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アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

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2008年01月07日新年のご挨拶と今年の抱負【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

2008年がスタートしました!!

 皆さん、明けましておめでとうございます。
本年も吉野熊野国立公園大峯地域を中心とした管内の自然情報を情緒豊かにお伝えできればと思っています。引き続きどうぞよろしくお願いします。
                              木谷 昌史
  





写  真 : 初日の出をイメージした朝日の写真
撮影場所 : 日出ヶ岳(奈良県上北山村大台ヶ原)
撮影日時 : 10月21日
コメント : 朝日はいつ見てもよいものですね

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2007年12月21日日出ヶ岳からの【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

アクティブ・レンジャー日記を読んでいると「師走」、「冬至」、「年賀状」などの季語が出てくるようになりましたね。今年も暮れがだんだんと近づいてきていることをひしひしと感じます。

さて、吉野熊野国立公園大台ヶ原には100名山に指定されている日出ヶ岳(1695m)があります。大台ヶ原ドライブウェイを上り、山上駐車場から徒歩30~40分で行ける100名山の中で、最もアクセスの良い山かもしれません。(アクセスが良いと行っても、山道を歩くので、ハイキングに適した装備が必要です。)

山頂には展望台が設置されており、西には勇壮な大峯山脈が、東には優美な太平洋が望むことができ、そこからの眺めは最高の一言です!

そんな日出ヶ岳から、少し気分は早いですが、めでたい日の出の写真をご紹介します。

熊野灘を望む(撮影:2007.11.24)


一本のトウヒ(撮影:2007.11.24)
まるで日の出を静かに眺めているよう。
空を彩る光のグラデーション。優しい光は心と体に染みわたりました。

今年も残すところ僅かとなりましたね。吉野自然保護官事務所釜田・木谷の日記更新は今年最後となります。お世話になった皆さま、日記を読んで下さっている皆さま、本年はどうもありがとうございました。
みなさん、良いお年をお迎え下さい。
(今年のアクティブ・レンジャー日記の更新は28日までです。)

※来年4月22日まで、大台ヶ原に通じるドライブウェイは冬期通行止めとなっておりますのでご注意下さい。

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2007年12月17日12月、大峯季節だより【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

 皆さんこんにちは!
冬至に近づくにつれて日の暮れるのが短くなり、毎日のお星様との会話が楽しみな吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です☆彡



写  真:カエデの落ち葉
撮影場所:七曲り坂(奈良県吉野町)
撮影日時:平成19年12月12日



さて、12月は半ばが過ぎていよいよ後半に突入します。年賀状もそろそろ書き終わらせたいところですが、その前に12月の大峯の季節をお伝えしたいと思います。

-気候-
12月初頭に強い寒波に見舞われ、標高の高いところで霧氷が見られたそうです。その後、気温が極端に下がることはなく穏やかな日が続いています。

-12月の平均気温-
・2.6℃ 気象庁HP参照(平成17年:上北山村)

-日の出・日の入-
・日の出:6時分57 日の入16:48時分

※山間地では山に囲まれているため上記の時刻より日が早く沈むので注意して下さい。

-服装-
・まだ積雪はないようです。ですが万全の寒さ対策が必要でしょう、防寒ブーツがあると足がキンキンにならずにすむので快適に過ごせると思います。




-植物-
写  真:ナンテンの実
撮影場所:七曲り坂 (奈良県吉野町)
撮影日時:平成19年12月12日

-これから山に出かける方へ-
峠付近や山の北側の道では凍結しているところがあります。そろそろスタッドレスタイヤやチェーンの準備をお忘れなく!!

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2007年12月14日森のスポンジ【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

鬱蒼とした森。その主要構成員がコケです。大台ヶ原には数百種類ものコケが分布しているようで、大台ヶ原で初めて見つかったような固有種も数種類あるそうです。今日は、大台ヶ原でよく見られるコケを紹介します。


セイタカスギゴケ(撮影:2007.12.12)

大台ヶ原を歩くと、まず目に入ってくるのがこの苔です。もっともポピュラーな種類です。密生して分布し、鮮明なグリーンが印象的です。夏頃から風船のような白い胞子を付けます。ボリュームがあり押さえつけると適度な反発があり天然のクッションのよう。


ユミゴケ(撮影:2007.12.12)

葉が細いのが特徴的で、触ると何本かの葉(近くによってじっと見ないとわからないくらい細い)が指に付くようなデリケートな苔です。絹のようなさらりとした触り心地。


コケの一種(撮影:2007.12.12)

名前がわからなかったのですが、とてもユニークな苔なので紹介します。まるでキツネの尻尾を何百も集めて作ったよう。見た目そのままで、ペットをなでているようなソフトな触り心地。

このような苔たちは、雨やら霧やらの多い大台ヶ原の水分をしっかりと吸収して、亜高山帯針葉樹であるトウヒやウラジロモミの種が育ちやすい環境を作っています。
今日はコケをご紹介してきましたが、みなさんも機会があったら是非観察してみてください。

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2007年12月12日12月の吉野山【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは!
 最近頭を丸め、年明け前に一足早く気持ちを一新したアクティブ・レンジャーの木谷です。本格的な冬の訪れが来て風邪をひいてしまわないか心配ですが… 



写  真:残り少ない紅葉
撮影場所:奈良県吉野町七曲り坂
撮影日時:平成19年12月12日




写  真:青空と車道
撮影場所:奈良県吉野町七曲り坂
撮影日時:平成19年12月12日




写  真:小山
撮影場所:奈良県吉野町七曲り坂
撮影日時:平成19年12月12日


今の吉野山では紅葉も残りわずか、路肩には落ち葉がたわわに積もっています。葉っぱをおとした木々の間からは青空が広がり、歩道が日に日に明るくなっていくのがわかります。
 12月の吉野山ではもうしばらく、さっぱりとした景色に優しい冬の風情を感じることができるでしょう。


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2007年12月06日昔と今【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

みなさんこんにちは。
突然ですが、間違い探しです!
下の2枚の写真で違うところはどこでしょうか?

撮影:1997.10.29 防鹿柵を設置して1年後

撮影:2007.11.7 防鹿柵を設置して11年後

答えは、ササ(ミヤコザサ)の背丈が柵の左側で高いでした。
(↑一目瞭然)
この写真は同じ場所で撮影したものです。
現在では柵内(左側)で見通しがきかないほどにササが繁茂しています。ここ10年間で柵の内外の状況が劇的に変わっているのがわかりますね。自分自身この違いには驚きました。大台では、シカはこのササを主食にしているのですが、この写真はシカの採食圧を如実に物語っています。

このように大台ヶ原では、景観の変化を調べるために定期的に定点撮影をおこなっており、先月数十箇所の撮影を行ってきました。自然がどのように変わっているのかを確かめるべく、今後も撮影を続けていきたいと思っています。

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2007年12月05日大峯の山々①【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さん、こんにちは!
午後はポカポカ暖かい吉野事務所より日記を書いています。
 
冬期は野外に出掛けることが少なくなってしまい、生の情報や写真をご紹介する頻度がどうしても少なくなってしまいます。ちょっと寂しい気がしますがせっかくなので、その期間を利用して春季~秋季に紹介できなかった大峯の山々をご覧いただきたいと思います。
 今日ご紹介するのは稲村ヶ岳の北方にある大日山(標高1689m)。そびえ立つ山の形は見る者に強い印象を与えてくれます。
 



撮影場所:山上辻付近
撮影日時:平成19年11月14日





撮影場所:大日のキュレット
撮影日時:平成19年11月14日





撮影場所:念仏山付近
撮影場所:平成19年7月24日

付近の山からも比較的容易に確認できるので探してみてはいかがでしょうか?



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2007年11月30日霧のマジック【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

 みなさんこんにちは。吉野山では現在紅葉が見頃を迎えており、カエデの鮮明な赤と透き通った空が季節を感じさせます。すでに大台ヶ原で紅葉を堪能していたので、紅葉が2回も見られるのが少し不思議な感じです。

その大台ヶ原はすでに真冬。気温も日中で零下を下回ることもあり、樹木は葉を落とし動物もひっそりと息を潜めているようで森は静まりかえっています。そんな時期になると大台ヶ原では、時にすてきな現象が見られます。
 それが霧氷(むひょう)です。


ドライブウェイ沿いの霧氷
(撮影:2007.11.23)

霧氷とは、樹木の表面に水蒸気や過冷却水滴が凍結してできる白色・不透明の氷層(広辞苑より引用)だそうです。大台ヶ原は地形上、水分を多く含んだ風がながれ、それが冷やされて木々の枝に当たり霧氷になるようです。
 近くに寄ってみると、

枝の片側に氷がびっしり
(撮影:2007.11.23)

風が吹いている方向に氷が積み重なるように付いています(見にくい写真ですいません)。
この霧氷、気温が上がると氷が溶け始め、パラパラと雪のように落ちてきます。それが太陽の光に反射し、キラキラと宝石のように見えるときもあります。
 先週の週末は、大台ヶ原の辺り一面に霧氷が見られ、その景色をカメラに納めようとしている利用者で賑わっていました。秋はもみじ狩り、冬は霧氷狩りというのもいいかもしれません。

※お知らせ
さて、今日で11月も終わりですが、大台ヶ原へ通じるドライブウェイも本日で冬期通行止めとなります。自家用車やバスでの入山はできませんのでご注意下さい。なお、来年4月22日の15:00から通行止めが解除されます。

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2007年11月22日シカの身だしなみ【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 釜田淳志

こんにちは。2週間ぶりの日記更新ですが、その間に大台ヶ原では広葉樹がすっかり地面に葉を落とし、冬に向けての準備を終わらせようとしています。雪が積もったり、木々に霧氷がついたり、秋から冬へと様変わりしています。

先日、東大台に入り日も暮れかけの頃、立派なオスジカに出会いました。


撮影日時:2007.11.7 
撮影場所:正木ヶ原
全長約1.5m。体毛は黒く(冬毛)存在感がある。

その日の調査も終わりに近づき最後の調査地点へと移動するところで、ふと気づいたら20mくらいの距離にシカが佇んでいました。周りに人がいない静まりかえった中で、オスジカと二人(?)っきり。普段はヒトが近づくと警戒して逃げてしまうのですが、繁殖期だからなのか悠々としていました。
そこで写真を撮るためにじっと観察をしていたら、とてもおもしろい行動をはじめました。

木に向かって角をあげて…

当てるように擦る。
このあと、角の横側を木の幹に数回擦りつけていた。

これは繁殖期のオスの習性で、大台では何種類かの木でこの角研ぎの跡が見られます。一般的にこの角研ぎ行動は、雄同士の闘争に備える意味や、なわばりを示すマーキングの意味、そして角を立派に見せ魅力を高め他の個体にアピールする、いわば身だしなみの意味などを持っているそうです。

その後オスジカはひとしきり角を研いで、近くのササを食べてどこかへと立ち去って行きました。メスの所へ行ったのでしょうか。静かな大台で、「野生」にふれあえた貴重な出会いでした。

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2007年11月20日落ち葉のマジック【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは!
 今日の吉野は雨模様。低気圧のせいでしょうか?気持ちがふさいでしまいそうな一日でした。
 標高の高いところでは雪が舞っているそうで、事務所の車もスタッドレスタイヤに履き替え始めたところです。

【遭難注意!】
今、山では積もった落ち葉によって道が隠れています。しかも気温が落ち込んで人通りも少なくなっているため踏跡もわからなくなってきています。
 道に落ち葉が積もっている様子写真に納めたのでご覧ください!道が消えていることがよく分かります。






写  真:落ち葉が積もった登山道
撮影場所:小坪谷の登山道(奈良県天川村)
撮影日時:平成19年11月8日

 お恥ずかしい話、自分で撮った写真なのですが道がどこだったか忘れてしまいました。
(たぶん、赤のライン*下の写真だったと思うのですが・・・)
いざ山中で迷ったときやルートに違和を感じたときはためらわずにわかる道まで戻ることをお勧めします!お互い気をつけましょう。

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