瀬戸内海国立公園 神戸
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2019年09月27日淡路島 洲本城跡の石垣へ
瀬戸内海国立公園 神戸 中村高也
みなさんこんにちは。神戸自然保護官事務所の中村です。先週まで真夏のように暑かった神戸にも、やっと涼しい風が入ってきて秋の気配を感じます。みなさんも就寝の際には風邪などひかぬよう暖かくしてくださいね。
さて先日は淡路島の中央に位置する洲本市の三熊山に行ってきました。三熊山も瀬戸内海国立公園に指定されています。
三熊山にはかつて洲本城がありました。現在は公園として整備され、自然観察や、いこいの場として利用されています。山頂には「日本最古(昭和3年)の現存模擬天守」があり、洲本市街地からもこの天守を見ることができます。
(写真:市街地から見た模擬天守、赤丸部分)
お城と聞くと、「いったい誰が城主なんだろう?」と気になるのが常ですが・・・洲本城はもともと、熊野水軍の安宅治興が淡路島の各地に築いた山城群のひとつでしたが、織田軍の羽柴秀吉による淡路討伐によって降り、城は家臣の仙石秀久のもとに。しかしその仙石秀久が軍事違反を犯したため、淡路洲本藩初代藩主を務めることになる脇坂安治(賤ヶ岳の七本槍の一人)のものになります。
(写真:山上まで続く石垣)
現在三熊山に残る石垣は、この脇坂氏の時代に築かれたとされています。壮大な石垣の姿から、往時の洲本城の姿が忍ばれます。また、城下から山の上まで続く「登り石垣」は防御力を高めるために作られた全国でも珍しい石垣だそうです。
さて、洲本城跡の園中に点在する各展望所からは、城下町や大浜海岸、大阪湾、紀淡海峡の展望を楽しむことができます。
(写真:三熊山本丸 展望台より 洲本市街と大阪湾がきれいに見えました。)
中でも天守台からの展望は絶景です。この日は天気も良く、最高の展望日和でした。こちらは洲本八景の一つに数えられています。
この石垣ですが、一部に崩落の危険性が指摘されており、今回の巡視ではそちらの状況確認を行いました。
天守西側の石垣上部の写真です。積まれている石垣が傾き、柵が奥に落ち込んでいるのがわかるでしょうか。現在危険な状態のため、立ち入りが制限されています。
同じ場所を下から見た写真です。石垣の石がところどころ抜け落ちてしまっています。この石垣のすぐ下には洲本市街からの登山道がありますが、石垣崩落のおそれがあり大変危険なため、迂回路(仮設階段)を設置することとなりました。石垣の修復が終わるまで、当面立ち入り禁止となります。
三熊山にいらっしゃる際はご注意ください。
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洲本城に関する詳しい情報はこちらをご覧ください
洲本市ウェブサイト https://www.city.sumoto.lg.jp/soshiki/34/1207.html
2019年08月21日「夏休み子ども見学デー」を開催しました
瀬戸内海国立公園 神戸 中村高也
皆さま、こんにちは。8月より神戸自然保護官事務所に着任しました中村です。
これからアクティブ・レンジャーとして皆様に自然の魅力を伝えていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。
令和元年8月8日(木曜日)から9日(金曜日)の2日間、神戸自然保護官事務所がある神戸地方合同庁舎においてイベント「夏休み子ども見学デー」が開催されました。
当イベントは、神戸地方合同庁舎内・近隣の国の出先機関・独立行政法人などが日頃行っている業務について、クイズやゲームなどを通じて子供たちに楽しく知ってもらうとともに、夏休みの自由研究のテーマ探しにも役立ててもらおうと、昨年度から開催されています。
(写真:神戸市自然保護官事務所のブース紹介)
当事務所のブースでは「国立公園・六甲山」と「外来生物」について考えようをテーマに、我々の普段の活動内容について、パネル・パンフレットを用いて紹介しました。
また、話題の外来生物(カミツキガメ・ヒアリ・セアカゴケグモなど)の実物標本を展示しました。
(写真:実際の展示の際の様子)
「カミツキガメの実物初めて見た!」「ヒアリってこんなに小さいの!?」といった驚きの声や、レンジャー服を試着して双眼鏡を手にかっこよく写真に納まる子どもたちなど、大変暑い中での開催でしたが、たくさんの方にご参加いただき、元気な笑い声であふれた楽しい見学デーとなりました。
2018年10月05日【告知】こうべ森の文化祭2018
瀬戸内海国立公園 神戸 高橋明子
みなさん、こんにちは。神戸自然保護官事務所の高橋です。
今年の夏はいくつもの台風が日本列島を通過していきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
被害にあわれた地域では、いち早く普段の生活に戻れるようお見舞い申し上げます。
神戸自然保護官事務所管内では、いくつかの観察会が中止になりました。今回、告知する「こうべ森の文化祭」も昨年度は台風の影響で中止になり、今年度は準備段階から常に天候の話題が持ち上がっています。
「こうべ森の文化祭」は、六甲山で活動する市民団体や行政が一堂に会し、普段の活動紹介や、自然に関する工作・観察会といったワークショップを開催しています。神戸自然保護官事務所もブースを出展し、自然物を使った工作や、外来生物の説明を行う予定です。また、レンジャー服の試着もできますので、記念撮影をしてみてはいかがでしょうか?ほかのブースの紹介や、詳しい内容については、添付の資料をご覧下さい。
小さいお子さんから、大人の方まで楽しめるイベントになっていますので、ぜひ皆さんでご参加下さい。会場までのアクセスはバスか自家用車になりますが、駐車場には限りがありますので、できる限り公共交通機関での来場をお願いします。また、新神戸駅や元町駅から2時間ほどのハイキングで会場に着くこともできますので、この機会にぜひ六甲山を様々な角度からお楽しみ頂ければと思います。
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一昨年度の様子
こうべ森の文化祭2018チラシ
2018年08月14日夏休み子ども見学デー
瀬戸内海国立公園 神戸 高橋明子
みなさんこんにちは。神戸自然保護官事務所の髙橋です。気温の高い日が続いていますが夏バテなどされていませんか??
今回は国立公園の話題から少し離れて、神戸自然保護官事務所がある神戸地方合同庁舎で開催されたイベントについてご報告します。
神戸地方合同庁舎には様々な国の出先機関がありますが、それぞれの機関の仕事内容を知ってもらおう!ということで、「夏休み子ども見学デー」が8月2日から3日の2日間にわたって開催され、それぞれの機関の仕事紹介や体験ができる18のブース出展がありました。
神戸自然保護官事務所のブースでは、外来生物問題についての展示と瀬戸内海国立公園六甲山・摩耶山の紹介を行いました。カミツキガメをはじめ、外来生物の標本に関心が高く、特にヒアリの樹脂包埋標本は、大人から子どもまで多くの人が興味深そうに見て下さいました。ヒアリは皆さん一様に「思っていたより小さい!」との感想でした。昨年より話題になっているヒアリですが、TVなどでは拡大されて放映されているため、大きいものと勘違いされている方が多いようです。
ヒアリは肉眼で識別することは困難なので、疑わしいアリに出会ったときは触らずにヒアリ相談ダイヤル 【☎0570-046-110(※一部機種では利用できないためその場合は☎06-7634ー7300):午前9時から午後5時まで】へご相談下さい。
また瀬戸内海国立公園六甲山・摩耶山については、クイズをまじえながら紹介をしました。
神戸自然保護官事務所のブース カミツキガメやヒアリの標本に見入る来場者
六甲山・摩耶山クイズに挑戦! ヒアリの標本(ヒアリの大きさは約2.5mm~6mm)
そのほか、農林水産省近畿農政局兵庫県拠点の食品表示や自給率について学ぶコーナーや農林水産省の植物防疫所及び動物検疫所神戸支所の植物や動物の検疫、近畿地方整備局の港湾について学ぶブースなど大人が見ていても、興味深い内容でした。
動物検疫所神戸支所 瀬戸内漁業調整事務所
今回のイベントは、色々な国の機関の仕事に触れる良い機会だったのではないかと思います。また、資料も充実しており、夏休みの自由研究の題材を見つけた!といった声もたくさん聞かれました。
気温が高すぎて屋外で活動できない日は、このようなイベントに参加してみるのもよいのではないかと思います。残りの夏休み、元気に楽しんで下さい!
2017年12月21日成ヶ島クリーン作戦
瀬戸内海国立公園 神戸 高橋明子
今年も残すところあとわずかとなりました。先日、毎年12月の第一土曜日に開催される「成ヶ島クリーン作戦」に参加してきましたが、この恒例行事に参加すると今年も時間がたつのが早かったな・・・と焦りを感じてしまいます。
さて、成ヶ島クリーン作戦は、淡路島の東端に位置する成ヶ島に漂着するゴミを、地元の由良中学校の生徒・保護者・成ヶ島を美しくする会、公共機関、関係団体など多くの方が参加し、総勢200名以上で一斉に清掃するものです。毎年多くのゴミが漂着しますが、今年は台風の影響もあり、例年より多くのゴミが漂着していました。
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開会式 | ゴミ拾い中 |
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海岸に漂着したゴミ |
実際にゴミ拾いをしていて感じたことは、そのゴミの多くがペットボトル、お菓子やお弁当のパッケージ、食品が入っていたプラスチックのトレイといった、生活ゴミだということです。これらのゴミはルールを守り、分別して処分していれば出なかったゴミです。
また、プラスチックのゴミは漂流したり、日光にさらされたりしているうちに劣化し、粉々になり回収することが困難になります。このようなゴミのうち5mm以下の微細なプラスチックごみは、マイクロプラスチックと呼ばれ、それ自体や、吸着する化学物質が誤食により生物に取り込まれることによって、生態系に影響を及ぼす危険性のあることが懸念されています。今回のクリーン作戦でも、拾い上げることができないほど細かくなったゴミが多数みられました。
木の根元のプラスチックごみ |
![]() 植え込みに散らばった発泡スチロール (白く見える部分すべて) |
今回のイベントは20年以上続いているもので、当時中学生だった方が現在はお子さんと参加されていたり、なかには親子3代で参加されている方がいるなど幅広い年齢層の方が参加しており、地域ぐるみで環境に関心を持ち、行動に移しているすばらしい例だと感じました。ゴミが漂着する地域だけではなく、誰もが関わっている問題として多くの方に認識して頂けたらと思います。
2017年09月29日【報告】子どもパークレンジャー事業 いえしまの「自然」と「暮らし」を感じよう!
瀬戸内海国立公園 神戸 高橋明子
みなさんこんにちは。夏休みは楽しい思い出がたくさんできましたか?
今年も瀬戸内海国立公園西播(せいばん)地域にある家島諸島で、1泊2日の自然体験イベントを実施しましたのでその様子をご報告します。
家島諸島は姫路市の沖合にある44の島からなり、そのうち4つの島に約5000人が暮らしています。
今回は、そのうちの2島(坊勢島(ぼうぜじま)・西島)を子供たちと訪れ、島の自然や暮らしを体験しました。
1日目、まずは坊勢島(ぼうぜじま)へ。漁業が盛んな島です。島に到着したとたん、桟橋から見える魚に子どもたち は早くも興奮気味。漁業の安全と豊漁を願う神社や港に停泊するたくさんの漁船を見ながら坊勢漁協の種苗施設を訪れました。ヒラメやクルマエビ、オコゼなどの養殖について、説明を受けながら施設を見学、その後ヒラメの放流を行いました。
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午後からは西島の兵庫県立いえしま自然体験センターへ移動し、様々なプログラムを体験しました。まずは、カヌー。初めてのカヌー、初めてのメンバーということで、最初は思うような方向に進むことができず、コースロープに衝突したりもしていましたが、しばらくするとスイスイ進めるようになりました。内湾のため波もなく、心地よいカヌー体験ができたようです。
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磯の生き物観察。見つけた生き物を解説して もらいました。 |
思わず笑ってしまう回答も飛び出した名前あてクイズ。いくつわかりますか? |
そのほか、夜の生き物観察として、夜光虫・ウミホタルの観察も行いました。暗い砂浜に青い光が
浮き上がる様子は幻想的で子供たちから歓声が上がっていました。
2日目は朝から地引網体験を行い、獲れた魚の調理体験を行いました。
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地引網ではサッパ、コノシロ、アオリイカなどが獲れました。
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生きた魚を調理することが初めての子どもが多く、おっかなびっくり調理をしていましたが、頑張って三枚おろしにも挑戦しました。
自分たちで調理した魚は唐揚げに。「美味しくてあっという間にたべてしまった!」という声や、「獲れたての魚を食べられるのは幸せや!」という声があちこちから聞かれました。
イベントの最後に、子ども達に楽しかったことや感じたこと、なぜそう思ったのか振り返りつつ、発表をしてもらいました。
今回の体験を通じて、子ども達が国立公園の自然やその中で暮らしている生き物、また、その恵みを大切にしながら生活している島の人たちの暮らしを身近に感じてもらえたと思います。それぞれ感じたことを大切にしてもらい、身の回りの生き物や自然に興味を持ったり、自然の中で遊びたい!と思ってもらえたら嬉しいです。
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2017年07月07日六甲山のアジサイ
瀬戸内海国立公園 神戸 高橋明子
みなさんこんにちは。今年の梅雨時期の神戸は、雨の日が2、3日続いたり、晴天の日があったりと1週間のなかで天気が目まぐるしく変わっています。
この時期、六甲山ではアジサイが見ごろを迎えます。
六甲山系は風化しやすい花崗岩を中心とした地質から形成されており、表土の多くが真砂土と呼ばれる粒子の大きい土で排水が良く、酸性土壌であること、また海から近く霧がよく発生し湿潤であることから、アジサイの生育に適した土壌となっています。
登山道脇でもいたるところに自生しているアジサイを見ることができます。
コアジサイ
アジサイは神戸市の花にも指定されており、神戸市立森林植物園や摩耶自然観察園では様々な品種のアジサイが観察できます。
中でも一番有名なのは「シチダンカ(七段花)」です。シチダンカは、近代西洋医学を日本に伝えたとされるシーボルトが幕末から明治にかけて執筆した著書『日本植物誌』に記載されていましたが、その後誰も見たことがなく、幻の花と言われていました。
シーボルトが著書で紹介してから100年以上経過した1959年に六甲山で自生しているものが発見され、全国に広まったと言われています。
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神戸市立森林植物園 | 摩耶自然観察園 |
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シチダンカ |
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梅雨時期は、外出することが億劫になってしまうところですが、一歩踏み出せばこの季節ならではの植物に出会えます。
道路情報や天気予報をご確認頂き、無理のない範囲で梅雨の六甲山をお楽しみ頂ければと思います。
2017年05月16日2017新宿御苑みどりフェスタ
瀬戸内海国立公園 高橋明子
みなさんこんにちは。
新緑が美しい時期になりました。最近どこかにお出かけされましたでしょうか。
神戸自然保護官事務所では、4月29日に新宿御苑で開催された「2017新宿御苑みどりフェスタ」に参加してきました。みどりフェスタは5月4日の「みどりの日」を含む4月15日から5月14日の「みどりの月間」の関連行事で、日本各地の国立公園の特徴や魅力を紹介するとともに、日本の生物多様性の保全や、自然とのふれあい活動の取り組みを発信するイベントです。
私たちは瀬戸内海国立公園六甲地域をPRすべく、「六甲山をまるごとたのしもう!」をテーマに六甲摩耶観光推進協議会のスタッフとパネル展示や六甲山に関するクイズなどを行いました。さらに、子どもたちとは六甲山に興味を持ってもらうために、六甲山の森林整備で伐採された間伐材を使ったコースターづくりを行いました。
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上段:ブースの様子 下段:間伐材を使ったコースターづくり 間伐材を使ったコースターづくりは子ども達に人気があり、用意していた材料が午前中にほぼなくなってしまう勢いでした。参加した子ども達が思い思いの絵を描きつつも、使用した間伐材(リョウブ)の木の香りや手触りを感じながら作業をしてくれていたので、ここから六甲山の自然などに、興味を広げてくれると嬉しいなと思いました。 |
また、六甲山に関するクイズには、主に大人の方が参加して下さいました。ここでそのクイズを紹介したいと思います。みなさんもぜひ考えてみてください。(答えは最後)
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当日はお天気にも恵まれ、多くの方に来場していただきました。また、六甲山は関東圏でも知名度が高く、訪れたことがある方や行ってみたいとお話しされる方が多かったので、交通アクセスや見どころなどの紹介は、六甲山のよいPRの機会になったのではないかと思います。
六甲山は登山や夜景、ケーブルカー・ロープウェイを使っての観光など、たくさんの楽しみ方があります。これからの行楽シーズン、ぜひ六甲山にお越しください。
[クイズの答え]
① B 兵庫県
② C 931m
③ C 1000万ドルの夜景
2016年12月26日成ヶ島クリーン作戦
瀬戸内海国立公園 神戸 高橋明子
成ヶ島は淡路島の東側、大阪湾の入り口に位置し、別名「淡路橋立」とも呼ばれる
南北3kmにわたる砂州が特徴的な島です。この砂州や塩沼湿地は、海岸性生物の
貴重な生息地となっています。
一方で成ヶ島は海流の関係から、大阪湾を漂流したゴミの吹き溜まりとなりやすく、
常に漂着ゴミに悩まされている島でもあります。普段から「成ヶ島を美しくする会」の皆さんが
清掃活動をして下さっていますが、台風の後などは特に大量のゴミが打ち上がってしまいます。
このようなゴミを人海戦術で一気に清掃するイベントが「成ヶ島クリーン作戦」です。
12月3日に開催された「成ヶ島」クリーン作戦には、地元の由良中学校の生徒・保護者・成ヶ島を美しくする会、公共機関、関係団体など多くの方が参加し、総勢250名ほどになりました。
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発泡スチロールやペットボトル、プラスチックなどであっという間にゴミ袋がいっぱいになりました。集められたゴミは国土交通省の海面清掃兼油回収船「Dr.海洋」 に回収して頂きました。
中学生の保護者が「子どもたちは小学生のころから 成ヶ島を環境学習で訪れているし、毎年こうやってゴミ拾いを行うことで、その環境を身近に感じているはず。この子たちはきっと大人になっても、海やこのあたりにゴミを捨てることはしないと思う。」とおっしゃっていたのが印象的でした。
成ヶ島クリーン作戦は20年近くも続いており、地元の多くの方に支えられ、成ヶ島の自然環境が維持されていることを実感できる活動でした。
また、この機会に環境省が整備した園路標識 もきれいに塗り直してきました。成ヶ島にはこのような標識の他に、動物や季節の草花の紹介などを記した案内板 もありますので、島を訪れた際はぜひご覧下さい。
皆さんこんにちは。神戸自然保護官事務所の中村です。外は涼しくなってきましたが、神戸はラグビーワールドカップの熱気が街中にあふれています。神戸自然保護官事務所の近くにパブリックビューイングが設けられていることもあり、日本の方だけではなく、海外の方も一緒になって盛り上がっています。
さて、先日は、相生市の蔓島(通称おわん島)へ、地元小学校の環境学習の講師として同行しました。おわん島環境体験は、相生の子どもたちが郷土の海を体験・学習することで、自分の生まれ育ったまちに愛着と誇りを持てるよう、相生市が小学生の環境学習の一環として行っているものです。
この島の正式名称は蔓(かずら)島といいますが、陸側から見た島の形がお椀に似ていることから地元の方からはおわん島と呼ばれ、愛されています。島全体が国有林のため許可なく上陸することは禁止されており、貴重な自然が残る瀬戸内海国立公園の第1種特別地域です。
この島を含む瀬戸内海国立公園、島の中央にある灯台の目的・役割について学んだあとは、浜で自然観察&生物採取の時間です。自然が残るおわん島ですが、海岸には釣り具やプラスチックゴミ、カキ養殖の器具など、様々な漂着ゴミがうちあげられています。相生湾自然再生学習会議 代表の松村さんに漂着ゴミについて教えてもらいました。
(ドアプレート作成に夢中!)
おわん島から戻ってご飯を食べた後は、みんなが頑張って集めた貝殻・シーグラスを使ってドアプレートを作ります。シーグラスで海を表現したり、自分だけのキャラクターを作ったりと、子ども達の豊かな発想力・創造力には私も驚かされてばかりです。最後は全員がしっかりとドアプレートを完成させることができました。こういった環境活動を通して、子どもたちが少しでも地元の自然環境について、考えるきっかけになってくれると嬉しいですね。