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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

大台ヶ原の自然再生 その③【その他】

2012年01月12日
吉野
 吉野熊野国立公園大台ヶ原では、自然を再生する取り組みが行われています。今回も、実際にどのようにその取り組みが進められているのかをご紹介します(これまでの経過は過去の日記をどうぞ!)。
その① http://kinki.env.go.jp/blog/2011/09/1312.html 
その② http://kinki.env.go.jp/blog/2011/10/1322.html 

 「自然保護」とはよく聞くけれど、「自然再生」とはあまり耳慣れない言葉です。それもそのはず、これは平成15年に「自然再生推進法」という新しい法律ができたことで始まりました。
◆自然再生とは?・・・過去に損なわれた自然環境を取り戻すため、関係行政機関、関係地方公共団体、地域住民、NPO、専門家等の地域の多様な主体が参加して、自然環境の保全、再生、創出等を行うこと(自然再生推進法より)。

 というわけで、大台ヶ原でもその取り組みが進められているわけですが、この大きな「自然」を相手に、人間が知恵を出し合って、損なわれた自然を「再生」するのは決して簡単なことではありません。大台ヶ原では、そんな難題に立ち向かうため、大きく分けて3つの視点でモニタリング調査が行われています。
①森の生態系を調べる
②ニホンジカについて調べる(森の衰退の大きな要因となっているため)
③大台ヶ原を訪れる利用者について調べる



 シカの進入防止柵の中で、①森の生態系の調査員のお仕事風景を激写!(こちらに気付かれたご様子)
 大台ヶ原が開山している4月末から11月末までの間、それぞれのグループが調査を進めています。今年度は、①②③あわせて約170日間、綿密に現地調査が行われてきました。



 大台ヶ原の閉山と共に、3グループの調査結果の報告や来年度の計画を考える会議が目白押しになります。
 こうして少しずつ、大台ヶ原の自然やその生態系の実態が明らかになるとともに、それを守る術や、森の回復へとつながるヒントが生まれてきています。

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★大台ヶ原ドライブウェイ冬期通行止めのお知らせ★
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平成23年12月1日(木)午後3時 ~ 平成24年4月26日(木)午後3時まで
上記期間中は冬期閉鎖のため大台ヶ原山上駐車場へ通じるドライブウェイが通行止めになります。