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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

大台ヶ原の冬に向けて

2019年12月06日
吉野熊野国立公園 小川 遥

 皆さま、こんにちは。吉野の小川です。

近頃は日を追うごとに空気が冷たくなり本格的な冬に入りつつあります。この時期になると、ゆっくりお風呂につかり、秋の味覚に未練を残しつつもこたつで鍋とみかんに幸せを感じながら、年末に向けた食べ納めに思いを巡らせております。

 さて、今回は、先日行った大台ヶ原での取組みのひとつをご紹介したいと思います!

大台ヶ原といえば、特徴のひとつに、東大台のトウヒ林を主とする亜高山帯針葉樹林や西大台に広がる大規模なブナ-ウラジロモミの針広混交林があります。特に最終氷期時代の生き残りであるトウヒが近畿地方でまとまって見られることはとても貴重です。

トウヒ

ウラジロモミ

ブナ

トウヒ

ウラジロモミ

ブナ

 しかし、大台ヶ原に多数生息するニホンジカにより剥皮され枯死してしまうことが問題となっています。そのため、環境省ではかねてより剥皮防止として樹脂製ネットを巻き、母樹の保護に取り組んできました(詳しくはこちら

シカによる剥皮は時期に関わらず確認されていますが、春先開山後に食害がより目立っていると感じられます。そこで、閉山に備えて、職員にてトウヒを中心にネットを設置する作業を行いました。数人で1本1本巻いていく地道な工程ですが、1本でも多くの木々を守ることから大台ヶ原の森林維持や再生に繋がることを願っています。

剥皮された木

ネット巻き作業

ネット巻き後

剥皮された木

ネット巻き作業

ネット巻き後

 そして、大台ヶ原も遂に今シーズンの終わりが近づいてきました。12月2日(月)15時に山上駐車場へ続く道路が冬季閉鎖となり、それに伴って大台ヶ原ビジターセンターも閉鎖いたします。

また、三重県側から大台ヶ原へ続く大杉谷の登山シーズンは、今春に設定していた開山期間のとおり、11月24日(日)をもって終了いたしました。

 今年もたくさんの方に季節ごとに移り変わる様々な大台ヶ原や大杉谷をお楽しみいただけたことかと思います。ご来訪ありがとうございました!

【お知らせ】

☆大台ヶ原公園川上線(大台ヶ原ドライブウェイ)通行止め☆

令和元年12月2日(月)15時~令和2年4月17日(金)15時(予定)

上期間中は、冬季閉鎖のため、大台ヶ原山上へ通じるドライブウェイは通行止めです。

詳細はこちら

☆大台ヶ原ビジターセンターのFacebookが始まりました☆

今年度8月より、こちらのFacebookにて、大台ヶ原ビジターセンター窓口による大台ヶ原の情報をお知らせしております(開山時期のみ)。皆さま、是非ご覧ください。

☆大台ヶ原登録ガイドをご紹介☆

環境省では、大台ヶ原をより深く楽しく安全に満喫いただくために、大台ヶ原登録ガイド制度を運用しております。ガイドを選んで自分だけの大台ヶ原をカスタマイズしてみましょう。くわしくはこちら→Let's enjoy Oodaigahara!!

★平成31年4月1日より、事務所の名称が変更となっております★

(変更後)吉野管理官事務所  ←(変更前)吉野自然保護官事務所

住所及び電話番号に変更はありません。引き続きよろしくお願いいたします。