ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 熊野

355件の記事があります。

2010年07月21日森のレストラン 【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 森の中には虫たち行きつけの24時間営業のレストランがあり、夏真っ盛りの今、盛況を博しています。

 コナラの樹液に集まった虫たち

上:カナブン コガネムシ科
下:ゴマダラチョウ タテハチョウ科

 コナラやクヌギ等の樹液は、カブトムシ、クワガタムシ、カナブン、ハチ等々、多くの虫をひきつけます。写真を撮影していると、カナブン同士で場所の取り合いをしていました。いくら無料とはいえ、座席の確保は大変なようです。
きっとこのような樹木は、虫たちにとって欠かすことのできないレストランなのでしょう。

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2010年07月15日「ゆかし潟観察会~ひがたの生き物うおっちんぐ~」開催 【イベント】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 今年は国際生物多様性年です。

 生物多様性に関する過去の日記はこちら:http://c-kinki.env.go.jp/blog/2010/02/04/index.html
 生物多様性についての詳細:http://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/index.html

 国際生物多様性年に関連して、イベント「ゆかし潟観察会 ~ひがたの生き物うおっちんぐ~」を7/10(土)に開催しました。

 ゆかし潟は川からの真水と海水が混じり合う汽水湖です。観察会は、このゆかし潟と海を繋ぐ川の河口付近で開催しました。

まずは植物観察から。

(上:ゆかし潟の植物群落、左下:ハマボウ、右下:フクド)

 写真(上)は干潮時です。満潮時には多くの植物が水に浸かってしまう場所で、ハマボウやフクド等の海浜植物が生育しています。

 次は川の動物観察です。

観察風景

子供たちは元気いっぱいで、胸のあたりまで水に入りながら、ハゼなどの魚たちを追いかけ回していました。


解説風景

 ゴマハゼ、ビリンゴ、チチブ、サツキハゼなど、ハゼの仲間が多数確認されました。

 子供たちから「こういう環境って大事なんだね。」との声が聞かれ、生物多様性への関心のきっかけになったのではないかと思います。

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2010年07月07日緑のカーテン 【植物】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 今日は七夕で、二十四節気の小暑。暦通り先日からセミの合唱が聞かれるようになり、本格的な夏の到来を迎えたように感じます。

 さて、和歌山県那智勝浦町に位置する宇久井ビジターセンターでは、暑い夏を涼しく乗り切ろうということで、窓の外に設置したプランターにゴーヤの苗を植えました。

ずいぶん成長し、花が咲き始めました。

 ツル性の植物で壁面や窓を緑化する壁面緑化は、日差しを和らげ、植物の蒸散によって周辺の温度を下げる効果があるといわれています。近年、緑のカーテンとも呼ばれる壁面緑化の取り組みが日本各地で行われています。

 このゴーヤたちが夏の暑さを和らげてくれることを期待しながら、今後の生長を見届けていきたいと思います。

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2010年07月01日エコツーリズム講演会 【その他】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 三重県の南部にある御浜町は年中みかんがとれる町です。同町は、「地域独自の自然や歴史・文化などを守り育てながら、観光等に結びつける事で地域に誇りをもち、地域の活性化に繋がる仕組み」としてエコツーリズムを活用し、環境省とともに前年度より取り組んでいます。
エコツーリズムや1月の検討会について:http://c-kinki.env.go.jp/blog/2010/01/06/index.html

 去る6月29日、ホールアース自然学校を運営されている広瀬敏通氏をお迎えして、エコツーリズムに関する講演会を開催しました。地元や行政機関の方々が出席して下さいました。



 広瀬さんは国内外各地で自然学校やエコツーリズムの仕組み作りに関わっておられ、エコツーリズムについて大変造詣の深い方です。
 これからは観光産業が基幹産業になること、従来の見物型の観光形態が変化し、自らが汗をかく体験型の需要が高まっていること、異質や非日常性が資源となること等々、非常にためになるお話を聞くことができました。

 講演会のお話を参考として、今後御浜町の魅力を十分に活かしたエコツーリズムが形作られればと願います。

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2010年06月22日衣替え 【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 先日本州の多くの地域が梅雨入りし、熊野でもぐずついた湿度の高い日が続いています。行き交う人々の服装も半袖が多く見られるようになってきました。
 
 野鳥たちの中にも、季節によって衣替えをして、姿が変化する種類がいます。

アマサギ サギ科

 アマサギは冬は全身白い色をしているのですが、夏になると頭部や背中の一部が淡い亜麻色の羽に生え替わります。
 若い個体なのか、まだ不完全な夏羽の個体も見られました。

モヒカンみたいに毛が立っていて、眼光も鋭く、ちょいワル的な風貌でした。

 のどかな田園風景の中で、季節の移ろいを感じる一コマでした。

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2010年06月15日オオキンケイギク 【植物】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 皆さんの近辺で、写真の植物を見たことはありますか。



 この植物はオオキンケイギクといって、現在全国的に逸出しており、路傍や法面、河川敷等に生育していてます。この時期に花を咲かせるのですが、綺麗な花を一斉に咲かせるので、栽培されていたり、除草されている場所でも刈り払われずに残されたりと、人々に親しまれていることがあります。

 しかし、この植物は元々日本には自生しておらず、人によって持ち込まれた外来植物で、特定外来生物※に指定されています。
特定外来生物は、原則飼育、栽培、保管及び運搬することや、野外に放つ、植える及びまくことが禁止されていますので、ご注意ください。

※特定外来生物は外来生物の中で、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定されます。植物に限らず、動物も指定されています。

詳細につきましてはこちらをご覧下さい。
オオキンケイギク:http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/list/L-syo-01.html
特定外来生物:http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html

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2010年06月09日出前授業 【その他】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 4月には初々しかった新入生達のランドセル姿も6月に入りだいぶ様になってきたように感じます。そんな目覚ましい成長を日々遂げている小学1年生や2年生に向けて、環境教育の依頼を地元の先生から受け、出前授業に行ってきました。

 小学1、2年生の生活科の授業で、子供達が自然と親しみながら学べる内容を、という依頼でした。

 今回は低学年を対象としているので、ゲームを通して学びに繋げてもらおうと、鬼ごっこを組み入れたネイチャーゲームを行いました。

まずはネイチャーゲームで使用するお面作りをしました。

テントウムシのお面を作成してもらっています。

 作成後は体育館に移動し、食べる側のカマキリが鬼となって、食べられる側のテントウムシと鬼ごっこしました。


 
 さすがは小学1、2年生、有り余るほどの元気良さで体育館を駆け回っていました。一緒に行った自然保護官は筋肉痛に見舞われるほど・・・

 ゲームの中で食べる役と食べられる役を体験してもらい、「楽しかった!」「テントウムシ、恐かった~」などの声が聞かれ、楽しみながら「食う、食われる」の立場を実感してもらえたようでした。
こうした取り組みを通じ、自然について関心を持つきっかけを提供できればと思います。

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2010年06月04日アユ漁解禁 【その他】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 先月末は降水量が多く、天候不順が続いていましたが、このところ気持ちの良い日々が続いていて、夏へ向けて季節が歩みを始めた印象を受けます。今月1日から釣り愛好家の方々にとって待望の熊野川のアユ漁が解禁されました!


ずっと川に入っての作業はとても体力がいりそうです。アユ漁は長い竿を使用するのですね。

 私は釣りをしないので詳しくないのですが、お話を伺うと、まだ小ぶりなものが多いようです。7月頃になれば大きい個体が釣れてくるだろうとのことで、これから熊野川は釣り人で賑わいそうです。

 また熊野川は、多くの地域が吉野熊野国立公園の特別地域に指定され、瀞峡に代表されるように、断崖や深淵など渓谷美が見どころの風光明媚な場所です。

ジェット船で遊覧できます

 熊野川には、ジェット船の他にも筏下りやラフティングなど、川遊びや河川景観を楽しむためのメニューがたくさんあります。釣りに興味の無い方でも熊野川の自然の素晴らしさを実感していただけると思いますので、ぜひお越し頂ければと思います。

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2010年05月26日骨粗鬆症? 【その他】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

唐突ですが、この写真は何の写真かお分かりになりますでしょうか。


 これを最初に近くで見たとき、あまりにぼこぼこと穴が空いていて、まるで骨の断面を見ているような気持ちになりました。

こちらが上の写真を少し離れたところから撮影した写真です。

虫喰岩 和歌山県東牟婁郡古座川町

 上の写真は和歌山県東牟婁郡古座川町にある虫喰岩で、国の天然記念物に指定されています。前回投稿しました虫喰岩は同じ東牟婁郡の那智勝浦町にある別地の虫喰岩で、このほど町の天然記念物に指定されました。
 両方とも同じ古座川弧状岩脈と呼ばれる大きな岩脈の一部で、長い年月をかけて自然が造り出した巨大な作品です。

 この虫喰い岩の周辺では、牡丹岩、天柱岩、飯盛岩等の様々な自然の造形物を目にすることができます。

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2010年05月17日地質の日記念展示実施中 【イベント】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 前回、5月10日の地質の日を記念した自然観察会について投稿しました。今回はこの地質の日にちなんだ展示について、お知らせしたいと思います。
 
 この度、吉野熊野国立公園の特別地域にある「浦神の虫喰岩」が、那智勝浦町の天然記念物に指定されました。これを記念し、宇久井ビジターセンターにて、特別展示を実施しています!


浦神の虫喰岩

名前の通り、無数の虫に食べられた様な穴が特徴です。
1400万年前、火山活動の際に噴出した火砕物が、時間の経過とともに風化してできたそうです。

 この浦神の虫喰岩の詳しい成り立ちや特徴などについて、記念行事の講師を務めてくださった先生のご協力を頂き、分かりやすくご紹介しています。

 また、宝石の一種であるガーネット※を顕微鏡で見たり、砂の中から探し出したりする、子供達にも大好評の参加型コーナーもあります。

※ガーネット
 石榴石(ざくろいし)とも呼ばれます。美しい石榴の実に似ていることから名付けられたようです。とても硬く、ガラスのような光沢があります。完全な結晶は十二面体や二十四面体で、透明度や色は様々です。


屋外で熱心にお宝探しをしている様子

 ガーネットは光に当たると光るので、天気の良い日は日なたで探すと見つけやすいです。

 地質にまつわるお話は、時間や規模等、話題のスケールがとても大きく、日常生活とはかけ離れた感覚を味わえます。
 ご興味やご関心のある方は是非ご来館下さい。

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