山陰海岸国立公園 竹野
326件の記事があります。
2014年02月26日コウノトリの故郷で授業【イベント】
山陰海岸国立公園 竹野 酒井 良明
皆さんこんにちは、竹野の酒井です。
2月7日(金)、2月14日(金)と2週続けて、出前授業に行ってきました。
今回の出前先は豊岡市立三江小学校です。校庭にコウノトリが営巣したことで有名な小学校です。
今回の授業テーマは「生き物同士のつながり」と「海岸漂着物」。小学校4年生から6年生までの計86名に対して3学年合同授業という形で授業を行いました。
初回の授業となった2月7日(金)は「生き物同士のつながり」がテーマです。
食物連鎖に関わることを中心に、アイスブレイクを兼ねてイルカとイノシシの頭骨を片手にそれぞれの骨に残された歯の形から、この生き物は何を食べるのか、この生き物に食べられた生物は何を食べるのか、といった説明を行い、その後コウノトリを食物連鎖の頂点とした、但馬地域の食物連鎖を考えるゲームを班対抗戦で行いました。
↑食物連鎖のゲーム中
↑グループワーク中
ゲームは班員が力を合わせて考えないと全て解くことは難しい難易度の設定でしたが、なんと満点の班が二つも出てきました。
その他の班もこのゲームではかなり高得点をとっていました。
学年混成班ではありましたが班員同士うまく考え、話し合ってくれたようです。
2回目の授業である2月14日(金)は「海岸漂着物」をテーマに山陰海岸に流れ着く様々な物と、なぜ海岸に漂着物が流れ着くのかについての授業を行いました。
グループワークとして、漂着物がどの国から流れ着いた物なのかをバーコードを使って調べる作業や、山陰海岸に流れ着く漂着物を題材としたクイズ、日本周辺の海流の説明などを行いました。
↑生き物の漂着物の説明中
写真ではサケガシラという、リュウグウノツカイの遠い仲間の説明をしています。
その他にも、漂着物が地域の観光や生物に与える影響や生物、4時間の授業の総まとめなどを行いました。
今回は何か問いかけをするとすぐさま自分たちで考え、自分なりの答えを返してくれる、積極的な児童が多く、良い授業ができたと思っています。
今回で、今年度の出前授業はおしまいとなります。
4月以降のイベントは現在案を練っている段階ですが、出前授業につきましては前回の日記でも書きましたとおり、受付は開始しています。
学校関係者の皆さん、自然学校の事前、事後授業に、環境学習活動の追加授業に、学校の授業計画が進みすぎてしまった際の空き時間の穴埋めなどに是非出前授業をご活用ください。
お問い合わせは以下までご連絡下さい。
環境省竹野自然保護官事務所 担当:酒井
TEL:0796-47-0236
FAX:0796-47-0249
2月7日(金)、2月14日(金)と2週続けて、出前授業に行ってきました。
今回の出前先は豊岡市立三江小学校です。校庭にコウノトリが営巣したことで有名な小学校です。
今回の授業テーマは「生き物同士のつながり」と「海岸漂着物」。小学校4年生から6年生までの計86名に対して3学年合同授業という形で授業を行いました。
初回の授業となった2月7日(金)は「生き物同士のつながり」がテーマです。
食物連鎖に関わることを中心に、アイスブレイクを兼ねてイルカとイノシシの頭骨を片手にそれぞれの骨に残された歯の形から、この生き物は何を食べるのか、この生き物に食べられた生物は何を食べるのか、といった説明を行い、その後コウノトリを食物連鎖の頂点とした、但馬地域の食物連鎖を考えるゲームを班対抗戦で行いました。
↑食物連鎖のゲーム中
↑グループワーク中
ゲームは班員が力を合わせて考えないと全て解くことは難しい難易度の設定でしたが、なんと満点の班が二つも出てきました。
その他の班もこのゲームではかなり高得点をとっていました。
学年混成班ではありましたが班員同士うまく考え、話し合ってくれたようです。
2回目の授業である2月14日(金)は「海岸漂着物」をテーマに山陰海岸に流れ着く様々な物と、なぜ海岸に漂着物が流れ着くのかについての授業を行いました。
グループワークとして、漂着物がどの国から流れ着いた物なのかをバーコードを使って調べる作業や、山陰海岸に流れ着く漂着物を題材としたクイズ、日本周辺の海流の説明などを行いました。
↑生き物の漂着物の説明中
写真ではサケガシラという、リュウグウノツカイの遠い仲間の説明をしています。
その他にも、漂着物が地域の観光や生物に与える影響や生物、4時間の授業の総まとめなどを行いました。
今回は何か問いかけをするとすぐさま自分たちで考え、自分なりの答えを返してくれる、積極的な児童が多く、良い授業ができたと思っています。
今回で、今年度の出前授業はおしまいとなります。
4月以降のイベントは現在案を練っている段階ですが、出前授業につきましては前回の日記でも書きましたとおり、受付は開始しています。
学校関係者の皆さん、自然学校の事前、事後授業に、環境学習活動の追加授業に、学校の授業計画が進みすぎてしまった際の空き時間の穴埋めなどに是非出前授業をご活用ください。
お問い合わせは以下までご連絡下さい。
環境省竹野自然保護官事務所 担当:酒井
TEL:0796-47-0236
FAX:0796-47-0249
2014年02月03日柴山小出前授業!(一年ぶり2回目)【イベント】
山陰海岸国立公園 竹野 酒井 良明
皆さんこんにちは。
立春を過ぎ、ようやく冬の寒さのピークも終わろうとしています。
以前の日記でクサギカメムシの動きから、今年は大雪になると予想していたのですが思ったほど降らず、雪が少なかったといわれた昨年以上に雪が降っていません。
豪雪になると思って新しく買った除雪スコップも玄関で埃を被っており、少々肩すかしです。
さて、1月29日に香美町立柴山小学校に出前授業に行ってきました。
小学3年生を相手に海岸漂着物について、1校時分お話しをしてきました。
今回の出前授業は参加人数が10名とのことで、みんなで輪になって話すようなスタイルをとり、最初に簡単に国立公園と自然保護官事務所のお仕事について説明した後、今回の出前授業の事前学習として児童達が拾ってきた漂着物について解説しました。
空きペットボトル、漁具、生物の残骸等の漂着物が多かったのですが、中には中国の将棋「シャンチー」のコマや、船に使われていたのであろう操舵輪のマークの入ったパーツ等も見つかりました。
大まかに児童達が拾ってきた漂着物をどのようなジャンルのものか分類しました。(生物の残骸、医療ゴミ、漁具、家庭ゴミなどなど)
その後、児童が拾ってきた漂着物や資料として持ち込んだ漂着物のバーコードを使って、漂着物の原産国調べを行いました。
今回のバーコード調べでは、漂着物を調べて四つの国の物を集めるゲームを行いました。
やはり日本、中国、韓国、ロシアの四カ国の物が多かったのですが、そのほかにも、イギリス、ドイツといった欧州の国々や、インド、ベトナム、タイといった南アジア、東南アジアといった国々の物も見られました。
この漂着物調べは児童達にかなり人気のプログラムであり、最低四つ調べてと言うと、その倍以上調べる子もいるほどです。
その後見つけた国はどこにあるのか、またそこからどうやって流れてきたのかを世界地図を使って説明していきます。
児童達の中には世界地図を見ることが初めての子もいたようで、世界の広さや世界の中での日本の小ささに感心していました。中には、サッカーの試合やニュースで良く聞く国名を地図上で調べている子もおり、地理についての良い勉強になっていたようです。
世界地図についての説明が終わった後、漂着物がどのようなルートで運ばれるのか、なぜ中国、韓国、ロシアの漂着物が多いのかを海流図を使って説明しました。
その後、竹野で流れ着いた珍しい漂着物について、紹介をしました。
写真で見せているのは竹野漁協が海に流した、恐らく魚供養か水難者供養のためであろう卒塔婆と軍隊で使われる銃の的です。(銃の的には実際に弾痕らしき物があります)
その他にも、羅針盤やクジラの指骨、サメのひれなどを紹介しました。
最後にまとめと質問コーナーを行って終了です。
質問コーナーでは、漂着物が1番は浜に流れ着く日はいつか、山陰全体で年にどのくらいの個数の漂着物が流れ着くのかといった、今回の授業の内容を掘り下げる質問から、人はなぜ海にゴミを捨てるのか、と言ったある意味哲学的な質問まで飛び出しました。
まとめでは、児童達一人一人にできる海岸漂着物を減らすための方法と気をつけて欲しいことについて説明をしました。
今年度の出前授業は、現在依頼を受けている分で終了となりますが、次年度分の授業依頼は随時受け付けております。
山陰海岸国立公園のある市町に勤める学校関係者の皆さん、次年度はこのような出前授業を学校で行ってみませんか?
お問い合わせは以下までご連絡下さい。
環境省竹野自然保護官事務所 担当:酒井
TEL:0796-47-0236
FAX:0796-47-0249
それではまた次回。
立春を過ぎ、ようやく冬の寒さのピークも終わろうとしています。
以前の日記でクサギカメムシの動きから、今年は大雪になると予想していたのですが思ったほど降らず、雪が少なかったといわれた昨年以上に雪が降っていません。
豪雪になると思って新しく買った除雪スコップも玄関で埃を被っており、少々肩すかしです。
さて、1月29日に香美町立柴山小学校に出前授業に行ってきました。
小学3年生を相手に海岸漂着物について、1校時分お話しをしてきました。
今回の出前授業は参加人数が10名とのことで、みんなで輪になって話すようなスタイルをとり、最初に簡単に国立公園と自然保護官事務所のお仕事について説明した後、今回の出前授業の事前学習として児童達が拾ってきた漂着物について解説しました。
空きペットボトル、漁具、生物の残骸等の漂着物が多かったのですが、中には中国の将棋「シャンチー」のコマや、船に使われていたのであろう操舵輪のマークの入ったパーツ等も見つかりました。
大まかに児童達が拾ってきた漂着物をどのようなジャンルのものか分類しました。(生物の残骸、医療ゴミ、漁具、家庭ゴミなどなど)
その後、児童が拾ってきた漂着物や資料として持ち込んだ漂着物のバーコードを使って、漂着物の原産国調べを行いました。
今回のバーコード調べでは、漂着物を調べて四つの国の物を集めるゲームを行いました。
やはり日本、中国、韓国、ロシアの四カ国の物が多かったのですが、そのほかにも、イギリス、ドイツといった欧州の国々や、インド、ベトナム、タイといった南アジア、東南アジアといった国々の物も見られました。
この漂着物調べは児童達にかなり人気のプログラムであり、最低四つ調べてと言うと、その倍以上調べる子もいるほどです。
その後見つけた国はどこにあるのか、またそこからどうやって流れてきたのかを世界地図を使って説明していきます。
児童達の中には世界地図を見ることが初めての子もいたようで、世界の広さや世界の中での日本の小ささに感心していました。中には、サッカーの試合やニュースで良く聞く国名を地図上で調べている子もおり、地理についての良い勉強になっていたようです。
世界地図についての説明が終わった後、漂着物がどのようなルートで運ばれるのか、なぜ中国、韓国、ロシアの漂着物が多いのかを海流図を使って説明しました。
その後、竹野で流れ着いた珍しい漂着物について、紹介をしました。
写真で見せているのは竹野漁協が海に流した、恐らく魚供養か水難者供養のためであろう卒塔婆と軍隊で使われる銃の的です。(銃の的には実際に弾痕らしき物があります)
その他にも、羅針盤やクジラの指骨、サメのひれなどを紹介しました。
最後にまとめと質問コーナーを行って終了です。
質問コーナーでは、漂着物が1番は浜に流れ着く日はいつか、山陰全体で年にどのくらいの個数の漂着物が流れ着くのかといった、今回の授業の内容を掘り下げる質問から、人はなぜ海にゴミを捨てるのか、と言ったある意味哲学的な質問まで飛び出しました。
まとめでは、児童達一人一人にできる海岸漂着物を減らすための方法と気をつけて欲しいことについて説明をしました。
今年度の出前授業は、現在依頼を受けている分で終了となりますが、次年度分の授業依頼は随時受け付けております。
山陰海岸国立公園のある市町に勤める学校関係者の皆さん、次年度はこのような出前授業を学校で行ってみませんか?
お問い合わせは以下までご連絡下さい。
環境省竹野自然保護官事務所 担当:酒井
TEL:0796-47-0236
FAX:0796-47-0249
それではまた次回。
2014年01月24日竜宮城へは行けません【生物】
山陰海岸国立公園 竹野 酒井 良明
皆さんこんにちは。竹野の酒井です。
今日は竹野からちょっとしたニュースをお伝えしたいと思います。
1月23日の午後に、面白い物が竹野浜に打ち上がりました。
リュウグウノツカイという深海魚です。
アカマンボウ目リュウグウノツカイ科の魚で遠い仲間にアカマンボウがいます。
(ちなみにアカマンボウはマンボウの仲間と思われることがありますが、マンボウとアカマンボウは別物です。パンダとニホンジカぐらい違う生き物です。)
世界にすむ硬骨魚(サメやエイ以外の魚)の中で世界最大の長さを誇る魚なのだそうです。
ちなみにこのリュウグウノツカイのサイズは・・・
大体4m20cmちょっとです。重さは計測していませんが、成人男性三人で持ってもかなりずっしりくる重量です。
顔周辺をアップにした写真がこちらです。
リュウグウノツカイ(竜宮の使い)という優美な名前とは裏腹に、顔はあまり優美とはいえません・・・
その代わりにご注目頂きたいのは体色とひれです。
体色についてはこの写真で見ると赤白く見えますが、浜に打ち上がった頃は綺麗な銀色でした。リュウグウノツカイはうろこを持たず、銀色のタンパク質で体に膜を作ることで体を保護しているのだそうです。移動や写真撮影のため、べたべたと触ったせいで銀色の膜も落ちてしまいましたが・・・。
もう一つご注目頂きたいのはひれです。透明感のある赤色の背びれが頭から尾の先端まで途切れること無く続いています。
そして頭頂部には風に流れる赤い鉢巻きのように背びれが一部分だけ長く伸びています。水中ではこれらのひれを流しながら泳ぐのだそうです。
泳いでいる姿も一度見てみたい物ですね。
ちなみにここからは余談になりますが、皆さんは童話「人魚姫」はお好きでしょうか?
童話「人魚姫」はデンマークで作られたお話しですが、人魚の話自体はドイツやギリシャ、中国など世界中に伝説があります。
幽霊の正体見たり枯れ尾花、という訳ではないですが人魚の伝説のモデルとなった物は、ジュゴンやマナティと言った海獣であることがほとんどだと言われています。
日本にも人魚伝説はありますが、日本の場合は海獣ではなく、このリュウグウノツカイがモデルになっていると言われています。
八百比丘尼伝説という伝説なのですが、その伝説がどのような内容かをおおざっぱに説明すると、若狭国(現福井県)の海岸で浜に打ち上がっていた人魚の肉を庄屋(今で言うところの村長)が村人に配った。ほとんどの村人は人魚の肉を食べれば不老不死になれるということは知っていたが、怪しんで食べずに捨ててしまった。一人だけ肉を捨てずに隠してとっておいた男がいたが、隠していた肉はその男の娘が食べてしまう。人魚の肉を食べた娘は不老不死となり何百年も生き、人々のために働いたが、最後には世を儚んで洞窟の中で亡くなったと言う物です。
その八百比丘尼伝説の人魚に関する記述を調べていくとリュウグウノツカイの特徴と人魚の特徴が合致する点が多く、日本の人魚伝説のモデルではないかと言われています。
竹野では、リュウグウノツカイやその仲間の深海魚が漂着したものが年に一回ぐらい発見されています。
もしリュウグウノツカイが漂着しているのを見つけても、くれぐれもその肉は食べないで下さいね。フィションの世界では、様々な作品の中で、「不老不死などろくな物ではないですよ」と書かれていますので・・・
今日は竹野からちょっとしたニュースをお伝えしたいと思います。
1月23日の午後に、面白い物が竹野浜に打ち上がりました。
リュウグウノツカイという深海魚です。
アカマンボウ目リュウグウノツカイ科の魚で遠い仲間にアカマンボウがいます。
(ちなみにアカマンボウはマンボウの仲間と思われることがありますが、マンボウとアカマンボウは別物です。パンダとニホンジカぐらい違う生き物です。)
世界にすむ硬骨魚(サメやエイ以外の魚)の中で世界最大の長さを誇る魚なのだそうです。
ちなみにこのリュウグウノツカイのサイズは・・・
大体4m20cmちょっとです。重さは計測していませんが、成人男性三人で持ってもかなりずっしりくる重量です。
顔周辺をアップにした写真がこちらです。
リュウグウノツカイ(竜宮の使い)という優美な名前とは裏腹に、顔はあまり優美とはいえません・・・
その代わりにご注目頂きたいのは体色とひれです。
体色についてはこの写真で見ると赤白く見えますが、浜に打ち上がった頃は綺麗な銀色でした。リュウグウノツカイはうろこを持たず、銀色のタンパク質で体に膜を作ることで体を保護しているのだそうです。移動や写真撮影のため、べたべたと触ったせいで銀色の膜も落ちてしまいましたが・・・。
もう一つご注目頂きたいのはひれです。透明感のある赤色の背びれが頭から尾の先端まで途切れること無く続いています。
そして頭頂部には風に流れる赤い鉢巻きのように背びれが一部分だけ長く伸びています。水中ではこれらのひれを流しながら泳ぐのだそうです。
泳いでいる姿も一度見てみたい物ですね。
ちなみにここからは余談になりますが、皆さんは童話「人魚姫」はお好きでしょうか?
童話「人魚姫」はデンマークで作られたお話しですが、人魚の話自体はドイツやギリシャ、中国など世界中に伝説があります。
幽霊の正体見たり枯れ尾花、という訳ではないですが人魚の伝説のモデルとなった物は、ジュゴンやマナティと言った海獣であることがほとんどだと言われています。
日本にも人魚伝説はありますが、日本の場合は海獣ではなく、このリュウグウノツカイがモデルになっていると言われています。
八百比丘尼伝説という伝説なのですが、その伝説がどのような内容かをおおざっぱに説明すると、若狭国(現福井県)の海岸で浜に打ち上がっていた人魚の肉を庄屋(今で言うところの村長)が村人に配った。ほとんどの村人は人魚の肉を食べれば不老不死になれるということは知っていたが、怪しんで食べずに捨ててしまった。一人だけ肉を捨てずに隠してとっておいた男がいたが、隠していた肉はその男の娘が食べてしまう。人魚の肉を食べた娘は不老不死となり何百年も生き、人々のために働いたが、最後には世を儚んで洞窟の中で亡くなったと言う物です。
その八百比丘尼伝説の人魚に関する記述を調べていくとリュウグウノツカイの特徴と人魚の特徴が合致する点が多く、日本の人魚伝説のモデルではないかと言われています。
竹野では、リュウグウノツカイやその仲間の深海魚が漂着したものが年に一回ぐらい発見されています。
もしリュウグウノツカイが漂着しているのを見つけても、くれぐれもその肉は食べないで下さいね。フィションの世界では、様々な作品の中で、「不老不死などろくな物ではないですよ」と書かれていますので・・・
2013年12月17日クリスマスが来る前に【イベント】
山陰海岸国立公園 竹野 酒井 良明
皆さんこんにちは。
竹野の酒井です。
12月も半ばを過ぎ、長期休みや年中行事を控え慌ただしい時期となりました。
この記事を読んでいる皆様も今年中にやっておきたいことは終わりましたでしょうか。
ちなみに私はというと、今年中にやっておきたかった自宅の本と標本の分類整理とアウトドア道具のメンテナンスが一向に進んでおりません。
来年に持ち越しになりそうな予感をひしひしと感じています。
さて話を戻しまして、12月の特に大きな年中行事の一つクリスマスに関わるイベントとして「テーマであそぼ!クリスマスのお話とマイ・ツリーづくり」というタイトルで、豊岡市立図書館竹野分館と合同で絵本の読みきかせとネイチャークラフトの体験会を12月7日(土)に実施いたしました。
今回は児童に対し、本と自然への興味を深めるという目的で開催されたもので、今回は初の試みとして豊岡市立図書館と一緒にイベントを行いました。
簡単に開会挨拶があった後、絵本の読みきかせを行います。
今回の読みきかせで使った本は「いちばんすてきなクリスマス」と「びんぼうがみとふくのかみ」の2冊でした。それぞれクリスマスとお正月がテーマのお話で12月にぴったりでした。
子どもたちは絵本のすぐ近くまでよって読みきかせを聞いています。
読みきかせが終わったら次はクラフトです。
クラフトの内容はタイトルの通りクリスマスツリー作りです。
もちろん、本物のツリーは大きすぎるため作れませんので、廃材として出た杉の丸太と葉っぱ、海岸清掃の際に回収された流木ならぬ流竹を使ったミニチュアツリーと割り箸に毛糸を巻き付けて作るミニチュアツリーの2種類を作成しました。
どちらもツリーも作成キットのような形で材料を用意してあるため、形を作ることは簡単です。
組み立てが終わった後は飾り付けを行います。
飾り付けについては子どもたちのセンスに任せ自由に飾り付けをしてもらいました。
その後は飾り付けに満足のいった子から完成、解散としました。
大体1時間半ほどでイベントは終了しました。短い時間でしたが読みきかせ、クラフト、ともに子どもたちは楽しそうに参加していたようです。
今回の観察会にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
それでは皆様、良いクリスマスを!
竹野の酒井です。
12月も半ばを過ぎ、長期休みや年中行事を控え慌ただしい時期となりました。
この記事を読んでいる皆様も今年中にやっておきたいことは終わりましたでしょうか。
ちなみに私はというと、今年中にやっておきたかった自宅の本と標本の分類整理とアウトドア道具のメンテナンスが一向に進んでおりません。
来年に持ち越しになりそうな予感をひしひしと感じています。
さて話を戻しまして、12月の特に大きな年中行事の一つクリスマスに関わるイベントとして「テーマであそぼ!クリスマスのお話とマイ・ツリーづくり」というタイトルで、豊岡市立図書館竹野分館と合同で絵本の読みきかせとネイチャークラフトの体験会を12月7日(土)に実施いたしました。
今回は児童に対し、本と自然への興味を深めるという目的で開催されたもので、今回は初の試みとして豊岡市立図書館と一緒にイベントを行いました。
簡単に開会挨拶があった後、絵本の読みきかせを行います。
今回の読みきかせで使った本は「いちばんすてきなクリスマス」と「びんぼうがみとふくのかみ」の2冊でした。それぞれクリスマスとお正月がテーマのお話で12月にぴったりでした。
子どもたちは絵本のすぐ近くまでよって読みきかせを聞いています。
読みきかせが終わったら次はクラフトです。
クラフトの内容はタイトルの通りクリスマスツリー作りです。
もちろん、本物のツリーは大きすぎるため作れませんので、廃材として出た杉の丸太と葉っぱ、海岸清掃の際に回収された流木ならぬ流竹を使ったミニチュアツリーと割り箸に毛糸を巻き付けて作るミニチュアツリーの2種類を作成しました。
どちらもツリーも作成キットのような形で材料を用意してあるため、形を作ることは簡単です。
組み立てが終わった後は飾り付けを行います。
飾り付けについては子どもたちのセンスに任せ自由に飾り付けをしてもらいました。
その後は飾り付けに満足のいった子から完成、解散としました。
大体1時間半ほどでイベントは終了しました。短い時間でしたが読みきかせ、クラフト、ともに子どもたちは楽しそうに参加していたようです。
今回の観察会にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
それでは皆様、良いクリスマスを!
2013年11月29日桃ではないがどんぶらこっこどんぶらこっこ【その他】
山陰海岸国立公園 竹野 酒井 良明
皆さんこんにちは
竹野の酒井です。
近頃竹野はめっきりと冷え込み、竹野自然保護官事務所でもペレットストーブに火を入れ始めました。
気温は10度を下回り、寒くなりました。
この日記を書いている今、外では霰とも雪とつかぬような氷の固まりが降り続いています。
さて、先日個人的な用事で、神戸の方ですが海に潜ってきました。水温は20℃ほどで、陸にいるよりも暖かく不思議な感じでした。
さて、神戸の海は瀬戸内海らしい穏やかな波でしたが、竹野の海はといいますと荒波が押し寄せ、場所によっては巻き上げられた砂で水が茶色に濁り、冬の日本海の豪快な風景を作り出しています。
そうして波が荒れてくると、やってくるものが漂着物です。
昨年は、アカイカやゴマフアザラシなどの生物や韓国、中国、ロシア等のゴミが流れ着きました。
漂着ゴミが流れ着く量が本格化するのはもう少し冬が深まってからですが、今の段階でもかなり多くのものが流れ着いています。
たとえばこのような外国のペットボトルや医療漂着物の薬瓶などです。
珍しいものとしては、このようなものがみつかりました。
人が入るぐらい大きな漁業用の浮きです。
浮きの横でうずくまっている人物は私です。
うずくまっているとはいえ身長167cmの成人男性と比較してみると
非常に巨大なことがよく分かります。
さて、なぜこのような日記を11月半ばに書いているのかと言いますと、竹野自然保護官事務所では漂着物を題材とした出前授業や観察会の講師派遣依頼等も行っておりまして、この度、そのプログラムがリニューアルしました。
京丹後市、豊岡市、香美町の学校、団体を対象として無料で講義いたします。皆様いかがでしょうか?
連絡先は下記のとおりです。
竹野自然保護官事務所(0796-47-0236)
担当:酒井
皆様のご連絡をお待ちしております。
竹野の酒井です。
近頃竹野はめっきりと冷え込み、竹野自然保護官事務所でもペレットストーブに火を入れ始めました。
気温は10度を下回り、寒くなりました。
この日記を書いている今、外では霰とも雪とつかぬような氷の固まりが降り続いています。
さて、先日個人的な用事で、神戸の方ですが海に潜ってきました。水温は20℃ほどで、陸にいるよりも暖かく不思議な感じでした。
さて、神戸の海は瀬戸内海らしい穏やかな波でしたが、竹野の海はといいますと荒波が押し寄せ、場所によっては巻き上げられた砂で水が茶色に濁り、冬の日本海の豪快な風景を作り出しています。
そうして波が荒れてくると、やってくるものが漂着物です。
昨年は、アカイカやゴマフアザラシなどの生物や韓国、中国、ロシア等のゴミが流れ着きました。
漂着ゴミが流れ着く量が本格化するのはもう少し冬が深まってからですが、今の段階でもかなり多くのものが流れ着いています。
たとえばこのような外国のペットボトルや医療漂着物の薬瓶などです。
珍しいものとしては、このようなものがみつかりました。
人が入るぐらい大きな漁業用の浮きです。
浮きの横でうずくまっている人物は私です。
うずくまっているとはいえ身長167cmの成人男性と比較してみると
非常に巨大なことがよく分かります。
さて、なぜこのような日記を11月半ばに書いているのかと言いますと、竹野自然保護官事務所では漂着物を題材とした出前授業や観察会の講師派遣依頼等も行っておりまして、この度、そのプログラムがリニューアルしました。
京丹後市、豊岡市、香美町の学校、団体を対象として無料で講義いたします。皆様いかがでしょうか?
連絡先は下記のとおりです。
竹野自然保護官事務所(0796-47-0236)
担当:酒井
皆様のご連絡をお待ちしております。
2013年11月19日雪と虫の関係【動物】
山陰海岸国立公園 竹野 酒井 良明
皆さんこんにちは。
竹野の酒井です。
山陰では冬期の観光の主力、ズワイガニの水揚げが始まりました。
新聞記事を見ていると、今年は昨年よりも水揚げ数量、大きさ共に良いようですね。ちなみに私も先日ベニズワイガニを食べて来ましたが、非常に美味しかったです。
また、これからはより寒さも深まり温泉に浸かるのが非常に気持ち良くなってきますので、是非皆様も、カニと温泉を楽しみに山陰にお越し下さい。
さて、宣伝はこの辺にいたしまして、最近竹野ではこのような虫が大量に発生しています。
カメムシです。はっきりと同定はできませんでしたが、おそらくクサギカメムシという種ではないかと思います。
人家等の暖かい場所で越冬するカメムシなのですが、これが保護官事務所にも自宅にもわらわらと出てきています。
このカメムシ大量発生には地元の方も少し困っているようですが、ある方は、それ以上に冬が心配だと仰っていました。
その方が仰るには、カメムシが大量発生する年は豪雪になるとのこと。
調べてみると、科学的な根拠はないようですが、かなり広い地域でカメムシと雪の関係の言い伝えがあるみたいです。
言い伝えは経験によって生まれるものですので、個人的には結構信じています。特に、自然の中で生きている生き物は天候の変化に対して敏感なので、生き物の行動と天気の関係に関する言い伝えは信頼性があるのではないかと思っています。「燕が低く飛ぶと雨」、「蛙が鳴くと雨」といったものがありますね。
はたして今年は言い伝え通りに豪雪が降るのでしょうか?
それとも、はずれるのでしょうか?
先人より伝えられてきた積雪の先読みのしかたに触れつつ、今回はここまでです。
竹野の酒井です。
山陰では冬期の観光の主力、ズワイガニの水揚げが始まりました。
新聞記事を見ていると、今年は昨年よりも水揚げ数量、大きさ共に良いようですね。ちなみに私も先日ベニズワイガニを食べて来ましたが、非常に美味しかったです。
また、これからはより寒さも深まり温泉に浸かるのが非常に気持ち良くなってきますので、是非皆様も、カニと温泉を楽しみに山陰にお越し下さい。
さて、宣伝はこの辺にいたしまして、最近竹野ではこのような虫が大量に発生しています。
カメムシです。はっきりと同定はできませんでしたが、おそらくクサギカメムシという種ではないかと思います。
人家等の暖かい場所で越冬するカメムシなのですが、これが保護官事務所にも自宅にもわらわらと出てきています。
このカメムシ大量発生には地元の方も少し困っているようですが、ある方は、それ以上に冬が心配だと仰っていました。
その方が仰るには、カメムシが大量発生する年は豪雪になるとのこと。
調べてみると、科学的な根拠はないようですが、かなり広い地域でカメムシと雪の関係の言い伝えがあるみたいです。
言い伝えは経験によって生まれるものですので、個人的には結構信じています。特に、自然の中で生きている生き物は天候の変化に対して敏感なので、生き物の行動と天気の関係に関する言い伝えは信頼性があるのではないかと思っています。「燕が低く飛ぶと雨」、「蛙が鳴くと雨」といったものがありますね。
はたして今年は言い伝え通りに豪雪が降るのでしょうか?
それとも、はずれるのでしょうか?
先人より伝えられてきた積雪の先読みのしかたに触れつつ、今回はここまでです。
2013年11月05日とりあえずはリムーバーとお湯とお酢【生物】
山陰海岸国立公園 竹野 酒井 良明
皆さんこんにちは。
竹野の酒井です。
気がつけばもう今年の残りも二月ほど、そして本格的に季節が冬になったのか寒いですね。最近は汁物や鍋物等の暖かい食事ばかり食べています。
しかし急激に寒くなったため、夏の素麺の束がたっぷり残っており、この寒い時期にいかに素麺を消費しようか頭を悩ませています。
さて、前置きはこの辺にしまして、最近の業務として次年度以降に新規加入されるパークボランティアのための大浦湾における生物解説マニュアルや危険生物一覧表等を作成しています。
そのような業務をしているため、最近アウトドアにおける危険生物に関する本をよく読みます。
読んでいくと竹野でもよく見る生物、今まで竹野ではまず見ることは無かったが、ひょっとしたらいるかもしれない生物や、非常に有名な危険生物だが、まず竹野で見ることは無い生物と、様々な生物が載っており、今まで知らなかった危険生物の詳しい分布や生態が分かり非常に面白いです。
たとえばヒョウモンダコ。対馬海流にのって3年ほど前に竹野スノーケルセンター前の大浦湾にやってきた毒タコです。
基本的には南方の生き物であるため、通常であれば、竹野には流れ着かず、大抵はもっと南で凍死する生物です。
当時の海水温が妙に高かったのか竹野に流れ着いたようで、少々驚きました。
こうした危険生物の発見例は覚えておくことが大事です。
ヒョウモンダコの発見例を覚えていなければ、竹野の海水浴等で来られる利用者の方が、もしヒョウモンダコに噛まれた場合に、迅速な処置ができないかもしれません。
危険生物の情報はかなり重要です。
居るかもしれない危険生物の情報を集めることも大事ですが確実にいる危険生物の情報、対処法を集め、覚えておくことはもっと重要です。
竹野で被害の多い危険生物はこちらのアンドンクラゲでしょうか。
お盆を過ぎてもある程度の水温を保っているところならば本州の北部等を除き、大体全国のどの海岸にも現れるクラゲです。
これが恐ろしいのはかなり強力な毒をもっているところです。
以前見たクラゲ図鑑では日本近海では三本指に入る刺胞毒を持つクラゲと記載されていました。
出てくるのはたいていお盆過ぎなのですが、運が悪いと7月頭等にも出てきたりします。
そして接触して刺されるという事になります。
後はサイズ、触手が大きく長いので、気がつくと触手が引っかかっていたりしてやっかいです。
上の写真のシロガヤなども被害が多いです。
海の中で揺らいでいる鳥の羽のような、海藻のような見た目の非常に綺麗なクラゲです。
ヒドロ虫科の生き物で、刺されると発疹がでて非常にジンジンと痛痒くなります。
たちが悪いのはこのシロガヤ、ちょっとした衝撃で羽が壊れて、毒針を海中にばらまく点にあります。そのばらまかれた毒針に刺されても発疹がでて、痛痒くなります。
またシロガヤを見つけて避けようとフィンで海を蹴ると、その蹴った水流でシロガヤが壊れ毒針を海中にばらまくということが結構な頻度でおこります。
ばらまかれるため、下手をすると被害が一人では済まず、グループ全員が被害を受ける可能性もあります。
(実際に私も6月にシロガヤのばらまかれた毒針に刺されました。)
ちなみに、シロガヤは白い羽のようなクラゲですが、これが黒くなるとクロガヤというクラゲになります。こちらも有毒です。海の中で羽のような形の海藻を見つけたら、ハネガヤ科というクラゲの仲間だと思ってほぼ間違いありません。水中では羽に近づかないようにして下さい。
他に被害が多いものとしては下の写真のオコゼの被害でしょうか。
裸足で海に入り、うっかりオコゼを踏んづけてしまうでことや、岩に手をついた時にいたオコゼに触ってしまうために棘が刺さってしまうことがほとんどです。
基本的にスノーケル、磯観察中はブーツ等を履いているためうっかり踏んづけてることはまず無いのですが、海中で手をついた際にごくまれに刺さることがあります。
一般的に有名な危険生物としては、アンボイナガイやウミヘビ、ハブクラゲやモンハナシャコ等がいますが、ずっと南方で棲息しているため竹野にはそれらの生物はいません。
熊野の鎌田アクティブレンジャーが駆除作業を行っているオニヒトデは、本州では黒潮が直撃する緯度の低いところで繁殖しているようですので同じく竹野にはいませんし、磯観察の厄介者、ガンガゼもほとんど見ることはありません。(10月ぐらいに少しだけ出ますが)
普段のパークボランティア活動は海域で行われますので、陸域のツタウルシやイラクサ等の生物に対して通常のパークボランティア活動ではそこまで気を配る必要はありません(陸域の活動の場合はまた別ですが・・・)
とはいえ気を抜くと危険ですが。
皆さんも今回の記事を来年の海水浴、スノーケルシーズンまでぜひ覚えておいて下さい。
竹野の酒井です。
気がつけばもう今年の残りも二月ほど、そして本格的に季節が冬になったのか寒いですね。最近は汁物や鍋物等の暖かい食事ばかり食べています。
しかし急激に寒くなったため、夏の素麺の束がたっぷり残っており、この寒い時期にいかに素麺を消費しようか頭を悩ませています。
さて、前置きはこの辺にしまして、最近の業務として次年度以降に新規加入されるパークボランティアのための大浦湾における生物解説マニュアルや危険生物一覧表等を作成しています。
そのような業務をしているため、最近アウトドアにおける危険生物に関する本をよく読みます。
読んでいくと竹野でもよく見る生物、今まで竹野ではまず見ることは無かったが、ひょっとしたらいるかもしれない生物や、非常に有名な危険生物だが、まず竹野で見ることは無い生物と、様々な生物が載っており、今まで知らなかった危険生物の詳しい分布や生態が分かり非常に面白いです。
たとえばヒョウモンダコ。対馬海流にのって3年ほど前に竹野スノーケルセンター前の大浦湾にやってきた毒タコです。
基本的には南方の生き物であるため、通常であれば、竹野には流れ着かず、大抵はもっと南で凍死する生物です。
当時の海水温が妙に高かったのか竹野に流れ着いたようで、少々驚きました。
こうした危険生物の発見例は覚えておくことが大事です。
ヒョウモンダコの発見例を覚えていなければ、竹野の海水浴等で来られる利用者の方が、もしヒョウモンダコに噛まれた場合に、迅速な処置ができないかもしれません。
危険生物の情報はかなり重要です。
居るかもしれない危険生物の情報を集めることも大事ですが確実にいる危険生物の情報、対処法を集め、覚えておくことはもっと重要です。
竹野で被害の多い危険生物はこちらのアンドンクラゲでしょうか。
お盆を過ぎてもある程度の水温を保っているところならば本州の北部等を除き、大体全国のどの海岸にも現れるクラゲです。
これが恐ろしいのはかなり強力な毒をもっているところです。
以前見たクラゲ図鑑では日本近海では三本指に入る刺胞毒を持つクラゲと記載されていました。
出てくるのはたいていお盆過ぎなのですが、運が悪いと7月頭等にも出てきたりします。
そして接触して刺されるという事になります。
後はサイズ、触手が大きく長いので、気がつくと触手が引っかかっていたりしてやっかいです。
上の写真のシロガヤなども被害が多いです。
海の中で揺らいでいる鳥の羽のような、海藻のような見た目の非常に綺麗なクラゲです。
ヒドロ虫科の生き物で、刺されると発疹がでて非常にジンジンと痛痒くなります。
たちが悪いのはこのシロガヤ、ちょっとした衝撃で羽が壊れて、毒針を海中にばらまく点にあります。そのばらまかれた毒針に刺されても発疹がでて、痛痒くなります。
またシロガヤを見つけて避けようとフィンで海を蹴ると、その蹴った水流でシロガヤが壊れ毒針を海中にばらまくということが結構な頻度でおこります。
ばらまかれるため、下手をすると被害が一人では済まず、グループ全員が被害を受ける可能性もあります。
(実際に私も6月にシロガヤのばらまかれた毒針に刺されました。)
ちなみに、シロガヤは白い羽のようなクラゲですが、これが黒くなるとクロガヤというクラゲになります。こちらも有毒です。海の中で羽のような形の海藻を見つけたら、ハネガヤ科というクラゲの仲間だと思ってほぼ間違いありません。水中では羽に近づかないようにして下さい。
他に被害が多いものとしては下の写真のオコゼの被害でしょうか。
裸足で海に入り、うっかりオコゼを踏んづけてしまうでことや、岩に手をついた時にいたオコゼに触ってしまうために棘が刺さってしまうことがほとんどです。
基本的にスノーケル、磯観察中はブーツ等を履いているためうっかり踏んづけてることはまず無いのですが、海中で手をついた際にごくまれに刺さることがあります。
一般的に有名な危険生物としては、アンボイナガイやウミヘビ、ハブクラゲやモンハナシャコ等がいますが、ずっと南方で棲息しているため竹野にはそれらの生物はいません。
熊野の鎌田アクティブレンジャーが駆除作業を行っているオニヒトデは、本州では黒潮が直撃する緯度の低いところで繁殖しているようですので同じく竹野にはいませんし、磯観察の厄介者、ガンガゼもほとんど見ることはありません。(10月ぐらいに少しだけ出ますが)
普段のパークボランティア活動は海域で行われますので、陸域のツタウルシやイラクサ等の生物に対して通常のパークボランティア活動ではそこまで気を配る必要はありません(陸域の活動の場合はまた別ですが・・・)
とはいえ気を抜くと危険ですが。
皆さんも今回の記事を来年の海水浴、スノーケルシーズンまでぜひ覚えておいて下さい。
2013年10月23日観察会などいかがですか?【告知】
山陰海岸国立公園 竹野 酒井 良明
皆さんこんにちは。
竹野の酒井です。
最近はめっきり冷え込み、暖かい蕎麦やラーメン、鍋物等が美味しい季節になってきました。気がつけば今年もあと二ヶ月あまり、もうすぐ竹野にも雪が降る時期になります。
さて、そんな雪が降る時期がやってくる前に、竹野自然保護官事務所では、自然観察会を実施いたします。
今年の4月から不定期に行っておりました自然観察会「夕方お散歩ウォーク」の4回目です。
実施日は11月2日(土)16:00~17:00
ちなみに夕方お散歩ウォークとは何かといいますと、「五感を使って山陰海岸を楽しむこと」を目的とした、気軽に参加できる自然観察会です。
特徴は毎回時間が夕方の1時間であること、当日参加が可能なこと、毎回テーマが設定されている事の三つです。
ちなみに前回の観察会のテーマは「触覚」、前々回のテーマは「嗅覚」でしたが、今回は「視覚」をテーマとして、山陰海岸国立公園内の切浜海水浴場を中心に洞門や漂着物、夕焼け等を観察しようと考えております。
詳細は以下の通りです。
山陰海岸国立公園がもつダイナミックな海岸美を「視覚」で楽しんでみませんか?
皆様のご参加をお待ちしております
竹野の酒井です。
最近はめっきり冷え込み、暖かい蕎麦やラーメン、鍋物等が美味しい季節になってきました。気がつけば今年もあと二ヶ月あまり、もうすぐ竹野にも雪が降る時期になります。
さて、そんな雪が降る時期がやってくる前に、竹野自然保護官事務所では、自然観察会を実施いたします。
今年の4月から不定期に行っておりました自然観察会「夕方お散歩ウォーク」の4回目です。
実施日は11月2日(土)16:00~17:00
ちなみに夕方お散歩ウォークとは何かといいますと、「五感を使って山陰海岸を楽しむこと」を目的とした、気軽に参加できる自然観察会です。
特徴は毎回時間が夕方の1時間であること、当日参加が可能なこと、毎回テーマが設定されている事の三つです。
ちなみに前回の観察会のテーマは「触覚」、前々回のテーマは「嗅覚」でしたが、今回は「視覚」をテーマとして、山陰海岸国立公園内の切浜海水浴場を中心に洞門や漂着物、夕焼け等を観察しようと考えております。
詳細は以下の通りです。
山陰海岸国立公園がもつダイナミックな海岸美を「視覚」で楽しんでみませんか?
皆様のご参加をお待ちしております
2013年10月21日山陰海岸を楽しむ5個のポイント!!【風景】
山陰海岸国立公園 竹野 酒井 良明
皆さんこんにちは竹野の酒井です。
気温が下がり、散歩やハイキングをするには良い季節です。
先日から来日岳の雲海も見られるようになってきており、風景をみるなら今ぐらい時期がベストだと思います。
今回は個人的に役に立つと思う、山陰海岸国立公園の観光を楽しむための5個のポイントを皆様にお伝えしたいと思います。
ポイント1
靴はしっかりと。
山陰海岸国立公園内の見所や展望台への道は比較的しっかりとしたところが多いですが、場所によっては、足下をしっかり固めておかないと、見所までたどり着けないような場所もあります。
夏場などは海水浴がてらにサンダルで見所まで歩いて行きたいところですが、サンダルは海水浴場にとどめ、ケガの防止のためにも、最低でもスニーカー、できれば軽登山靴を履いて行かれる事をおすすめします。
冬期は長靴もあるとより良いと思います。山陰はべしゃべしゃした雪の降る豪雪地帯ですので、冬場は長靴が必須です。
ポイント2
防寒よりも防風がオススメ。
基本的には山陰を訪れる際には高山に行くような寒さ対策、南方に行くような暑さ対策はいりません。その季節のごくごく普通の格好で問題ありません。
ただ、沿岸部のため、夏季以外は海風が強い所が多いです。特別の気温対策はいりませんが、風対策として何か一枚羽織れるウィンドブレーカーのような物があると重宝します。
ポイント3
電車一本命取り!
基本的に山陰海岸国立公園に観光される方は車で来られる方が大多数だと思いますが、電車で来られる方は要注意です。
山陰海岸国立公園を通っている電車は本数が少なく、一本逃すと次の電車は1時間後や2時間後という事はざらです。終電もかなり早いです。
電車一本逃して、予定が大幅に狂ったり、宿や家まで帰れなくなる可能性がありますので十分に電車の時間を調べておくことをオススメします。
ポイント4
事前調査は忘れずに。
当たり前の話ですが行ってみたい場所や目的の物については事前にある程度調べておくことが重要です。例えば竹野スノーケルセンターでカヌーをしようと考えた場合、カヌーのシーズンは、4月から11月までですので、11月や3月に山陰に来られてもカヌーを楽しむことはできません。
ズワイガニが食べたいと今山陰に来られても、ズワイガニ漁の解禁日は11月6日からですので冷凍物しか食べられません。
ちゃんと調査しておかないと目的の物までたどり着けません。
また、雲海や夕焼け、海中の生物や花等の自然現象、自然物を見られたい場合はなお注意が必要です。これらには短い期間しか見られない物がたくさんあります。
ポイント5
風呂セットは持ち歩くことがオススメ。
山陰海岸国立公園とその周辺には特に有名な温泉地として城崎温泉、湯村温泉があります。
それ以外にも、夕日が浦温泉、久美浜温泉、竹野温泉、香住温泉、浜坂温泉郷など至る所に温泉があり、立ち寄り湯があります。
歩いて疲れたら近場の温泉で一休みというものも良いかと思いますし、足湯があるポイントも何カ所ありますので電車やお店等の待ち時間に足湯に浸かって待つ事も良いかと思います。
そのために汗ふき等もかねてビニール袋とタオルぐらいは持ち歩いておくことをオススメいたします。
山陰海岸国立公園で旅行を楽しむ際のポイントを5つ挙げてみました。
ポイントを押さえたのは良いけれど、一体何処に行けば良いのという方。
今回はポイントを5つ上げましたので同じ数だけ私がオススメする山陰海岸の「陸から見られる」絶景スポットをお伝えしたいと思います。
(上段:兜山山頂 中段:来日岳山頂(雲海) 下段:大引の鼻展望台)
(上段:JR鎧駅ホームから見る鎧集落 下段:鳥取砂丘)
その他にも
余部鉄橋
日和山展望台
兜山人食い岩
千貫松島等があります。
ちなみに海から見られる景色では・・・
但馬御火浦
鎧の袖
大浦湾海中
青龍洞門
等がオススメですね。
どこがどう素晴らしいのかじっくりとご説明したいところですが・・・・
恐らく私が説明するよりも実際に見て頂いた方が分かりやすくて良いでしょう。
気になった方は是非山陰海岸国立公園までお越しください。
歩くには今丁度良い季節ですよ!
気温が下がり、散歩やハイキングをするには良い季節です。
先日から来日岳の雲海も見られるようになってきており、風景をみるなら今ぐらい時期がベストだと思います。
今回は個人的に役に立つと思う、山陰海岸国立公園の観光を楽しむための5個のポイントを皆様にお伝えしたいと思います。
ポイント1
靴はしっかりと。
山陰海岸国立公園内の見所や展望台への道は比較的しっかりとしたところが多いですが、場所によっては、足下をしっかり固めておかないと、見所までたどり着けないような場所もあります。
夏場などは海水浴がてらにサンダルで見所まで歩いて行きたいところですが、サンダルは海水浴場にとどめ、ケガの防止のためにも、最低でもスニーカー、できれば軽登山靴を履いて行かれる事をおすすめします。
冬期は長靴もあるとより良いと思います。山陰はべしゃべしゃした雪の降る豪雪地帯ですので、冬場は長靴が必須です。
ポイント2
防寒よりも防風がオススメ。
基本的には山陰を訪れる際には高山に行くような寒さ対策、南方に行くような暑さ対策はいりません。その季節のごくごく普通の格好で問題ありません。
ただ、沿岸部のため、夏季以外は海風が強い所が多いです。特別の気温対策はいりませんが、風対策として何か一枚羽織れるウィンドブレーカーのような物があると重宝します。
ポイント3
電車一本命取り!
基本的に山陰海岸国立公園に観光される方は車で来られる方が大多数だと思いますが、電車で来られる方は要注意です。
山陰海岸国立公園を通っている電車は本数が少なく、一本逃すと次の電車は1時間後や2時間後という事はざらです。終電もかなり早いです。
電車一本逃して、予定が大幅に狂ったり、宿や家まで帰れなくなる可能性がありますので十分に電車の時間を調べておくことをオススメします。
ポイント4
事前調査は忘れずに。
当たり前の話ですが行ってみたい場所や目的の物については事前にある程度調べておくことが重要です。例えば竹野スノーケルセンターでカヌーをしようと考えた場合、カヌーのシーズンは、4月から11月までですので、11月や3月に山陰に来られてもカヌーを楽しむことはできません。
ズワイガニが食べたいと今山陰に来られても、ズワイガニ漁の解禁日は11月6日からですので冷凍物しか食べられません。
ちゃんと調査しておかないと目的の物までたどり着けません。
また、雲海や夕焼け、海中の生物や花等の自然現象、自然物を見られたい場合はなお注意が必要です。これらには短い期間しか見られない物がたくさんあります。
ポイント5
風呂セットは持ち歩くことがオススメ。
山陰海岸国立公園とその周辺には特に有名な温泉地として城崎温泉、湯村温泉があります。
それ以外にも、夕日が浦温泉、久美浜温泉、竹野温泉、香住温泉、浜坂温泉郷など至る所に温泉があり、立ち寄り湯があります。
歩いて疲れたら近場の温泉で一休みというものも良いかと思いますし、足湯があるポイントも何カ所ありますので電車やお店等の待ち時間に足湯に浸かって待つ事も良いかと思います。
そのために汗ふき等もかねてビニール袋とタオルぐらいは持ち歩いておくことをオススメいたします。
山陰海岸国立公園で旅行を楽しむ際のポイントを5つ挙げてみました。
ポイントを押さえたのは良いけれど、一体何処に行けば良いのという方。
今回はポイントを5つ上げましたので同じ数だけ私がオススメする山陰海岸の「陸から見られる」絶景スポットをお伝えしたいと思います。
(上段:兜山山頂 中段:来日岳山頂(雲海) 下段:大引の鼻展望台)
(上段:JR鎧駅ホームから見る鎧集落 下段:鳥取砂丘)
その他にも
余部鉄橋
日和山展望台
兜山人食い岩
千貫松島等があります。
ちなみに海から見られる景色では・・・
但馬御火浦
鎧の袖
大浦湾海中
青龍洞門
等がオススメですね。
どこがどう素晴らしいのかじっくりとご説明したいところですが・・・・
恐らく私が説明するよりも実際に見て頂いた方が分かりやすくて良いでしょう。
気になった方は是非山陰海岸国立公園までお越しください。
歩くには今丁度良い季節ですよ!
竹野の酒井です。
3月に入り海の波もずいぶんと穏やかになってきました。
1月や12月は波が荒く、白波と漂着物であたりは覆われていました。
それではここで皆さんに漂着物に関する質問を一つしたいと思います。
竹野で冬の間よく流れ着く、これは何だと思いますか?
これは「アバサー」「イラフグ」という別名を持つ、「ハリセンボン」という魚です。
フグに近い生き物(フグ目の生き物)で体中に針を持っていることが最大の特徴です。
この針はうろこが変化した物であり、かなり鋭く尖ります。
普段海中を泳いでいるときは、針は寝ているのですが、危険が迫ったときには水を吸い込んで体を膨らませ、針を立たせ外敵から身を守るのだそうです。
フグ目の生き物はフグ、ハコフグ、カワハギ、マンボウ、モンガラの類ですが、フグ目の特徴として泳力が弱い生き物が多いことと特徴的な生物が多いことがあげられます。
フグといって皆さんが真っ先に思い浮かぶのは恐らくフグ料理か、毒についてのことだと思います。フグやハコフグ、カワハギとモンガラの一部などは外敵から身を守るために毒を体にため込む性質がありますが、ハリセンボンはフグ目ですが卵以外に毒はなく、毒の代わりに棘で外敵から身を守ります。
食べられないために毒を蓄えて、外敵から身を守るか、食べられないために棘を蓄えて、外敵から身を守るかの違いですね。
余談ですが、同じフグ目のハコフグは体の内側に骨板という骨で作った鎧を着込み、体からは毒を出して身を守る、毒と鎧の合わせ技で外敵から身を守っています。
ちなみに「針千本」という名前ですが、実際の所、棘の数は300本程度です。
300本と棘の本数が足りないのは千の意味は1000でなく「一攫千金」「千差万別」と言った「とてもたくさん」という意味合いからとられているためでしょうね。
冬の間に海岸を散策すると大抵何匹かはこのハリセンボンが浜に打ち上がっています。
というのもこの魚は以前の日記で紹介した「死滅回遊魚」であるため、冬になると低水温に耐えきれず、死んでしまいます。その死体が波に流されて、浜に打ち上がってくるというわけです。
ちなみにこのハリセンボンは卵巣に毒がある以外は無毒なので食べることができるそうです。
沖縄ではアバサー汁といって味噌汁に入れたり、唐揚げにして食べたりするそうです。
あとは内蔵や肉を抜いて皮だけにしたのち、膨らませて乾燥させフグ提灯にしたりします。
いわゆる剥製のような物と思って頂ければ問題ないです。
皆さんも海岸散歩を楽しむ際は足下をよく見て歩いてみてはいかがでしょうか?