1)再生ポテンシャルに関する調査(平成15年度~)
(1)結実量調査
植生タイプでは、種子散布がほとんどないこと等が確認されました。
(2)環境条件調査
植生タイプでは、他の植生タイプに比べ、最高気温と最低気温の差が大きいこと、最低湿度が低いこと等が確認されました。
2)植生モニタリング調査
(1)実生生育基質調査(平成16年度~)
倒木・根株上に生育しているトウヒの実生は、特にミヤマクサゴケなどの葉が互いに入り組んで厚みのあるマットを形成するコケの上に生育しているものが多かったです。
(2)実生調査(平成15年度~)
実生数が多いのは、植生タイプ,であること、生存率は防鹿柵内の方が若干高い傾向を示していること等が確認されました。
(3)林床植生調査(平成15年度~)
ミヤコザサの稈高については、防鹿柵の内外に関わらず増加傾向にあり、全ての植生タイプで柵内の方が柵外よりも増加の程度が大きいこと等が確認されました。
3)植物相調査(平成16年度~)
大台ヶ原地域内において、100科435種の植物(維管束植物)が確認されました。なお、全体の約1割にあたる49種が環境省のレッドデータブック及び近畿地方レッドデータブックに掲載されています。
4)トウヒ実生の菌根菌形成ポテンシャル調査(平成17年度~)
トウヒが生育する植生タイプ、、で実施し、地表面の処理は、植生タイプは表層土除去、植生タイプ、は地掻きとしました。
根系の発達については、植生タイプが最もよかったこと、外生菌根の形成については、植生タイプ、ではほとんど見られず、植生タイプで最もよかったことが確認されました。
5)パッチディフェンスの効果確認調査(平成18年度~)
西大台の森林の更新の場であるギャップ内に後継樹の保全のためのパッチディフェンスを試験的に設置し、その効果を確認することを目的とします。
平成18年度は、パッチディフェンスの設置場所の検討と設置前の状況調査(実生調査、植生調査、光条件測定)を行いました。実生調査の結果、針葉樹ではヒノキ、ウラジロモミ、イチイ等、広葉樹ではミズメ、カエデ類、キハダ等の実生が確認されました。 |