ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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山陰海岸国立公園 竹野

326件の記事があります。

2009年05月14日はじめまして

山陰海岸国立公園 竹野 高田雅代

5月1日から山陰海岸国立公園竹野自然保護官事務所のアクティブレンジャーとなりました高田と申します。

竹野にきて3週間ほどになり、環境にはだいぶ慣れてきました。時間がゆったりと流れているような感じがします。でも仕事はまだまだ慣れなくてわからないことばかり。なのでお昼は息抜きに事務所のすぐ近くにある弁天浜(国立公園内です)まで行くことにしています。まだ海水浴シーズンではないので人もまばらで、とても癒される素敵な場所です。

これから竹野について、山陰海岸国立公園について少しずつ紹介していきたいと思います。
よろしくお願い致します。


写真:昼下がりの弁天浜

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2008年11月26日ペレットストーブ【その他】

山陰海岸国立公園 竹野 紙谷明日香

皆さまこんにちは。

先週、天気予報では、日本海側で雪が見られるかも、と報道されていました。
竹野もやっぱり、雪が降って、まだ11月だというのに、屋根の上や、車の上など、うっすらと白く積もっているところも確認できました。
その日から、急に寒くなり、冬がやってきた感じがします。

竹野事務所では、この雪の降り出した日からペレットストーブを使い出しています。
おがくずなどを原料に作られた木質ペレットを燃料とするペレットストーブは、化石燃料を使わない事から、地球にも優しいストーブだと言われています。


木質ペレットの袋を開けると、ふんわり木のいい香りが漂いました。
ペレットがストーブの中で燃え、炎が揺れて、見ていても暖かいです。

10月の終わり頃、遊歩道で様々な植物に出会いましたが、少し早めに降り出した雪に驚いているかも知れませんね。

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2008年11月17日時期外れのアジサイ【植物】

山陰海岸国立公園 竹野 紙谷明日香

皆さま、こんにちは。
京都府京丹後市久美浜町にある、かぶと山のキャンプ場付近で11月だというのに、アジサイを一輪見つけました。



なぜ、この時期に咲いているのか、事務所に戻り保護官に尋ねてみると、これは、おそらく、一度花を咲かせるための準備をしていたアジサイが伐採され、残った枝がまた再び花を咲かせようと成長した結果、時期がずれてしまったのでは、という事でした。
植物も、強い生命力があるのですね。

また、かぶと山山頂の展望台へと続く散策道も歩いてみました。とても天気のいい日で、見晴らしもとても美しかったです。



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2008年11月10日猫崎半島の地質【その他】

山陰海岸国立公園 竹野 紙谷明日香

みなさまこんにちは。
前回のAR日記では、地質に詳しいパークボランティアさんに教えていただいた、竹野の猫崎半島近くにある様々な化石をご紹介しました。
今回もその続きで、教えて頂いた地質や、岩石についてご紹介します。




写真を見ると、円形に穴が空いているのが分かります。
こちらは、甌穴(おうけつ)と呼ばれるもので、少しの岩石の凹みに、石が入り、波の作用により、石が回転し、長い年月をかけて周りの岩石が円形に削れていったものです。


事務所付近の弁天浜では、時々、海況が悪く、ゴウゴウと音を立てながら波が立っている時がありますが、波の力は、思っていたよりも強力で、岩石も長い年月をかけて削っていくようです。



こちらの写真はとても特殊な形をした岩石に見えますが、実はこの岩石も、波に、削られてこの形になったそうです。




また、こちらの写真では、丁度木のあるところから、2つに割れたような割れ目があります。
よくみると、同じ縞模様の断層が縦に1メートルほどずれている事が確認できました。
これは、地下にある断層がずれた事でこうなったのではないかと言われています。


岩石や地層は、何億年、何万年とかけて少しずつ変化していくので、なかなか実感できませんが、今の瞬間も、変化を続けているのでしょうね。




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2008年11月04日樹木等の化石【その他】

山陰海岸国立公園 竹野 紙谷明日香

先日、地質に詳しいパークボランティアさんに案内して頂き、竹野の猫崎半島にある、地質や化石を見てきました。

山陰海岸国立公園は、海岸線も美しいですが、岩石の種類も豊富で、貴重なものがたくさん存在しています。
パークボランティアさんの話を聞きながら、何千万年、何億年前の地質に、スケールの大きさを感じました。

今日は、その中で、身近なものの化石についてご紹介します。



こちらは、珪化木(けいかぼく)と言って、樹木の化石です。触ってみると、元は樹木だったはずですが、とても堅く、石になっていました。
どんなに年月がかかったとしても、樹木が石になる事が不思議だったのですが、調べてみると、様々な物質を含んだ地下水が樹木に入り込む事で、樹木が石のような物質に変化し、このように化石化するためのようです。




また、黒い縞模様の筋が入った石を二つに割ってみると、葉の化石がでてきました。
葉脈もはっきりと見られました。




こちらは見過ごしてしまいそうですが、これも化石です。
実はこれは、ゾウの足跡の化石だそうです。周りを見ると、確かにゾウが歩いたような足跡を想像させる、同じものがいくつかありました。元々粘土質だった地面が長い年月をかけて固まり、この化石になったようです。現在では海水が流れ込んでいますが、遠い昔には、この場所にゾウが立っていたのですね。

まだまだ、お見せしたい地質がありますので、次回のAR日記でも、ご紹介しようと思います。



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2008年10月27日アベサンショウウオ生息地保護区【動物】【その他】

山陰海岸国立公園 竹野 紙谷明日香

今朝も雨が降っています、竹野です。
本当に肌寒くなってきましたね。

京都府京丹後市と兵庫県豊岡市には、種の保存法で国内希少野生動植物に指定されている、アベサンショウウオ生息地保護区があります。そのうち京丹後市の保護区は、アベサンショウウオが一番最初に見つかった土地でもあり、京都府の天然記念物にも指定されています。アベサンショウウオを守る会の方や、その他様々な方が、アベサンショウウオを保護するために、その生息環境を整えて下さっています。

10月2日に、私たちも、豊岡市のアベサンショウウオの生息環境を整えるため、湿地にたまった不要な泥をのける作業をしてきました。

(作業完了後)

泥をのけたあとは、わき水が湿地を循環するように水路を作りました。
また、伐採された竹を積み上げ、アベサンショウウオの産卵場所に適した場所を作りました。
アベサンショウウオをスコップで傷つけてしまう可能性を考えて、慎重に作業を行いましたが、この日は姿が見られませんでした。アベサンショウウオの繁殖期は11~12月で、成熟は変態後2年目と推定されています。その為、雪解けの頃には、産卵にやってきたアベサンショウウオがよく見られるそうです。

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2008年10月24日魚釣り大会【イベント】

山陰海岸国立公園 竹野 紙谷明日香

皆様、こんにちは。

竹野は、21日夜より、久しぶりに雨が降りました。
最後に雨が降ったのは、かなり前だった気がします。

先日、以前よりご紹介している、コウノトリが野生復帰をしたように、子どもたちも野生に戻った体験をしようというコンセプトの、豊岡市主催「子ども野生復帰大作戦子どもカリキュラム」に参加しました。

10月の活動は、円山川での魚釣り大会です。
子どもたちの保護者の参加者も含めて、総勢約200人で、釣りを楽しみました。

(2008.10.19撮影)

午前は、班分けした班が1チームになって、どれだけ釣れたか、魚の大きさは何センチかを競いました。午後からは、個人戦で、30分間で何匹釣れたか競いました。

最初は、エサに使ったゴカイを針に付けるのも一苦労でしたが、みんな、すぐに慣れて、魚を釣り上げ始めました。
この場所では、マハゼ、ウロハゼ、チチブがよく釣れるようです。
目の前には、魚の群れが泳いでいるのですが、思い通りに釣れなかったりします。その一方で、大きなウロハゼを釣り上げるのに成功する子もいました。

子どもたちは、色々考えて、工夫して釣りをしていたようで、「エサを、生きているように水中で動かすと釣れるよ。」「人影が見えると、逃げてしまうみたい。」と、教えてくれました。

この日釣り上げた魚は、なんと、531匹でした。なかには、18センチのウロハゼを釣り上げた子、ボラを釣った子、チヌ(クロダイ)を釣った子もいました。

釣りで使った場所は、みんなでゴミ拾いをしました。釣った魚で、小さいものは、また川に返しました。

そして最後には、参加者は釣り上げた魚を天ぷらにして、おいしく頂きました。


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2008年10月15日今子浦の夕日【その他】

山陰海岸国立公園 竹野 紙谷明日香

こんにちは。最近晴れの日が続く竹野です。
毎年この時期になると、どこからともなく風に乗ってくるキンモクセイの香りが好きなのですが、昨日、今年初めて見つけたキンモクセイの花は既に、ほとんど散ってしまったようでした。

日が暮れる時間が、どんどん早くなってきていますね。

先日、カエルの形に似ているカエル岩や、千畳敷のような地質で知られている、香美町今子浦を巡視した際には美しいオレンジ色の夕日が海に映るのをみる事が出来ました。


映り込んだオレンジ色が波に揺られて、美しいコントラストを作っていました。

また、京丹後市久美浜町にある、兜山の木々は紅葉が少しずつ始まって来ているようです。

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2008年10月08日ビーチコーミング【イベント】

山陰海岸国立公園 竹野 紙谷明日香

9月28日、以前ご紹介した、「コウノトリの野生復帰のように、子どもたちも一緒に野生に戻ろう」というコンセプトの子ども野生復帰大作戦に参加してきました。

テーマは海辺の芸術家という事で、その素材を集めるため、子どもたちと大浦海岸をビーチコーミングしました。
(ビーチコーミング:海岸を歩き、漂着物等を拾い集めること)

台風の影響で、砂浜には、たくさんの漂着物が打ち上げられていました。バフンウニの殻や、コウイカの甲など、自然由来の漂着物以外にも、シーグラス(ガラス片が海で漂着している間に削られ、丸くなったもの)を見つけたり、ハングルの書かれたペットボトルなど、人工物で外国から旅をしてきたようなものも、多く打ち上げられていました。

大浦海岸と背中合わせになっている切浜海岸まで歩きました。
切浜海岸では、子どもたちに浜辺に打ち上げられたレジンペレットの調査を行ってもらいました。
レジンペレットは、5ミリほどのプラスチックの基となる粒です。小さいため、鳥が誤って食べてしまったり、なかなか分解されずに、長い年月そのままなので、近年、自然環境に与える影響が問題になっているそうです。

砂浜を四角で区切り、レジンペレットがその中にどれだけあるのか、班ごとに調査しました。


今まで、気にした事がありませんでしたが、いざ調査をはじめてみると、小さく区切られた中で、次々とレジンペレットが見つかり、みんな驚いていました。
写真の枠の中だけでも、100粒近く見つかりました。

砂浜では、あまり目立たないですが、これも、漂着ゴミのうちのひとつです。

子どもたちは、貝殻などの美しい漂着物がある一方で、こういった問題のある漂着物もあることを学んだようでした。

ビーチコーミングで拾ったバフンウニの殻やシーグラスなどは、その後、クラフト作品に使いました。

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2008年09月30日ヒガンバナとザクロ【植物】

山陰海岸国立公園 竹野 紙谷明日香

一週間ほど前まで暖かくて半袖を着ていたのに、昨日、9月29日は、気温が低く、大変肌寒い1日でした。

明日から、衣替えですね。


ヒガンバナ(彼岸花、ヒガンバナ科ヒガンバナ属)
事務所付近の線路沿いでは、ヒガンバナが一斉に開きだしました。
遠くからみていても、真っ赤な花が非常によく目立ちます。
ヒガンバナは、縁起の悪い花との印象も強く、鱗茎には有毒な成分を含んでいるそうです。
近づいてみると、変わった放射状の花がおもしろいです。

そしてもう一つ秋の実りを見つけました。


ザクロ(石榴、ザクロ科ザクロ属)
ザクロの木です。
この写真のザクロの実は、まだ熟していないようですが、果肉は、赤く透明な宝石のようで、美しいですよね。

どんどん秋が近づいているようで、楽しみですね。



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