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アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

606件の記事があります。

2010年08月19日源流の森 【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
吉野では夕立さえ降らない暑い日が続いていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
 8月10日に「吉野川源流-水源地の森」観察会が開催され、講師として参加してきました。この観察会は、「川上村地域づくりインターン事業」の一環として行われているもので、様々な大学から大学生や大学院生が参加していました。
 観察会を行った場所は、川上村三之公にある水源地の森です。この森は川上村が管理しており、環境保護の為、一般の方の立入は禁止されています。

写真:左)森の入口で説明 右)現在の林業についての話(ともに8月10日撮影)

 森に入る前に、川上村に伝わる昔話や森林管理の説明を、森と水の源流館の木村全邦さんにしていただきました。「最近川上村の至るところにヤマビルが出るようになった。三之公にももちろんいるよ。」という話を木村さんから聞いていたので、準備万端(?)でのぞみました。

写真:左)突然現れたヤマビル 右)私の足に付いたヤマビル(ともに8月10日撮影)

当日はあいにくの天候でジメジメしていたので、きっと会える!と思っていた矢先、出会うことができました。地面を尺取り虫のように動いている様が少し可愛く見えてしまいました(実際は動物の血を吸うまったく可愛くない生き物なのですが)。この日は多数のヤマビルが徘徊していて、時々気が付くと、私の靴やカッパにも上ってきていました。しかし、ヤマビルの多く出るこのような天気だったからこそ、瑞々しい植物たちで溢れる源流の森らしい姿を見ることができました。

写真:雨降る源流の森(8月10日撮影)

 今回の源流の森での観察会で、源流の森を大切にする理由や生物多様性について伝えることができ、私自身も生物多様性について改めて考え直す良い機会となりました。参加された大学生・大学院生の皆さん、木村全邦さん、協力して下さった皆さん、どうもありがとうございました!

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2010年08月16日大台ヶ原自然観察ハイキング【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 8月13日、大台ヶ原でパークボランティアさんによる自然観察ハイキングが開催されました。



 案内のボードは、私とボランティアさんの力作です!!
 しかし、なかなか参加者は現れず・・・放送で呼び込みをしようと私が席をたった途端に、なぜか参加希望者が続々と来られました。嬉しいやら悲しいやら。



 参加者の中には、夏休みの宿題のために自然の勉強を!という子供達も。ガイドを務めるボランティアさんの説明を聞き、熱心にメモをとっていました。



 目の前に姿を見せた野生のシカにも大興奮です。
これは大人のシカ?子供のシカ?どんなふうにシカは鳴くの?色々な疑問にガイドのボランティアさんが答えます。

 参加者の皆さん、ボランティアの皆さんどうもありがとうございました!

 夏休みの観察会が終われば、次は秋の観察会です。皆様のご参加、お待ちしております。

■大台ヶ原自然観察ハイキング■
☆大台ヶ原地区パークボランティアがご案内します☆

日時:平成22年10月10日(日)10:30~15:00
※当日の状況によって変更される場合があります
コース:東大台周遊コース(コース内容は相談できます)
持ち物:雨具・お弁当・水筒・山歩きに適した服装
費 用:100円(保険代)
お問い合わせ:吉野自然保護官事務所(担当 青谷)TEL: 0746-34-2202
 

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2010年08月11日大台ヶ原の朝の楽しみ方【利用・施設】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 富士山から朝日を見るのは有名ですが、大台ヶ原でも朝日を見にいくと、必ず何人かの方に出会います。それだけ、山から見る朝日には特別な魅力があるのでしょうか。
 大台ヶ原で朝日が見えるポイントは、山上駐車場から歩道を歩いて30分ほどの日出ヶ岳周辺です。

 この日、日の出の時刻は午前5時頃。15分前到着を目標に、目的地を目指します。


 
 日出ヶ岳付近のテラスから。水筒にホットコーヒーや紅茶を入れて持っていきましょう。
朝日を見ながらのモーニングティーは格別です。


 
 太陽が水平線から昇ります。澄んだ空気を彩るように鳥たちの朝の挨拶がこだまします。


 
 すっかり明るくなると、朝日を浴びたオニクワガタが姿を現しました。

 私はこの大台ヶ原を担当して3年目になりました。見慣れたはずの風景が、魅力的に光を放つ瞬間を見ることが多くなりました。

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2010年08月09日夏の虫をしらべよう 【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
8月7日に奈良県川上村にある「蜻蛉の滝(せいれいのたき)」で森と水の源流館主催の「吉野川紀の川しらべ隊 夏の虫をしらべよう」が行われました。
前回の観察会(※)と同様に、昆虫生態写真家の伊藤ふくおさん、森と水の源流館の木村全邦さん、そして私が講師となり、橿原市昆虫館など多くの方々の協力のもと、実施されました。
(※)2010年3月18日「蜻蛉の滝よろず観察会 【イベント】」をご参照下さい。
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2010/03/18/index.html

写真:左)受付風景 右)オキアミトラップ(赤丸内)(ともに8月7日撮影)

 上の右写真の赤丸内には、釣りのエサとして使う「オキアミ」が置いてあります。これは、森と水の源流館で前日から設置していたもので、当日は非常に香しい匂い(?)が辺りに漂っていました。この香しい匂い(?)に誘われて、ハエやハネカクシ、シデムシ、チョウがやって来ており、参加された皆さんと観察することができました。

 前回の観察会(※)は早春(冬のような寒さでした)だったので、寒さに耐えている昆虫たちを念入りに探して見つけましたが、今回は活発に動き回っていたので、たくさんの昆虫を見つけることができました。

写真:左)ススキ葉上のクロコノマチョウ(ジャノメチョウ科)の幼虫 右)帽子にとまったオニヤンマ(ヤンマ科)

参加された方々、特に子どもたちはとても昆虫に詳しく、捕まえた昆虫の名前を聞いてみると、すぐに答えが返ってきました。昼休み中にも「早く虫を見つけに行こう!!」と声をかけてくれる子もいて、昆虫に興味を持ってくれているようでした。自然とふれあう機会が減っていると言われる今日、自然に興味を持っている子どもたちを見て、非常に嬉しく思いました。
午後からは滝の周りを歩き、森の中で観察を行いました。森の中ではあまり昆虫を見つけることができませんでしたが、毎度おなじみ(?)オオゴキブリには何とか出会うことができました。森の中では木村さん指導の下、「ウラジロ」というシダを使って、「ウラジロ飛行機」を飛ばして楽しみました。

写真:左)「ウラジロ飛行機」の説明をする木村さん 右)ウラジロを飛ばす子どもたち

今回の観察会は、身近なところにもたくさんの生き物が生息していることに気付き、それら生き物同士のつながりについて考えるきっかけになったのではないでしょうか。私自身も思わぬ昆虫を目撃し、生き物同士のつながりの奥深さを改めて考えることができました。

今回の観察会に参加してくださった皆さん、伊藤ふくおさん、木村全邦さん、ご協力いただいた皆さん、どうもありがとうございました!!

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2010年08月06日イベントづくし【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 夏休みが始まって、吉野自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーはイベントが仕事の中心になりました。大台ヶ原の場合は、アクティブ・レンジャー観察会の案内人や、探索に来られる団体の方の講師などを務めます。
 イベントが多いのは良いこと!なのですが、ここは雨の多い大台ヶ原。雨の中、森を散策することもしばしばです。


 8月4、5日と2日間にわたって和歌山県から大台ヶ原を訪れた子供達22名。毎年企画されている大台ヶ原探索のイベントです。
 前日からの雨にも関わらず、元気いっぱい。森の中でも賑やかな声が響いていました。カッパを着て、雨の中を元気よく歩いていると、なんだか心が解放された気分になります。


 写真は雨のしずくと、水気をおびた蜘蛛の巣。雨が降ってこそ出会えるものもあります。


 ちょうど子供達が大台ヶ原を去った頃に、雲が舞い上がるような雨上がりの雄大な景色が広がっていました。

「みんな、これ見えたかな~?」

来年もまた来てくださいね!

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2010年08月02日大峯百選 其の拾 【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
今回は、またまた忘れた頃にやってくる(?)「大峯百選」です。今回でようやく10分の1になりました。記念すべき「其の拾」は、大峯を代表する花「オオヤマレンゲ」についてお伝えします。

 「オオヤマレンゲ」は、1895年に大峯を調査していた白井光太郎博士によって発見されました。そして1928年には、弥山のオオヤマレンゲ自生地が国の天然記念物に指定されています。

写真:オオヤマレンゲ(モクレン科)開花時期:6月下旬~7月

 今の時期、花はすでに終わっていますが、もう少しするとオオヤマレンゲの将来を担う真っ赤な種子を見ることができます。

写真:左)たくさん実った種子 右)苔や石の上に落ちた種子(赤丸内)

 このオオヤマレンゲは、近年まで弥山・八経ヶ岳だけでなく稲村ヶ岳周辺にも群生していたようですが、増え過ぎたニホンジカの食害などにより、ずいぶんと数が減ってしまいました。

写真:オオヤマレンゲの実生(みしょう)

 以前の日記(※)でもお伝えしたように、環境省ではこのオオヤマレンゲを保護するための対策を行っています。実生とは『「実」から「生」まれる』とあるように、種子から発芽した個体のことです。この実生が元気に生長し、いつの日かあの美しい花を咲かせることができるよう、見守っていきたいと思います。皆さんもこの実生を踏んでしまわないように、歩道の外へは立入らないようご協力をお願いいたします! 
(※)2009年6月30日 「天女花 【利用・施設】【植物】」をご参照下さい。
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2009/06/30/index.html

!お願い!
大峯の山々は、吉野熊野国立公園の中に位置しています。国立公園の中では、より良い自然を守るため、「とる」のは写真のみにしていただき、花、種子、実生など植物の保護にご協力をお願いいたします。

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2010年07月30日夏の吉野川 【その他】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
暑い日々が続いていますね。吉野でも、朝早くから強い日差しが照り付けています。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

 さて今回は、吉野自然保護官事務所の近くを流れている「吉野川」についてお伝えします。「吉野川」は、奈良県・和歌山県の両県を流れる一級河川で、奈良県内では「吉野川」、和歌山県内では「紀の川」と呼ばれ、名前が2つ付いているちょっと変わった河川です。

写真:吉野川(紀の川)の看板

 奈良県は山々に囲まれ、海に面していません。そのため、7月第3月曜日の祝日「海の日」を、「奈良県山の日・川の日」として条例で定め、山や川の重要性をより深く考えようと、イベントなども行われています。奈良県では夏になると、海水浴場ではなく河原が賑わいます。吉野自然保護官事務所近くを流れる吉野川河川敷も、夏になるとバーベキューや遊泳の人々がたくさん訪れます。

(※)シーズンを過ぎた河川敷では、とてもゴミが目立ちます。河原で楽しまれた後は、思い出と一緒にゴミもお持ち帰りいただくよう、ご協力をお願いいたします。

写真:賑わう吉野川河川敷(休日にはたくさんの人々が訪れます。)

 吉野郡では、川の水が綺麗な場所がたくさんあります。また、水だけでなく、周りの山々にも目を向けていただければ、より涼しさを感じられると思います。皆さんもこの暑い季節に、吉野郡の山と川を満喫しに来られてはいかがでしょうか。

 !!ご注意!!
 吉野川(吉野町宮滝付近)では、毎年水難事故による死亡者が出ています。準備運動なしでの急な飛び込みなど、危険な行為は避けていただき、水場へ行かれる際は十分に注意していただければと思います。

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2010年07月22日登山者カウンター(大台ヶ原Ver.) 【利用・施設】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
最近良い天気が続いていますね。天気が良いとすっきりして気持ちが良いのですが、全国的に起こっている熱中症には十分お気を付け下さい!

 本日、登山者カウンターの点検などを行うため、大台ヶ原に行ってきました。

写真:カウンターの写真 左上)シオカラ谷方面 右上)上道 下)中道

登山者カウンターは、上の写真にあるように、シオカラ谷に下りる分岐、上道、中道の3ヶ所に設置しています。この3基のカウンターは、今年の4月から稼働しており、以前の青谷AR(アクティブ・レンジャー)の日記(※)にある入山者カウンターに代わってデータを集めています。より正確なデータとなるよう、カウンターの前では一列での通行にご協力をお願いいたします!
(※)青谷ARの2009年8月19日 「大台ヶ原の入山者カウンター【利用・施設】」をご参照下さい。
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2009/08/19/index.html

 本日も天気が良かったため、「大台ヶ原でちょっと涼めるかも!」と思っていたのですが、照りつける直射日光はどこも同じで、強い日差しが降り注いでいました。しかし、木陰に入った途端、「やはり大台ヶ原だ」と思える爽やかな涼しさを感じることができました。また、好天に恵まれたため、様々な生きものや素晴らしい景色を見ることができました。

写真:左)動物の糞から吸汁中のヒカゲチョウ(ジャノメチョウ科) 右)コエゾゼミ(セミ科)(ともに7月22日撮影)


写真:清々しく晴れ渡った正木峠(7月22日撮影)

 今回の日記を見て「あれ?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、吉野自然保護官事務所のARには、とても広い吉野熊野国立公園でそれぞれ担当する地域(青谷ARは大台ヶ原地区、私は大峯地区)があります。しかし、すべての仕事を担当地域で分けているのではなく、AR同士で協力しながら行っているものもあります。私は大峯地区だけではなく、大台ヶ原でも仕事をする機会に度々恵まれるのです!

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2010年07月16日前鬼三重滝 【利用・施設】

吉野熊野国立公園 吉野 朝倉和紀

 皆さん、こんにちは。
前々回の日記(※)でもお伝えしたように、6月30日に前鬼三重滝線歩道の巡視に行ってきました。梅雨時期ということもあり、天候が心配でしたが、何とか好天に恵まれました。
(※)2010年6月23日 「大峯百選 其の玖 【その他】」をご参照下さい。
http://c-kinki.env.go.jp/blog/2010/06/23/index.html
その日が好天に恵まれたとは言え、前日までに降った雨による前鬼川の増水が心配でした。前鬼川が増水すると、小仲坊と三重滝までの間にある「垢離取場」が渡れなくなり、三重滝まで辿り着けなくなるからです。しかし、思ったほど増水しておらず、無事に前鬼川を渡ることができました。

写真:思ったほど増水していなかった垢離取場(6月30日撮影)

 しかし、この前日までの雨のおかげで、三重滝はとても見応えがありました。

写真:三重滝

 「湿度の高い日にはヤマビルが出る」場所なので、準備万端で望んだのですが、結局一匹も見ることはありませんでした。しかし、「湿度が高い日」だったので、いつもの(?)ナガレヒキガエルに加え、タゴガエルにも出会うことができました。また、青い空の下、緑の中にひっそりとテイカカズラの花が開花していました。

写真:左上:ナガレヒキガエル 右上:タゴガエル 下:テイカカズラの花(すべて6月30日撮影)

 大峯地区は、水が豊かな場所でもあり、沢を渡る場所が所々にあります。増水によって下山できなくなることもありますので、前日の雨、当日の夕立などによる急な川の増水には十分気を付けていただきたいと思います。

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2010年07月13日大台百景21・22「大台ヶ原ドライブウェイから②」【利用・施設】

吉野熊野国立公園 吉野 青谷咲子

 前回に引き続き、大台ヶ原ドライブウェイから、秋と冬の景色をご紹介します。
(前回って?という方は7月5日の日記をご覧ください)


21. 秋の夕日
 紅葉に焦点があてられがちな大台ヶ原ですが、空が透明すぎて思わず寂しくなってしまう、秋の夕日もお勧めです。影絵のような山の尾根筋のシルエットもお楽しみください。


22. 雪化粧
 あれは南アルプスか?いや、大峯山脈か。白く積もった雪が、大峯山脈の険しい岩肌を浮き立たせています。

 こうしてみると、季節や時間、気象条件によってその景色が大きく変化していることがわかります。四季を通じて、同じ国立公園を訪れるとまた新しい発見があるかもしれません。

・・・でも違う国立公園もまわりたい!
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ただ今、「全国自然いきものめぐりスタンプラリー」開催中です↓
公式ホームページURL:http://www.ikimono-meguri.go.jp/
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※ご注意※
せっかくの絶景ですが、車でお越しの場合はよそ見運転にならないよう、くれぐれもお気を付けください。


大台近況:まだ里に下りる前の、まだ色が赤くない「アキアカネ」が飛び回るようになりました。

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