ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 熊野

355件の記事があります。

2010年10月07日大杉谷登山歩道再開 【その他】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 今月から今年度ももう後半に入りました。時の過ぎゆく早さに驚きを抑えることができません。

今回はおめでたい情報提供です。
 平成16年の台風21号の被災により全面通行止めになっていた大杉谷登山歩道が、今月1日から一部通行止めが解除され、通行できるようになりました!
 解除区間は宮川第三発電所の登山道入り口からシシ淵までの区間です。シシ淵から堂倉小屋の区間は通行止めのままです。今年度の利用可能期間は今月から11月末までです。


 
 大杉谷渓谷は三重県多気郡大台町にあり、非常に素晴らしい滝や渓谷美を堪能できます。日本三大渓谷の一つで、国の天然記念物に指定されています。また国立公園の最も規制の厳しい特別保護地区の指定地域も含んでいます。
これから気候も登山に適した季節を迎え、広葉樹の葉も色づき始めます。是非この秋に歩かれてみてはいかがでしょうか。

千尋滝 

大日嵓~京良谷にかけて
(ともに2009.5.11撮影)

注意:大杉谷登山センターか登山口へ登山届と下山届の提出が必要です。
利用可能な経路は折り返しコースのみです。また宿泊やキャンプはできませんので、日帰りとなります。
登山道ですので、相応の装備をお願いいたします。

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2010年09月28日魅了する装い 【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 秋分の日が過ぎて、ようやくモズの高鳴きなど様々な秋の便りが届き始めていますが、この季節になっても多くの虫たちの姿を確認することができます。

 先日の巡視の際に、派手な虫に遭遇しました。

ナミハンミョウ ハンミョウ科

 ナミハンミョウの大きな特徴は、なんと言っても光の三原色である赤、青、緑を主体とした光沢の装いをもち、非常に色彩が豊かなことです。
 この様な鮮やかな色彩をもっている理由の一つは、体温が上がらないように日光を反射するためと考えられています。河原等の直射日光が降り注ぐ場所にいることが多いので、この様な色をもつようになったのでしょうか。
 理由は何であれ、この鮮やかな色彩が多くの人々を魅了する大きな要因となっていることは間違いありません。

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2010年09月15日砂浜の攻防 【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 ようやく秋の気配が感じられる空気となってきた今日この頃。
季節の移ろいを野鳥達から感じることができます。
 旅鳥たちの到来です。旅鳥は夏の繁殖期にシベリア等の北方で生活し、越冬するために東南アジア等の南方へ移動する生活史をもっています。旅鳥の中には日本で繁殖や越冬する個体も見られます。

 先日和歌山県那智勝浦町の砂浜にて、旅鳥のキアシシギ(シギ科)とオオソリハシシギ(シギ科)がいて、場所の攻防を繰り広げていました。

左上:オオソリハシシギがタイドプールで採餌中。
右上:キアシシギ(右)が横取りに。オオソリハシシギ(左)を追いかけています。
左下:オオソリハシシギも餌場を奪われるだけでなく、ちゃっかり餌を確保して避難しました。
右下:オオソリハシシギは餌をゆっくりご賞味。

 これから旅鳥やタカ類の渡りが次々と見られる季節です!皆さんも目を向けてみてはいかがでしょうか。

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2010年09月07日秋は未だ先? 【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 事務所のある和歌山県新宮市では、9月に入った先日、今年の最高気温35.6度を記録しました。9月に入っても「暑い」の言葉を発する日々が続いています。

 昨日の巡視の際にも未だ夏の光景を目にしました。


アキアカネ トンボ科
多数乱舞していました。

 上の写真は三重県大台町の山地で撮影しました。このトンボは、初夏に孵化した後、一旦山の方に移動し、秋になるとふもとに戻ってきます。童謡にも歌われていますように、群れて飛ぶ姿は昔から秋の代表的な風物詩となっています。

 この他にもセミたちのBGMが流れていました。
 昆虫たちも秋と感じるまでにもうしばらく時間がかかるのでしょうか。

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2010年09月01日声援 【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 まだまだ残暑が厳しく、冷たい川が恋しい天気が続いています。本日は川にまつわる話題を採りあげたいと思います。

 和歌山県東牟婁郡古座川町に、無数の大小様々な穴が空き、ごつごつとした地形が特徴的な「滝の拝」という滝があります。

地質的にも非常に興味深い場所で、鮎釣りの場所としても有名です。

 今この「滝の拝」において、つい声援を送ってしまいたくなるような光景を見ることができます。

ボウズハゼの集団 ハゼ科

 激流の滝の壁面で、2箇所ある吸盤を使って流れに耐え、本当に少しずつ前進しています。群れの中には、垂直以上の角度がありそうな壁を登っているものもいました。
 稚魚の時は海で過ごした後、餌場を確保するために川を遡上します。

 滝のような場所にも動じず、着実に遡上している様子に心が打たれます。心なしか連日の暑さに負けない、元気をもらえた気がします。

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2010年08月24日拡大写真2 【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 先日拡大写真を使った問題を出しましたが、再度拡大写真の問題を採りあげたいと思います。
前回の問題:http://c-kinki.env.go.jp/blog/2010/08/12/index.html

 前回と同様にネイチャースコープで20倍に拡大したものですが、何を写したものか、お分かりになるでしょうか↓







正解はこちらです↓

コシアキトンボ(トンボ科)の眼です。

 トンボの眼は複眼といって、小さな単眼と呼ばれるレンズが多数集まってできています。トンボは単眼が1万個以上隙間無く集まった大きな眼をもっていて、非常に広い視野があります。
 身の回りの生き物をネイチャースコープで覗くと、普段とは別世界を垣間見ることができ、色々と覗きたくなってしまいます。
 現在宇久井ビジターセンターにて、企画展「これであなたも昆虫博士」(※)開催中です。ネイチャースコープを設置していますので、是非皆さんも普段と違った世界を体験してみてください。

※2010年7月26日の日記「これであなたも昆虫博士」【イベント】をご参照ください:http://c-kinki.env.go.jp/blog/2010/07/26/index.html

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2010年08月20日串本海中観察会開催 【イベント】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 8月19日に「国際生物多様性年記念 串本海中観察会」を開催しました!
 本州最南端の串本沿岸海域は、世界最北域に位置するサンゴ群集がみられる特異な地域で、多様な生き物が育まれています。この海域は、ラムサール条約湿地に登録されているとともに、海中景観の美しさから国立公園の海域公園地区にも指定されています。
 そうした貴重な場所を観察してもらうため、シュノーケルを使った観察会を毎年開催しています。




観察会風景
波も穏やかで観察日和でした。

 この日の水温は29度近くもあり、浅い海岸付近ではぬるく感じられるほどでした。
 参加者からは「すごい!」や「感動した!」などの感嘆の声が多く聞かれ、私自身、海岸近くにサンゴの大群集が広がる光景は、何度見ても感動させられます。
 表題にもつけましたが、今年は国連が定めた国際生物多様性年です。この記念すべき年に、身の回りの生き物たちに対して目を向けてもらえる機会となればと思います。

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2010年08月12日拡大写真 【動物】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 突然ですが、ここで問題です。

 下の写真はネイチャースコープで拡大して撮影した写真ですが、何を写したものか、分かりますでしょうか。




正解はこれです↓

ヒメウラナミジャノメ ジャノメチョウ科(写真:山口和洋氏)

 蝶の翅には、一つ一つが細胞である鱗粉が多数付いています。この鱗粉によって、多くの人を魅了する蝶の美しい色模様が表われます。また鱗粉は雨をはじく役割も果たしていています。

 現在宇久井ビジターセンターにて、企画展「これであなたも昆虫博士」(※)開催中です。ネイチャースコープも設置していて、ミクロな昆虫の世界を見ることができます。
※2010年7月26日の日記「これであなたも昆虫博士」【イベント】をご参照ください:http://c-kinki.env.go.jp/blog/2010/07/26/index.html

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2010年08月03日緑のカーテン 【植物】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 痛いくらいの強い日差しが、連日照りつけている熊野からお伝えします。
 この時期の野外作業の際には帽子を欠かすことができません。
 宇久井ビジターセンターでは、先月から部屋に差し込む日差しよけの帽子代わりに植物のカーテンを設置していることを7月7日の日記に投稿しました。
 7月7日の日記:http://c-kinki.env.go.jp/blog/2010/07/07/index.html
 



ゴーヤの苗。生長して、みずみずしい実もできました。

 当初期待していたような覆い被さるほどの繁茂はしていませんが、猛暑の中清涼感を感じさせてくれています。もうしばらく帽子の役割を果たしてくれることを期待しながら見守りたいと思います。

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2010年07月26日「これであなたも昆虫博士」 【イベント】

吉野熊野国立公園 熊野 畝井良幸

 前回に続いて夏らしく昆虫のお話です。
夏になり、盛んに活動している昆虫に注目してもらうべく、只今、那智勝浦町の宇久井ビジターセンターにて、「これであなたも昆虫博士」と題して企画展示を開催しています。






展示風景

 この地域の昆虫について長年調べていらっしゃる方から、標本や臨場感満点の写真をお借りして展示するとともに、熊野地域で観察されるトンボ、クワガタムシ、コガネムシ、カミキリムシ、チョウ等の昆虫を紹介しています。その他私がこれまで実施してきた宇久井半島におけるチョウ相の調査結果報告も行っています。
 また昆虫採集や標本作成の紹介、色々な昆虫の切り絵遊びや昆虫トラップの作成ができる参加型のコーナーも設けていますので、これまで昆虫にあまり馴染みのなかった方でも楽しめる内容となっています。
 是非お近くにお越しの際は、お立ち寄りいただければと思います。

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