大台ヶ原は氷河時代から現在までの気候変動の生き証人であるトウヒ林やまとまった面積の太平洋型ブナ林など紀伊半島本来の森林生態系を良く残しています。
しかし、様々な要因により森林生態系の衰退が進行しています。このまま森林が衰退すると、紀伊半島の生物多様性が劣化することにもつながる懸念があります。
こうした現状や今後予想される状況に対処するため、国立公園としての景観的価値や利用の面だけでなく、生物多様性の保全の観点から大台ヶ原における自然再生に取り組んでいます。
自然再生は、自然という複雑な系を対象とすることから、その結果が予測と反する場合も考えられます。このため、十分な調査を行うとともに、予測される結果について仮説をたて、モニタリングにより検証することで必要な修正を加えていく順応的管理の手法をとることが必要です。 また、大台ヶ原における自然再生は、広く国民の皆様の意見を求め、関係機関などとの合意形成を図りながら進めていきたいと考えています。