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自然再生に向けた取り組み
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各種委員会報告
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大台ヶ原自然再生検討会・利用対策部会
|利用対策部会アピール
大台ヶ原の自然の傑出性と価値
大台ヶ原は近畿地方では希少なトウヒ林や太平洋型ブナ林がまとまって分布する傑出した自然環境を有し、今から約70年前の1936年に国立公園に、1988年には特別保護地区の指定を受けた国立公園である。大台ヶ原の自然環境はわが国を代表するとともに紀伊半島全域の独自性と誇りを醸成し、生物多様性の保全と自然とのふれあいの場として、未来に継承されなければならない。
様々な問題点の顕在化
しかし、近年、大台ヶ原はシカの食害を含む複合的要因による森林の衰退、過剰利用による林床植生等の荒廃、自動車の 一時的集中、利用者のマナーの低下など、様々な問題を顕在化させるに至り、この結果、快適な利用や深い自然体験も阻害されている。問題は大台ヶ原をとりまく自然的・人為的要因など多岐にわたり、解決は簡単ではないが、森林生態系の保全と再生に向けて一歩を踏みだすべきである。
利用対策部会としてのアピールの必要性
大台ヶ原自然再生検討会利用対策部会は、森林生態系保全再生対策とともに利用対策の充実によって自然環境への負荷を軽減することが急務と認識し、主として大台ヶ原の利用の観点からあるべき姿を模索してきたが、議論の成果を広く公表し、理解と協力を求めることがわれわれの責務と考え、ここにアピールとして発表した次第である。
ワイズユースの山をめざす提言
大台ヶ原にとっては、適正利用に向けた量の適正化と質の改善を両輪とする新たなワイズユース(賢明な利用)をめざすことが肝要と考え、この理念のもとに、3項目の基本方針、
(1)マイカー規制の実施
(2)利用調整地区の設定
(3)総合的な利用メニューの充実
を提言した。このうち、総合的な利用メニューの充実としては、6項目の具体策(1)登山道・自然観 察路の充実、(2)キャンプ指定地の設置、(3)山上駐車場周辺の活用、(4)自然解説・自然体験プログラムの充実、(5)情報提供・情報発信の充実、(6)ビジターセンター機能の充実、を提言した。
関係者の理解と協力
自然環境の保全と再生に向けて先進的取り組みを行い、ワイズユースの山をめざすことは、人為によって一度は乱された森林生態系を再生し、優れた自然環境を保全し、質の高い自然体験を可能にするのみならず、地域を光り輝かせ、資源の持続性を維持し、ひいては地域振興と両立するものである。われわれは、大台ヶ原の利用者や事業者、地域社会の人々、国・県・村の関係行政機関などのあらゆる主体に、ワイズユースの山の実現への理解と協力を求めると共にこの取組みが紀伊半島全体の自然再生につながるものとなることを強く希求するものである。
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