近畿地方のアイコン

近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

山陰海岸世界ジオパークのモニタリングについて

2024年09月03日
浦富 堀田利明
山陰海岸世界ジオパークのモニタリングについて
 
みなさんこんにちは。浦富自然保護官事務所の堀田です。今回は、山陰海岸ジオパーク推進協議会のモニタリングに同行しましたので、その様子をお知らせします。
モニタリングは、各ジオサイトの保護保全状況や、説明看板をはじめとした関連施設の現況調査を目的に行うものです。
このたびは竹野海岸周辺のジオサイトのモニタリングをしました。宇日(うい)流紋岩の流理(流理:粘り気の強いマグマが流れるときにできた溶岩の流れ模様)がある田久日漁港の北東部を目指して、竹野港から海上タクシーに乗船し、猫崎半島の西岸を北上、半島の先端から東に向かいました。
 
猫先半島西岸の北半分では、美しい規則性のある割れ目をもつ柱状節理や海食洞群を見ることができました。ここは海上からのみ見ることのできる場所です。なお、半島の先端にある灯台まで尾根つたいに自然歩道が整備されています。
猫崎半島西側の柱状節理      
猫崎半島西岸の柱状節理               猫崎半島先端の灯台

宇日流紋岩の流理は、兵庫県の天然記念物に指定されています。ここでは、流理構造が美しい渦巻き模様になっている様子を見ることができます。
      宇日流紋岩の流理拡大
宇日流紋岩の流理                  宇日流紋岩の流理(拡大)

宇日流紋岩の流理から引き返す途中、冠島(別名:包丁島)など独特の形をした岩や小島を見ることができました。
猫崎半島の東岸まで帰ってくると、外国人観光客の家族づれがカヤックを楽しんでおられる様子も見えました。
冠島(別名:包丁島)      猫崎半島東岸の海食洞門
冠島(別名:包丁島)                猫崎半島東岸の海食洞門

竹野港へ上陸後は、たけの観光協会のジオガイドさんに、猫崎半島の波食棚の波食甌穴(おうけつ)群 をはじめ、このあたりが、かつて池や川の畔であった証拠である動物の足跡化石や樹木の化石などについても、ご説明いただきながら確認しました。
動物の足跡化石      ポットホール(甌穴)
 動物の足跡化石                   ポットホール(甌穴)

その後は、休暇村竹野海岸の展望所から望む大浦湾の全景や、竹野スノーケルセンターの案内看板やトイレのバリアフリーの状況などを確認しました。
最後には、兵庫県指定名勝であるはさかり岩の説明看板などの確認・点検を行いました。
皆様もどのようにして、岩がこんな状態になったのか現地で想像してみるとより興味が深まると思います。
大浦湾と竹野スノーケルセンター      はさかり岩
大浦湾と竹野スノーケルセンター          はさかり岩

今回のモニタリングは普段容易に近づけないジオサイトもあり、貴重な機会となりました。
皆様も是非、山陰海岸ジオパークの各サイトを尋ねていただきたいものです。
各エリアのジオパークガイドさんが丁寧に楽しく案内してくださいます。

各ジオサイトの説明や海上タクシーやアクティビーの問い合わせ先などは、下記のホームページをご覧ください。
 
参考:山陰海岸ジオパーク推進協議会 https://sanin-geo.jp/
 
たけの観光協会 http://www.takeno-kanko.com/
 
竹野スノーケルセンター https://takeno-scvc.jp/
 
山陰海岸国立公園 https://www.env.go.jp/park/sanin/