような天気ではなかったので、室内でスライドを使って身近な動物を紹介し、動物バージョンで同じゲームをしました。



はじめの内は記録帳を何回も何回も見直して答えに辿り付く生徒が多かったのですが、回を重ねていく内に、少ない質問で答えがわかるようになっていました。中には1回質問しただけで「あっ、○○や!」と正解してしまう生徒もいたりしました。すごいですね。

昨年の出前講義では植物ビンゴをしました。早々にビンゴを終えた生徒達は各々遊ぶのではなく「先生、新しいお題ちょーだい」と、私が用意した以上にゲームを楽しんでくれる、やる気のすごい生徒ばかりでしたが、今年も「先生、答え分かったから新しいカード付けてぇ」と何回も来てくれる生徒がたくさん居て、私と小川ARの前にはカード待ちの行列ができるほどでした。天川小学校の子供達のやる気の高さには毎年驚かされます。

講義の最後には、「共生」をキーワードにたくさんの生き物がいる大切さや環境省の仕事について簡単に説明させていただきました。

今回の出前講義をふりかえってみて、私のもくろみであった「動植物の特徴からその種名を考える力」は養うことができたのではないかなと思っています。
なによりも、生徒達が楽しんで私の講義に参加してくれたことがうれしかったです。
来年もまた出前講義をすると思いますが、試行錯誤して楽しい講義にしようと考えています。

といったところで今回はここまで。

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2013年11月22日たぶん、2013年登り納めです。

吉野熊野国立公園 吉野 杉本 正太

みなさん、こんにちは!

先日、ハルザキヤマガラシという外来植物を一口食べてみました。
オランダガラシ(クレソン)と同じアブラナ科の植物なので、辛みのある味かな?と思っていましたが、とても青臭かったです。調べてみるとハルザキヤマガラシは食用にできるが、旬はそれこそ春先らしいです。あと、火を通さないとダメみたいですね。
どうも、食べられると聞いた物はとりあえず口にする、杉本です。みなさんは口にしないで下さいね。

さて、前回の日記では秋色とか書いていたのに、2週間も経たぬうちに雪が降り始めました。
そんな雪の中、今年も行ってきました、双門弥山線の巡視。双門弥山線とは上級者向きのコースで、ある程度健脚な人向けのコースとなります。
どんな登山道かについて詳しくは、昨年の日記をご参照下さい。昨年の日記はこちら→Link

急に気温が下がって雪が降ったので、山頂付近の樹には樹氷、そして遠景の山の中腹には紅葉が見えるという絶妙な景色を楽しむことができました。




この日は、登山道がハードなコースと言うこともあり、いつもとは違うカメラでの撮影の為、画質が少し荒いです。すみません。

巡視中に、一緒に来ていた天川村の方に、「さっきキリクチおったよ~」と教えてもらいました。
キリクチとはイワナ属の魚で一般的にはヤマトイワナと呼ばれている種類です。天川村や十津川村では、このヤマトイワナの地域変異種を古くからキリクチと呼んでおり、奈良県の天然記念物に指定されています。また絶滅が危ぶまれていることから、キリクチの生息地である弥山川は永年禁漁区に指定されています。なんでも2004年の調査では推定1000匹しか生息していないらしいです。

そんな珍しい魚、是非とも見てみたいと思い、川に目線を送ってみると、普通に泳いでいました。しかも4,5匹。


この日は、登山道がハードなコースと言うこともあり、以下略。

本当は、もっと暖かい時期に巡視をしたかったのですが相次ぐ台風により延期が続きまして、結局11月中旬に行くことになりましたが、禍転じて福となしたのか、いつもと違う風景が見ることができました。
同じコースの巡視であっても昨年と巡視を行う時期が異なると、やはり見えてくる自然も全然違ってくるものですね。
田舎で暮らしていると季節の移ろいに敏感になるようで、諸行無常の理とはこのことか!と一人で納得しています(たぶん間違ってます)。

みなさん、これからどんどん寒くなることが予想されます。登山を計画されている方は、防寒着等の装備の準備もお忘れなく!!

といったところで今回はここまで。

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2013年11月08日秋色の山

吉野熊野国立公園 吉野 杉本 正太

みなさん、こんにちは!

近頃空気が乾燥してきましたね。コンタクトレンズを着用している私には、少しツライ季節がやって参りました。今日も目がゴロゴロしています。どうもドライアイ杉本です。

10月の終わり頃に天川村弥山に行ってきました。
巡視する前に集めた情報によると、弥山山頂付近の早朝の気温は-2℃まで下がったそうで、今年はもう霧氷も観測されたとか・・・
もしかしたら雪が降るのでは?と危惧しておりました。
気分はもう冬山気分で巡視に行ってきました。

冬山気分での巡視だったので、紅葉は半ばあきらめていたのですが、まだまだ秋色の山々は健在でした。


黄色く染まる弥山登山口付近

弥山(1895m)や八経ヶ岳(1915m)は標高が高いので、さすがに紅葉は見られませんでしたが、巡視途中遠くに見える山々はまだまだ秋色に輝いておりました。


写真上:七面山
写真下:大普賢岳(手前の枯れ枝で少し見にくいですが・・・)

また前情報にもあったとおり、氷点下こそならなかったとは言え、弥山の早朝は大変冷え込みました。そのおかげか、八経ヶ岳からキレイな雲海が見られました。
弥山小屋に泊まり早朝から行動したご褒美ですかね。とてもキレイでした。


午前7時半の八経ヶ岳からの眺望。

弥山小屋の今年の営業は11月17日までを予定しております。あくまで予定ですので、天候等の事情により変更されることもあり得ますので、宿泊を考えられている方は気を付けて下さい。

といったところで今回はここまで。

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2013年10月21日山頂で山脈を見守るお釈迦様

吉野熊野国立公園 吉野 杉本 正太

みなさん、こんにちは!

10月初めまでは暑いぐらいの気候だったのに、最近はめっぽう寒くなりました。北海道ではもう初雪が観測されたそうで、秋の気配を感じぬまま冬の到来を控えています。
どうも、小さい秋を探しています、杉本です。

さてさて、先日の日記(⇒Link)で釈迦ヶ岳の記事を書きます!と言っておりましたが、今回がその記事になります。

釈迦ヶ岳となんだかとてもありがたい名前の山なので以前からずっと行きたいと思っておりました。そしてついに先日、弥山から大峯縦走線を8時間ぐらいかけて、念願の釈迦ヶ岳に行って参りました。

実は釈迦ヶ岳だけではなく、この近辺には畏れ多い地名や山の名前が多く存在します。


天狗に鬼に釈迦…すごいですね。

釈迦ヶ岳という名前の由来は諸説あるようですが、山の形が霊鷲山で説法している時の様態に似ている事からこのような名前が付いたとされているようです。
煩悩の多い私には、どこがどのように似ているのかよくわからなかったです。精進します。

この釈迦ヶ岳の周辺にはシラカンバが自生しているそうです。シラカンバってもっと寒いところに生育してそうなイメージでしたが奈良県内でも自生していることを知ってビックリです。まぁ巡視中はダケカンバしか見かけなかったのですが...


また、釈迦ヶ岳の頂上にはお釈迦様の像が建っています。このお釈迦様の像、結構な大きさのものなので、ヘリコプターで運んだのかな?と思って調べてみると、どうやら一人の男性が何往復もして担いで運んだそうです!!
世の中にはすごい人がいるものです。伝説ではなく実話だそうです。
この男性の名前は岡田雅行さんと言うらしいのですが、お釈迦様の像の裏側に小さく「岡田雅行獨力ニテ運搬セシ者也」と書いています。
みなさんも一度釈迦ヶ岳に登った際には探してみてはいかがでしょうか?

といったところで、今回はここまで。

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2013年10月08日真夜中の男だらけの儀式

吉野熊野国立公園 吉野 杉本 正太

みなさん、こんにちは!

もう10月だというのにまだまだ半袖で過ごせそうな日が続いております。そして、実際ほぼ半袖で過ごしています。しかしやはり10月です、朝晩は冷えます。
どうも、衣替えのタイミングを逃してしまいました、杉本です。

先月のことですが、戸閉式(とじめしき)に参加してきました。
戸閉式とはなんぞや?と思われる方も多いと思いますが、戸閉式の前にまずは戸開式(とあけしき)の説明からします。
戸開式とは、大峰山の護持院である龍泉寺・竹林院・桜本坊・喜蔵院・東南院と修験道の信者の代表として役講の岩組・光明組・三郷組・京橋組・鳥毛組・両郷組・井筒組・五流組の八つの講に洞川や吉野山の方々総勢200名以上が参列する儀式で、参列者達は午前3時に大峰山寺に集合し、今年度当番の護持院から役講へと大峰山寺の鍵を受渡しします。
その鍵は一尺以上もある(尺八が一尺八寸なので、尺八と同じぐらいの大きさ)巨大な鍵で、その鍵を持った人馬も含め色々な講の人馬が大峰山寺前の広場を駆け回り、大峰山寺の扉は開かれます。多くの信者が大峰山寺に流れ込み、国家安泰や五穀豊作、世界平和などを祈願し、夜明けを迎えます。

戸閉式も戸開式同様午前3時に多くの信者が大峰山寺に集合し、巨大な鍵を今年の当番の役講から来年度の当番の護持院に引き渡し来年度に控える儀式です。

そんな儀式に参加してきたのですが、当然午前3時に集合なので、保護官と私は戸閉式前日の午後9時頃からヘッドライトの明かりを頼りに真っ暗な登山道の中、大峰山寺を目指して歩いて行きました。信者さんの多くは前日の昼の内から大峰山寺まで登り、宿坊(修験者の方々の宿場。もちろん一般の方も利用できます)で午前3時まで休憩するそうです。

真っ暗な登山道途中にある茶屋の明かりが、なんだかとても暖かかったです。


真夜中の茶屋

日付が変わるぐらいに私たちは大峰山寺に到着したのですが、儀式は午前3時からなので、まだ人の気配は無く、しかしすることも無いのでその場で2人待機していました。9月とは言え、山の頂上で深夜ともなるとものすごく寒かったです。
ある程度寒さは予想できたので、防寒着を一枚多めに持ってきたものの、それを着てもまだ寒い、予備の雨具を更に着てもまだ寒い。完全になめていました。


真夜中の大峰山寺

ガタガタと震える二人は、我慢できず宿坊にお邪魔して、儀式の時間まで待つことにしました。

午前3時、こんなに居たのかと思うぐらい大勢の男性達が集まり、異様な雰囲気の中、いよいよ儀式が始まりました。先程まで寒かったのを忘れてしまうぐらい熱気むんむん。男気むんむん。


戸開式と戸閉式の時だけご開帳される役行者の秘仏もあり、とても神秘的で不思議な空間に包まれる儀式でした。
護摩焚も行われ、来年の戸開式までの国家安泰や世界平和などがご祈祷されていました。
今年度は戸開式に参加できなかったので、来年度は是非行きたいなと思いました。

といったところで今回はここまで。

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2013年09月20日七面山登山口調査

吉野熊野国立公園 吉野 杉本 正太

みなさん、こんにちは!

普段頻繁に山に入っていると普通は高い山を目指したくなるものですが、私の場合ある日突然低山登山もおもしろそうだなと思い始めてしまいました。日本で一番低い山と言えば大阪市港区にある天保山(標高4.5m)ですが、頂上まで登ればちゃんと登頂記録をいただけるそうですね。
どうも、一度本気の登山装備で天保山に登って登頂記録を頂きたい、杉本です。

低い山であれ、高い山であれ登山口から山頂までだけが、登山ではございません。登山口に到達するまでも登山行程の中で重要なファクターであります。
登山口まで安全にたどり着けるかどうかや、登山口がどのような状況であるかも知っておく必要があります。

というわけで、七面山登山口調査に行って参りました。
七面山は第四十五靡(靡についてはこちら⇒→Link)であり、山頂には金六という天狗がいて道を迷わせるといった伝説もあります。また七面山の南側露出した岩肌を七面嵓(しちめんのくら)と呼びますが、七面嵓は、釈迦ヶ岳(釈迦ヶ岳については近々AR日記で掲載予定)の西南にある古田森(ふるたのもり)に黒い霧がかかると、その中から魔物が出てきて人を連れて七面嵓に連れて行かれるという伝説もあるそうですので、登山される方は十分に気を付けて下さい。

さて前置きが長くなってしまいしたが、肝心の登山口調査の方はと言いますと、案の上車の行く手を阻む土砂が堆積しており、歩いて登山口を目指すこととなりました。

靴を脱いで谷を渡渉しなければならないポイントもあります。


写真上:行く手を阻む土砂
写真下:靴を脱いで渡渉する谷

谷を渡り、へたり込んで靴を履いていると、近くで「ボトッ!!」と何かが落ちてくる音がして、目をやってみると見たこともない虫が蠢いてました。


後から調べて分かったことですが、この子シャチホコガの幼虫のようですね。サナギになるとしゃちほこのように反るのでこのような名が付いたそうです。

そんなこんなで、2時間半ぐらい歩いてようやく登山口に到着しました。
今回は登山口調査での巡視だったので、登山口に着いたら引き返してしまいましたが、機会があれば七面山まで登りたいです。


といったところで、今回はここまで。

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2013年08月29日洞窟ってなんだかワクワクしますよね

吉野熊野国立公園 吉野 杉本 正太

みなさん、こんにちは。

今年の夏も終盤ですね。
みなさん、今年の夏をどう過ごされましたでしょうか?私はと言うと色々ありまして、怒濤の夏を過ごしました。色々ありすぎて魂が抜けかけています、杉本です。

さて先週のことですが、巡視途中に無双洞に行ってきました。


水簾(すいれん)の滝から無双洞を望む

大峰山系は石灰性の岩石が主体としている場所が多く、特に無双洞のある水太谷には白い岩をよく見かけます。
無双洞は岩の壁に大きな穴が上下に2箇所あいている洞窟で、上の洞窟は奥行きが百数十メートルもあるそうで、覗いてみてもヘッドライトで照らしてみても奥まで見ることができず、なんとも言えない好奇心が沸き立ちました。


百数十メートル続く上の穴

下の洞窟は奥行きこそ数メートルしか無いもののキレイかつ豊かな水がながれています。石灰性の岩石は水に溶けやすいので、奇抜な岩が形成されており、水流を少し下れば「水簾の滝」の瀑音が心地よかったです。


瀑音が心地よい水簾の滝

無双洞の水は地下水が噴き出しているものなので、夏場でも水温が低く休憩に涼むにはもってこいです。

暑い日がつづく今日この頃。山に行って涼んでみてはいかがでしょうか。

といったところで、今回はここまで。

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2013年08月13日夏の大台ヶ原自然観察会【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 小川 遥

 みなさん、こんにちは。吉野の小川です。
暑い日がまだまだ続いていますが、みなさんのお住まいはいかがでしょうか。
吉野も毎日暑く、昼ごはんとなると、お腹がへっていてもそうめんか冷麺かぶっかけうどんが食べたくなる日々です。
とかいいながら、夕飯には肉が食べたくなる今日この頃。
やはり暑さを乗り切るにはスタミナが必要です!
そして適度な運動と休憩、水分補給!

 というわけで(?)、夏休みに入り大台ヶ原にも親子連れをはじめ、多くの方が利用しに来られています。
残念ながら大台ヶ原では昆虫や植物、石等の採集や持ち帰りはできませんが、ここならではの動植物と風景を見ることが出来ます☆
夏休みの自由研究や絵日記、小旅行に是非どうでしょうか♪


 そんなオススメの大台ヶ原では、先日8月11日に、毎年毎回大好評のパークボランティアによる自然観察会が開催されました。
すばらしい青空の下、パークボランティアの話を聞きながら、4時間半ほどかけてゆっくりまわります。

【東大台上道 8月】

 雲もあまりない晴天で、大台ヶ原イチオシスポットのひとつ、正木峠ではこのように青と緑と白のきれいなコントラストを楽しむことも出来ました。

【東大台正木峠 8月】

 更にこの日は、なんと満員御礼!
20名の参加者の皆様に大台ヶ原を楽しんでもらうことが出来ました。
パークボランティアによるおもしろ楽しい解説もあり、より満喫してもらえたのではないかなと思います☆
まだまだこれからも数回予定していますので、興味のある方は是非お越し下さい♡


 そして、実は本日8月13日(火)付けの朝日新聞朝刊で、大台ヶ原の特集が掲載されました!
大台ヶ原の紹介に加え、6月9日(日)に開催したパークボランティア観察会の様子も載っております。見落としたかな、という方は是非もう一度探して読んでみて下さい☆

 
 そんなこんなで大盛況の大台ヶ原。
しかし、大台ヶ原は市街や麓の村と比べると気温が低い場所ではありますが、このような晴天では山といえども日差しはきつく暑い日もあります。
また、山の天気は変わりやすいもので、急な雨が降ることもあります。みなさん、来られるときは熱中症対策、雨具の用意、そしてこまめな水分補給と休憩をお忘れなきよう、大台ヶ原を楽しんで下さい。


 なお、今年度はパークボランティアによる観察会をあと1回,
私達アクティブ・レンジャーによる観察会をあと2回予定しております。
(8月24日のアクティブ・レンジャー観察会は満員となりました。ありがとうございます。)
気になった方は下のURLをクリック☆


・パークボランティア自然観察会「★大台ヶ原自然観察ハイキング★」
日時 :10月6日(日) 10:30~15:00(当日に適したプログラムを行います)
内容 :大台ヶ原で活動するパークボランティアが一緒に歩きながら、見どころや季節の動植物をご紹介します。
参加費:100円(保険代として)
HP   :http://c-kinki.env.go.jp/to_2013/0808a.html

・アクティブ・レンジャー自然観察会「大台ヶ原の森でハイキング」
日時 :8月24日(土)(満員御礼)、9月21日(土)
 10:30~15:00(当日に適したプログラムを行います)
内容 :吉野熊野国立公園で働くアクティブ・レンジャーが一緒に歩いて、大台ヶ原の動植物や環境省の取り組みを紹介します。
参加費:100円(保険代として)
HP  :http://c-kinki.env.go.jp/to_2013/0701c.html

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