ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園 吉野

606件の記事があります。

2006年11月06日歩道の調査 【人】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは
吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。

吉野熊野国立公園の大峯山地域ではグリーンワーカー事業(*注1)を行っています。
グリーンワーカー事業は全国の国立公園で行われており、内容は地域・年ごとによって異なります。今年度の大峯地域の場合は、登山道の状況調査(登山道の荒廃状況や荒廃した登山道を補修する際に参考となる工法の事例収集etc)を調査地域詳しい地元の方々に依頼して作業を行ってもらっています。
先週の木曜日、アクティブ・レンジャー木谷も巡視を兼ねて調査に同行しましたので、その様子をご覧下さい。




沢場横断部の石積み工を記録しているところ





この登山道の利用者は少なく踏み跡は不明瞭
(落ち葉に埋もれ見づらくなった踏み跡を探す西村さん)




昔のトロッコ道に敷かれた石積み工を記録しているところ




このように登山道の維持管理には見えない部分がたくさんあります、普段は何気なく歩く登山道ですが、実は地元の方々の協力によって大きく支えられています。


*注1)グリーンワーカー事業について

【事業の概要】
国立公園等の貴重な自然環境を有する地域において、自然や社会状況を熟知した地元住民等を雇用し、国立公園等の管理のグレードアップを図るとともに、自然環境保全活動の推進を図る。
(自然環境局国立公園課)

詳しくは環境省ホームページ【http://www.env.go.jp/guide/budget/h17/h17-gaiyo.html】の【4.自然と共生する社会の構築】国立公園等民間活用特定自然環境保全活動(グリーンワーカー)事業費を参照して下さい。


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2006年11月01日綺麗な昆虫【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは
吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。

11月にはいりました。
先週、調査で行った和佐又山*(注1)では、スキー場一面にススキの穂が風に靡き、秋の深まりを感じさせてくれます。







さて、そんな和佐又山で変わった昆虫を見つけたのでご覧下さい。

私自身は始めて見る昆虫だったことに加え、光輝くルリ色がやけに綺麗だったので興味津々でした。








保護官に尋ね、ツチハンミョウ*(注2)の仲間だということが分かりました。
オオツチハンミョウだと思うのですが不確かです。
正確な名前が分かりましたらまたお伝えします。

綺麗だからといって無闇にさわらないようご注意ください。


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*注1:和佐又山 奈良県上北山村にある標高1344mの小高い山
*注2:ツチハンミョウ
ツチハンミョウ科に属する昆虫の総称。触ると死んだ振り(偽死)をして、この時に脚の関節から黄色い液体を分泌する。この液には毒成分カンタリジンが含まれ、弱い皮膚につけば水膨れを生じる。 


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2006年10月26日10月の大峯の気候 【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは
吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。

近日、晴れ続きで爽やかな毎日です。週末は紅葉ハイキングへ向かう人も多いのではないでしょうか?

さて10月もいよいよ大詰。少し遅くなりましたが「10月の大峯の気候」についてお伝えします。




10月の平均気温:14.5℃   (*注1)    
日の出・日の入 :6:11・ 17:10  (10月26日の奈良) 
天    気 :比較的安定した日が多い。




植    物 :紅葉ピーク、山頂付近(標高1500m)ではもう過ぎている。
服    装 :日中は長袖2枚ぐらいで良かったが、山頂や日陰での休憩時、又は朝夕はアウタージャケットや手袋が必要だった。(10月25日 大普賢岳)


*注1:平成15年度:上北山村/気象庁HP) 


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【注意】
降り積もった落ち葉のため山道がいつもより見づらくなります。既存の道に頼るだけでなく地図とコンパスでしっかりと自分をナビゲートすることを心がけて下さい。










山中で見つけたキノコ【和名】ヌメリスギタケモドキ 

食用可能、ぬるぬるしていてとても美味しそうなキノコでした。

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2006年10月19日霧の大台にて【イベント】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは
吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。

大峯地区アクティブ・レンジャーは大台ヶ原地区アクティブ・レンジャーと連携し、各週ごとに大台ヶ原で自然観察会をしています。

今日は10月7日に行った観察会からお伝えします。




観察会は屋内と屋外を使った2部構成です。屋内ではプロジェクターを用い大台ヶ原の動植物の解説や大台ヶ原で行っている環境省の取り組みを紹介します。その後、野外に出て自然観察を行います。コースは苔道で700mほど、そこを40分かけて歩きます。


この日は霧雨だったので鳥の姿を見ることはできませんでしたが霧の中から可愛らしい声が聞こえてきました。思わず参加者の方々と目を瞑りその声に聞き入ってしまいました。



観察会では、大台ヶ原の動植物の紹介に絡めて利用マナーの啓発や環境省の取り組みを解説しています。この日の参加者の方々は環境問題にすごく感心があるらしく私の話を興味津々に聞いてくれました。

伝えることはとても難しいことですが、これからも参加者の方々と自然を楽しみながら大台ヶ原を解説していきたいと思っています。

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2006年10月10日森の熊さん【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは
吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。

先週、調査のため山に入ったときに熊(ツキノワグマ)の爪と思われる痕跡を見つけたのでご覧下さい。

【写真↓】



熊は非常に聴覚や嗅覚が発達していると聞きます。ひょっとするともう何度もこちらが気づく前に、熊のほうが早く気づいているかもしれませんね。

野生の熊を見たことがない私としては、一度は見てみたいと思っています。しかし出くわしてしまえば必ずお互い怖い思いをしてしまい、時に致命的な事故になってしまうこともあるでしょう。
そうならないためにも、お互いの距離を保つことが大事です。山に行くときは鈴をつけたり、歌を口ずさんだりしてこちらの存在を知らせることに努めたいと思います。

大台・大峯では熊の目撃例が沢山報告されています。これから紅葉の季節を迎え山に入られる方が多いと思いますので皆さんもお気を付け下さい。



※事故を未然に防ぐために【熊に出会わない工夫】や【出会ってしまった時の対処法】など本やインターネットでいろいろ掲載されているので一度調べておくことをお薦めします。


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2006年10月03日猿の腰掛け【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは
吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。
日が暮れるのが早くなり「秋だな?」と家で秋刀魚(サンマ)を焼きながらつくづく感じています。

先週、歩道調査のためフィールドへ出かけました、その道中で面白い物を見つけたのでご覧下さい。   

【写真】↓




これは*サルノコシカケ(注1)というキノコです。     
名前の由来は、まるでサルが腰をかけるのにちょうどよいイスに見えることからサルノコシカケと名前がついたそうです。


皆さんも山中で一度は見たことがあるのではないでしょうか?
私も普段よく見かけるのですが、今回見たサルノコシカケはサイズが非常に大きかったので思わず立ち止まってしまいました。そして名前の由来通りになるか確かめてみたくなったので実際に腰をかけてみました。
見事成功!!本当に腰をかけることができるなんてとても感激でした。


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*注1
サルノコシカケは学問的には担子菌類(たんしきんるい)の仲間で、マンネンタケ科やサルノコシカケ科に属するキノコの総称だそうです。

※写真は管理上問題の無いところで撮影しています。

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2006年09月28日9月の大峯の気候 【気候】 

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは
吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。

秋分が過ぎた吉野では、高く棚引く雲の清々しさにまっただ中の秋を感じる季節になりました。

そんな吉野から、今日は9月の大峯の気候を先週登った八経ヶ岳よりお伝えしたいと思います。





【気温】この日の朝の気温は山頂で7℃!
【日の出・日の入り】5:43・17:58(9月20日)
【天気】台風の季節なので要注意!
【植物】山頂付近では一部の植物が色づき始めたが本格的な紅葉はまだまだ先
   麓では彼岸花(ヒガンバナ)が満開、金色に輝く稲穂とのコントラスは見事!!
【動物】スズメバチの巣周辺は危険。活動が活発な時期なので登山の際はくれぐれもご注意下さい。
   黒い服はスズメバチの天敵である熊の色なので一瞬でプーさんになってしまいますのでお薦めできません。

【服装】歩いているときは暑くなりますが、休憩時や尾根沿いでは長袖だけではやや不安(上に羽織るものが必要)。




【弥山・国見八方覗(くにみはっぽうのぞき)より】秋は空気が澄んでいるので向こうのお山がハッキリ綺麗です。   
 
   「 お山は晴天♪ 六っ根清浄 」

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2006年09月13日秋の危険 【動物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは
吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。

今日の吉野もまたまたしとしと雨です、週間天気によれば今週はずっと雨のようです。
恵みの雨となれば良いのですが・・・

さて話は変わりますが、先週、山の中でスズメバチに襲われそうになりました。





あたりは伐採地で、日当たりの良くなった斜面が続いている場所でした。そのような斜面の細山道を下っていると、いきなり3匹のスズメバチに囲まれてしまいました。
彼らは私の体の前をホバーリングしながらずっと様子を伺っていました。よくよく辺りを見回すと、彼らの後ろの方では20匹ぐらいのスズメバチがモヤモヤと沢山飛んでいるのが目につきました。
どうやら道の脇には彼らの巣があるらしく、知らず知らずのうちに彼らの警戒域に踏み込んでしまっていたようです。
動くに動けずしばらくじっとしていたのですが、偵察していた彼らの警戒心が薄くなったのを感じゆっくり後ずさりし事なきを得ました。





心の中で「私は木だ私は木だ、あなたには何も危害は加えない、私は木だ」とひたすら祈っていました。

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今回出てきたスズメバチはキイロスズメバチです。
キイロスズメバチは、5、6月に営巣活動を始めて9、10月にはその最盛期を向かえるそうです。そして9、10月は彼らの警戒心が最も強い時期でもあります。
暑さも和らぎ、登山やハイキングにはもってこいの時期だけに山に行かれると際にはくれぐれもご注意ください。


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2006年09月07日タマゴタケ【植物】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは
吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。

各地で秋が訪れ始めているようですね、大峯アクティブ・レンジャーも季節の移り変わりを感じました。
先週、山道状況調査のために天川村行者還岳から大川口の間を踏査してきたのですが、もう半袖では風邪を引きます。曇り空でしかも風邪が吹いていたため中薄手の長袖にレインコートを着てもまだ寒かったです。既に忘れてしまった冬の辛さを思い出してしまいました。

山の秋は早いので、体温調節にはくれぐれもご注意ください。




気温以外でも秋を感じました。とても可愛い秋です。↓





これは*タマゴタケ(注1)というキノコで。、生えかけの頃がゆで卵みたいな形なのでこの名前が付いたそうです。 色といい形といい、とても特徴的なので山へ行った時に探してみてはいかがでしょうか?




*(注1)タマゴタケ:夏から秋にかけて、雑木林などで生えるキノコ!!一見毒々しいが食べられる。

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2006年08月28日8月の大峯の気候【気候】

吉野熊野国立公園 吉野 木谷昌史

皆さんこんにちは
吉野(大峯地区)アクティブ・レンジャーの木谷です。

8月も処暑を過ぎ、吉野では寝付きやすい夜になってきました。
昨晩、家の前ではウマオイが「スイッチョン、スイッチョン」と鳴いており、まるで少しずつ変わっていく季節を優しい詩で知らせてくれているようでした。

さて夜間は過ごしやすくなってきていますが、昼間はまだまだ猛暑が続きます。
今日はそんな大峯から8月の気候をお伝えします。
昼間活動される方はくれぐれも熱射病・熱中症にご注意下さいませ。


○ 晴れの日が多いが、にわか雨も多い。(雷を伴ったにわか雨も多いので要注意)
○ 平均気温は麓の村で24℃     (上北山村:奈良気象台調べ)



○ 汗がとにかく出るので要水分補給

※天川村の洞川洞辻茶屋線登山道にある水場【お助け水】

○ 今はトリカブトの花が見頃

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