ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園

71件の記事があります。

2019年11月22日よしくまの夕景

吉野熊野国立公園 中村千佳子

 皆さん、こんにちは。田辺管理官事務所の中村です。風が一段と冷たくなりました。事務所周辺では、たわわに実ったみかんを収穫する様子が見られるようになり、これからの季節、こたつに入りながら、地元でとれたみかんを食べるのがとても楽しみです。

たわわに実ったみかん

 

 さて、皆さんは和歌山の夕陽100選を知っていますか?和歌山県観光連盟が選定した、和歌山県内の美しい夕焼けを見ることができるスポットです。秋は夕焼けが特にきれいな季節でもあります。今回は吉野熊野国立公園内のお薦め夕陽スポットをご紹介したいと思います。

 まず始めに、みなべ町千里の浜の夕焼けです。千里の浜は本州で有数のアカウミガメ産卵地として知られていますが、夕焼けの美しさも地元で有名です。

 夏の終わりから秋にかけて、夕方の風がおさまる頃、静かで穏やかな海と燃えるような空を見ることができました。

みなべ町 千里の浜の夕焼け
みなべ町 千里の浜の夕焼け

 続いては、最近インスタグラム等で人気上昇中の田辺市の天神崎。こちらは潮位が満潮に近づいたときに、磯が鏡面になるため「田辺のウユニ塩湖」と呼ばれ、カメラを持った多くの利用者で賑わっています。私も皆さんと一緒に撮影するのですが「ウユニ塩湖」のように撮影するのは難しく、もう少し撮影技術を磨いてから挑みたいです。

田辺市 天神崎の夕陽
田辺市 天神崎の夕陽

 

 一番のお薦め夕陽スポットといえば、白浜町の円月島。日本の夕陽100選にも選ばれており、夕陽に染まる海を眺めながら、家族連れやカップルが散歩をしたり、太陽が沈む瞬間をカメラで撮影したりと沢山の観光客が訪れる場所です。私も何度も美しい景色を見に行き、癒やされています。

白浜町 円月島の夕陽
白浜町 円月島の夕陽

 

 よしくまの田辺といえば、青い海に青い空というイメージをお持ちの方が多いかと思いますが、時には夕陽を眺めながら夕焼けに染まる海と空を眺めてみませんか。夕陽を見るには日没30分前頃からが一番美しいと思います。皆さん是非お越しください。

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2019年11月08日有害鳥獣捕獲とジビエ

吉野熊野国立公園 青谷 克哉

 11月です。早いもので、もうすぐ令和元年も終わりです。つい最近元号が変わったと思ったのですが、光陰矢の如しとはよく言ったものです。そんな令和元年は亥年ですが、野生のイノシシ(成獣)に出会えていません、吉野管理官事務所の青谷でございます。うり坊は見たのですけどね。

 さて、今の時期は狩猟解禁時期です。日本では、狩猟が出来る期間が決められており、それを猟期と言います。北海道は10月から、他の都府県が11月からで、だいたい2月から3月までの期間になります。猟区や有害鳥獣捕獲はこの限りではありませんし、鳥獣保護区など通年で狩猟が出来ないところもあるので注意が必要です。そうでなくても狩り放題というわけでもありませんので、詳しい情報は各都道府県にお問い合わせ下さい。

ニホンジカ樹皮剥ぎ

 日本では、海外で行われるゲームハンティングのような趣味の狩猟より、農林業に被害を出すものを捕まえる有害鳥獣捕獲での狩猟のほうが主流であると思います。野生鳥獣による農林業への被害問題というのは今に始まった話ではありません。農林水産省の平成29年データによると、野生鳥獣による農林業被害額は約168億円。年々減少はしているようですが依然高水準であり、その中でもシカとイノシシの割合は断トツです。吉野熊野国立公園でも、右の写真のようにシカによる木の皮を剥ぐ樹皮剥ぎや下層植生の食害等による植林地などでの森林環境の衰退が問題視されており、自治体などによって有害鳥獣捕獲が行われております。

 有害鳥獣として捕獲されたら、ではその後どうなるかと言いますと、国は食肉としての利用を推進しています。最近はテレビなどで耳にすることもある「ジビエ」と言うものですね。フランス語で野生鳥獣から手に入れる食材を指す言葉です。他にもペット用のフードに使われたりもします。私も最近レトルトカレーに加工されたものを食べました。左がシカ、右がイノシシを使っています。見た目は一緒ですね。

シカのカレーイノシシのカレー

 どちらも、お肉のサイズは大きく、他の具材は溶かし込まれているようでした。シカ、イノシシともにウシやブタとは違う風味があり、そこは賛否を分けるところかなとも思うのですが、このカレーではほとんど気になりませんね。食感もほろりと崩れて良い感じ。ごちそうさまでした。

 値段が牛豚鶏より高いところもあり、気軽に入手はできないものなのが残念ではありますが、一度は食べてみるのもご一興かなと思います。ジビエを食べるということは、その分有害鳥獣を減らすことにも繋がるのです。

 これから寒さもひとしおになるでしょうが、どうぞ皆さんご自愛下さいませ。それでは、今回はこの辺でご機嫌よう。

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2019年10月25日大台ヶ原に行ってみよう♪

吉野熊野国立公園 小川 遥

 皆さま、こんにちは。吉野管理官事務所の小川です。

夏も過ぎ去って寒さが増し、そろそろ鍋やシチューなど身体温まる煮込み料理で幸せを感じる季節となりました。お店で見かける鍋の味の種類も増えてきており、見ているだけで楽しい気持ちになる日々を過ごしています。この冬はこれまで以上に様々な鍋を食べることがひそかな目標の1つです。

 さて、大台ヶ原では、麓よりも一足先に秋がやってきており、冬も近づきつつあります。紅葉はすでにピークを迎え、東大台や西大台でも樹木の色づきがみられています。

東大台日出ヶ岳下テラス付近

東大台日出ヶ岳から正木峠を望む

西大台ナゴヤ谷付近

東大台日出ヶ岳下テラス付近

(令和元年10月19日)

日出ヶ岳から正木峠を望む

(令和元年10月19日)

西大台ナゴヤ付近

(令和元年10月24日)

 今シーズンの大台ヶ原を楽しめるのも、残り1ヶ月ちょっととなりました。秋から冬のへと移り変わっていく大台ヶ原も、寒い時期ならでは春や夏とはまた違った味わいがあります。

(※天候や気温によってはばらつきがあるため、必ず見ることができるとは限りません)

大台ヶ原DW沿い霧氷

東大台日出ヶ岳霧氷

日出ヶ岳から望む大峰山系

大台ヶ原DW沿い霧氷

(平成30年11月)

東大台日出ヶ岳霧氷

(平成30年11月下旬)

日出ヶ岳から望む大峰山系

(平成30年11月下旬)

これから更に寒さが増し、11月初旬に入るとドライブウェイは一部凍結もしくは冠雪が見られる場合があります。雨具や防寒具のほか、11月以降はスタッドレスタイヤやチェーンなどの備えをお忘れないようお気をつけください。皆さまのお越しをまだまだお待ちしております♪

【お知らせ】

☆大台ヶ原公園川上線(大台ヶ原ドライブセウェイ)通行止め☆

令和元年12月2日(月)午後3時~令和2年4月17日(金)午後3時(予定)

上期間中は冬季閉鎖のため、大台ヶ原山上へ通じるドライブウェイは通行止めです。

詳細はこちら

☆大台ヶ原ビジターセンターのFacebookが始まりました☆

今年度8月より、こちらのFacebookにて、大台ヶ原ビジターセンター窓口による大台ヶ原の情報をお知らせしております。皆さま、是非ご覧ください。

☆大台ヶ原登録ガイドをご紹介☆

環境省では、大台ヶ原をより深く楽しく安全に満喫いただくために、大台ヶ原登録ガイド制度を運用しております。ガイドを選んで自分だけの大台ヶ原をカスタマイズしてみましょう。

くわしくはこちら→Let's enjoy Oodaigahara!!

★平成31年4月1日より、事務所の名称が変更となっております★

(変更後)吉野管理官事務所  ←(変更前)吉野自然保護官事務所

住所及び電話番号に変更はありません。引き続きよろしくお願いいたします。

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2019年09月30日「ハイパーソニック・サウンド」のお勧め

吉野熊野国立公園 熊野 岩田佐知代

吉野熊野国立公園管理事務所の岩田です。

暑い夏が終わり、秋に移りつつありますね。

秋と言えば何を連想されますか?

スポーツの秋、食欲の秋、行楽の秋、読書の秋、さまざまな秋があります。

私は、いつもウエイトオーバーを気にしながらの食欲の秋といったところでしょうか。

さて、「ハイパーソニックサウンド」という言葉を耳にされたことがありますか?

「ハイパーソニックサウンド」とは、人間の耳に聞こえる周波数の上限を超えて複雑に聞こえ変化する超高周波を含む音のことで、脳機能を高め、ハイパーソニック・エフェクトと呼ばれる効果(健康増進、安らぎ、好感形成)を心身にもたらせてくれることが科学的に証明されています。

ハイパーソニック・サウンドについて、こちらをご覧下さい。

https://www.env.go.jp/nature/nats/sound/about.html

五感を研ぎすましながら、なにげなく身近な自然の音、肌で感じるもの、においなどに気をむけてみてください。鳥や虫の声、木々をゆらす風の音、川のせせらぎ、波の音、車の音、においなどいろいろなものが私たちの脳に伝わり、心地よく感じたり、嫌な気持ちになったりします。(それぞれの感じ方には個人差があります。)

そこで私流の「ハイパ-ソニックサウンド」をご紹介します。

癒し効果その1:虫の鳴き声

我が家で昨年飼育していた鈴虫が、卵を産み、今年の初夏、孵って大きく育ったものがリーン・リーンと夜通し盛んに鳴き誇っています。慣れなのかその音は睡眠を妨げることなく心地よく感じ癒してくれます。また、外に出て草むらや道端で耳をすませば、コオロギ、クツワムシ、マツムシ、バッタ、キリギリスなど虫の音楽会が始まっていることに気づかされ、暑かった夏、早朝からセミが鳴いていましたが、やがて涼しくなり、ツクツクボウシが鳴き、秋の訪れとともに「ほっ!」と和み、心地よく心身を癒し、リフレッシュしてくれていることを感じている今日この頃です。

癒し効果その2:波の音

幼い頃の遊び場だった、聞きなれている七里御浜の波の音。

玉砂利の引き波と打ち波の音が絶えることなく続いて、いつもやさしく包んでくれ、心癒してくれています。(台風時は時として荒々しく、非日常を感じますが・・。)

癒し効果その3:鳥の鳴き声

留鳥も渡り鳥も四季を通じていろいろな鳴き声を耳にします。

鳴き声だけで種を特定できないものが多いですが...あの鳴き方は、何かを訴えているのかな?と考えて楽しむこともあります。

皆さんも素晴らしい日本の四季の自然環境の中でたくさんの生き物とともに棲んでいることに感謝しながら、吉野熊野国立公園内で、全身で感じる「自分なりの癒し音」ハイパーソニックサウンドを追及してみてはいかがですか。

皆様のお越しをお待ちしております。

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2019年09月09日「よしくまアドベンチャーin天神崎でシュノーケル!」を開催しました

吉野熊野国立公園 中村千佳子

 こんにちは、田辺管理官事務所の中村です。夏休みが終わり子ども達の声が聞こえなくなった海水浴場は、なんだか少し寂しいような気もしますが、私にとっては、これからがスキューバダイビングで海中観察する絶好のシーズンとなるので、田辺周辺のどの海へ潜りに行こうかと今からわくわくしているところです。

 さて、8月26日(月)に田辺市の天神崎周辺の海域にて令和元年度子どもパークレンジャー事業「よしくまアドベンチャーin天神崎でシュノーケル」を開催しましたのでご報告します。

 当日は県内から30名を超える応募があり、その中から14名の子ども達が参加しました。

 子ども達を海の世界へと案内してくれたのは、日頃から田辺湾でスキューバダイビングのガイドを行っている紀州灘ダイビング組合の皆さんです。まずはウェットスーツの着方やマスクのあわせ方、海中観察時の注意点等を教えてもらい、その後海へ向かいました。

 

海に入る前に事前学習をしました
事前学習

 ウェットスーツを初めて着る子ども達からは「きつい」「暑い」という言葉が聞こえつつも、表情からは早く海に行きたい!という気持ちがでており、私も早く海の中に入ってもらいたい思いになりましたが、そこは安全のため準備を怠らないようにぐっと我慢しました。

 海に到着するとマスクの曇り止めの方法やシュノーケルの水抜きの方法を練習します。

浅場で練習しましたフィンのはきかたを習いました
浅場での練習

 さあ、いよいよグループに分かれて海中観察に出発です。初めは水泳のクロールをするように手を動かして、慣れていない様子の子もいましたが、段々と上手に泳げるようになりました。

 スタッフにナマコを触らせてもらっている子もいました。触った感想を聞くと「初めて触ったけど、柔らかくて気持ち悪かった」と言っていました。

 じっくりと海中観察を行い、ダイビングショップに戻ったら、どんな魚をみたか、図鑑で調べてみたり、スタッフに教えてもらったりしました。

カメラを見つけピースする参加者スタッフに手を繋いでもらいながら泳ぐ参加者
カメラにピース

カメラにピースする参加者スタッフにナマコを手に乗せてもらい感触を確かめる参加者
                       ナマコの感触を確かめる参加者

 子ども達からは、「最初は怖かったけど、スタッフの人が優しく教えてくれて嬉しかった」「サンゴはいないと思ったけど生きているのを見られて嬉しかった」「色んな生き物が見られて楽しかった。また泳ぎたい」等の感想が寄せられました。

 これからも、「地域の宝」である子ども達に、身近な自然について楽しく学びながら、豊かな自然を大切にする気持ちを育てていってもらえると嬉しいです。

海中で見た生きものを調べます集合写真
海中で見た生きものを調べます         集合写真

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2019年08月30日涼しげよしくまリターンズ

吉野熊野国立公園 青谷 克哉

 8月は「葉月」とも言われます。8月には青々とした葉っぱが沢山だし、そういう青々とした景色が広がるから葉月というのかな?と思っていたら、「葉も落ち始める時期、葉落ち月から来ている」という一説が・・・。確かに、旧暦では8月は秋とされていましたからね。それに、台風でいっぱい葉も落ちるし!・・・季節というのは、昔とは随分と変わってしまったようです。四季のある国日本ですが、その四季があるのもいつまでなのか。地球温暖化が騒がれていますのでまずは冬がなくなるのかな?嫌な想像ですね。そうならないように、皆さんもCOOLCHOICEしませんか?インターネットで「クールチョイス」と検索いただければ、環境省開設のホームページで詳しく知ることが出来ますよ。是非中を覗いて、地球温暖化対策のために「賢い選択」をご一考くだされば幸いです。

 さぁ露骨な宣伝が終わったところで、皆さんいかがお過ごしでしょうか?吉野管理官事務所の青谷でございます。今回は、去年の7月にも書きました涼しげよしくまのリターンズをお届けします。私、青谷の担当地域である吉野山・大峰山脈・大杉谷から、独断と偏見により選び出した涼しそうだなと思う写真などを掲載します。

大杉谷の川七ツ釜滝.MOV

まずは大杉谷!やっぱり涼しさと言えばここです。前回もセレクトしましたがここは外せません。今回は初の動画投稿にチャレンジです。上のリンクを押すと、七ツ釜滝の映像が見られます。見られない場合は当方の不具合か、対応した再生ソフトが入っていない可能性があります。

天川村_水の中2

やはり涼しさと水は切っても切れないもの。前回は滝がメインで川少々だったので、水の中に入ってみました。魚が泳いでいますね、こちらは全て天川村での撮影になります。天川村は水が豊富で、洞川地区も温泉宿や宿坊の隣に川が流れていて涼しげです。標高も少し高いところにあるので事務所のあるところより涼しく感じます。

「ひゃっこい」とか「ちべたい」とはどこの方言でしたっけ?それくらいの水温なので入るときは夏でも気をつけて。

氷柱_大普賢岳道中

 

 

最後は氷柱です。季節は冬なのですが、今なら涼しげと思いました。笙の窟(しょうのいわや)というところで、和佐又山ヒュッテから大普賢岳に行く道中にあるのですが、冬に行く際は装備を万全に、無理をせずに登山してください。

 後は、写真はないのですが、天川村にある鍾乳洞(面不動、五代松)や吉野山の金峯山寺蔵王堂内も涼しいです。これがビックリするくらいで、むしろ寒い。鍾乳洞は特にしばれます。拝観料は必要ですが、是非とも体験してみてください。

 世間では海に川にとアウトドアレジャーで暑い中、外に出ないといけないことがあると思います。日射病、熱中症の対策は十分に、無理なく楽しく過ごしましょう。

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2019年07月30日お釈迦様の降り立つ山

吉野熊野国立公園 青谷 克哉

 梅雨の明けた近畿地方からこんにちは。皆さんいかがお過ごしでしょうか?吉野管理官事務所の青谷でございます。

 私の仕事はアクティブ・レンジャー(通称AR)です。ARは日々何をしているかというと、パソコンをカタカタして書類を作成したり、国立公園を見回り、登山道の様子や山中に立つ標識、看板など問題ないか確認したり、様々な情報配信や普及啓発活動なんぞをやっております。仕事の拠点となる吉野管理官事務所は、吉野熊野国立公園の山岳部(北側地域)を主に担当しております。

 そんな吉野事務所管内は山ばっかりです。大台ヶ原に大峯山脈と、聞いたことがあるぞという山々の中から、人気の山を紹介しましょう。歴代のARがすでに紹介しているかもしれませんし、私も書いたかも?と思うのですが、そこは生暖かい目で見て下さい。

 人気がある山、それは釈迦ヶ岳(しゃかがたけ)です。この山は標高1799.9mあり、大峰山脈では近畿最高峰の八経ヶ岳(はっきょうがだけ1915m)、それを挟むように存在する弥山(みせん1895m)、明星ヶ岳(みょうじょうがたけ1894m)に次ぐ4番目に高い山となっております。晴天の景色は「峯中、第一の秀峰」と呼ばれるにふさわしい絶景で、東に台高山脈、南は笠捨山に玉置山、北は八経ヶ岳まで360度に展望がひらけます。

釈迦ヶ岳山頂の釈迦如来像

 

右の写真は、八経ヶ岳方面を見たもので、大峰奥駆道が稜線を走ります。左の写真は、山頂に御座します釈迦如来像です。釈迦ヶ岳山頂に建立されたのは大正13年で、その後平成19年に修復されたそうです。岡田雅行という剛力が、一人で担ぎあげたといわれています。すごいですね。ちなみに、剛力とは職業のことで、大ざっぱに説明すると道案内もする歩荷さんです。

 お隣の仏生ヶ岳が釈迦誕生の地、釈迦ヶ岳は入滅の地と伝えられ、釈迦ヶ岳はお釈迦様のいる世界、我々の暮らす世界とは別のところにつながっていると言われており、聖地、巡礼地として今なお祈りを捧げられています。

 釈迦ヶ岳という山は全国で7山ほど見つけることが出来ましたが、奈良県の釈迦ヶ岳の標高が一番高いようですね。所在地は下北山村と十津川村の村界上であり、下北山村からは前鬼にある宿坊、小仲防の裏から登ります。十津川村からは旭口から登れます。こちらの方が、楽なルートだと思います。

 吉野熊野国立公園には、登れる山がたくさんあります。今のシーズンは山登りには少々暑いのが難点ですが、是非トレッキングに来て下さい。

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2019年07月03日吉野のイチオシ企画!『大台ヶ原自然観察会』

吉野熊野国立公園 小川 遥

 皆さま、こんにちは。吉野管理官事務所の小川です。

早いもので2019年も半ばを過ぎ、もう7月となりました。暑さも増して本格的な夏がやってきますが、夏といえばアウトドア、そして美味しい夏野菜がたくさん並ぶ季節でもあります。野菜売り場に行っては幸せな気持ちになる日々を送っていると、今年の夏も乗り切れるという気持ちになってきます。皆さまも暑さ対策には気をつけながら、是非アウトドアを初めとするアクティビティを楽しんでいただければと思います。

 そこで、本日は、皆さまに大台ヶ原で行っている自然観察会をご案内します☆

このアクティブ・レンジャー(以下AR)日記でも度々登場する大台ヶ原パークボランティア(以下PV)と吉野管理官事務所のARが、皆さまと一緒に東大台を歩き、見どころや動植物の紹介、大台ヶ原にまつわる色々な話をしております。見落としてしまいがちな花やひょっこり現れる動物にいち早く気がついたり、大台ヶ原を歩く上でのコツなど、大台ヶ原で活動するPVだからこそ分かる目線から見た楽しみ方や、環境省が行っているここだけの自然再生の取組みなどを知る絶好の機会です。

珍しい昆虫を発見!!(H30.5観察会)   シロヤシオをルーペで観察♪(H30.7観察会)
珍しい昆虫を発見!(H30.5観察会) シロヤシオをルーペで観察♪(H30.7観察会)

 さらには、天気が良い時は見応えある展望が広がり、雨の時はコケの緑が鮮やかな森の中を歩いたり、霧がたちこめる幻想的な景色を見たり、、、というように、その時にだけ現れる大台ヶ原の姿をより深く堪能することができます。

展望広がる大蛇嵓(H30.10観察会) 霧立ちこめる正木峠(H29.10観察会) 熊野方面の雲海(H29.10観察会)

展望広がる大蛇嵓

(H30.10観察会)

霧立ち込める正木峠

(H29.10観察会)

熊野方面の雲海

(H29.10観察会)

 大台ヶ原は初めてという方にも、行ったことがあるという方にもオススメの自然観察会は、下記の日程で開催予定です。是非ご参加ください。お待ちしております♪

☆吉野熊野国立公園 大台ヶ原地区自然観察会☆

日程:7月13日(土)、7月21日(日)、8月11日(日・祝)、8月24日(土)、10月6日(日)

詳しくはこちらのHPをご覧ください。

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2019年02月28日よしくまの春

吉野熊野国立公園 中村千佳子

 皆さん、こんにちは。田辺自然保護官事務所アクティブ・レンジャーの中村です。

春の訪れを感じる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。事務所周辺では梅の花が咲き、蜂たちが花粉を集める姿が見られ、ほのかに梅の香りが漂っています。周辺の梅林も多くの観梅客で賑わっています。

「一目百万、香り十里」とも呼ばれる梅林を是非、皆さんにもご覧頂きたいと思います。

梅林情報は下記のURLからご覧下さい。

南部梅林開園情報

https://www.minabe-kanko.jp/topic/3224

紀州石神田辺梅林開園情報

http://www.tanabe-kanko.jp/event/kanbai/

 南部梅林に咲く梅の花  梅の花の花粉を集める蜂達

 南部梅林                       花粉を集める蜂達

 さて、今回は紀南地方に春の訪れを感じさせるカスミサンショウウオの産卵について紹介したいと思います。

 カスミサンショウウオは全長10センチ程の両生類で、日本固有種です。西日本の平地から丘陵地にかけて分布し、主に農耕地や水辺周辺の雑木林に生息しています。12月頃から3月にかけて浅い水辺で産卵をし、5月頃までにふ化します。この時期、田辺市稲成町にある「ふるさと自然公園センター」の周辺では、水草等の茎に巻きついたひも状の卵囊と産卵に来た成体を観察することができます。

産卵に来たカスミサンショウウオの成体

カスミサンショウウオ

 よく見ると、つぶらな目と小さな手が可愛らしくてじっと見つめてしまいます。産卵が終わると普段は山の中で暮らしているので、あまり姿を見ることができません。この時期だけの貴重な姿です。卵囊はぷるぷるとした感触で中には沢山の卵が見えます。少し動いているものもありました。

カスミサンショウウオの卵囊はひも状です。

 カスミサンショウウオの卵

 今年も沢山の卵を確認することができ、大変嬉しかったです。

 皆さんもよしくまの春を満喫しにお出かけください。

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2019年02月27日大台ヶ原登録ガイドが増えました!

吉野熊野国立公園 小川 遥

 皆さま、こんにちは。吉野の小川です。

 日が経つのは早いもので、節分の恵方巻きやバレンタインスイーツを楽しんでいる間に2月も終わりに近づき、日々過ごす中での天気や動植物の変化に春が訪れつつあることを感じるようになってきました。こちらの事務所でも、来シーズンの大台ヶ原に向けて、より楽しく利用してもらうために様々な取組みを進めております。今回は、その一つをご紹介します。

 平成29年10月より運用開始となった「大台ヶ原登録ガイド制度」。

大台ヶ原に訪れるみなさんに、深く、楽しく、安心して東大台や西大台を満喫していただくために始まりました。ニーズに対応しつつ大台ヶ原が持つ魅力を伝えていく、一定の要件を満たした多様な得意分野を持つガイドの方達が登録されています。

登録ガイドによるコケのお話

登録ガイドの解説

登録ガイド案内の東大台ツアー

登録ガイドによるコケのお話

登録ガイドの解説

登録ガイド案内の東大台ツアー

 そしてこの度、新規の登録ガイドを募集し、登録講習会を開催しました。

大台ヶ原というと、吉野熊野国立公園を代表する山の一つ、紀伊半島において希少な自然や景観がある場所といった印象がありますが、魅力はそれだけではありません。大台ヶ原がある上北山村ならではの地域づくり、間近で感じることができる自然再生への取組み、独特の歴史やまつわる話などたくさんの要素があります。

 これからガイドを利用される皆さんにそれらを広めるために、登録ガイドとなる方達には、倫理や安全管理を踏まえたガイドとしてのあり方やエコツーリズムからみた観点も含め、さまざまな視点から大台ヶ原を捉えた講習を受けていただきました。

自然再生についての講習

大台ヶ原における安全管理の話合い

自然再生についての話

大台ヶ原における安全管理の話合い

 新たに登録された方も含め、大台ヶ原登録ガイドは、現在なんと31名!

大台ヶ原登録ガイドのHPでは、登録ガイドの皆さんを紹介しております(※今後更新予定の箇所もあります)。是非チェックして、次のシーズンでは、登録ガイドと一緒に大台ヶ原を楽しんでみてください。きっと今まで知らなかった大台ヶ原が見えてくることと思います♪

---------------------【大台ヶ原公園川上線(大台ヶ原ドライブウェイ)冬期通行止め】--------------------

平成30年12月3日(月)午後3時~平成31年4月19日(金)午後3時(予定)

上期間中は冬期閉鎖のため、大台ヶ原山上へ通じるドライブウェイは通行止めです。

詳細はこちら→ 【報道資料】平成30年度奈良県内冬期通行止めについて

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