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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

大台ヶ原・大杉谷の森林再生応援団!!

2019年09月06日
吉野 小川 遥

 皆さま、こんにちは。吉野管理官事務所の小川です。

9月に入って更に涼しさが増し、夜には鈴虫の鳴き声が聞こえるなど秋を感じる季節となりました。おいしかった夏の野菜に未練を残しつつも、すでに秋の味覚が楽しみでたまらない日々を送っています。

 さて、本日は、是非知っていただきたい取組みにして、参加いただきたいイベントをご紹介します。これまでにも、大台ヶ原で環境省が行っている防鹿柵やネット巻きをはじめとする大台ヶ原自然再生の話をしてきました。(過去の記事はこちら) 

 その一環として、東大台正木峠には小型の柵がたくさんあります。展望がよい場所なのに人工物が点在している・・・と思われるかもしれませんが、この中には大台ヶ原の代表的な針葉樹であるトウヒやウラジロモミなどの稚樹がいます。今はササが広がる開けた場所になっていますが、かつてコケに覆われた森林だった頃の生き残りです。ササに覆われて目立ちにくいものの、シカの食害で枯死する個体も多く見られたため、1本でも多くの稚樹を保護するべく設置しています。

木道階段から見える稚樹保護柵(正木峠) 1963年の正木峠(写真提供:菅沼孝之氏)
木道階段から見える稚樹保護柵(正木峠) 1963年の正木峠(写真提供:菅沼孝之 氏)

 柵もあるしこれで安心・・・と思いきや、周辺のササも一緒に囲われるため、ササが伸びすぎると稚樹に十分な太陽光が当たらず、生育に影響があるのではという懸念も出てきました。そのため、稚樹がササの背丈を超える程度の高さになるまで、ササを刈る作業を毎年行っています。

柵内のササ刈り(作業:パークボランティア) トウヒの稚樹(ササ刈り後)
柵内のササ刈り(作業:パークボランティア) トウヒの稚樹(ササ刈り後)

 この自然再生へと繋がる大切な一歩一歩を皆さんにもご協力いただくべく、林野庁と環境省の共催で、「大台ヶ原・大杉谷の森林再生応援団」を平成28年度より開催しております。

(※正木峠周辺は奈良県と三重県の県境であり、大杉谷エリアにつづく場所です。三重県側は林野庁、奈良県側は環境省が主体となって自然再生への取組を行い、協力して進めています。)

 

 今回も、稚樹保護柵内のササ刈り、又は林野庁も取り組んでいる剥皮防止ネット巻きを行います。大台ヶ原の森林に起きていること、そしてそれぞれの取組を体感できる貴重な機会です。

 是非ご参加ください。お待ちしております♪

☆大台ヶ原・大杉谷の森林再生応援団☆

日程:9月28日(土)

詳しくはこちらのHPをご覧ください。